Webライターが価値ある記事を作るためには、正しいリサーチが欠かせません。
この記事では、Webライターのための3つの必須リサーチ項目と、信頼性の高い情報を素早く探すためのGoogle検索テクニックをご紹介します。
ちなみにリサーチというと、Googleの検索上位10ページの内容を見ればいい、と解釈されることが多いですが、それはあくまでSEOにおける検索意図のリサーチに過ぎません(検索意図の把握を目的としたリサーチ手法については以下を参照ください)。
この記事では、SEOで重要になる検索意図(Search Intent)のリサーチ方法を解説します。 検索意図を把握して、検索ユーザーのニーズに合致したコンテンツを作ることは、コンテンツSEOにおける最重要施策です。 よく使われる3つのリサーチ手法と、検索意図の理解を深める便利なフレームワ...
検索意図のリサーチはSEO記事の執筆では大事な工程ですが、そこだけに終始しないよう注意してください。記事執筆のためにおこなうべきリサーチとは、もっと広い範囲を指すものだからです。
正しいリサーチをおこなうためのマインドセットと技術は、ライターとしての大きな武器になります。ぜひ、学んでみてください。
目次
なぜ正しいリサーチ技術が重要なのか?
記事を書くための情報を集めるという行為自体は、多くのライターがやっていることだと思います。
しかし、正しいリサーチをしているライターはあまり多くありません。大抵の場合、3~5つくらいの競合記事を拾い読みして、そこに書かれている内容を参考にして記事を書いています。これはリサーチというよりも、ただのパクリです。
「リライト」といえば、コンテンツを作る時、外部ライターに記事の執筆依頼をする時など、よく耳にする単語ではないでしょうか。少し前にアフィリエイト界隈でブラックハットSEO(※)が流行していた頃から、よく聞くようになった単語であると思います。この記事では「リライト」は悪ということを言いたいのではありませ...
このような安易な情報の拾い方では、読み手を納得させたり行動させたりできる効果性の高い記事は作れないので、リサーチに関する正しいマインドセットや方法論を理解する必要があります。
正しいリサーチをおこなうには、「内部・外部」の両方について調べるという視点が重要です。
内部とは、記事を提供する相手 = クライアントのことです。Webライターは、クライアントのビジネスや方針をよく理解して、そこに合致した記事を書く必要があります。
外部とは、Webや書籍などの情報源から参照した情報のことです。記事の主張を強化したり裏付けたりするデータや根拠を外部の参照元から集めていくことは、説得力のある記事を作ることにつながります。
内部・外部から情報を集めるという視点でリサーチをおこなうことで、ライターは効果性の高い記事を作ることができます。以下では、それぞれの方法について解説していきます。
クライアントに関する必須リサーチ項目3つ
クライアントに関するリサーチをちゃんとやっているライターは少数なので、実践すれば大きな差を付けることができます。以下の3つを調べましょう。
- クライアントの事業内容や商品
- クライアントのメイン顧客
- クライアントのメディアの既存コンテンツ
それぞれ解説します。
クライアントの事業内容や商品
まずは、クライアントの事業内容や商品への理解を深めます。
- どんな事業をしているのか?
- メインの顧客層はどんな人か?
- 独自の強み(弱み)はなにか?
- 主要な商品・サービスは?
- 商品・サービスの訴求点は?
- 主要な競合他社はどこか?
仕事に取り掛かる前に、これらの情報を調べておきましょう。クライアントの事業のために記事を書くわけですから、ライターはクライアントの情報を事前に把握して、事業の方針や商品・サービスのコンセプトに合致した記事を作る必要があります。
クライアントの事業や商品を理解しようとせず、「とりあえずネットで情報を拾って書く」という意識しかないと、的外れな記事になってしまいます。
たとえば、ハードトレーニングをする男性向けのサプリを扱っている企業の記事で「楽してダイエット」路線の記事にしてしまったり、ホエイプロテインを売りにしている企業の記事で、「ホエイは体に悪いのでソイを飲みましょう」と平気で書いてしまったり・・・。そういった致命的なミスをやってしまうのです。
当然、そんな記事が納品されれば、「ウチのこと、本当に理解してんの・・・?」という不満と不信をクライアントは感じます。最低限、クライアント企業のWebサイトはチェックすることをオススメします。その際は、以下のようなページを見ていきましょう。
- 事業内容
- 独自の強み(重要)
- 主力商品・サービスの特徴とベネフィット(重要)
- 商品・サービスの製造(開発)過程
- FAQページ
- お客様の声
- 実施しているキャンペーン
- 最新NEWS
特に、記事のテーマと関連する商品・サービスの説明ページは必ずチェックして、特徴やベネフィット、競合との違いをよく理解しておきましょう。ここを理解しているのといないのとでは、記事の調子がまるで変わってきます。
クライアントのメイン顧客
クライアントのメイン顧客(ターゲット)についても調べておきます。
どんな人たちを対象にビジネスをしているのか? 展開している商品、ブランドの客層は? といったことをリサーチしましょう。
- 商品を購入するのはどういった人たちか?
- 購入する動機はどんなものか?
- どういった必要性を感じているのか?
- 購入の際、一番気にすることは?
- 彼(彼女)らの価値観や願望は?
クライアントの商品ページやLP(ランディングページ)をチェックして、そこで訴求されているポイントをメモしていけば顧客像がハッキリします。
一例として、プロテインを販売しているクライアントの場合で考えてみます。LPを見たときに、
- タンパク質高配合(90%以上)
- WPI100%の高品質
- ハードに追い込むトレーニーのために
- もう一段階上のレベルを目指す
- ○○○プロデュース
- マッチョマンな男性のイメージ写真を多用
といった訴求があれば、「ストイックに身体を鍛えたい男性で、プロテインの質にとにかくこだわっている(質 > 値段の価値観)」といった顧客像が浮かび上がります。頭の中で想像しただけの顧客像とは違い、LPの文言を見て、そこから導き出した顧客像なので、ほぼ間違いがない精度です。
クライアントのメディアの既存コンテンツ
クライアントのメディアやブログに掲載されているコンテンツ(記事や動画、資料など)があれば、それらもチェックします。既存コンテンツをチェックすることには、以下のメリットがあるからです。
- 記事のおおまかな方向性を確認できる
- 文体など、文章のスタイルを確認できる
- 執筆する記事と既存記事との重複を避けることができる
- 執筆する記事に使えそうな参考情報を得られる
- 内部リンクとして設置できそうな関連記事を見つけられる
特別な事情がない限り、執筆する記事は既存記事との整合性をとる必要があります。既存記事で主張している内容と矛盾していたり、文体がかけ離れていたりするのは、あまり好ましくありません。
既存記事にいくつか目を通して、展開されている主張や使われている文体をチェックしておきましょう。ブログ、YouTube動画、ダウンロード資料などを参考にするといいでしょう。自分が執筆する記事で使えるアイデアや主張が見つかるかもしれませんし、関連性が高い既存記事があれば、内部リンクとして設置を検討することもできます。
情報を参照する優先度は、基本的にクライアントのメディアの既存記事 > 外部のメディアの記事です。クライアントのメディアの既存記事に有益な情報がたくさんあるにも関わらず、それを無視して外部記事の情報を参照するのは合理的とはいえません。
外部のメディアの記事に書かれている内容がクライアントの主張や方針と合致しているとは限らず、そのような内容を切り貼りしたところで、良い記事は作れないでしょう。「いや、ウチはこういう主張じゃないんだよね・・・」という認識のズレが必ず起きてしまいます。
だからこそ、既存コンテンツに隅々まで目を通して、独自の主張や方針、価値観をよく理解することが大切なのです。
Google検索で信頼できる情報を素早く集める方法
次は、記事の主張を支える根拠やデータを外部から集めるリサーチ手法について解説します。大事なのは、信頼性の高い情報源を素早く見つけ出すことです。
信頼性の高さの序列
情報の信頼性には、序列があります。
一般的に、個人のブログやアフィリエイトサイト、Wikipediaなどは、信頼性が高いとはいえません。企業のメディアもそうです。事実誤認や歪曲された情報が掲載されていることが非常に多いので、情報源として安易に使うのは避けたほうがいいでしょう。
信頼性の高さの序列は、以下の図の通りです。
厚生労働省や金融庁などの政府機関のサイトが最も信頼性が高く、次いで、財団法人や社団法人、医療法人などが続きます。業界で知名度のある企業のサイトも、その業界内においては信頼性が高いといえます(例:SEO業界におけるGoogleの公式発言など)。
どれくらい信頼性・正確性が求められるかは、記事のジャンルにもよりますが、健康や金融、法律などに関する記事は、信頼性・正確性が高いレベルで求められるので、可能な限りピラミッド上部のサイトを情報源にすることをオススメします。
信頼性の高い情報を見つけるGoogle検索技術
今の時代、Google検索を使えば、記事作成に必要な情報のほとんどを集めることができます。ただし、検索の方法を工夫しないと、信頼できる情報を見つけ出すことは難しいです。
信頼性の高い情報にアクセスするには、検索テクニックが要求されます。 ここでは、「アルカリイオン水」というキーワードで記事を書くことを想定して、信頼できる情報を素早く集めるGoogle検索の方法を解説します。
まずは、普通に「アルカリイオン水」と検索してみます。
検索結果に出てくるのは、企業サイトが中心です。これらを情報源にするのはあまり良くないので、少し検索を工夫してみます。
「厚生労働省」「団体」などの単語を組み合わせる
試しに、「アルカリイオン水 厚生労働省」と、Googleの検索窓に入力します。
すると、「アルカリイオン整水器協議会(https://www.3aaa.gr.jp/)」というサイトがヒットしました。調べてみると、「一般財団法人機能水研究振興財団(http://www.fwf.or.jp/)」という財団法人(内閣府からの監督もある団体)とも連携しているようです。信頼性が高いと判断していいでしょう。
そうしたら次は、これらのサイトにある、アルカリイオン水に関する情報を一気に取得していきます。
「site:」コマンドを使ったサイト内検索
以下のように、「site:」コマンドを使って検索してみます。
これはGoogle検索コマンドの一つで、指定したドメインのページのみを検索対象にしてくれます(ドメインと検索キーワードの間は半角スペースを挿入)。「https://www.3aaa.gr.jp/ 」に掲載されている、アルカリイオン水に関するページだけを表示してくれるというわけです。
すると、
このように、アルカリイオン水に関する信頼性の高い情報源に一気にアクセスできす。「site:」コマンドを使ったサイト内検索の作業をいくつかのドメインで繰り返して、情報をたくさん集めていきましょう。
便利なGoogle検索コマンド
リサーチ作業を効率化するGoogle検索コマンドをまとめておきます。「○○○○○○」の部分は、任意のキーワードを入れてください。
→指定したドメインのページだけを検索結果に表示してくれる。
filetype:pdf ○○○○○○
→PDF形式のページのみを検索結果に表示してくれる(論文などを探すのに便利)。
“○○○○○○”
→キーワードを” “(引用符)で囲むと、キーワードと完全一致の文言が含まれたページだけを表示してくれる。
○○○○○○ -除外したいキーワード
→「-」の後ろに除外したいキーワードを入れると、そのキーワードが含まれているページを除いた検索結果が表示されます。
ひとまず、これくらいを覚えておけば十分です。
その他の検索コマンドについては、以下のGoogleのページを参照ください。
ウェブ検索の精度を高める – Google 検索 ヘルプ
まとめ
ここまで、Webライターのためのリサーチ技術として、クライアントに関する必須リサーチ項目3つと、信頼性の高い情報を素早く集めるためのGoogle検索テクニックをご紹介しました。
正しいリサーチをおこなうには、「内部・外部」の両方について調べるという視点が重要です。特に内部(クライアント)のリサーチは疎かにされがちですが、クライアントのことをちゃんと理解しなければ、良い記事を作ることは難しくなります。ネットの記事を適当に調べて、ありきたりな内容をまとめるだけではいけません。
これら3つの観点でクライアント内部のことを徹底的にリサーチしてみてください。ここが記事作成における大前提であり、外部から情報を探すのはその後です。
外部から情報を探すときも、適当に情報を拾うのではなく、Google検索で信頼性できる情報を素早く集める方法で解説したとおり、情報の信頼性を意識することがポイントです。
今回解説したリサーチ方法を実践すれば、多くのライターと圧倒的な差を付けることができるはずです。ぜひ試してみてください。
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