メルマガ登録、資料請求などの時に氏名、メールアドレス、住所などを入力するエントリーフォーム。そのフォームのページまで辿り着いたにもかかわらず、そのページから脱落するユーザーが一定割合存在します。いまいち入力方法が分からなかった、最後まで入力したがエラーになった、など離脱の理由は様々でしょう。
本稿ではそんなエントリーフォームに対しての施策について書いています。フォームは導入しているけど、導入してから特に手を加えていないという人は参考にしていただき、よいと思う点を取りいれてもらえたらと思います。
目次
EFOとは
EFO(Entry Form Optimization)はWebサイトのエントリーフォームをユーザーが使いやすいように最適化する施策のことです。ランディングページの中にエントリーフォームが含まれることもあるので、こちらのページで解説したLPO(Landing Page Optimization)の一種でもあります。
検索エンジンや広告をクリックしたユーザーが、最初に辿り着くページをランディングページ(LP)と言います。 本稿ではLPのコンバージョン率を最適化(LPO)する際に確認するべき、ストーリー性とブラッシュアップするときに注目するべき要素について考えていきます。 LPOとは LPOとは、...
エントリーフォームは以下のようなシーンで使われます。
- キャンペーン中のプレゼント申し込み
- 予約申請のフォーム
- ECサイトの配送先、決済情報入力
- アンケート集計
- 会員制サイトの入会情報 etc…
エントリーフォームは入力形式がわかりにくかったり、入力欄が多すぎたりすると、途中で記入をあきらめてしまう利用者が一定数出てきてしまいます。とくにECサイトなどでいう「カゴ落ち(カートに商品を入れたけど、決済されず放置される)」は売上に対する影響度も高く、改善を検討する会社も多いのでよく課題として挙げられます。
LPO、EFOを行っていない状態で必死に集客の施策を繰り返していても、その努力がムダになるかもしれません。
ユーザーに運営サイドの目的に応じた行動を選択してもらうため、Webサイトを立ち上げたわけです。1000人に1人しか行動してくれない状態よりも、100人に1人、10人に1人行動を起こしてくれる最適化を施してアクセスを集めるようにしていきましょう。
フォームの調整を検討するときのポイント
EFOでは、おもに入力する要素の配置変更や、アラートの出し方、注意書きの記載を改善して離脱率を改善させましょう。フォームの入力操作が利用者の負担と感じられるようだとまずいので、イチユーザー目線で繰り返しチェックを行い調整するとよいでしょう。
不要な入力項目を無くす
入力項目が無駄に多いと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまうことがあります。強力な目的を持ったユーザーでないと多くの質問に答えることはしないでしょう。
文字入力欄をポップアップ、プルダウンに変更可能でないか検討する
タイピング量の多さはユーザーの離脱を高めてしまうポイントです。可能な限り選択制にして、進行できるよう配慮しましょう。郵便番号から住所を補完する機能など、サクサク入力できている印象を持ってもらえると良いと思います。
入力エラーはできるだけリアルタイムに、わかりやすく
送信ボタンを押してから、たくさんのアラートを見たユーザーが全部イチから入力しようと思うでしょうか。可能な限り、設問に集中してもらえている入力中、または入力直後に間違いを指摘できると良いと思います。
入力エラーが発生しないよう事前に注意を促す
禁則文字などがある場合はしっかりと明記をして、ユーザーが入力後に指摘される、面倒な思いをしないよう配慮しましょう。
数字は半角、全角ともに受けつけるようにする
ユーザーにとってはどちらも数字の入力であることに変わりがありません。入力欄ではどちらも受けつけるようにして、送信されるデーターとしては半角に統一して変換されるなどするとよいでしょう。
送信ボタン意外のボタンは置かない
なんらかの理由で設置する場合はデザイン仕様を明確に変更しましょう。よくリセットボタン(入力欄を無記入状態に戻す)を設置している場合がありますが、「送信」と押し間違えることもあります。不意にリセットされたユーザーは間違いなく離脱に繋がります。
EFOの対策の効果測定にアクセス解析を導入する
エントリーフォームを改善するうえでは、「なぜ離脱したか」を正確に知る必要があります。そこで有効なのが、GoogleやYahoo!が無償で提供している「タグマネージャー」です。タグマネージャーは複数のタグを一元管理できる便利なサービスですが、活用することで、ユーザがどこでミスをして、何に困り、離脱したのかを細かく分析することが可能になります。
Yahoo!タグマネージャーの方が機能としては多い印象ですが、Yahoo!プロモーション広告を使っている方でないと使えないようなので、必然的にGoogleタグマネージャーを使うことになる人もいるのかなと思います。
▼タグマネージャー解説記事
https://digital-marketing.jp/seo/about-tag-manager/
▼Google タグマネージャー
https://tagmanager.google.com/
▼Yahoo! タグマネージャー
https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/tag_start_up.html
タグマネージャーを使うことでわかること
・未入力状態で送信ボタンが押された場合、どこが未入力だったか
・記入に掛かった滞在時間 etc…
EFO前後で経過を観察し、目的通りの施策になっているか確認をする目安にしてみてください。
よくあるフォーム離脱ケースにおける対応
検証してみるとおおよそ以下のパターンで離脱しているという傾向みたいなものが見えてきます。代表的な例は似てくると思うので、少し解説しておきます。
エントリーフォームまできたユーザーが一切入力せず、元のページに戻ってしまった。
遷移元のページに戻ってしまう理由として一番に考えたいのは、どのような案内を受けてエントリーフォームに至ったのか?ということです。たとえばサンプル送付のフォームであったとしましょう。そこで「次へ」みたいなボタンを押したらエントリーフォームに遷移したというケースと「送付先の登録で試供品をお届けします」というボタンでエントリーフォームに遷移したケース。どちらの場合は住所を不安な気持ちなく入力できるでしょうか。
次に何が起きるのか、ユーザーには心理状況を整理してもらうことでスムーズにフォーム入力を進めてくれるかもしれません。
フォームからプライバシーポリシーのページへ遷移して離脱
こちらのケースでは、プライバシーポリシーの内容が不十分、もしくはプライバシーポリシーからエントリーフォームに戻る方法が分からなかった。ということが考えられます。
プライバシーポリシーについては管理面のメリットから別ページ運用をされている方も多いと思いますが、エントリーフォームの下部など、同じページ内に要約した個人情報の取り扱いに事項を設けておくのもよい対策だと思います。
グローバルナビゲーションのリンクをクリックして離脱
ユーザーの回遊性を上げる上でも重要な役割を担っているグローバルナビゲーションですが、エントリーフォームに入力を促しているページにおいては不要かもしれません。グローバルナビをあえて非表示にすることで、フォームの途中離脱が減る可能性があります。一つの選択肢として頭に置いておきましょう。
最後の最後に離脱はもったいない。
エントリーフォームまで辿り着いたユーザーは明らかにあなたのコンテンツに興味を示してくれていると思います。しかし最後の最後、エントリーフォームの使い心地が悪かったことで繋がりがなくなるのはもったいないですね。
自分のサイトのコンテンツに対して、しっかりとユーザー目線をもって確認を進めることは大事です。自分の運営するWebサイトに設置しているフォームを使ったことがないという人は、まずは使ってみて、シビアに感想をフィードバックしてみましょう。
自前のフォームが良いのか悪いのかは分からないという場合はエントリーフォームをサービスとして展開しているところをチェックするとよいでしょう。その道のプロフェッショナルがどのようなフォームを展開しているのか、参考になることが多いのではと思います。
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