株式会社仁秀 | ワードプレステーマTCD

株式会社仁秀|代表取締役 田中 臣来さん

守ること。それは、変化を恐れず挑戦すること。

こんにちは、TCDインタビュー編集部です!
世界遺産でもある京都仁和寺御用達の手づくり陶器「仁秀」。伝統を守るには様々な苦労があることは想像に難くないです。IT系企業での経験を活かした視点で伝統工芸を守ろうと奮闘する代表取締役 田中 臣来(タナカ ミライ)さんの、未来に向けた取り組みについてお話をお伺いしました。

陶器は時代に合わせて
アップデートされていくもの

– サイト上で何度も商品を見ていたので、実際に拝見できて嬉しいです!実物は、一客一客表情が異なり、手づくりの味わいが伝わってきますね。

仁秀の陶器は認定名匠の「ろくろ手挽き」により製作しております。手作りなので、一客一客、形も色合いも違います。実際に触っていただくと、職人の指すじを感じることができる商品もあり、握りやすさと美しさを意識しています。使い込むほどに「経年変化」も楽しめる、そんな陶器になっています。 

– 陶器というと地味な色合いの印象がありましたが、色彩豊かで華美な陶器の数々。本当に美しいです!

ありがとうございます!ブルーピンクといった女性やZ世代にも受けるような「映え」を意識した商品もあれば、通好みの商品もあります。多種多様な商品で、世代を固定せず様々な方に訴求できるよう商品製作を行っています。飲食はもちろん、様々なアイデアで自由に使ってほしいです。海外ではピアスなどの小物入れとして使用されている方もいました。弊社のInstagramでも新たな使用方法などを積極的に発信していきたいです。

– 型にとらわれず新しいアイデアを常に模索する。その姿勢が未来に繋がるんですね。

伝統は需要があるからこそ続いてきました。時代に合わせて販売方法やデザインを変更していかないと生き残れないんです。「古きが良し」ではなく、「良しが古き」になると考えています。その時代で求められるものに対応し、アップデートし続けていくからこそ残っていくんです。仁秀では全ての商品が電子レンジ、食洗器に対応しています。これも、今の時代に合わせたアップデートです。

– 電子レンジや食洗器対応といった利便性。普段使いには重要なポイントです。

普段の暮らしに「豊かさを提供したい」というコンセプトがあります。特売のお惣菜やウーバーなどのデリバリー商品でも、お皿へ盛り付け直すことで、更に美味しく見えると思います。ペットボトルのお茶や缶コーヒーも、そのまま飲むのではなくカップに入れるひと手間を加えることで、心の豊かさが変わってくると考えています。仁秀の商品を日常でお使いいただくことが、豊かな暮らしに繋がれば嬉しいです。

海外展開も一つの選択肢

– 新たな取り組みを積極的に行われている仁秀さんですが、日本の伝統工芸が衰退している現状をどのように感じていますか?

元々弊社は、結婚式の引出物として卸売を行っていました。ただ、それだけでは廃れていくのではという危機感がありました。もうそういう時代ではないですからね。私が継いでから、ホームページをECサイトとして改修、小売りへの販売方法の変更など、リブランドを進めてきました。

伝統工芸が衰退している現状の問題点として、売上に繋がらない販売方法やPR不足などが挙げられると思います。コロナ禍において、ライフスタイルや社会の変化が加速している昨今、従来のままという訳にはいきません。弊社は卸売から小売りへシフトするとともに、現代の生活様式に合わせた商品の改良、ウェブやSNSでの情報配信など、時代に合わせて変化してきました。海外展開も積極的に進めています。

– その結果、今では売上の半分以上を海外での販売が占めるそうですね。

先ほどお話した売上に繋がらない販売方法にも関係しています。残念なことではありますが、日本国内より海外の方が日本の伝統工芸や文化への注目度が高いという現実があります。近くにいいものがたくさんあるのに、国内ではあまり興味を持たれない。それであれば、ニーズがあるところにアプローチし販路を拡大していく必要があります。アメリカや中国、ヨーロッパなど、日本独自の文化は多くの国で注目されていますし、マーケットも国内より大きかったりします。今の時代、ウェブサイトやSNSなど海外へPRする手段もたくさんありますので、変化を恐れず、新たなテクノロジーも積極的に取り入れる姿勢が大事になってくるのではないでしょうか。

– IT企業での経験からWebリテラシーの高い田中さんだからこそ、新たなテクノロジーをどんどん活用できるのかもしれないですね。

窯元の3分の2くらいは後継者不足だと聞きます。儲からない→誰も継がないという負のスパイラルなんです。せっかくいいものを作っていても、今のままではあと数10年で厳しくなるところも多いかと。売上を増やす方法は色々ありますが、海外市場に活路を見出す産業も多くなるのではと思います。弊社での成功体験を別の伝統工芸にも活かしたいと考え、コンサルティング事業も開始しました。

ECサイトで世界へ魅力を発信

– 「EGO.」をご利用いただきありがとうございます!採用いただいた理由を教えてください。

以前は卸売りだったこともあり商品を見せるためのカタログサイトを運営していましたが、今は小売りに業態変更したため、「EGO.」を利用しECサイトを構築しました。拡張性の高いWordPressとWooCommerce、オンライン決済を連携させるため、WooCommerce対応の「EGO.」を採用しました。

海外展開しているので、Alipayなど海外向けの決済も実装しています。まだ完成はしていませんが、サイトの多言語化も進めているところです。商品のリーフレットなどは海外向けに多言語化しているので、サイトも英語や中国語に対応し、海外へ向けてPRしていきたいです。

– 綺麗な商品はウェブ上でも映えますね。商品ページなども見ていて飽きないです。

ECサイトはビジュアルで訴求することが大切なので、綺麗な写真にこだわっています。商品ページでは画像が拡大できるので、細部が見たいときに便利ですよね。視覚的要素のあるメガメニューも気に入っています。テーマのようにパッケージ化されている方が修正・管理も楽で使いやすいです。

– トップページに「8ブロックコンテンツ」や「カルーセルスライダー」なども活用いただいていますね。素敵なサイトをご作成いただき嬉しいです!最後に、今後の目標を教えてください。

ここ京都をはじめ、日本には世界に誇るべき多くの伝統産業や文化があります。一方で、多くのものが衰退し始めているのも現実です。そこで、弊社がモデルケースとなりノウハウをお伝えすることで、業界全体を盛り上げていきたいと思っています。

繰り返しになりますが、売上が無いと、どんなにいいものでも続けていくことはできません。廃れてしまうのです。どうやって売り上げを増やし、伝統を守っていくか。そこを突き詰めていきたいです。また、メタバース上での販売の展開など、新しい取り組みも積極的に行っていきたいです。

編集後記

株式会社仁秀 代表取締役の田中さんにお話をお伺いしました。伝統を守るには、柔軟な姿勢も大切だなと感じました。多角的な視点で物事を捉え、固定観念にとらわれない。そうやって、改良を続けた結果が伝統なんだなと。仁秀さんのタンブラーを購入させていただきましたが、気に入って毎日使わせてもらっています。ぜひお気に入りの逸品を探してみてください。

株式会社仁秀

https://ninshu.com/

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