2021/2/12 情報を更新いたしました。

WordPressでホームページを作成しようとされている方は色々調べられていることと思います。最近は初心者向けとして書かれている内容でも「子テーマの作り方」というものを目にするのではないでしょうか。子テーマを作らないと、テーマのアップデートの際にテンプレートファイルへのカスタマイズが上書きされてしまうことがあるので子テーマを作って運用するべきである。というのがその内容のほとんどだと思います。

WordPressは高機能なテーマやプラグインが多く存在することでも知られています。また、WordPressの管理画面には「追加CSS」の機能も標準で実装されているということもあります。もし子テーマを作る目的が親テーマのデザインにチョイ足し(CSSで見出しやボタンを変更)したいレベルなら、あなたにとって子テーマ化はデメリットになるのかもしれません。

今回は、WordPressで子テーマを作らずに運用するメリットと、子テーマをつかわないカスタマイズ方法について紹介します。

※TCDテーマは一般的な方法で子テーマ運用することは可能ですが、子テーマ運用に伴う不具合につきましては弊社サポートの対象外となっております。何卒ご了承下さいませ。テーマのカスタマイズを行わず、テーマに搭載されている機能のみで運用頂く場合は、基本的には子テーマ運用は不要です。

WordPressでいう子テーマとは・・・?

子テーマとは、WordPressテーマのデザインをカスタマイズする際に用いるカスタム専用のテーマです。「子テーマ」を利用することで「親テーマ」をベースとしたテーマのカスタマイズを実現し、サイトの見映えを簡単に変えることができます。子テーマは親とするテーマのバージョンアップに影響をされず保持される為、アップデートの際カスタマイズ内容を保持することが可能になります。

WordPressで子テーマを作らずに運用するメリット

そもそも子テーマを作る手間を省くことができる

子テーマの作成は、慣れている人であれば数分で終わってしまうような簡単な作業であるのかもしれません。「テーマインストールをしたらすぐ、子テーマをつくろう!」という内容はいまや常識であるかのように手法を含めて紹介されています。プラグインを使った子テーマの作成方法や、例となるディレクトリの共有をされている場合もあります。テーマ配布の際子テーマが同梱されているケースもあるほどです。

イチから自作する子テーマ導入

プラグインを使って手軽に子テーマ導入

ところが、WordPressの公式テーマディレクトリから配信されていないテーマにおいて、子テーマでのカスタマイズを制限(?)するように開発されているテーマも存在します。その中には子テーマを適用するとテンプレートファイルの参照先が繋がらなくなったり、エラーが出たりデザインが崩れたりしてしまうケースもあるようです。時間を掛けて見つけたお気に入りのテーマ。ノリノリな気分でインストールして有効化。さぁ作り出そうというタイミングで、子テーマ化につまづいてしまうと、テーマの使用を断念することになるかもしれません。また、再度テーマ探しに時間を使うことになるわけです。

TCDテーマは、WordPressの公式テーマディレクトリからの配信ではありませんが、一般的な方法において子テーマ運用することが可能です。※一部古いテーマにおいて子テーマ運用に対応できていないテーマオプションが存在しますが、古いテーマについても順次対応を進めております。新しいテーマをご利用いただく分には問題ありません。

知識が少ない初心者にとっては、エラーや崩れが起こった時、作業のミスでつまずいているのかテーマが原因なのかを判断することが難解です。普通に子テーマを作るだけではうまく機能しないテーマがある。ということを知っておくことはリスクを認識する上で大事なことです。

また、テンプレートファイルの構造や使用されている関数などはテーマごとに異なるため、イチからカスタマイズをしていくには上級者でも場合によりかなり時間が掛かります。カスタマイズに関わる検証も必要です。コードを書くことなど学びになる要素はあるかもしれませんが、WordPressを使って構築したコンテンツで成し遂げたかった目的はそういうことでしょうか。同じ時間を使われるのであれば本来の目的の為に使うことが望ましいかもしれません。

テーマのアップデートに即対応が可能

子テーマを作らず運用することで、使用中のテーマに何かアップデートがあったときにすぐ対応できるということは大きなメリットです。

子テーマ化のメリットが「子テーマでカスタマイズをすればカスタマイズ内容が失われることがない」ということは・・・裏返すと、親テーマのアップデート内容を子テーマの方へ適用するためには「アップデート部分を確認して子テーマ側のファイルにも反映させる」必要があるということです。親テーマのアップデートが「重要なアップデート(セキュリティ対策、致命的なミス)」でないようなら子テーマに反映する必要性はないかもしれません。しかし、その判断をすることも手間であることに代わりはないでしょう。子テーマを作らずにサイトを運営すれば、そもそもそんな心配をする必要すらなくなるわけです。

子テーマを作らずに対応可能なカスタマイズ手法について

すでに使用中のテーマ、お気に入りのテーマを少しカスタマイズをしたいレベルなら、子テーマは作らずに次の方法でカスタマイズしていくことをオススメします。手前味噌ではありますがTCDテーマはこのあたりに開発の神経を集中しています。

TCDテーマオリジナル機能

TCDコンテンツビルダー

TCDコンテンツビルダーは、キャッチフレーズ・3点ボックスコンテンツ・画像付きショーケース・スリースペースなど、テーマの特徴に適したコンテンツがあらかじめ用意されており、トップページを構成する各コンテンツの追加・削除が簡単に行えます。各コンテンツの表示する順番も自由に変更することができますので、運営目的に合わせてオリジナルのトップページを構成することが可能です。

TCDコンテンツビルダー

投稿ページ、固定ページの制作をサポートするページビルダー機能もあります。

TCDテーマオプション

TCDではコンセプトに基づいたテーマのラインナップが揃っており、各テーマごとに最適なテーマオプション機能を搭載しております。そのため、WordPress初心者の方でもあらゆる設定がスムーズに操作することができ、ホームページとして機能するまでの初期設定がとても簡単です。

TCDテーマオプション

カスタムCSS(TCDテーマオプション内)

カスタムCSSに任意のCSSを登録することで、HTML上の~タグ内(テーマで利用しているCSSファイルよりも後)に読み込まれます。これにより、テーマファイルを直接編集することなく安全かつ手軽にカスタマイズを行って頂けます。

カスタムCSS

追加CSS(WordPressカスタマイザー内)

TCDテーマオプションの中にあるカスタムCSSと類似した機能ですが、WordPress4.7以降のバージョンでは、ワードプレスをインストールすると「追加CSS」という機能が使えるようになっています。

カスタムCSS(TCDテーマオプション内)の方が後から読み込まれます。同クラスにCSSを記述した場合は追加CSSよりもカスタムCSSを優先して表示します。

関数や機能を追加するプラグインを活用

Meta Slider

レスポンシブ対応の画像スライダー作成します。テンプレートに埋め込むだけでは無く、記事単位でもスライドショーを埋め込むことができるため、記事の表現の幅を広げることができます。

Meta Slider

WP Tab Widget

人気記事や新着記事を表示したウィジェットは、サイト内のコンテンツをスクロール一つで簡単に見渡すこともでき、もはやサイト制作者にとって必携のウィジェットといっても過言ではありません。

WP Tab Widget

他にも多様なプラグインがあります。プラグインを上手に組み合わせることで、子テーマ化という手法を取らなくてもカスタマイズが可能となります。プラグイン開発者が活発にメンテナンスを行っているかどうか大切な判断基準です。カスタマイズとメンテナンス性の両立ができる点がプラグインの活用メリットです。

子テーマを作った方が良い時

子テーマを採用するべきケースについて

もちろん子テーマを作る方が良いケースも存在します。テーマのテンプレートファイル(ヘッダー、フッター、投稿、固定ページ、カテゴリーアーカイブページなど)やテーマに含まれるJavascrip(js)、fontなど、外部ファイルを部分的に改編・削除または修正する場合です。プラグインなどでうまく表示できない場所にバナーやテキストを追加したい場合も当てはまります。プラグインなどで手の届かない細かいカスタマイズまで実現しようとするとphpファイルなどに直接手を加えることになりますので、その場合は子テーマ化して運用するメリットがでてきます。

テキスト、ボタンの配置などレイアウトを大きく変更したい時も子テーマ化して対応することがあります。前述のCSS(カスタムCSS、追加CSS)で変更することも可能ですが、シンプルにコードの並び順を調整するときなど、子テーマ化して管理することが適しています。テーマオプションの設定では実現できないカスタマイズを実現する為に直接コードを修正する必用があったり、オリジナリティを表現することみこだわる場合は子テーマ化の運用メリットがでてきます。

子テーマ採用にあたっての留意点

子テーマ運用をする場合は子テーマ側でカスタマイズする内容を必要最低限に留めるようにして、親テーマのアップデートで何か重要なアップデートがあった際はすぐ対応できるようにする。現実的に運用が可能なバランスをしっかりと考えて子テーマ化を検討すると良いでしょう。

まとめ

子テーマの導入で複雑なカスタマイズ、大規模なレイアウトの変更を実現することはもちろん可能です。しかし、そのカスタマイズが与える影響は良いことばかりではありません。質の高い情報を発信する為に導入したWordPress。しかし、カスタマイズに気を取られて手間取っていたら「本末転倒」です。

当記事の内容を参考に、運用の負担、リスク増加と天秤にかけた上で子テーマ運用を検討してみてはいかがでしょうか。