2025年12月頃からXでは、画像のAI編集・学習をめぐる話題をきっかけに、多くのクリエイターが不安を感じるシーンが増えました。

「自分の制作物が、意図しない形で学習に使われてしまうのではないか」
そうした声が広がるなかで、クリエイター向けSNSとして「Wick(ウィック)」に注目が集まるようになりました。

一方で、「結局どのような使い方が適したSNSなのか」「活動者だけのSNSなのか」など、全体像が把握できず利用をためらっている方もいるでしょう。

そこでイラストレーターや配信者ではない私が実際に利用し、周囲のクリエイターや配信者の声を聞きながら、活動者・一般ユーザー双方の使い方について整理しました。バズることや何かを断定するのではなく、判断材料として落ち着いて確認したい方に向けて、整理した内容をまとめています。

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Wickとは?アプリ内でできること・できないこと

Wickは、クリエイター向けSNSとして知られています。一方で「クリエイター以外は向いていないのか」「何ができて、何ができないのか」など、他のSNSと比較してから利用を検討したい方もいるでしょう。

ここからは、公式情報や実際の使われ方を参照しながら、2026年2月時点で確認できる範囲の機能と役割を整理していきます。

Wickでできること(他のSNSとの違い)

Wickでは、他のSNSと同様に作品を投稿できるだけでなく、イラストレーターやクリエイターが抱えがちな「AI学習への不安」に配慮した機能が用意されています。公式のプレスリリースでは、Wickについて「意図せぬAI学習から保護し、イラストレーターの活動をサポートするSNS機能」として以下の機能が発表されました。

Wickがイラストレーターをサポートする機能

引用:PRTIMES『意図せぬAI学習から保護し、イラストレーターの活動をサポートするSNS機能がWickアプリに追加』

上記の発表にあるように、ノイズフィルタの適用や、画像の無断利用を抑制するための仕組みが導入されています。イラストレーターとして活動するクリエイターにとって、作品を公開する場であるSNSは重要な一方、無断保存や無断使用が問題視されやすい側面もあります。

こうした課題に対しWickでは、アプリ内での画像ダウンロードを制限する仕様や、スクリーンショットを無効化する仕組みが用意されているのが他のSNSとの違いです。また、投稿した画像が検索エンジンに表示される「インデックス登録」についても、「自分の意図しない場所で作品が使われているように感じてしまう」という声に配慮した設計が採用されています。

Wickでできないこと(現状考えられる限界)

2026年2月時点では、Wickのアプリ内で仕事や案件獲得を目的とした利用を考えているクリエイターには、現時点ではやや不向きと言えます。例えばXの場合、自分の実績を投稿し、おすすめのタイムラインに表示されたり、拡散されたりした投稿を見たユーザーから依頼が来るのが大半でしょう。

しかし、たとえ相互フォローでもクローズドの場でやり取りをするDM機能がありません。料金表を公開していないクリエイターや予算を伝えたいユーザーにはデメリットに感じやすい現状です。

なお、Wick公式のプレスリリースにて、70万人のユーザー数を達成した今、DMを始めとした新機能や新しい取り組みについて発表しています。仕事獲得を目的とした企業とのマッチメイキングシステムだけでなく、手数料0%で展開できるライブ配信やグッズ販売といった構想も示しています。今後はこの「できないこと」が徐々に解消されていくでしょう。

参考:PRTIMES『Wick ユーザー数70万人突破!コミッション機能含む20の新機能を追加する2026年ロードマップを発表』

実際の使われ方から見えるWickのリアルな立ち位置

Wickでは、実際のユーザーがどのような目的で使っているのかが、公式情報だけでは見えにくい部分もあるのが実情です。

ここからは、私自身の利用体験に加え、周囲のクリエイターや配信者への聞き取り、SNS上で見られる投稿内容などを踏まえながら、どのように使われているのかを調査しました。

クリエイター/配信者/一般ユーザーといった立場ごとに、どのような目的でWickが使われているのかをお伝えします。

クリエイター:AI編集・学習問題の対策

クリエイター、特にイラストレーターやデザイナーの間では、意図しない画像のAI編集・学習に対する不安への対策や、気持ちの整理を目的とした利用が見受けられます。

AI編集・学習が大きく話題になる以前は、Xでハッシュタグを活用しながら、実績や制作物をあまり意識せず投稿できていた方も多いでしょう。しかし近年では、意図しないAI編集・学習を個人で防ぐことが難しくなり、「では、どこに自分の実績を載せれば良いのか」と戸惑いを感じるケースも増えています。

一方でWickは、クリエイターにとって「一時的に安心して作品を置ける場所」「公開先を分散させるための選択肢」として使われているケースが多く見られました。

つまりWickは、何かを制作するクリエイターが抱えやすい不安に配慮し、既存SNSと併用することを前提とした設計思想を打ち出しているSNSと捉えられます。

【クリエイター向けの使い方】

  • AI学習への不安を感じたときの代替的な投稿先
  • 既存SNSと併用するためのリスク分散の場

VTuber・配信者:画像投稿の置き場

Wickは、VTuberや配信者にとっても「画像の置き場」として使われているケースが見られます。

VTuberや配信者の場合、サムネイル画像や立ち絵、告知用ビジュアルなど、画像を扱う機会が多いでしょう。これまでであれば、そうした画像を何も気にせずXに投稿していた方も多かったはずです。しかし現在では、AI編集・学習対策の観点から、利用に不安を感じるユーザーが増えたのも事実です。

一方でWickは、AI編集・学習対策も意識しながら、サムネイルや立ち絵、ファンアートなどをまとめて置いておける点にメリットを感じて利用されているようです。また、一定の条件下では収益化も可能なSNSであることから、収益の間口を広げる目的で活用しているケースも見られました。

VTuber・配信者にとってのWickは、画像や活動の履歴を整理し、安心して置いておくための場として機能していると言えるでしょう。

【VTuber・配信者向けの使い方】

  • サムネイル・立ち絵・告知画像などの置き場
  • 既存SNSを補助するサブの発信先

一般ユーザー:漫画の閲覧やポイントでの応援

Wickは、クリエイターや配信者だけでなく、「読む側」「応援する側」の一般ユーザーにも使われているSNSです。

一般ユーザーの立場では、自分で作品を投稿しなくても、アプリ内で漫画やイラストを閲覧できる点が1つの入口になります。特定の作家・活動者をフォローしたり、気になった作品を読んだりと、使い方自体はシンプルで、従来の漫画アプリやSNSに近い感覚で利用できます。

特徴的なのは、「応援」と「消費」が分断されていない点です。Wickでは、広告視聴やキャンペーン参加によってポイントを獲得し、そのポイントを使って漫画を読んだり、活動者を応援したりできる仕組みが用意されています。

「直接お金を払うほどではないが、応援はしたい」「まずは作品を読んでから判断したい」と考える一般ユーザーにとって、Wickは参加しやすい場として機能しています。

【一般ユーザー向けの使い方】

  • 漫画やイラストを読む・探す
  • 広告やキャンペーンで貯めたポイントを応援に使う

応援も兼ねて使える無償Wickポイントの貯め方と使い道

Wickの特徴の1つが、金銭的な負担をかけずに応援へ参加できる仕組みです。

一般的なSNSや配信サービスでは、「応援=課金」というイメージを持たれがちです。一方Wickでは、広告視聴やキャンペーン参加を通じてポイントを獲得し、そのポイントを使って楽しめる設計になっています。

ここからは、無償で貯められるWickポイントの具体的な貯め方と、どのような使い道があるのかについて、現時点で確認できる情報を整理していきます。

貯め方①:「ミニまど広告」で無償ポイントが貯まる

Wickで無償ポイントを貯める方法のなかでも、日常的に利用しやすい手段の1つが「ミニまど広告」です。

Wickの「ミニまど広告」

引用:PRTIMES『15分で1話読めるまんがアプリ『Wick』、App Storeアプリランキング ブックカテゴリTOP1 & 総合ランキングTOP10入りのお知らせ』

ミニまど広告とは、アプリ内に表示される広告を視聴することでポイントが付与される仕組みで、いわゆる金銭的な支払いを伴わずに参加できる広告施策にあたります。

一般的な漫画アプリで流れる動画広告とは異なり、SNSを利用しながら、動画を視聴しながら、ゲームをしながらでも広告を表示し続けられる点が特徴です。そのため、「広告を見るために手を止める」必要がなく、日常の利用の延長で参加できる設計になっています。

また、「広告を見るだけで終わらない」という点も、ミニまど広告のわかりやすい特徴です。1件の広告視聴ごとに無償Wickポイントが貯まり、2026年2月時点の仕様では、以下の設計になっています。

  • 手動で受け取る場合:1広告あたり2Wickポイント
  • 一括で受け取る場合:1広告あたり1Wickポイント

貯め方②:キャンペーンに参加して条件を満たす

Wickでは、ミニまど広告とは別に、キャンペーンに参加することで無償ポイントを獲得できる仕組みも用意されています。今後キャンペーンは変更される可能性はあるものの、2026年2月時点では、毎日1回Wickポイント、もしくはAmazonギフトカードが当たるキャンペーンを実施中です。

Wickで開催中のキャンペーン

引用:PRTIMES『【参加無料】総額1億円が当たるWickドリームチャンス開催!』

実際私も、このキャンペーンを通じて無償Wickポイントを貯めたことがあります。毎日参加できるキャンペーンはルーレットで当たり外れが決まり、仮に外れても毎週金曜日に開催される「Wickドリームチャンス」への抽選番号に引き換えられます。

また、Wickポイントと直接関係はありませんが、無償ポイントへの還元だけでなく、2026年2月時点では声優の直筆サインが当たるキャンペーンも開催中です。

使い道①:漫画が読める

Wickで貯めたWickポイントは、アプリ内で公開されている漫画の閲覧に利用できるため、一般的な漫画アプリに近い形で使えます。ミニまど広告やキャンペーンで獲得した無償ポイントを、そのまま漫画の閲覧に使える点は、金銭的な支払いを伴わずにコンテンツを楽しめる仕組みと言えるでしょう。

Wick公式のプレスリリースでは、15分で1話分のWickポイントを獲得できると提唱しているため、ちょっとした休憩時間にポイントを貯められるのも魅力です。

つまり、漫画好きの一般ユーザーにとってWickは、気軽に作品と出会える場として利用しやすいSNSと言えるでしょう。

参考:PRTIMES『15分で1話読めるまんがアプリ『Wick』、App Storeアプリランキング ブックカテゴリTOP1 & 総合ランキングTOP10入りのお知らせ』

使い道②:活動者に対して実質無償でも投げ銭できる

Wickで貯めたWickポイントは、漫画の閲覧だけでなく、「スーパーいいね/スーパーリプライ」を通じて活動者への応援にも利用できます。いわゆる「投げ銭」に近い使い方ですが、必ずしも金銭的な支払いを伴う必要はありません。

Wickでは、ミニまど広告やキャンペーンで獲得した無償ポイントを使って活動者を応援できます。つまり、「応援したい気持ちはあるが、直接課金するのは少し迷う」というユーザーでも、無理のない形でかかわれる設計になっているのです。

この仕組みは、配信サービスで言えば、広告視聴によって得たポイントを使って応援する形式に近いと捉えられるでしょう。

【無償Wickポイントで応援するイメージ】
広告を見る → ポイントが貯まる → 応援に使う、という流れがアプリ内で完結

一方で活動者側にとっても、応援の入口が広がる点はメリットです。「課金できる人」だけでなく、「普段は見る専門の人」からも応援が届く可能性があります。

Wickの収益化について

Wickでは、一定の条件を満たすことで、活動者が収益を受け取れる仕組みが整えられています。ただし、誰でも自動的に収益化できるわけではなく、申請や条件、注意点も存在します。

ここからは、クリエイター向けに用意されているWickの収益化について、現時点で確認できる情報をもとに整理します。

「どのような流れで収益が発生するのか」「注意しておくべき点は何か」といった、判断材料を中心に見ていきましょう。

公式ユーザーの申請を済ませることで収益化が可能

Wickでは、活動者が収益を受け取るために、「公式ユーザー」としての申請手続きが必要になります。

公式ユーザーの申請では、アカウントの活動状況や投稿内容などが確認されると言われており、条件を満たした場合にのみ収益化機能が利用できる仕組みです。

つまり、登録してすぐに収益が発生するわけではなく、まずは通常のユーザーとして利用を重ねる必要がある点には注意が必要です。

一方で、Wickで申請制が採用されているのは、なりすましや不正利用の防止、収益を受け取る活動者の管理といった側面での安全性が担保されているとも考えられます。

Wickポイントの還元率と収益の考え方

PR TIMESでは、ミニまど広告について「1時間で240Wickポイントが貯まる」と紹介されています。一方で、実際に利用した方の体験談やSNS上では、1ポイント=1円相当として紹介されているケースも見られますが、公式の情報として記載されているページは見当たりませんでした。

また、実際に収益として受け取る際の条件について、2026年2月時点では、以下の詳細条件についての公式情報も確認できませんでした。

  • いくら以上で振込対象になるのか
  • 送金手数料はいくらなのか
  • 銀行振込以外の選択肢があるのか

多くのプラットフォームでは最低振込額や手数料が設定されているため、Wickでも同様の仕組みが採用されている可能性はあります。そのため、ポイント換算については「収益の目安としての指標」として捉えるのが現実的でしょう。

参考:PRTIMES『販売手数料0%で自分の作品を販売できるショップ機能がWickアプリに登場』

まとめ

Wickは、活動者・一般ユーザーそれぞれの立場に応じた役割を持つSNSであることが、実際の使われ方から見えてきました。

クリエイター

  • AI編集・学習への不安を感じたときに、作品を一時的に安心して置ける場所
  • 既存SNSを完全に置き換えるのではなく、公開先を分散させるための補助的な選択肢

VTuber・配信者

  • サムネイルや立ち絵、告知画像などを整理して保管できる場
  • 活動の履歴をまとめて残しておくためのサブ的な発信先

一般ユーザー

  • 漫画やイラストを読む入口として使える
  • ポイントを通じて、無理のない形で活動者を応援できる

収益化については申請や条件があり、還元率や振込条件は今後の公式情報を待つ必要がありますが、現時点では「目安」として捉えるのが現実的でしょう。

Wickは、「応援する人」と「活動する人」をつなぐ通過点のようなSNSと言えます。自分の立場や目的に合うかどうかを判断するための材料として、本記事が参考になれば幸いです。

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