「良質なコンテンツとは何か?」

この問いに、あなたはどう答えますか?

コンテンツマーケティングという概念が広まったいま、無数のコンテンツがWebに溢れています。検索上位を目指したりSNSで注目されたりすることを狙って、大量のコンテンツが日々生み出されている状況です。まさに、コンテンツの乱造時代だといえます。

そのような状況ですから、コンテンツを作る意味や目的を、あらためて見つめなおすべきではないでしょうか?

この記事では、「コンテンツ乱造時代における良質なコンテンツとは何か? 」 について、TCDなりの見解をお伝えします。

「コンテンツの量産に疲弊している……」
「自分がなにを発信したいのか、わからなくなった……」
「コンテンツなんてどうせ意味がない……結果も出ないし」

もし、上記のような悩みをお持ちでしたら、ぜひ先を読み進めてみてください。きっと、コンテンツ作成の指針や軸を見つけるヒントになるはずです。

良質なコンテンツとはそもそも何か?

良質なコンテンツの定義は人それぞれだと思います。たとえば、「ユーザーの検索意図を満たしたコンテンツ」 を、良質なコンテンツとして定義する人もいるかもしれません。

ただ、私たちの考えは少し違います。検索意図を満たすという視点だけでは、良質なコンテンツは作れないと考えています。

私たちが考える良質なコンテンツとは、”本物である”ということです。少し抽象的な定義で恐縮ですが、これから噛み砕いて説明していくので、どうかお付き合いください。

“本物である”とは、価値観やミッションに忠実であること

本物の意味を辞書で調べると、以下のように定義されています。

にせものや作りものでない、本当のもの。また、本当のこと。「本物の真珠」「本物の情報」

本物(ホンモノ)とは – コトバンク

自分を偽らず、他人の真似事をせずに、本当のことを語る。これがコンテンツにおける、”本物である”という姿勢だと私たちは考えています。

そしてその姿勢を作るには、徹底した内省が必要です。自分たち(自社)はどういう存在なのか? このコンテンツを通して、世の中をどう良くしたいのか?

このような内側からの問いに答えることが、すべてのコンテンツ、ひいてはビジネスの出発点です。内面の価値観やミッションを明確にして、それらに忠実であること。

いわゆるインサイド・アウトの姿勢です。

インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。内面のもっとも奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。

出典:2016年 キングベアー出版 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 【著】 スティーブン・R. コヴィー 【訳】フランクリンコヴィージャパン

これと真逆なのが、アウトサイド・インという姿勢です。外部からの刺激や要求に反応して、ただそれに応えるだけであり、そこに自分たちの意思はありません。

重きを置くもの コンテンツを作る動機 姿勢
インサイドアウト 内面の価値観、ミッション 価値観を共有したい、世の中を良くしたい 主体的
アウトサイドイン 外部の環境、評価 競合が書いているから、ウケそうだから 迎合

インサイド・アウトとアウトサイド・イン、どちらの姿勢が、良質なコンテンツ作成につながるでしょうか? インサイドアウトだと、私たちは考えています。

アウトサイド・インから生まれたコンテンツでは世の中が良くならない

外部の環境に反応するアウトサイド・インの姿勢からは、本当の意味で良質なコンテンツは生まれません。たとえば、検索上位の記事を真似しただけのコンテンツです。

「上位記事の見出しを抜き出して、それを真似すればいい」

このような方法は、外部の要因(検索結果の競合)にしか目がいっておらず、自分たちの内面をまったく無視しています。

  • コンテンツを見た人に、どんな価値観を伝えたいのか?
  • このコンテンツを通して、社会にどう貢献したいのか?
  • 自分たちだからこそ発信できるコンテンツは、そもそも何なのか?

このような内省が圧倒的に不足しているのです。その結果、ありきたりで無機質なコンテンツの乱造につながっています。これは世の中をまったく良くしない行為です。

そしてもちろん、自分たちのビジネスにもプラスにはなりません。ありきたりなコンテンツに価値を感じてくれるユーザーは、ほとんどいないからです。

だからこそ、アウトサイド・インではなくインサイド・アウトの姿勢から生まれる、本物のコンテンツが必要なのです。

本物の姿勢をもつ良質なコンテンツだけがビジネスの成長に貢献する

  • 事業を大きくしたい
  • ブランドを形成したい
  • 商品をもっと売りたい

もしあなたが、上記のようなことを考えているなら、本物のコンテンツを作ることに集中しましょう。内に何も宿らない凡庸なコンテンツでは、ユーザーに見向きもされないからです。

もちろん、一瞬だけの注目を集めることはできるかもしれません。射幸心(しゃこうしん)を煽れば多くの人の関心は引けるでしょうし、Googleで上位表示さえすれば、真似事のコンテンツでも流入は稼げるでしょう。

しかし、それらは決して持続しません。本質から外れているからです。

たとえば、世界的に語り継がれている名著と、世の中に溢れている安易なテクニック本との違いをイメージするとわかりやすいと思います。後者が30年後、50年後も語り継がれているでしょうか? そんなはずはないですよね。

ビジネスを持続性あるものにするなら、ここまでお話してきた本物の姿勢をもって、良質なコンテンツを作ることに集中しましょう。

良質なコンテンツを作るためのヒント【社会や時代に媚びない】

ここで、良質なコンテンツを作るためのヒントとして、弊社のクレド(信条)をご紹介します。全部で8つあるうちの1つが、良質なコンテンツ作成におけるヒントになると思います。

2. 社会や時代に媚びない
社会や時代に媚びても人々を驚かせるサービスは生み出せない。世の中に本当の価値をもたらせるよう、デザインプラスは何物にも媚びず、自分たちの軸を持ち、突き進むことを誓います。

出典:MISSION | 株式会社デザインプラス採用サイト

社会や時代に媚びない。これは、自分たちの軸を明確に持つということです。

軸を持っていないと、たとえば、検索上位のページを真似しただけのコンテンツを作ってしまいがちです。検索ユーザーやGoogleに媚びている状態であり、自分たちの軸がそこには存在しません。

明確な価値観(主義主張)やミッション(使命)、理念がない発信者のコンテンツに魅力はないはずです。

世の中に本当の価値をもたらすには、既存コンテンツにはない視点を盛り込み、驚きと気づきを与えないといけません。

そのためには、徹底した内省が必要です。自分たちの価値観やミッション、独自性、強みを掘り下げ、どうすれば世の中に価値を提供できるのかを考えるのです。すべてはここから始まります。

「ユーザーが求めるものがすべて」 「自分たちが書きたいことに価値はない」 といった、内面を軽視する教えがコンテンツマーケティングの世界では常識のようになっていますが、決して真実ではないと、私たちは思います。

事実、そのような教えが、ありきたりで無機質なコンテンツの乱造につながっているのは否定できないはずです。

お客さんたちは作り手たちの感性、思考のアップデートを潜在的に望んでいるということです。新しいものであったり、驚くものであったりを望んでいる。そうしたものは理屈だけでは作れない。私たち作り手の感性から生まれるものだからです。

出典:モノづくりの現場に「仕様書」はあってないようなもの | 株式会社デザインプラス採用サイト

これは弊社代表のブログ記事からの引用です。ユーザーの求めるものを超えて、新鮮な驚きと価値を提供する。そのためにはユーザーに媚びてはいけない、検索結果に迎合してはいけない、ということです。

もしかしたら、短期的には評価されないかもしれません。インスタントな解決策やテクニックに、人はどうしても飛びつきがちだからです。Googleの検索結果も、そうした情報で溢れています。

しかし長期的に生き残るのは、社会や時代に媚びず、徹底的に内省を重ね、自分たちの価値観やミッションに則ったメッセージを発するコンテンツではないでしょうか。

最後に:文化をつくるコンテンツで市場を独占しよう

ここまで説明してきた良質なコンテンツ(本物の姿勢で作るコンテンツ)は、「文化をつくるコンテンツ」 と言い換えられるかもしれません。

私たちはサービスをただ用意して売るのではなく、その世界の文化を我々が創造することを強く心に描いてサービスを生み出します。

出典:MISSION | 株式会社デザインプラス採用サイト

上記は弊社の経営理念です。その世界の文化を我々が創造すること、という文言があります。マーケティング的な視点で説明すると、自分たちだけの独占市場を形成するということです。

あなたが描く文化に共鳴してくれたユーザーは熱烈なファンになり、あなたのビジネスをほかと比較しようとは考えなくなります。つまり、比較されないポジションに移動できるのです。

文化は、ユーザーに迎合しているだけでは作れません。社会や時代に媚びず、自分たちの価値観やミッションにもとづく情報を発信していくなかで、それに賛同してくれる人が少しずつ増え、やがて大きな文化(市場)として確立していきます。

そこを目指して、コンテンツを作ってみてはいかがでしょうか?コンテンツ発信は、賛同者を集めていく旅でもあります。「私たちはこう考える」 という想いを、明確な言葉にして発信していきましょう。

情報そのもので勝負できる時代は、終わりつつあります。コンテンツマーケティングの爆発的流行により、役に立つ情報は飽和状態だからです。

仮に有益な情報を発信したとしても、競合にすぐに真似されますし、ユーザーからはつねに競合と比較され続けます。終わりのない戦いです。

しかし、想いだけは真似されません。内面の価値観や理念、使命は、競合に模倣されることはありません。これらこそが、あなたのビジネスに競合優位性・独自性をもたらし、比較されないポジションへと導いてくれます。

ここまで長々とお伝えしてきましたが、ぜひ時間をとって、自分たちの内面を見つめ直してみてください。きっと、コンテンツ発信の在り方が変わるはずです。

最後に、コンテンツ発信の軸を明確にする質問リストをご共有します。ぜひご活用ください。

コンテンツ発信の軸を明確にする質問リスト
1. 自分たちが最も喜びを感じることは何か?
2. 自分たちが最もイライラを感じることは何か?
3. 発信するコンテンツを通して、社会をどう良くしたいのか?
4. 発信するコンテンツを通して、だれを救いたいのか?
5. 自分たちの使命(ミッション)を一言で表すと?
6. 今のビジネスを始めた理由は何か?
7. ビジネスにおける哲学は何か?
8. 自分たちの強みは何か?
9. 自分たちの弱みは何か?

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