サイト運営では、競合サイトと差別化するためブラウザでの見た目を第一に考えることも多いでしょう。しかしどんなにブラウザでの見た目をこだわっても、動画や画像を多用しすぎてページの読み込み速度が遅くなってしまうことで、不快に感じた閲覧者はページから離脱してしまいます。
ページの表示速度はとても重要な要素です。今回はページ表示速度を改善し、WordPressを高速化する方法をご紹介します。サイトの動作が重いなと感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ページ表示速度が遅いのはNG?WordPressを高速化するメリット
WordPressは、カスタマイズの自由度が高いことで知られています。テーマ変更によるページの模様替えはもちろん、プラグインを用いることで、専門知識がなくてもサイトの見映えや機能を自分好みで自由にカスタマイズできます。
反面、そのカスタマイズの手軽さ故に作りこみすぎて、ページを開くまで時間がかかりすぎてしまうことも…。それでは検索エンジンを経由して、ページを訪れた読者もイライラしてページから離脱してしまいかねません。
しかしWordPressの動作を高速化することで、読者にストレスなく欲しい情報をタイムリーに獲得できるようにします。結果、たくさんの読者にサイトを訪れてもらえることができるため、サイトそのものの信頼を集めることに繋がります。
WordPressを高速化する方法
では実際、どのようにしてWordPressの動作を高速化していけばいいのでしょうか。ここではWordPressを高速化するための方法をご紹介します。
画像サイズを圧縮して最適化する
まず、WordPressの高速化に何といっても欠かせないのが画像容量の圧縮です。画像というとサイトの雰囲気を保つための手段として、フリー画像サイトや自前で用意した写真をただアップロードして使っている方も多いのではないでしょうか。
しかし無造作に引っ張ってきて載せるだけの画像は、容量もバラバラでデータ処理にもムラがあるため、読み込みには時間がかかってしまいます。というのもPC上で表示されるページは、サーバーを介してブラウザ上に展開しているため、データ処理が滞ってしまうとページの表示速度にも影響を及ぼすのです。
そのため、スピーディなサイトを構築したいのであれば、画像サイズにもこだわりたいところです。
すでに公開済みの画像を一気に調整したいときは、一括で画像サイズを圧縮できるプラグインに頼るのも手です。
以前、WordPressが重くなる理由としてプラグインが原因の一つであると記事を書かせていただきました。 WordPressが重い!!その原因を発見するプラグイン「P3 (Plugin Performance Profiler)」 ただし、他にもWordPressが重くなる理由に画像...
ただし、もう一つ劇的に画像圧縮率を改善する方法があります。それはWebP形式の画像に変換する方法です。「WebP」はGoogleが開発している画像フォーマットで超軽量という特徴があります。下記のプラグインを導入すれば、サイトのスピードは劇的に改善されますので、ぜひお試しください。
「画像を軽量化するためにWebP対応を行いたい」 しかし、「WebP」は古いブラウザに対応していないため、直接使用するのは現実的ではありません。 そのため、対応ブラウザには「WebP」、未対応ブラウザでは従来の形式の画像(JPEG等)を配信するのが理想的です。ただし、このような振り分けは...
動的ファイルやサイトの装飾を見直してみよう
また余分な装飾や複雑なデータ処理の多用もサイト速度の遅延に繋がります。例えば、アイコンフォントのFontAwesome5やCSSフレームワークのBootstrap4など。凝ったものをお手軽に作ろうとするときに使うツールは、データ処理に複雑な動作が組み込まれているため、使いすぎには注意が必要です。
対策としては、ファイルにかかる負荷を外部のサーバーへ分散するCDNサービスを利用したり、余計なファイルを削除してデータの処理でサイトそのものを圧迫させない工夫が求められます。
※CDNサービスとは、自身で所有・利用しているWebサーバーに代わってWebコンテンツを配信するサーバーのことをいいます。これを使うことで、読み込みにかかるサーバーへの負荷を外部に分散し、ページの読み込み遅延を軽減します。
溜まったキャッシュデータを一括削除
溜まったキャッシュデータの削除も忘れてはいけません。ちなみにキャッシュデータというのは、ウェブページを開く際の時間を短縮してくれるもの。仕組みとしては、一度訪れたサイトのページをブラウザが自動で保存し、次に同じページを開く際、ページが読み込まれるまでの時間を短縮してくれます。
ちなみに普段はブラウザごとに決められた保存容量に合わせて自動で古いキャッシュデータを削除・更新しますが、調べるのに用いたサイトはそう何度も足を運ぶことはないでしょう。そのため古いキャッシュデータを長年保持する必要性はありません。
しかしキャッシュは周期的に自動で積み重なっていくので、知らず知らずのうちに蓄積され、データの処理も恒久的に行われ続けます。そこで処理を少しでも軽くするため、余分なデータをまとめて削除します。
キャッシュデータの削除は、また新たにすべてのデータを読み込まないといけなくなるので、高速化の際は注意が必要です。そのため、他の高速化の施策を試してあまり効果が実感できないときの最終手段として対策してみるといいでしょう。
不要なプラグインを削除・無効化
他にもWordPress初心者が陥ってしまいがちなポイントとして、プラグインの多用はとくに気を付けるようにしましょう。入れすぎはページ表示速度の遅延を招きます。
とくにプラグインのアップデートがあまり行われていないものは、現行のWordPressのバージョンに適していない可能性もあります。不要なプラグインは定期的に削除・無効化するようにしましょう。
リビジョン数を減らす
最後に確認したいのが、各記事に設けられているリビジョン数。リビジョンとは、WordPress側の記事を更新するたびに自動で記事のバックアップを取ってくれるという優れモノ。
万が一記事を書きなおして保存してしまっても、ある地点まで記事の状態を復元できるため、内容表現を元に戻したい時に役立ちます。
しかし、キャッシュと同じように、徐々に蓄積していくため、WordPress側の表示速度にも影響を及ぼします。そのため今後、記事を手直しすることはないだろうと判断できる場合は、こまめに履歴を消しておくようにしましょう。
ちなみにリビジョンの履歴を最適化するプラグインもTCDではご紹介しているので、少しでもリビジョン数を減らしたい方はぜひ使ってみましょう↓
2020/02/28 情報を更新いたしました。 皆さんは、WordPressに搭載されているリビジョン機能を活用しているでしょうか。ちなみにリビジョン機能というのは、過去編集した記事の状態を戻すというもの。しかしリビジョンは、蓄積し続けるとWordPressの動作を遅延させる要因にもなり得ます...
ページが開かない…サイトが重くなってしまう理由
ここまででWordPressを高速化するための有効な対策方法をいくつかご紹介しましたが、サイトによってはこれでもページの表示速度が改善されない場合もあるでしょう。
もしまったく改善が見られない場合、それはサイトではなくサーバーそのものに原因があるのかもしれません。というのもサーバーと一言で言っても、サーバーが抱えられる負荷には限度があるからです。
とくに大手のレンタルサーバーは利用者も多いので、プランによってアクセス負荷に対するサーバーの強度を調整しています。したがって現行のプランでサイトの処理負荷に耐えられていないのであれば、レンタルサーバーのプランを一度見直してみるのもいいでしょう。
サーバーのお引越しの際には、WordPressで構築したサイトを丸ごとコピーできるプラグイン「Duplicator」が役立ちます↓
WordPressで運用しているサイトをほかのサーバに引っ越しをしたり、あるいはテスト用に別の環境にコピーするのは意外と骨が折れる作業です。データは何とか移したものの、重要なプラグインが入ってなかったり、テンプレートも移してなかったりなどなど、やらなければならないことが多いことに気がつかされます。 ...
まとめ
今回は、WordPressを高速化するために有効な施策をご紹介しました。サイト運営というとどうしてもブラウザでの見た目にこだわってしまいがちですが、長くサイトを運営していくのであれば見えない場所への対応も怠ってはいけません。そのためシステム周りの環境を少し疎かにしてしまいがちな方は、ぜひ一度ページの表示速度も見直してみましょう。
また2018年7月から、Googleではページの表示速度も検索順位の評価に加えようとするスピードアップデートが実施されるようです。
検索サイトからの評価が気になる方は、これを機にページの読み込み速度を見直してみてはいかがでしょうか。