オウンドメディアに対するなんとなくのイメージはつかめていても、実際に運営するとなると何から手を付けたらいいのか悩んでしまいますよね。記事の内容や更新頻度、担当者など、オウンドメディアの運営を行う上で決めなければならないことは多岐にわたります。手当たり次第に決めていくと、この先の運営に影響が出てくるかもしれません。まずは、年間投稿計画を立てることから始めましょう。最初にきちんとした計画を立てることが大切です。

運営を始める前に年間計画を立てる理由

オウンドメディアは作って終わりではありません。記事を投稿して更新し続けることが必要です。そのために、どのような記事をどれくらいの頻度で更新するかという年間計画が重要となるのです。特に、更新頻度は重要です。立ち上げ当初は意気込んで毎日更新しようと思うかもしれません。しかし、運営期間が長くなるにつれて、更新が負担となってしまいます。更新すること自体が目標になると、記事の内容が薄れオウンドメディアのメリットを享受することができなくなってしまいます。

本来の業務とは別にオウンドメディアの運営に関わっている場合は、記事を書きたいときに書く不定期更新で良いと考えてしまいがちです。しかし、それだと忘れてしまったり後回しにしてしまったり、その時々の状況に影響されていつしかオウンドメディアの更新がストップしてしまうこともあります。継続的に更新してオウンドメディアを育てていくために、前もって年間の計画をしっかり練っておきましょう。

オウンドメディアのメリットとデメリット

オウンドメディアのメリットは長期的な集客チャネルとして機能する可能性を秘めていることです。メリットに関してはこちらの記事にもまとめていますので、よろしければどうぞ。

オウンドメディアの潜在力を機能させるには、当然のこととして有益な記事コンテンツを蓄積していく必要があります。誰に対して有益なのかといえば、ユーザーに対してです。運営するオウンドメディアに訪問してくれるユーザーは、提供するサービスや商品に対する潜在顧客や見込み顧客です。有益なコンテンツを提供することで、ユーザーとの信頼関係を築くことができ、購入や申し込みといったコンバージョンにつながる可能性を高められます。その役割を果たす記事コンテンツを蓄積することで、オウンドメディアは長期にわたっての集客ツールとして機能してくれるでしょう。

そして、ユーザーに対する有益なコンテンツを提供し続けることはSEO対策としても有効です。ユーザーのニーズに応える形での運営を続けていれば、関連キーワードで上位表示されるようになり、さらなる集客が期待できるでしょう。つまり、ユーザーに対する有益な情報を発信し、蓄積することが最終的には自分たちの利益にもつながるということです。

対して、オウンドメディアのデメリットは前述の効果が出るのに時間がかかることです。ユーザーや検索エンジンからの評価を得るのは簡単なことではありません。継続して積み重ねることが重要であり、今日の施策の効果が明日出るというというわけではないのです。オウンドメディアを立ち上げた当初は、効果どころか、少しの反応さえ感じられないでしょう。

誰もこのサイトを見ていないのではないかと不安になってしまうのは、オウンドメディアでよくあることです。効果が目に見えない状態での運営を続けることに、やりがいを感じられないことがあるかもしれません。運営の根幹には運営者自身のモチベーションがもっとも重要です。ですが、オウンドメディアでよくありがちなこととして運営者が運営に深く関わっていなかったり、モチベーションが高い人材が揃っていないという問題もあります。モチベーションややる気といったものに左右されないためには、システマチックな運営体制の構築が不可欠です。

その為の効果的な施策の1つが、記事投稿の年間計画を立てることです。

オウンドメディアの投稿計画をどうやって立てていくか

年間の投稿計画はどうやって立てれば良いのでしょうか。ただ単に更新頻度を決めればいいわけではありません。毎週金曜日に更新すると決めたところで、記事ネタがなければどうしようもないですよね。なんでもいいから更新しなければならないという考えに陥ってしまうと、オウンドメディアの質が落ちてしまいます。投稿計画は戦略的に考えましょう。次いで、投稿計画の立て方の例を紹介します。

計画の立て方1. 記事の内容で考える

オウンドメディアで発信したい内容をベースに考えてみましょう。軸となる部分さえブレなければ、投稿する記事全てが同じテイストである必要はありません。自社の商品やサービスを深掘りした紹介記事や、特集記事、コラムなど、さまざまな切り口が考えられるでしょう。どのような記事を書くかを決めると、投稿するタイミングも決めやすくなります。

例えば、インタビュー記事や体験記など、原稿の作成に時間を要するもの。これらは、インタビューの依頼をしたり体験する段取りを決めたりといった調整が必要です。時間がかかりそうな記事をアップするタイミングを先に決めてしまいましょう。そこからスケジュールを逆算して、比較的容易に作成できる通常記事のアップをどこに入れ込むかを決めていきます。記事の内容によって掛かる時間や労力は異なります。それらのバランスを見ながら、オウンドメディア運営に無理のないスケジュールを考えるようにしましょう。

計画の立て方2. 販促カレンダーを利用する

クリスマス商戦、バレンタイン商戦など、人々の購買意欲や行動は季節行事によって左右されます。季節に応じた記事をベストなタイミングで更新できれば、記事需要も見込めそうですね。他にも、天候や季節トレンドも販促に利用できるでしょう。そういった年間のイベントを記載したのが販促カレンダーです。販促カレンダーは無料で利用できるものが多数あるのでネットで探してみましょう。提供しているサイトによって「いい夫婦の日」といった記念日や旬の食べ物など、記載されている情報に差があります。

販促カレンダーに自社の商品やサービスのリリース時期や需要期を追記して、オリジナルの販促カレンダーを作ってみるのもおすすめです。季節イベントと自社商材をうまく組み合わせて記事ネタにしましょう。春の花粉、梅雨の湿気、夏の暑さ、冬の寒さといった、季節ごとの悩みを自社商材ならこう解決できるという切り口は、ユーザーにとっても有益な情報です。販促効果も見込めるので、自社商材のアピールポイントを整理してみましょう。

計画の立て方3. 社内の予定を反映させる

自社主催のセミナーといったイベントの予定も投稿計画に反映させてみましょう。企業としての取り組みは対外的にアピールしたいポイントのひとつです。何かしらのイベントを開催するのであれば、開催決定、募集、当日レポートと、イベントについてだけで3回は記事を作成できます。参加者の声を集められるのであれば、感想をまとめてひとつの記事に仕上げるのもおすすめです。イベントが終了すると、告知だけの記事はその価値を著しく低下させてしまいます。そのため、記事にする際には、イベント開催の裏にある思いや考えをしっかり盛り込んでおきましょう。企業としての取り組みや姿勢を伝える記事は、要所要所で投稿計画に組み込んでおきたいですね。

試行錯誤しながら年間投稿計画をブラッシュアップしよう

オウンドメディアの運営を始めるにあたって、最初に年間投稿計画を立てることはとても重要なことです。しかし、運営開始前から細かく作り込む必要はありません。どのような記事をどれくらいの頻度で更新するかというのは、大まかな目安や枠組みを決めることから始まります。これから運営していく上での指針となる部分を明確にすることが目的です。

記事の内容や更新頻度という運営方針が定まったら、実際に運営をスタートさせましょう。運営しながら試行錯誤して、投稿頻度を調整したり記事をリライトしたりといった、投稿計画のブラッシュアップを行いましょう。一定のアクセスが見込めるようになると、投稿計画にアクセス数やクリック数、コンバージョン率といった数値目標を追記するのもいいですね。実際に運営してみなければ見えてこない部分もあるので、投稿計画は運営しながら改善を重ねて完成させるものです。年間投稿計画という指針がないと迷いが出てしまいますが、最初に完璧な投稿計画を立てようと思うと出発することができません。まずはスタートするのに必要な、最小限の年間投稿計画を立ててみましょう。