MEO(Map Engine Optimization)とは、ローカル検索やGoogleマップにおける店舗情報の掲載順位を上げる施策のことです。MEOはローカルSEOとも呼ばれており、地域に特化したSEOのことだとお考えください。
本記事では、MEOの基礎知識から、順位を上げるための具体的なノウハウまで網羅的にご紹介します。地域の顧客にあなたの店舗をより多く知ってもらい、集客に繋げる方法が理解できるはずです。
なお、本記事でご紹介するノウハウは、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の活用が前提となります。GoogleビジネスプロフィールはMEOに不可欠なので、もし登録や各種設定がお済でない場合、まずは以下の記事をご覧ください。
「最近、近隣の店にお客を奪われている気がする。どうすれば戻ってきてもらえるか?」 「予約サイトやポータルサイトに毎月支払うのがもったいない。別の集客も考えないと・・・」 「SEOやSNS、いろいろ聞くけど、何から始めれば良いのか?」 飲食店、美容院、整骨院等の店舗オーナーにとって、ネット集...
MEOとは?
MEO(Map Engine Optimization)とは、ローカル検索やGoogleマップ上で、店舗情報(ビジネスプロフィール)を上位表示させ、露出を高める取り組み・手法のことです。ローカルSEOとも呼ばれます。
例えば、地域に関連するキーワードでGoogle検索すると、以下のように地域の店舗情報が3枠表示されます(ローカルパック)。
Googleマップで検索した際も、ローカルパックと同じような形式で店舗情報の一覧が表示されます。
MEOを実施することで、ローカルパックやGoogleマップ上の店舗一覧で自分のお店が上位表示されやすくなり、予約や来店など集客に繋がる、という仕組みです。
ローカル検索結果の順位が決まる仕組み
ローカル検索結果の掲載順位は、主に以下の3つの要素で決まるとGoogleは述べています。
関連性
関連性とは、ユーザーの検索キーワードとGoogleビジネスプロフィールの情報がどれだけ一致しているかを指します。
例えば「東京 四川料理 新宿」 と検索された場合、「東京新宿にある四川料理専門の中華料理店です」 といった記述があれば、上位表示される確率が上がります。お店の説明文にキーワードを盛り込みつつ、具体的な情報を記載することが重要です。
距離
ユーザーの現在地または指定された場所から、お店の所在地までの距離を指します。
例えば「東京 恵比寿 ラーメン」 と検索すると東京恵比寿のラーメン店が優先的に表示されます。
地域名を入れずに単に「ラーメン」 と検索した場合は、検索したユーザーの位置情報に基づき、距離の近いお店が表示されやすくなります。ただ、必ずしも距離だけで決まるわけではなく、クチコミの数や評価、Web全体での知名度といった要素も影響します。
視認性の高さ
視認性の高さは、わかりやすく言うとビジネスの知名度や存在感のことです。
高評価のクチコミが多かったり、SNSで話題になっていたり、公式サイトに多くの被リンクが付いていてWeb検索で上位表示していたりする場合、視認性が高いと判断されやすくなります。
Web上にお店の情報を網羅的に掲載し、話題になることが重要であり、そのためにはGoogleビジネスプロフィールだけでなく、お店の公式サイトやSNS、予約サイトなどを多面的に活用する必要があります。
参考情報:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法 – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
MEOとSEOの違い
一般的なSEO(Search Engine Optimization)は、通常のWeb検索での順位向上を目指すのに対し、MEOはローカル検索に焦点を当てているのが大きな違いです。MEOは特定の地域内でのビジネスのプレゼンス(存在感)を高めることが目的であり、対策するキーワードも地域関連のものに限定されます。
MEOとSEOは相反するものではなく、密接に関係しているものです。例えばお店の公式サイトが通常のWeb検索で上位表示していると、ローカル検索結果における店舗情報の掲載順位にも良い影響を与えます。Googleビジネスプロフィールだけでなくお店の公式サイトも運用し、価値あるコンテンツを発信して検索エンジンからの評価を獲得すれば、MEOの成果も加速するということです。
MEO = Googleビジネスプロフィールの運用、という解釈も狭義では間違っていませんが、成果を最大化するには、通常のSEOも含めた総力戦が求められます。
MEOの重要性
なぜMEOが店舗ビジネスにおいて重要なのかを解説します。
地域密着型ビジネスの集客手段として有効
多くのユーザーは、地域の店舗やサービスを探す際にローカル検索や地図検索(マップ検索)を利用します。例えば特定のエリアでランチを探すとき、大抵の場合、スマホで「〇〇〇(エリア名) ランチ」 「〇〇〇(エリア名) 焼肉」 などと検索するはずです。
スマートフォンの普及により、ユーザーはいつでもどこでも検索エンジンを利用するようになりました。特に外出先では上記のような地域に関連した検索が多用されます。その数は飛躍的に増加しているとGoogleも述べています。
Mobile searches for “store open near me” (such as, “grocery store open near me” and “auto parts store open near me”) have grown by over 250% in the last two years.(近くで営業している店(「近くで営業している食料品店」や「近くで営業している自動車部品店」など)のモバイル検索は、過去2年間で250%以上増加した。)
引用:Mobile search data for stores open near me – Think with Google
MEOを実施して、ローカル検索や地図検索で店舗情報が目立つようにしておけば、多くの見込み顧客の目に触れることになり、集客に貢献するでしょう。
差別化と競争優位性
大手企業の運営するチェーン店やマーケティング感度が高い一部のビジネスを除けば、一般的に、店舗ビジネスはWeb施策への適応が進んでいません。
Googleビジネスプロフィールの情報を整備したり、クチコミにちゃんと返信したり、Webサイト、SNSでの情報発信を行ったり、といったMEO施策はあまり実施されていないはずです。やっていたとしても中途半端です。
だからこそ、MEOに真面目に取り組めば競合に対して優位性を持てるのです。特に地域内の競合が何もしていない、例えばビジネスプロフィールのオーナー登録すらせず放置しているような状況であれば、ビジネスプロフィールの基本的な情報を整備するだけでも大きな差別化、選ばれる理由となります。
・Google 検索と Google マップに表示されるビジネス プロフィールの全項目が記入されていると、ビジネスに対するユーザーからの信頼度が 2.7 倍高くなります。
・詳細なビジネス プロフィールを掲載すると、ユーザーがアクセスする可能性が 70% 高くなり、購入を検討する可能性が 50% 高くなります。
引用:Google ビジネス プロフィールを作成する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
費用対効果の高さ
MEO施策の核となるのはGoogleビジネスプロフィールの運用ですが、このサービスは完全無料で使えます。基本的な設定や編集にスキルは不要で、学習コストもかかりません。多額の広告宣伝費も必要ありません。
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比較的低コストで実施できるマーケティング手法でありながら、ローカル検索や地図検索での露出を増やし、より多くの顧客にアプローチできます。
MEOの成果を最大化するには、公式サイトを構築・運用したり予約サイト、ポータルサイトに出稿したりといった施策も必要で、そこには多少なりともお金がかかりますが、最初は完全無料でできる施策だけでも構いません。そこで成果が実感できたら、徐々に施策範囲を広げていけば良いのです。
ローカル検索の順位を上げるためのノウハウ
ここからは、ローカル検索の順位を上げるためのMEO施策をご紹介します。
1. Googleビジネスプロフィールの最適化
最も重要な施策が、Googleビジネスプロフィールの情報を完璧に整えることです。情報が充実していると、検索キーワードとの関連性や一致度が高まり、上位表示しやすくなります。
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基本的なビジネス情報を漏れなく記載する
Googleビジネスプロフィール編集画面の「プロフィール」 から設定できる以下のような項目を漏れなく記載しましょう。
-
- ビジネス名
- カテゴリ
- ビジネスの説明
- 住所
- サービス提供地域
- 電話番号
- 営業時間
住所や電話番号、営業時間に変更があった際は、素早くそれを反映させることも重要です。
参考情報:Google でビジネス プロフィールを編集する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
正確なカテゴリを設定する
カテゴリの正確性は、ランキングに影響するため重要です。
たとえば、メインカテゴリが「ピザレストラン」のビジネスは、レストラン、イタリアン レストラン、またはピザを検索したユーザーのローカル検索結果に表示される可能性があります。カテゴリは、Google のローカル検索結果のランキングに影響する要因の 1 つです。
引用:ビジネス プロフィールのカテゴリを選択する方法 – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
カテゴリはGoogleが用意した中から、ビジネスの中心事業に最もマッチするものを選びます。提供商品やサービスが何であるか、ではなく、あくまで「何の事業か?」 という観点で選ぶことがポイントです。
フィットネスジムなら、「フィットネスジム」 「スポーツクラブ」 など、ビジネスの中心となる事業内容に基づいて選びます。 「ヨガ」 「ピラティス」 など、提供する特定のプログラムに基づいて選ぶのは避けてください。
ビジネスの説明は具体的かつ詳細に
ビジネスの説明は750文字まで入力できます。ビジネスの特徴や強み、歴史、顧客にとっての利点を具体的かつ詳細に記載してください。
ヘアサロン『〇〇〇〇〇〇』は、新宿駅から徒歩5分の場所にある美容院です。2005年に創業し、年間1,000名以上のお客様にご利用いただいています。カット、カラー、パーマ、縮毛矯正、ヘッドスパ、トリートメントなど多彩なメニューをご用意。全スタイリストが国内外のコンテストで受賞歴を持ち、常に技術とセンスを磨いています。お客様の髪質や顔立ちに最適なスタイルを提案するために、初回カウンセリングの時間を30分設けております。心地よい空間とリラックスできる時間を提供することにも力を入れており、3つのプライベート感のある個室も完備。全てのお客様に快適で満足のいく時間を提供することをお約束します。ぜひ一度、エレガンスで極上のヘアケア体験をお楽しみください。オンラインでの簡単予約も可能です。
なお、割引情報や特典などのプロモーション要素は含めないよう注意してください。
プロモーション、価格、セールに関する詳細ではなく、ビジネスに関する詳細を中心に記載します。
引用:Google でビジネス プロフィールを編集する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
2. クチコミの取得と管理
Googleビジネスプロフィールのクチコミの数や評価もランキングに影響します。
ローカル検索結果の順位は「距離」 が大きなウェイトを占めますが、高評価のクチコミが多いと、検索ユーザーの現在地から多少離れていても上位表示されることがあります。
実際に検索してみてください。必ずしも距離の近さだけで順位が決まっているわけではないと気付くはずです。
顧客からのクチコミもコンテンツの一種です。Googleビジネスプロフィールのコンテンツが充実すればするほどローカル検索のランキングも向上する傾向にありますので、お店からの発信だけでなく、顧客からのクチコミも戦略的に集め、管理する必要があります。
サービスレベルの底上げが大前提
現状、お店の評価が低いなら、そもそものサービスの質を底上げする必要があります。
という当たり前の原則を忘れてはいけません。サービスの質が劣悪な状態でクチコミを集める施策を打っても、ネガティブなクチコミが増えるだけです。
お店のサービスレベルを上げるには、以下の2つの視点が有効です。
-
- 不満要因を排除する
- 満足要因を強化する
不満要因はそれが「ある」 だけで顧客体験を悪化させ、クレームや低評価に繋がる性質のものです。これはどのような業種業態のビジネスでもほぼ共通しており、以下のような点が挙げられます。これらは早急に改善する必要があります。
-
- レジや注文カウンターでの待ち時間が長い
- サービスや商品提供までの時間がかかりすぎる
- 注文や会計のために大声でスタッフを呼ばないといけない、呼んでも来ない
- 席に着いていつまでも放置される、水も持ってこない
- スタッフの無愛想な対応や無関心な態度
- スタッフ同士の私語が目立つ
- 商品・サービスが期待していた品質に達していない
- 商品に欠陥や不具合がある
- 価格に見合った価値が提供されていないと感じる
- 店内が汚れている、整理整頓されていない、タバコ臭い
- トイレや試着室などの清掃が行き届いていない
- キャンペーン内容がわかりにくい、または誤解を招く
- 特典や割引の適用条件が複雑、不親切、使わせる気がない
- オンライン注文と店舗受取のプロセスがスムーズでない
- オンラインで表示されている在庫情報が実店舗と異なる
- クレームや問い合わせへの対応が遅い
満足要因は不満要因ほどパターン化するのは容易ではありませんが、まずは顧客が来店する理由を正しく理解し、そのニーズを確実に満たすことが重要です。その上で、顧客の期待を良い意味で裏切ることです。
-
- 購買データや顧客アンケートなどを活用して、顧客がどのような理由で来店しているかを把握する
- 基本的なニーズを確実に満たすために、品質の高い商品やサービスを提供する
- 顧客の過去の購入履歴や好みに基づいて、個別にカスタマイズされた接客・提案を行う
- 誕生日や記念日のお祝いに特別なギフトやメッセージを提供するなど、小さな気遣いやサプライズを用意する
- スタッフが顧客の名前をちゃんと覚え、「お客さま」 ではなく「〇〇〇さま(さん)」 と呼ぶ
- 予約来店に対しては、手書きの名前入りメッセージカードを用意しておく
- 接客時、商品やサービスに関連するストーリーを伝え、感動や共感を引き出す
店舗オーナー様も一人の消費者として、感動するサービスとそうでない平凡なサービスの違いについては実体験があるはずです。それを自店の改善に活かすと良いでしょう。
クチコミ投稿を積極的に依頼する
顧客からのクチコミ投稿をただ待つのではなく、こちらから積極的に投稿を促しましょう。以下の施策リストを参考にしてください。
クチコミ投稿依頼のアクション施策リスト | |
レシートにQRコードを印刷 | レシートに「クチコミを投稿していただけると嬉しいです」 といったメッセージとQRコードを印刷。QRコードのスキャンで、直接Googleビジネスプロフィールのクチコミ投稿ページに飛ばす。 |
フォローアップメールの送信 | 購入後にフォローアップメールを自動で送信し、クチコミ投稿を依頼。メール内にクチコミ投稿用のリンクを含める。 |
店内ポスターの設置 | 店内の目立つ場所に「クチコミをお聞かせください!」 といったポスターを設置。QRコードや短縮URLを記載し、簡単にアクセスできるようにする。 |
デジタルサイネージの活用 | 店内のデジタルサイネージでクチコミ投稿を促すメッセージを表示する。 |
スタッフからの口頭依頼 | 会計時や商品受け取り時に、スタッフが直接クチコミ投稿をお願いする。 |
ソーシャルメディアでの依頼 | Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などのソーシャルメディアでクチコミ投稿を呼びかける投稿を行う。 |
Webサイトへのリンク掲載 | 店舗の公式サイトにGoogleビジネスプロフィールのクチコミ投稿ページへのリンクを貼る。 |
名刺の活用 | 名刺にQRコードと「クチコミをお聞かせください」 というメッセージを印刷し、顧客に配布する。 |
手書きのメッセージ | クチコミ依頼の文面を手書き風にすると反応率が上がりやすい。 |
オンライン購入後のメッセージ | オンラインで購入した顧客に対して、購入完了ページや確認メールでクチコミ投稿を依頼するメッセージを表示。 |
クチコミ投稿を依頼する際は、必ず、以下の3点をセットで伝えてください。
-
- クチコミ投稿を依頼する理由(お客様の声が励みになる、業務改善に活かす、など)
- クチコミ投稿の文面のサンプル(クチコミで使ってほしいキーワードを盛り込んでおく)
- クチコミ投稿の仕方(ITリテラシーの低い人でも完璧に理解できるよう平易に説明)
「なぜ?」 「どうやって?」 という顧客の疑問を解消することで反応率が高まります。
ちなみに、割引や特典などの見返りを餌にクチコミ投稿を依頼するのはGoogleの規約に抵触します。「Googleマップへのレビューで会計10%オフ!」 といったオファーはできませんが、工夫次第では規約に抵触しない形で似たようなことができます。
例えば、ノベルティグッズを無料配布して、そこにクチコミ依頼のメッセージカードや冊子を封入するのは「賄賂」 ではないので、Googleの規約には抵触しません。無料プレゼントを貰った顧客が自発的にクチコミを書く、という形になると解釈できるからです。
全てのクチコミに返信する
顧客からのクチコミは、星評価だけのものも含めて全てに返信するのが鉄則です。顧客は自分の意見が尊重されていると感じることで、信頼関係が構築されます。新規顧客に対しても、誠実で対応力のある店舗であることをアピールできます。
クチコミ返信のポイント | |
迅速に返信する | クチコミの通知を確認したら、できるだけ早く返信する(ネガティブなクチコミは特に)。 |
具体的な内容を含める | 定型文ではなく、顧客が言及したサービスや商品、体験、感情など、具体的な内容を含める。 |
お店のウリをさりげなくアピールする | 星4以上のクチコミに対しては、お店のウリ(新商品や強み、こだわり)をアピールする文言を入れる。 |
再来店を促す文言を添える | 星3以上のクチコミに対しては、「またのご来店お待ちしています」 など、再来店を促す。 |
オーナーや責任者の署名を添える | 返信の最後に、「〇〇〇店オーナー 田中太郎」 のような署名を添える。 |
ネガティブなクチコミ(正当な指摘)への対処 | 真っ当な指摘であれば謝罪と指摘への感謝、具体的な改善策を述べる。 |
ネガティブなクチコミ(言いがかり)への対処 | 単なる言いがかりには、指摘への感謝と怒りへの理解を示すだけに留める。安易に謝罪しない。 |
星評価のみのクチコミの対応 | 星評価のみの場合、星評価別に返信テンプレートを用意して運用工数を削減する。 |
誹謗中傷や営業妨害への対応 | Googleにクチコミの削除申請をする。 参考:Google のビジネス プロフィールからクチコミを削除する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ |
3. NAPO情報の統一
NAPO情報とは、Name(店名)、Address(住所)、Phone Number(電話番号)、Operating Hours(営業時間)のことです。
Googleビジネスプロフィールの他にWebサイトやSNS、予約サイトなど、複数の場所で店舗情報を掲載している場合、それぞれの場所でNAPO情報が統一されていることが非常に重要です。
そうすることで検索エンジンの評価が向上し、ローカル検索結果での順位アップに繋がります。
NAPO情報統一のポイント | |
Name(店名) | 店名、ビジネス名は完璧に統一します。半角と全角、カタカナとヒラガナ、半角スペースの有無など、わずかな表記揺れもNGです。マーケティング目的の装飾後も付けてはいけません。 |
Address(住所) | 「2丁目12-7」 「2-12-7」 といった番地の表記揺れは問題ありません。ビル名は省略せずに記載してください。 |
Phone Number(電話番号) | 番号が合っていれば、ハイフン(-)の有無などは関係ありません。 |
Operating Hours(営業時間) | それぞれの場所で営業時間の不一致がないよう注意してください。祝日や特別なイベントの営業時間も統一しましょう。 |
情報の更新後は必ずダブルチェックを行い、すべてのプラットフォームで情報が一致していることを確認してください。
4. キーワードの最適化
Googleビジネスプロフィールの説明文やWebサイトのコンテンツに、地域関連のキーワードを使用しましょう。これはGoogleが重視する「関連性」 を高めるために有効です。
最初はロングテールキーワードを対策する
「ラーメン」 「〇〇〇(地域名) ラーメン」 といった、検索数の多いビッグキーワードで上位表示できれば理想ですが、競合店舗もMEOに力を入れている場合、それらのキーワードですぐに上位表示するのは難しいでしょう。知名度やクチコミ評価が高い競合店舗が多ければなおさらです。
最初は「〇〇〇 ラーメン あっさり」 「〇〇〇 ラーメン 遅くまで」 といったロングテールキーワードを対策することをおすすめします。ビッグキーワードほど競争は激しくないため、上位表示の確率は高まります。ロングテールキーワードを使用するユーザーはニーズが明確なので、予約や来店に繋がりやすい、というのも利点です。
ロングテールキーワードを探す際は、キーワード調査ツールを活用しましょう。例えば「ラッコキーワード」 は無料でロングテールキーワードのアイデアを大量に抽出してくれます。国産ツールでUI・UXに優れ、操作が簡単なのもおすすめポイントです。
他にも多くのキーワード調査ツールがありますので、詳しく知りたい場合は以下の記事を参照ください。
キーワード選定作業が捗る、おすすめのSEOキーワードツールを5つご紹介します。 Ahrefs(エイチレフス) Googleキーワードプランナー Keyword Tool ラッコキーワード Googleトレンド これら5つのツールは、SEOのプロも現場で使っている...
ロングテールキーワードの掛け合わせアイデア
例として、ロングテールキーワードの単語の掛け合わせをご紹介します。
どんなビジネスでも「これはロングテールキーワードで表現できるかも?」 という特徴や商品・サービス、メニューが必ずあるはずです。それを探すためのヒントになれば幸いです。
ロングテールキーワードの掛け合わせアイデア | |
利用シーン | 〇〇〇 子連れ歓迎 〇〇〇 ペット同伴可 〇〇〇 ビジネス 〇〇〇 忘年会 〇〇〇 新年会 〇〇〇 貸切可 〇〇〇 デートにおすすめ 〇〇〇 ファミリー向け 〇〇〇 ひとり 〇〇〇 女性専用 〇〇〇 カップルプラン 〇〇〇 大人数 〇〇〇 ランチ 〇〇〇 ディナー |
営業時間・アクセス | 〇〇〇 早朝営業 〇〇〇 深夜営業 〇〇〇 夜間 〇〇〇 当日 〇〇〇 24時間営業 〇〇〇 駅近 〇〇〇 週末限定 〇〇〇 日曜日 〇〇〇 夜間診療 〇〇〇 繁華街近く |
設備・環境 | 〇〇〇 バリアフリー 〇〇〇 駐車場完備 〇〇〇 Wi-Fi完備 〇〇〇 個室 〇〇〇 個人店 〇〇〇 プライベートサロン 〇〇〇 禁煙 エリア 〇〇〇 充電スポット 〇〇〇 子連れOK 〇〇〇 女性スタッフのみ |
費用・支払い関連 | 〇〇〇 安い 〇〇〇 格安 〇〇〇 高級 〇〇〇 リーズナブル 〇〇〇 保険 〇〇〇 保険適用 〇〇〇 クレジットカード |
提供サービス・メニュー | 〇〇〇 骨盤矯正 〇〇〇 ギックリ腰 〇〇〇 ヘルニア 〇〇〇 眉カット 〇〇〇 ダブルカラー 〇〇〇 パーティーヘアセット 〇〇〇 魚介 〇〇〇 割烹 〇〇〇 野菜 〇〇〇 寿司 〇〇〇 肉料理 〇〇〇 定食 〇〇〇 セルフサービス 〇〇〇 日本酒 〇〇〇 ビール |
あらゆる場所にキーワードを自然に盛り込む
Googleビジネスプロフィールの説明文やクチコミの返信文、Webサイトのtitleタグやdescriptionタグにロングテールキーワードを自然に盛り込みましょう。
説明文例:「当店のあっさり系ラーメンは、東京恵比寿で大人気です。スープが軽く、ヘルシー志向の方にもおすすめです」
「〇〇〇 ラーメン 遅くまで」
説明文例:「新宿で遅くまで営業しているラーメン店をお探しなら、当店へどうぞ。深夜2時まで営業しており、仕事帰りや夜食に最適です」
顧客のクチコミに返信する際にもキーワードを自然に含めることで、関連性が高まります。以下のように自然な形でキーワードを盛り込みましょう。
Webサイトのトップページのtitleタグは、以下のように「ロングテールキーワード + 店名」 という形が良いでしょう。検索エンジンとユーザー双方に対し、地域との関連性を自然にアピールできます。
SEO対策として一番最初に行うのが、タイトルやディスクリプションの設定です。タイトルタグやメタディスクリプションは、内部SEOで最も基本かつ重要な設定の一つです。今回はタイトルやメタディスクリプションの基本的な考え方と設定方法について解説します。 「meta title」とは title...
5. 数多くの媒体で露出する
Googleが重視する「視認性の高さ」 、つまり知名度を上げるためには、Web上で多くお店情報を露出させる必要があります。できる限り多くの媒体で情報発信して店舗のプレゼンス(存在感)を増していく戦略が有効です。
店舗の公式サイト
多くの競合がGoogleビジネスプロフィールやSNSだけに頼っている状況で、充実した公式サイトを持つことは大きな差別化要素となります。サイテーション(Web上での評判)や被リンク獲得の機会が増えることで知名度や信頼性が強化され、MEOの順位にも良い影響がありますし、ブランディングにも貢献するでしょう。
以下、公式サイト運用のポイントです。
-
- 店舗の所在地やサービスに関連するローカルキーワードをtitle、description、見出し、本文に含める
- キーワードリサーチを行い、ビジネスに関連するロングテールキーワードを見つける
- NAPO情報(店名、住所、電話番号、営業時間)をすべてのページで統一して記載する
- 店舗の所在地を示すGoogleマップをサイトに埋め込む(アクセス方法や駐車場情報も併記)
- 理念やこだわり、商品の周辺知識(雑学)を発信する
- 店舗のニュースやキャンペーン情報をブログ記事として定期的に公開する
- お客様の声ページを作成し、Googleビジネスプロフィールのクチコミを埋め込む
- よくある質問とその回答を掲載し、顧客の疑問を解消する
- 店舗の紹介ビデオやスタッフのインタビュー、サービスのデモ動画をサイトに掲載。YouTubeと連携して視聴者を増やす
- 予約可能な日時を表示するカレンダーを設置し、空き状況をリアルタイムで確認できるようにする
- 独自ドメインを取得し、WordPressで運用する
- 店舗ビジネスに特化した高品質なデザインテンプレートを使用する
サイト制作は費用がかかるといったイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。上記リストでも触れていますが、独自ドメインを取得してWordPressでサイトを構築する形なら、3〜5万円ほどの初期投資で済みます。
「ホームページ制作を依頼したい」 「この機能の相場が知りたい」 ホームページの制作費は、規模(ページ数)と実装する機能によって異なります。 また、あなたがホームページで使う素材をどこまで用意できるかでも変わってきます。写真や文章を自身で用意できるならその分の制作費用は安くなりますし、制...
高品質なデザインテンプレートを使えば、写真やテキストをアップするだけでハイレベルなサイトが完成するので、制作時間も大きく短縮できます。
予約や来店への導線、メニュー・イベント情報の整理などTCDの豊富な機能でサポート
>> 店舗・施設のサイトがつくれるWordPressテーマの一覧
各種SNS
以下は、総務省が発表した年代別のSNS利用率です。
X(旧Twitter)やInstagramは若い年代に特に人気ですが、40代以降の利用率も比較的高く、幅広く使われているSNSです。Facebookは下火感はあるものの、30~50代には一定程度支持されており、まだまだ活用価値はあります。LINEとYouTubeはどの年代でも一貫した高い利用率を誇り、ほとんどインフラと言って差支えないでしょう。
これらのSNSを可能限り多く運用して、Webでの知名度を上げていきましょう。
いきなり全てのSNSを運用するのは負担になるかもしれません。その場合は、XとInstagramをまずは始めることをおすすめします。どちらも利用者数が多く、完全無料で使えて、運用も簡単だからです。
投稿内容はGoogleビジネスプロフィールのコンテンツ(写真や動画、最新情報の投稿)を使いまわす形でも問題なく、ゼロから作る必要はありません。
予約サイト・ポータルサイト
Googleビジネスプロフィールでの集客が安定した後も、予約サイト・ポータルサイトへの掲載は続けることをおすすめします。お店の情報がWeb上に多ければ多いほどMEOの効果は高まりますし、万が一、Googleのアルゴリズム変更で表示順位が落ちた際のリスクヘッジにもなるからです。
以下、主要な予約サイト、ポータルサイトです。
ローカル検索広告
ローカル検索広告とは、ローカル検索結果やGoogleマップ上に広告出稿できるサービスです。以下のように、通常の検索結果の上部、目立つ場所にお店のプロフィール情報が掲載されます。
ローカル検索広告がMEOの順位に直接影響することはありません。広告キャンペーンとオーガニックランキングは、Googleによって別々に評価され、管理されているからです。
しかし、広告出稿が間接的にMEOに良い影響を与える可能性はあります。
例えば、広告出稿により検索結果での露出が増えることでビジネスの知名度が上がり、より多くのクチコミや被リンク、サイテーションを獲得することになれば、「視認性の高さ」 が向上してMEOのランキングが改善する余地は十分にあるでしょう。
ローカル検索広告について詳しくは、以下を参照ください。
参考情報:ローカル検索広告について – Google 広告 ヘルプ
【MEO効果検証】定期的に掲載順位を計測する
MEOの施策が効いているのかどうか検証するために、キーワードで検索した際のビジネスプロフィールの順位を計測しましょう。
まずは20位以内を目指す
ローカルパックに最初に表示されるのは1〜3位までですが、「さらに表示」 をクリックすると、それ以降の順位を把握できます。
20位までが1ページ目に掲載されており、ひとまず、狙ったキーワードで20位以内に表示される状態を目指すと良いでしょう。
週次でお店の掲載順位を記録する
週に一回程度、自店舗と競合3~5店舗ほどの順位をウォッチして、以下のようなスプレッドシートにまとめておくと、定点観測しやすいのでおすすめです。計測するキーワードはあまり多くても管理できないので、主要キーワード10~20程度に抑えましょう。
毎週、順位を確認する際は、ブラウザをシークレットモードにし、ある程度決まった時間(営業時間内)、場所で計測するようにしてください。ここが毎回大きくズレると、正しい順位が計測できないからです。
また、Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」 の検索語句※をチェックするのもおすすめです。
使用回数が多い検索語句があれば、その関連キーワードをGoogleビジネスプロフィールの説明文や投稿、Webサイトのコンテンツに追加すればMEOを強化できます。意図していない意外なキーワードがあれば、そこからユーザーニーズを推測して、商品・サービスの開発や改善に繋げることもできます。店名での指名検索が少ないなら、オンライン・オフライン問わずPRが足りていない、あるいは非効果的な施策をしている、といった気付きも得られるでしょう。
キーワード、検索語句による効果検証は、数字の変動に一喜一憂することが目的ではなく、「なぜそうなったのか?」 という仮説を立て、次の施策に繋げることが目的です。お店の順位はGoogleのアルゴリズムでいくらでも変動する水物であり、こちらで完全に制御できるものではありません。順位が落ちてもあまり気を落とすことなく、粛々とやるべき作業を実行していくことが重要です。
MEO対策ツールについて
世の中には、MEO対策のためのサードパーティツールが数多く存在します。
主にGoogleビジネスプロフィールの管理・運用を効率化してくれるツールのことで、Googleが提供する公式のビジネスプロフィール管理機能にプラスして、追加の機能や利便性を提供してくれます。
例えば複数の店舗情報の一括管理や、投稿の自動化(スケジュール)、クチコミへの自動返信、掲載順位のレポーティングなどの機能があります。
店舗数が多いチェーン店では導入は必須です。個人経営の店舗でも、レポーティングの自動化や詳細な分析結果の閲覧など、役に立つ機能は多いです。個人経営向けでは無料で試せる「ローカルミエルカ」 が有名で、こういったツールをまずは試してみるのが良いでしょう。
代表的なMEOツール | |
ローカルミエルカ | https://local-mieruca.com/ |
MEOチェキ | https://meo.tryhatch.co.jp/meocheki/ |
MEOアナリティクス | https://meo-analytics.com/ |
Gyro-n MEO | https://www.gyro-n.com/meo/ |
MEO Dashboard | https://meo-dash.com/meo-dashboard/ |
マップ職人 | https://mapshokunin.com/ |
Location Connect | https://www.location-connect.net/ |
もちろん、ツールはあくまでツールです。導入したからといって、お店の掲載順位が自動的に向上する、というわけではありません。ツールにできるのは、ビジネスプロフィールの運営や分析業務を効率化するという部分までであり、最終的な集客の成否はオーナーの努力や戦略次第です。
MEOツールの詳しい機能・比較解説はこちらの記事に詳しいです。
MEOツールとは、Googleビジネスプロフィールの管理・運用を効率化してくれるツールのことです。 店舗情報の一括編集やキーワード順位のレポーティング、クチコミ管理、SNS連携など豊富な機能を通じて、MEO※の成果向上に寄与します。 本記事では、MEOツールの特徴や主要機能、活用メリットから...
まとめ
MEO(Map Engine Optimization)は、ローカル検索やGoogleマップ上で店舗情報を上位表示させるための重要な手法です。地域の顧客にあなたのビジネスを見つけてもらいやすくなり、集客効果を高めることができます。
以下、記事でご紹介したMEO(ローカルSEO)のノウハウをまとめました。
-
- ビジネス名、住所、電話番号、営業時間を統一する
- プロフィール写真やカバー写真を追加する
- ビジネスの特徴や強みを750文字以内で具体的かつ詳細に記載する
- カテゴリを正確に設定し、ビジネスの中心事業にマッチするものを選ぶ
- 定期的な情報更新を行い、変更があれば即座に反映する
-
- 顧客にクチコミ投稿を依頼し、QRコードやフォローアップメールで促進する
- 店内にクチコミ投稿依頼のポスターやデジタルサイネージを設置する
- 全てのクチコミに迅速かつ具体的な返信を行う
- ネガティブなクチコミには適切に対処し、改善策を提示する
- 星評価のみのクチコミにもテンプレートを用いて返信する
-
- 店名(Name)、住所(Address)、電話番号(Phone Number)、営業時間(Operating Hours)を全プラットフォームで統一する
- 情報の更新後はダブルチェックを行い、一貫性を保つ
-
- Googleビジネスプロフィールの説明文に地域関連のキーワードを自然に盛り込む
- Webサイトのtitleタグやdescriptionタグに地域関連のキーワードを含める
- ロングテールキーワードを使用して、競合が少ないニッチなキーワードを狙う
- クチコミ返信時にもキーワードを自然に含め、関連性を高める
-
- 店舗の公式サイトを運用し、定期的にコンテンツを更新する
- SNS(Facebook、Instagram、Xなど)を活用して情報発信する
- 予約サイトやポータルサイトに店舗情報を掲載する
- ローカル検索広告を活用して、Googleマップ上での露出を増やす。
これらの施策を実行することで、上位表示の要件である「関連性・距離・視認性の高さ」 が強化され、特定地域での店舗のプレゼンス(存在感)が向上します。
それぞれの施策は、実行するのにそれほどスキルが要求されません。知っているかいないか、実行するかどうか、といった部分で差が付きます。ぜひ、本記事を参考に、MEO施策を実行して集客を加速させてください。
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