コンテンツ(商材、サービス)を作る時、「オリジナリティが足りない」と苦労する話をよく聞くことがあります。ここではオリジナリティを唯一無二のオリジナルという解釈ではなく、独創性を持ったコンテンツという解釈を元に、徹底した工夫を追求することでオリジナリティを持たせられるということを考えていきます。独創性というものは独自の考えで物事をつくり出しつづけることで表現できます。独自の進化をし続けたら独創性があるものという考えでもよいでしょう。普遍的な1つのモノゴトであっても工夫に工夫を重ねて、深堀し続けたら、それを人がオリジナルと呼び始めるのだと思います。
コンテンツのオリジナリティは誰が評価するものか
まず最初に考えなくてはいけないのは、オリジナリティを評価するのが自分ではなく、そのコンテンツに触れた人、体験した人だということです。あなたがオリジナリティあふれるコンテンツを作ったつもりであっても、体験者の評価が「ほかにもありそうなもの」であればそれはオリジナルとは程遠いモノとなるし、何気なく世に出したものであっても、読者が「これはすごいコンテンツだ!」と感じてくれるのであれば、それは充分なオリジナル性の高い良コンテンツだといえるでしょう。
100%のオリジナルはない
どこからオリジナルコンテンツと解釈するかによりますが、あのニュートンですら「巨人の肩に立つ」という言葉を残しているほどで、そういう意味では自分ひとりで完全なオリジナルでありうることはほぼ不可能と言えます。記事や動画コンテンツにおいても同じで、どこかで誰かの考え方や分析が入ってしまうことは避けられないことでしょう。
当サイトで身近なところで言うと、「名前が知られているWordPressプラグイン」の記事を書こうとすると、すでに先人たちが詳細な解説記事をアップしてくれています。すでに適切な情報が十分に出回っているなら、「書かなくても良いんじゃないか」ということにもなりますし、「これだと足りない点があるから自分が書く」という選択肢も出てきます。
この2つの選択肢はどちらも正しいです。とりわけ書くことがなければ書かないという選択肢もありです。なぜなら、書いたとしてもその他と同じになってしまうからで、わざわざ同じようなコンテンツを生み出す必要はないでしょう。ただ、後者の場合もあります。「概ね同意だけど、自分はこういう使い方を提唱する」といった応用的な使い方を提案してもいいのです。その独自の提案にユーザーからの評価がつけばコンテンツを生み出す価値はあります。
コンテンツは本気で育てることで
あなたの色がしっかりと表現されていく
最初から完成されたコンテンツを世に出そうとするのではなく、地中に向かって岩盤にあたるまで深堀りしていくように少し得意なジャンルを突き詰めていくことで意外と簡単にオリジナルのコンテンツというものができるものです。世に出回っている多くのすぐれたコンテンツも、そのほとんどが最初は誰かの真似であったり、昔ある手法の独自進化系ですので、最初から完成形を世に出そうと考える時点で相当無理があります。
今回は、あなたが営業職の会社勤めで、人よりもなんとなくメールを打つのが得意だとして、そこからオリジナルのコンテンツに仕上げるまでの工程を簡単にですがご紹介します。
「バンバン成約するメールの商談スキル(仮)」というテーマで
コンテンツを作ってみる
「1通のメールを返信するのにそこまで準備するのか!?」
「それだけ多くの人が業務効率が上がったのであれば私にも意味がありそう」
といった感想をユーザーから引き出したらその価値が認められたと認識しても良いでしょう。
具体的には以下のような感じでしょうか
- メールを送るために汎用性の高い単語を辞書登録する。
- よく送る例文をパターンごとにまとめたテキストファイルを作る
- テキストファイルをA,B,Cパターンと分けて使い分けながらお客様のリアクションを測定、測定結果がよくないものは定期的に改善する。
- A,B,Cの中で優秀な結果をだしたパターンだけをまとめて、「1年間徹底検証した商談がまとまるメール文体集&送り方のポイント」といった無料PDFを配布、リストを取る
- リスト取得者の中で勉強会を開くなどして参加者からさらに広い知見、ノウハウを集めさらに自分のコンテンツをブラッシュアップする
- ブラッシュアップしたコンテンツを元に有料で販売する商品を作成、販売スタート
ざっと6工程でコンテンツをつくり、販売に辿り着きましたが、どうでしょうか。2工程くらいまでならある程度の営業職の方がやってそうなものなので、オリジナル性も少なく販売しても価値が薄くなりそうですが、この6工程で深堀をすることでかなり希有なノウハウに仕上がっているのではないでしょうか。販売にあたってはスキル自体を教えるという商材にしてもよいでしょうし、多くの努力を簡略化することができるツールを開発して販売してもよいでしょう。
徹底するという努力の仕方は、自分の努力が明らかに集団から抜きんでているという実感を持つことができることもあって、精神衛生的にもメリットが大きくおススメです。ダイエットなどにも当てはまることですが、しっかりと成果が出ているということを実感できる努力は、苦労を重ねている自分にとって最良のガソリンとなり、未来を加速させることに繋がるので好循環を生む努力の仕方の一つです。
他人よりも努力しているという優位性を感じるまでいくと、心にも余裕が産まれ、さらにエネルギーが増し、行動は加速していきます。
オリジナルになると周囲の反応が変わり始める
徹底した工夫がオリジナリティを醸し出し始めた時、周囲の人が勝手に関心を示しだしてきたり、協力者も増えてきたりすることに気付くはずです。今までこちらから声を掛けることに苦労していたのがウソのように、向こうから「教えてください」「一緒に仕事がしたいです」と言ってくるようになる。
そこまでの状態になると、色々なモノゴトのハードルが下がり、次のステージに進めるようになると思いますし、胸を張ってオリジナルのコンテンツとして事業を展開できるように自然となります。オリジナルのコンテンツ作りに迷っている人はまず、中途半端な工夫を徹底的な工夫に置き換えてみることをおススメします。