ローカルPC(windows)上でWordPressを動かすために、無料のフリーソフト「XAMPP」を用いて、テスト環境を構築する方法を解説します。
目次
XAMPPとは
XAMPP(ザンプ)は、WindowsにApache、MySQL、PHPの環境をインストールすることができるアプリケーションです。
XAMPPの名称は、様々なOSに対応するというクロス(X)プラットフォーム、Apache HTTP Serverー(Webサーバー)、MySQL(データベース)、PHP、Perlの頭文字からとったものです。
XAMPPと似たApache、MySQL、PHPが使える「MAMP(マンプ)」というアプリケーションもあります。MAMPに関してはこちらの記事を参考にください。
MacでPHPを動作できるローカル環境を構築するなら「MAMP」が便利です。 本来、Web開発を行う際には、必要なソフトウェアを別々にインストールしなければいけません。MAMPを利用すれば、それらを一括インストール・管理できるので、非常に簡単なんですね。 当記事では、MAMPを使ってPH...
XAMPPの設定方法
XAMPPを設定するには、以下の手順で行います。
- XAMPPをインストールする
- XAMPPの初期設定を行う
- ApacheとMySQLの設定
- セキュリティの設定
- 文字化けとエラー対応
- MySQLの設定
インストール
まずは下記のサイトよりXAMPP公式サイトをの以下のボタンよりダウンロードしてください。
XAMPPの公式ページに行くと以下の画面が表示されますので、Windows向け「XAMPP」を【Download】して下さい。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして下さい。
クリックすると「XAMPPのインストーラーファイル(.exe)」のダウンロードが開始されます。
ユーザーアカウント制御の確認は「はい」でインストールを進めてください。
64bit版のWindowsを使用している人は下図のようなダイアログが出現しますが、
内容としては、C:¥Program Files (x86)以外にインストールしてくださいということです。
問題はないので、Yesを押し、進めて下さい。
次もOKで問題ありません。
インストールするデータの内容をここで選択できます。選択できたら「Next」をクリックします。
次に進むとインストール先を選択できますので、XAMPPのインストールフォルダを選択します。初期設定はC:¥xamppです。問題なければ、「Next」をクリックします。変更する場合は、フォルダマークをクリックしてお好きなフォルダを選択します。
「BitNami for XAMPP」について表示されます。XAMPPのインストールとは関係ないので、チェックを外し、「Next」をクリックし、インストールを続行しましょう。
約1〜2分でインストールが完了します。
インストールが完了しましたら、「閉じる」をクリックします。
XAMPPのインストールが終了したら、動作を確認するために「Do you want to start the Control Panel now?」にチェックが入っていることを確認し、「Finish」をクリックします。
初期設定
「XAMPP」を起動します。
画像はデフォルトのまま全てインストールした状態のものです。
【ApacheとMySQLの設定】
正常に起動するとApacheとMySQLの背景が淡青になって、StartボタンがStopボタンに変わります。
問題がなければ、正しく動いているか確認します。まずはWebサーバApacheのAdminボタンを選択して下さい。
正常に動いている場合は、ブラウザが起動し、http://localhost/dashboard/のページが表示されます。
【セキュリティの設定】
http://localhost/security/にアクセスします。
そうすると、
http://localhost/security/splash.phpにリダイレクトされて、言語選択画面が出ますが、
以前のバージョンではあった日本語のページがなくなっています。
ちなみに、ここの各言語のリンク先は、http://localhost/security/lang.php?[言語]になっています。
選択することでlang.phpが、後ろに付いている言語の文字列(jp、enなど)のみが書かれた、lang.tmpというファイルを作ります。
その後は、このファイルの有無で初期画面splash.phpかindex.phpを表示するか、またどの言語で表示するかを決めています。
そのため以下のURLにアクセスします。
http://localhost/security/lang.php?jp
これで、日本語が指定されます。
ただし、表示は文字化けとエラーの状態になります。
【文字化けとエラー対応】
文字化けの原因は、ファイルの文字コードがShiftJISになっているためです。
また、エラーの原因は、日本語の翻訳ファイルja.phpが存在しないためです。
では、対応していきます。
まずは、TeraPadや秀丸のようなテキストエディタを用意ください。
※Windowsの標準のエディタである「メモ帳」はBOM有りで保存されてしまうため、管理画面が真っ白になる可能性があります。
まずは以下のファイルを修正します。
C:\xampp\security\htdocs\lang\en.php
C:\xampp\security\htdocs\lang\jp.php
上記のファイルをTeraPadなどで開き、UTF8形式で保存します。
TeraPadを使用の場合は、「ファイル」→「文字/改行コード指定保存」から文字コードにUTF-8Nを選択して保存してください。
また、日本語のファイル(jp.php)を開くと、何故か各言語の記述が抜けていますので追加しておきましょう。
$TEXT['navi-languages'] = "各国語";
以下の記述を追加してください。
$TEXT['navi-languages'] = "各国語"; $TEXT['navi-english'] = "英語"; $TEXT['navi-german'] = "ドイツ語"; $TEXT['navi-spanish'] = "スペイン語"; $TEXT['navi-french'] = "フランス語"; $TEXT['navi-italian'] = "イタリア語"; $TEXT['navi-dutch'] = "オランダ語"; $TEXT['navi-norwegian'] = "ノルウェー語 "; $TEXT['navi-polish'] = "ポーランド語"; $TEXT['navi-portuguese'] = "ポルトガル語"; $TEXT['navi-slovenian'] = "スロベニア語"; $TEXT['navi-chinese'] = "中国語"; $TEXT['navi-japanese'] = "日本語";
次にnavi.phpを修正します。
C:\xampp\security\htdocs\navi.php
44行目あたりに下記のような記述があると思います。
<td align="right" class="navi"> <a target=_parent class=n href="lang.php?de"><?php print $TEXT['navi-german']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?en"><?php print $TEXT['navi-english']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?es"><?php print $TEXT['navi-spanish']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?fr"><?php print $TEXT['navi-french']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?it"><?php print $TEXT['navi-italian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?nl"><?php print $TEXT['navi-dutch']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?no"><?php print $TEXT['navi-norwegian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?pl"><?php print $TEXT['navi-polish']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?pt"><?php print $TEXT['navi-portuguese']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?sl"><?php print $TEXT['navi-slovenian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?zh"><?php print $TEXT['navi-chinese']; ?></a><p>
よく見ると、こちらにもJapaneseの記述がありません。
そこで下記のように追加しましょう。
<td align="right" class="navi"> <a target=_parent class=n href="lang.php?de"><?php print $TEXT['navi-german']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?en"><?php print $TEXT['navi-english']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?es"><?php print $TEXT['navi-spanish']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?fr"><?php print $TEXT['navi-french']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?it"><?php print $TEXT['navi-italian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?nl"><?php print $TEXT['navi-dutch']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?no"><?php print $TEXT['navi-norwegian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?pl"><?php print $TEXT['navi-polish']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?pt"><?php print $TEXT['navi-portuguese']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?sl"><?php print $TEXT['navi-slovenian']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?zh"><?php print $TEXT['navi-chinese']; ?></a><br> <a target=_parent class=n href="lang.php?jp"><?php print $TEXT['navi-japanese']; ?></a><p>
修正が終わりましたら、先ほどと同じようにUTF8形式で保存してください。
以上で文字化けとエラーが解消されたと思います。
※もしされていない場合は、ソースコードのミスか、UTF8形式で保存されていないかもしれません。
【MySQLの設定】
最後にhttp://localhost/security/xamppsecurity.phpにアクセスして、ユーザーとパスワードを設定します。
XAMPP の場合、データベースへのログイン情報は、ユーザー名は「root」とデフォルトで設定されていますが、パスワードだけは設定しなければなりません。
また、「http」と「cookie」のどちらかを選択できる項目があり、次の2通りからログイン方法を選択できます。
・http:ベーシック認証
・cookie:phpMyAdmin のログイン画面
どちらを選択しても問題ありませんが、ここでは、画面遷移が分かりやすいという意味で「cookie」を使用しました。
図の通り任意のパスワードを入力して、「パスワードを変更しました。」をクリックしてください。
以上でXAMPPの設定は終了です。続いてはローカル上にWordPressの設定を行います。
MacでXAMPPをインストールできない時は?
XAMPPはMacでも使用できますが、インストール途中に次のエラーメッセージが出ることがあります。その原因と対処法も解説しておきます。
cannot calculate MAC address: Using fd 12 for I/O notifications
hv_vm_create HV_ERROR (unspecified error)
原因は、「VM版」をインストールしているからです。このダウロード画面の「通常版」からダウンロードし、インストールすれば無事うまく進められます。
WordPressの設定
WordPressはデータベース上で動的にページを作り出すシステムのため、インストールは以下の手順で行います。
- データベースの作成
- WordPressのインストール
1. データベースの作成
XAMPPを起動して、管理画面にあるMySQLの「Start」と「Admin」をクリックし、管理ページを開きます。
次にログイン画面が表示されるので、先ほど設定したログイン情報を入力し、「実行」をクリックします。
phpMyAdminのメニューより、「データベース」をクリックします。データベースを作成する項目にあるフォームに任意のデータベース名(ここでは「wp_test」)を入力し、作成をクリックします。
データベース「wp_test」を作成しました。というメッセージが表示されデータベースが追加されていれば完了です。
2. WordPressのインストール
まず、最新のWordPress日本語版のデータを以下よりダウンロードします。
ダウンロードしたファイルはzip形式になっており、解凍すると「wordpress」というフォルダが現れます。フォルダの中身は下図のようになっています。
先ほど解凍した「wordpress」フォルダごと、XAMPPの「htdocs」に移動します。
アップロードしたURLにブラウザでアクセスします。
http://localhost/wordpress/
【インストールの実行】
上記のURLにアクセスすると「wp-config.phpファイルが存在しないようです。・・・」と表示され、「設定ファイルを作成する」をクリックすると以下の画面が表示されます。
さらに「さぁ始めましょう!」をクリックし、進みます
データベース情報の入力
MySQL設定で設定したデータベース情報を入力します。
・データベース名 → データベース名: wp_test(任意のもの)
・ユーザー名 → ユーザー名: root
・パスワード → パスワード:root
・データベースのホスト名 → サーバー名:localhost
・テーブル接頭辞 → 任意のもの(変更しなくて良い)
入力後「送信」をクリックします。
サイト情報の入力
「サイトのタイトル」「ユーザ名」「パスワード」を記入します。
「確定」すれば、晴れてWordPressのインストールが完了します。WordPressの管理画面URLをクリックして、初期設定に進みましょう。
以上が、Windows環境において、XAMPPを用い、ローカル上にWordPressを設置する方法でした。
多少手順は多いですが、手順通りにしていただければ簡単に設置可能かと思います。
作成途中のコンテンツを途中で公開したくない場合や、セキュリティ観点からもローカルでの構築をまずはおすすめします。