たたみの三島 | ワードプレステーマTCD

たたみの三島|三島 正士さん・智子さん

古き良きを今に活かす。畳職人が紡ぐ新たな文化。

こんにちは、TCDインタビュー編集部です。今回は、京都市右京区に店を構える畳店「たたみの三島」さんにお話を伺いました。長年培われた技術と感性を活かしながら、今の暮らしに合った畳文化を届け続けるその姿勢には、未来を切り拓く力強さが感じられます。

技術で伝える、本物の畳の魅力

– 初めて畳店に伺いましたが、店内に漂うい草の香りに、どこか懐かしさを感じました。

通りがかりの方から「いい香りですね」と声をかけられることもあります。かつては多くの家庭に和室があり、この香りに懐かしさを覚える方も少なくありません。実は、い草は産地によって香りや質感に違いがあるんですよ。店内には見本もありますので、ぜひ手に取って確かめてみてください。

– 弾力やなめらかさに、はっきりと違いがあるのがわかります。

国産のい草は主に熊本など九州産で、中国産との品質差は見た目では判断しにくいものの、実際には大きな違いがあります。国産は粘りがあり、ささくれにくく、耐久性にも優れています。私は「日本の気候で育った素材を、日本の暮らしに取り入れるのが最もしっくりくる」と考えています。やはり、風土に合ったものが生活に自然と馴染むのです。

– 上質な国産い草に、三島さんの技術が加わることで、最高の畳が完成するのですね。

父から受け継いだ職人の技を日々磨いてきました。柱や壁のわずかなゆがみにも対応し、隙間なく仕上げるのが私のこだわりです。見えない部分にも手を抜かず、価格に関係なく、納得のいく仕上がりでなければ気が済みません。それが、職人としての信条です。

– そうした職人の姿勢に、多くの方が信頼を寄せるのも納得です。

長年畳を使ってくださっているお客さまから、再びご依頼をいただくことも多くあります。その良さをご存じだからこそ、自然と品質の高いものを選ばれるのだと思います。「やっぱり畳はいいね」と感じていただけるよう、これからも一枚一枚に真摯に向き合っていきます。

伝統を守るための新たな挑戦

– 創作畳を拝見しましたが、その技術力の高さに驚きました。

創作畳は、生け花や陶芸作品の台として使用する「置き畳」から制作を始めました。少し趣向を凝らした畳を通じて、畳に対する興味を持つきっかけになればと考えたのが始まりです。通常の畳は、いずれ張り替えられる消耗品ですが、創作畳は形として残る「作品」です。

将来的には、料亭や旅館などでアート作品として飾っていただけるような存在を目指しています。たとえば、源氏物語「胡蝶」をモチーフにした創作畳は、「京都工芸ビエンナーレ 京都府美術工芸展」にも入選しました。

– アート作品としての完成度も高く、海外からも注目されそうですね。

これからは国内だけでなく、海外にも発信していきたいと考えています。京都という土地柄、訪日観光客との接点もあり、海外展開の可能性を感じています。一点物としての価値を持つ作品だからこそ、その魅力を理解してくださる方にしっかりと届けたい。まずはウェブサイトを通じた情報発信を検討しています。

– こうした取り組みは、畳文化の継承にもつながっていますね。

畳に触れる機会が増えれば、畳を知らない世代にも、その魅力が伝わるはずです。だからこそ、単に商品を届けるだけでなく、畳の背景や文化を伝えることも、私たちの重要な役割だと考えています。職人の在り方は時代とともに変化していますが、「良いものを、正しく伝え、丁寧に届ける」という姿勢は、これからも変わりません。

「本当に良いもの」を正しく、
そして広く届けるために

– ここからは、サイト制作を担当された智子さんにお話を伺います。ウェブサイトを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

もともと当店の技術には自信があり、「もっと多くの方に届けたい」と感じていました。特に創作畳の取り組みは、海外の方にも興味を持っていただけるのではと思っていたんです。それを発信する手段として、ウェブサイトの必要性を強く感じました。

– ウェブサイトがあれば、海外展開の足がかりにもなりますね。制作にあたり、特に意識された点はありますか?

畳の技術に自信はあっても、伝わり方は見せ方次第です。「どうすれば魅力と信頼感が伝わるか」を常に考えながら取り組みました。畳に関する情報も丁寧に整理し、初めての方にも興味を持っていただけるよう工夫しました。制作を進めるうちにどんどん夢中になり、気づけば朝まで作業していたこともあります。

– それほど情熱を注がれたのですね。テーマにHAKUを選ばれた理由も教えてください。

HAKUを選んだ決め手は、デモサイトの画像の美しさと、洗練されたデザインに強く惹かれたことです。HAKUは一般的な和風デザインにありがちな古臭さや重さを感じさせず、余白や縦書きレイアウトなど、細部にまで「和」の美意識が表現されています。

技術に自信があるからこそ、その価値を適切に伝える手段としてのHAKUは、私たちにとって理想的なパートナーです。これからもHAKUとともに、畳の魅力を発信していきたいと思っています。

編集後記

「たたみの三島」さんは、確かな技術をもとに、畳文化の新たな可能性を切り拓かれています。素材選びから仕上げまで一切の妥協を許さず、畳という伝統を現代の暮らしに寄り添う形で再構築されている姿勢には、大きな感銘を受けました。一般的な畳だけでなく、唯一無二の「創作畳」にもご興味のある方は、ぜひウェブサイトをご覧ください。新しい畳との出会いが、きっとあるはずです。

たたみの三島

https://tataminomishima.com/

新着インタビュー

ページ上部に戻る