この記事では、David Kolb(デイヴィッド・コルブ)の「4つの学習スタイル理論」をもとにしたWebライティングの文章構成テンプレートをご紹介します。

4つの学習スタイル理論をWebライティングに活用すれば、読み手の理解度や納得感のレベルが飛躍的に上がります。また、記事に盛り込むべき要素やその配置順も明確になるので、迷うことなく執筆できるようになるはずです。

4つの学習スタイル理論とは?

「4つの学習スタイル理論」とは、David Kolb(デイヴィッド・コルブ)によって提唱された理論です。この理論によれば、人間が物事を学習・理解するときの脳の処理は、以下の4種類に分けられるとされています。

なぜ? タイプ 物事を学ぶ必要性や理由を強く求める。必要性や理由が曖昧だと、学習する意欲が起きない。
なに? タイプ 物事を論理的に理解しようとする傾向が強い。「そもそも、それは何なのか?」という部分を知りたがるので、物事の概要・詳細、ロジックを事細かく説明する必要がある。
どうやって? タイプ 具体的な実践例を欲しがる。ノウハウや理論を実践する際の行動ステップやプランを、極めて具体的かつ実践的に伝えることが重要。
どうする? タイプ 「これをしなさい」という明確な指示を求める。「あなたが今すぐやるべきことは、これですよ」という形で、具体的かつ明確な行動の支持をおこなうことが重要。

4つの要素のうち、どれが最も優位に働くのかは人によって異なります。不特定多数の人に何かを伝えたり教えたりするときは、4つの要素すべてに働きかける伝え方・教え方を意識することが重要です。相手の納得感や理解度が格段に上がり、「行動したい」という意欲も引き出すことができます。

「4つの学習スタイル理論」は、Webライティングにも応用できます。

なぜ、なに、どうする、どうやって、これら4つの要素すべてを網羅する記事構成にすることで、読み手の理解度や納得感、満足感のレベルが上がり、万人が納得できるコンテンツを作ることにつながるからです。

また、情報の抜け漏れを防ぐことで網羅性が上がり、SEOに強くなるというメリットもあります。

4つの学習スタイル理論を活用した文章構成テンプレート

「4つの学習スタイル理論」をWebライティングに応用するなら、以下の4つのフレームに当てはめて文章を作成するのがオススメです。

4つの学習スタイル理論

ハウツー系の記事では特に、これら4要素を盛り込むことが重要です。

  1. 記事を読むべき理由(なぜ、記事を読む必要があるのか?)
  2. ノウハウやアイデアの詳細(これは一体何なのか? どんな効果があるのか? どう役に立つのか?)
  3. 具体的な行動ステップ(どう実践すればいいのか? 具体的な行動ステップやプランは?)
  4. 記事のまとめと行動の指示(いますぐ、やるべきことは?)

ここからは、4つの要素それぞれを掘り下げて解説していきます。

1. 記事を読むべき理由

なぜ? タイプの人は、「なぜそれを学ぶ必要があるのか? どんなメリットがあるのか?」といった理由を必要とします。理由を説明して納得させないと、記事を読んでもらえません。

したがって、「なぜ、このコンテンツを読む必要があるのか?」という、コンテンツを読むべき理由をまず与えないといけないわけです。

そのために、記事冒頭(リード)で、記事を読むことで読み手が得られる利点(メリット)を素早く伝えます。あるいは、「○○○という状態の方は」「○○○で悩んでいるなら」といった形で、読み手を限定(特定)します。

この記事で紹介する知識、ノウハウを習得することで、○○○な状態になれます。
この記事で紹介する知識、ノウハウを習得することで、○○○を避けられます。
もしあなたが、○○○という状態なら、ぜひ先を読み進めてください。

上記のような形で、「なぜ、この記事を読む必要があるのか?」という理由を読み手に与えるわけです。ここで読み手のモチベーション(動機)を刺激できなければ、すぐに離脱されてしまいます。

理由を与えるというのは、特別、難しいことではありません。

「この記事では、○○○について解説します。これを知れば、あなたは○○○という状態になれるはずです」といったことを、リード文でストレートに伝えればいいだけです。慣れない間は、「何か気の利いたことを言わなければ」「短いとなんか体裁悪いから、それっぽいことを適当に書いておこう」といったことをやりがちですが、効果はほとんどありません。

読み手にとって、記事を読むことで得られる利点こそが最大の関心事であり、書き手の都合に興味はないのです。記事を読むことで何を得られるのか? を素早く提示してください。
リード文の書き方を解説した以下の記事も参考になるので、こちらもぜひ。

2. ノウハウやアイデアの概要や詳細

なに? タイプの人は、物事を体系的・論理的に理解しようとする傾向が強いです。
「そもそも、それは何なのか?」という部分を知りたがるので、記事で取り扱うノウハウやアイデアについて、その概要や詳細を事細かく伝える必要があります。

  • これはそもそも何なのか?
  • 既存の他のものとは違うのか?
  • どういった効果があるのか?
  • 信頼できるものなのか?

このような形で、情報を深く掘り下げていきます。ここが、本文(ボディコピー)におけるメインコンテンツになります。

​​場合によっては、ここの要素を省略あるいは簡素化しても大丈夫です。たとえば、「プロテイン 筋トレ 摂取タイミング」のような、実践例・行動例をピンポイントで知りたいキーワードで記事を書く場合は、ノウハウやアイデアの概要を長々と説明する必要はありません。

ただ、「~とは?」「~の効果」といった、ユーザーのニーズがそこまで深く具体化していないキーワードの場合は、ノウハウ・アイデアの概要や詳細を深く掘り下げるべきだと思います。読み手の疑問や不安をすべて潰す、という意識で情報を網羅してみてください。

読み手の疑問・不安をカバーする情報の例としては、以下のようなものがあります。

  • ○○○とは?
  • ○○○の歴史
  • ○○○が広まった背景
  • ○○○の効果
  • ○○○のメリット(デメリット)
  • ○○○の使い方
  • ○○○の選び方
  • ○○○の信頼性や根拠
  • ○○○の各要素の詳細について

このような、読み手の疑問・不安をカバーする情報を盛り込むことで、読み手が抱くさまざまな疑問を潰すことができます。疑問が解消した読み手は納得感を覚えますし、納得感を覚えてこそ、記事に書かれたノウハウを実践しようという気になるわけです。

3. 具体的な行動ステップ

どうやって? タイプの人は、「具体的に何をすればいいのか?」という実践例を求めます。ノウハウや理論を実践する際の行動ステップやプランを、極めて具体的かつ実践的に伝えることが重要です。

行動の具体例が抜け落ちている記事では読み手の満足度が下がりますし、行動にもつながりません。ニュース系の記事やプレスリリースなどであればいいかもしれませんが、ハウツー系の記事で行動の具体例が欠落しているのは致命的です。

ハウツー系の記事は具体性や実践性が命ですから、行動ステップの部分は曖昧にせず、具体的かつ実践的な内容を盛り込むようにしてください。

<例>

  • ○○○○○○を実践するための7ステップ
  • ○○○○○○を習得するトレーニング例
  • ○○○○○○の習得におすすめの書籍3選
  • ○○○○○○のサンプル例文

個人的にオススメなのは、行動ステップを提示するやり方です。

ステップ1、ステップ2 、ステップ3 、といった形で、やるべき行動をステップバイステップで説明していけば読み手は理解しやすくなります。また、書き手にとっても、非常に書きやすいというメリットがあります。行動ステップを順々に並べていけばいいだけなので、複雑な論理展開を必要としません。途中で何を言いたいのか意味不明になるという事故も防ぎやすくなります。

記事のテーマによっては使えないこともありますが、もし行動ステップの形式で書ける場合は、積極的に使うことをオススメします。

​​4. 記事のまとめと行動の指示

どうやって? タイプの人は、明確な行動の指示を必要とするので、「あなたが今すぐやるべきことは、これですよ」という形で、具体的かつ明確な指示を出すことが重要です。

まとめ文(締め文)で、記事で紹介してきたノウハウ・アイデアを簡単にまとめて、「では、今日からどうするか?」ということを伝えましょう。以下のような形で、実践してほしい行動や読んでほしい関連記事、購入を促したい商品など、具体的な指示を出して記事を締めます。CTA(コール・トゥ・アクション、行動喚起)のパーツです。

このノウハウを確実に身につけるために、まずは○○○と○○○を実行してください。
このノウハウについてより詳しく知りたいなら、こちらの記事もオススメです。
今回のノウハウを効率的にマスターするなら、こちらの商品がオススメです。

具体的な行動の指示がないと、締まりが悪く、印象にも残らず、読み手は「で、結局何すればいいんだっけ」という状態になります。そうなれば、ビジネス上の成果(問い合わせ獲得や売上向上、PVアップ)にはつながりません。具体的な行動の指示をして、記事を終わらせることが重要です。

まとめ文の書き方を解説した以下の記事も、ぜひ参考にしてください。

文章比率(割合)の目安

4つの要素、それぞれの文章比率(割合)の目安は、以下のとおりです。

配置場所 文章比率
記事を読むべき理由 記事冒頭(リード) 10%
ノウハウやアイデアの詳細 ​​​​本文(ボディコピー) 50%
​​具体的な行動ステップ ​​​​本文(ボディコピー) 30%
記事のまとめ・行動の指示 まとめ文 10%

あくまで目安なので、参考程度にしてほしいのですが、ノウハウ・アイデアの詳細と行動ステップの提示の部分が、最も文字数を割くべき要素になります。これらが、記事の核になる部分だからです。

逆に、記事を読むべき理由と記事のまとめ・行動の指示は、そこまで文量を割く必要はありません。記事を読むべき理由をあまりに長々と展開すると必死感が出て、強引に説得されているという感覚を読み手は覚えるからです。最後の行動の指示も同じです。

まとめ

ここまで、Webライティングにオススメの文章構成テンプレートについて、David Kolb(デイヴィッド・コルブ)の4つの学習スタイル理論をもとに解説してきました。

記事を読むべき理由(なぜ、記事を読む必要があるのか?)
ノウハウやアイデアの詳細(これは一体何なのか? どんな効果があるのか? どう役に立つのか?)
具体的な行動ステップ(どう実践すればいいのか? 具体的な行動ステップやプランは?)
記事のまとめと行動の指示(いますぐ、やるべきことは?)

記事の構成に悩んだら、上記の4要素を盛り込むことを意識してください。読み手の理解度や納得感、満足感のレベルが段違いになります。

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