PCを使って仕事をしている方は、コピーやペーストを多用する方が多いと思います。ただ、使っていると目的のものをコピーした後に、別のものをコピーし上書きしてしまい、任意のものをペーストできなかった経験はありませんか?

通常のPCでは、コピーしたものが一時的に保存されるクリップボードというエリアに、直前にコピーした一つのものしか保存されません。つまり、二度三度とコピーすると上書きされていき目的のものがペーストされる前に、削除されてしまうわけです。

というわけで今回は、そのような問題を解決し、コピーペースト作業を格段に便利にするMacユーザー向けアプリ「Clipy」をご紹介いたします。

Clipyとは

Mac専用のクリップボードの拡張アプリです。コピーした履歴を一定数保存、管理できるようになります。あらかじめメールの文面などの定型文を用意しておけば、それらをフォルダで管理できるスニペット管理機能もあるので便利です。ショートカットで瞬時に呼び出せるので作業効率も捗ります。

Clipyのインストール

下記のボタンから公式サイトへジャンプしインストールすることが可能です。

Clipy 公式サイト

ダウンロードが完了したら、通常通りアプリケーションフォルダにドラッグします。

画面上部のツールバーに赤枠のアイコンが表示されると完了です。これが表示されている間は、Clipyが起動していて、コピーしたものの履歴が保存されていきます。

Clipyの基本設定

Macの起動と同時にClipyも立ち上げる初期設定

便利に使うためにいくつかの初期設定をしておきます。基本的にバックグラウンドで起動させておくアプリですので、Macを起動すると同時にClipyも起動するように設定しておくと便利です。以下の様にすべてにチェックを入れておきます。

全てにチェックを入れることで、Macへログイン時に起動され、履歴やスニペットを貼り付ける時にCommand+Vを押す必要もなくなり、エラーが出た場合は、自動で送信されます。

便利なショートカットの設定

デフォルトでは下記のように設定されていますが、ご自身の使いやすいように自由に変更可能です。他にもショートカットで起動するアプリを入れている方は、同じ操作でバッティングすることがあるので、一度複数のショートカットを試して検討する方がベターでしょう。

私は、以下のように設定しました。

  • メインメニュー:Shift+Command+V
  • 履歴:Shift+Command+B
  • スニペット:Shift+Command+C

基本的にメインメニューを開くショートカットだけ覚えておけば、実用的には問題無しですね。

Clipyの使い方

使い方としては、二通りあります。一つ目は、冒頭で述べたように二度三度コピーしても上書きされずに、履歴として一覧表示できる機能です。もう一つが非常に便利なスニペットを保存できる機能です。スニペットとは定型文のことで、メールでよく使う文面や使い回しの効くコードなどを保存しておける機能になります。

ざっと思いつくだけでも、こんな感じの用途がありますね。

  • 取引先とのメールの雛形
  • 社内メールの雛形
  • 季節の挨拶文
  • お客様サポートメールの雛形

履歴を用いた活用方法

クリップボードに保存されている履歴を呼び出してペーストすることができます。デフォルトでは、過去を遡り30個まで保存できるようです。なんどもコピーしてペーストという作業を繰り返す必要はなくなりますね。

なお、先ほど設定したショートカットを用いるか、画面上部のアイコンをクリックしてメインメニューを開くと環境設定から「記憶する履歴の数」を最大100個まで設定可能です。むろん、多く保存しすぎるとメモリを消費するので注意が必要ですね。

スニペットを用いた活用方法

こちらで、様々なメールの文面の雛形や、コードなどを保存しておくことができます。ショートカットで起動でき、どの画面でも呼び出せるので非常に作業が捗りますね。

先ほどと同じでメインメニューを開き「スニペットを編集」という項目から簡単に編集可能です。

スニペットの編集画面では、簡単にフォルダを作成可能で、ジャンル別に振り分けることも容易です。複数のスニペットが必要でもフォルダを分けて綺麗に整理できます。ただし、階層を持つフォルダは作成できないようですので、スニペットが多くなりすぎる場合は工夫が必要ですね。

また、フォルダごとに独自のショートカットを設定する機能も用意されているので、高い頻度で活用するものはオリジナルのショートカットを設定しておくいのもいいでしょう。

さらに便利な詳細設定

Clipyでは、ペーストする際の形式を下記の中から任意に設定できます。メインメニューを開き、環境設定内の「対応形式」から設定可能です。

例えば、コピーしたものをペーストした際に、文字の太さやフォントがコピー元からそのまま引き継がれたりすると煩わしいときがありますよね。ペースト先で貼り付ける形式を指定することも可能でしょうが、Clipyで設定しておけば、その都度の操作が省かれるの便利です。

まとめ

コピー&ペーストは誰もが当たり前のように使っている便利な機能ですが、Macユーザーの方はClipyを活用することで、事務作業の作業効率がさらに上がるでしょう。メールの雛形作成だけでなく、コピーの履歴からウェブブラウジングをテンポ良く行うことも簡単です。ログイン時のIDとパスワードのコピーなんかも同時にできて便利ですね。事務的な作業の効率を上げて、より創造力の必要な仕事にフォーカスしてみませんか。