– 「インボイス制度」が令和5年10月1日に開始されますが、フリーランスなどの小規模事業者にはどのような影響があるのでしょうか。
免税事業者として営業していた小規模事業者は、インボイス制度が始まると消費税の負担を強いられたり、不利な取引条件への変更を持ちかけられるなどの影響が考えられます。適格請求書発行事業者としての登録は任意ではありますが、取引先から「適格請求書(インボイス)」の発行を依頼されたら従わざるをえない面もあると思います。制度開始までに正しい情報を見極めて、適切に対応する必要があります。
– インターネットやSNSの普及による情報過多社会ですが、フリーランスなどの個人が正しい情報を見極めるのは容易ではないですよね。
YouTubeをはじめインターネット上には様々な税金に関する情報が出回っていますが、玉石混交です。ひとたび検索をするときりがないくらい情報が出てきますよね。税金に関する基礎知識や情報リテラシーが無いと、情報の正確性を見極めるのも困難です。
経理部や企業内税理士のような専門家がいる大企業と比べて、小規模事業者は自分で情報を精査しなければならず不利な面があります。実際に、その情報が自分自身に当てはまるのか判断できず困惑して相談に来られて、それがきっかけでクライアントになっていただいた方も多いです。
– そういった情報弱者とも言えるフリーランスの力になるため、小規模事業者を専門的にサポートされているんですね。
私自身の経験も影響しています。大学卒業後に就職した札幌市内のスーパーを中途退職したため、自分で確定申告をする必要がありました。しかし、税金に関して右も左も分からない状態だった私の苦労は想像に難くないと思います。不安と情けなさを感じました。この経験が私のターニングポイントと言えるかもしれません。誰しもが同じ状況になりうるので、困ったときに相談できる窓口になれたらと思ったのが、税理士を目指したきっかけです。
特にフリーランスなどの小規模事業者は努力の結果がダイレクトに自分に返ってくるため、仕事に情熱を持って頑張っている方が多いです。そういった方の夢のサポートができればと思っています。