バナー広告、検索エンジン広告、メルマガ広告・・・Web広告には無数のように様々な種類があります。その中でも「記事広告」というものがあります。
本稿では「記事広告」に関する広告主側、メディア側双方から見た、運用のメリット・デメリットを解説します。
記事広告とは?
記事広告とは、明確に定義があるわけではありませんが、通常の記事と変わらない体裁で商品を紹介する広告のことです。「広告」や「PR」など事前に広告である旨が分かる表記はあるものの、通常の記事と体裁が変わらないので広告効果が高いと言われています。
記事広告は大手メディアでも積極的に募集しています。記事広告の事例を紹介しておきます。
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広告主視点の記事広告
特徴(メリット・デメリット)
以下は広告主側から見た、デメリットも含めた記事広告の特徴です。
- 掲載期間が長い(半永久的)
- メディアのブランド力が高ければ、商品の認知度も上がる
- 掲載料金は高くなりがち(だが、コスパは良い)
- 一定の商品力がなければ、掲載してもらえないことがある
- 広告の内容に制約条件が多い
価格の目安は?
メディアの大小によって大きく異るため、料金の目安・相場はありませんが、次のように算出されることが一般的です。
広告掲載料 + 手数料(ヒアリング・リサーチ・ライティング)
冒頭で紹介したメディアの規模だとおおよそ100-500万円くらいですが、小さな媒体では10万円ほどのところもあります。これはバナー広告の料金よりはずっと高い金額です。ですが、記事広告の最大の特徴である「サイトが続く限り掲載し続られる」という点を見れば、決して高いわけではありません。
改善・注意点など
後述しますが、記事広告を掲載することはメディア側にとってのリスクとなることがあります。それは信用リスクです。
よって、メディア側は広告内容に「強めのオファー」を含めることを嫌う傾向があります。メディア側が設定した制約条件によっては、宣伝すらさせてもらえないこともあります。その場合、いかに宣伝せずに商品を認知してもらう方法をメディア側の担当者と一緒に切り口や表現を議論する必要があります。
担当者の提案通りにそのまま進めると、何のPRにもなっていない記事が出来上がることは少なくないと考えましょう。
メディア(広告掲載側)視点の記事広告
特徴(メリット・デメリット)
以下はメディア側から見た、デメリットも含めた記事広告の特徴です。
- 広告効果が高いため、需要が大きい
- 掲載料金を高く設定しやすい
- 自社コンテンツが増える
- 執筆にはライティング力とリサーチが求められる
- 長期掲載が必要
- メディアの信用を毀損することがある
改善・注意点など
メディア側にとって、記事広告は売上を手軽に上げる手段の1つです。売上がかかる分、クライアントの商品をリサーチして分析するというプロのコピーライターのようなこともやらなければいけない。言い方を変えれば、広告効果を上げるために、一歩踏み込んだことをしなければいけない。その点が、記事広告を受注する側の大変さです。
また、信用の毀損リスクもあります。以前、医療分野の商品の記事広告を受けたメディアが薬事法に抵触し、一時期叩かれたことがありました。このように不正な紹介、あるいは不正(不道徳)な商品・サービスを紹介してしまうと問題になることが多いです。
テレビCMや検索エンジン広告など掲載期間が短い広告だと問題にならない場合も、記事広告だと大きな炎上事件になることもあります。記事広告を受注する際は、クライアントとその商品の背景も審査する必要があります。
半永久的に掲載する問題
記事広告の需要が大きい理由の1つとして、「サイトが運営され続ける限り半永久的に掲載される」というルールがあります。ルールと言っても、誰かが決めたわけでもないし、従わなければいけないものでもありません。ただ、このルールを明示して広告を募集しているメディアも少なくないのです。
ですが、そうなると10年20年経ってもずっと掲載し続けなければいけません。それだけの月日を経れば、メディアのスタンスも変わるだろうし、過去記事を整理したくなることもあるでしょう。これはわかります。しかし、半永久掲載を一度約束したら過去の記事広告はどうすることもできません。
では、どうしても約束を破りたくなったらどうするか?
抜け目のないメディアだと、こっそり記事広告を削除したり「nofollow」を付与するところも実際にあります。弊社も5年前に出した記事広告が消されていたので、メディアに問い合わせたことがあります。回答はありませんでしたが。
出来ない約束は最初からしない方が良いので、勝手に記事を削除するのではなく掲載期間をあらかじめ決めておく方が良いというのは一メディア運営者として思うところです。
まとめ
記事広告は双方にとってメリットが大きな広告ですが、デメリット(注意点)もあります。とは言え、注意点の中身を知れば解消できるものも多いです。
より広くWeb広告を活用していきたい人は、検討してみてはいかがでしょうか。
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