商用利用できる音声読み上げソフト「音読さん」。

テキストを入力すると音声を読み上げてくれるため、YouTubeのナレーションを作成したり、Webサイトに貼り付けて使う事ができます。本稿では「音読さん」の基本的な機能と使い方をご紹介します。

音読さんとは?

音読さん
「音読さん」とは、入力したテキストを音声化して、MP3でダウンロードできるサービスです。

音声化したい文章を入力してボタンを押すだけで、音声ファイルが完成します。声は複数の男女が用意されており、読み上げのスピードや声の高低の調整も可能です。言語は日本語だけでなく、英語や中国語など複数の言語で読み上げてくれます。

「音読さん」は次の用途を想定した利用ができます。

  • YouTubeのナレーション作成
  • 語学学習で発音の確認
  • 語学学習サイトで外国語音声を貼り付け
  • 視覚障がい者向けサイトで文字を音声化

わりとなめらかな話し方をしてくれるので、クオリティにこだわらなければ、「音読さん」で音声コンテンツを作成できます。

音読さん

料金体系

音読さんでは5つのプランがあり、いずれも商用利用が可能です。会員登録なしや無料会員の場合は、クレジット表記をすれば商用利用できます。

プラン 月額(税込) 読み上げ文字数 画像読み込み数 クレジット表記
会員登録なし 無料 1,000字/月 記載なし 必要あり
無料会員 無料 5,000字/月 記載なし 必要あり
ベーシック 980円 200,000字/月 300枚/月 不要
バリュー 1,980円 450,000字/月 1000枚/月 不要
プレミアム 2,980円 1,000,000字/月 2500枚/月 不要

※請負業務、委託業務はクレジット表記の有無に関係なくビジネスプランが必須

無料で最大5,000文字/月まで使えるため、動画音声を1つか2つ作るくらいは無料会員で事足ります。

機能と使い方

「音読さん」に実装されている機能を紹介します。直感的に使えるUIのため、使い方の解説は不要でしょう。

音読さんの使い方

テキストを入力して読み上げ

読み上げたい文章を入力してボタンを押すだけで、次のように音声ファイルが作成できます。

画像をアップロードして読み上げ

画像に書かれている文字を読み込んで、音声化もできます。試しに、次のバナーをアップすると・・・

WordPress Theme FORCE

棒読みなのが若干気になりますが、正確に読み上げてくれているのがわかります。

画像の文字を間違って読み込んだ場合、テキストの修正も可能です。

音声のダウンロード

テキスト入力や画像から読み上げた音声は、MP3ファイル形式でダウンロードできます。読み上げ履歴のページではWAV形式でもダウンロードできます。

言語設定

音読さんでは、日本語以外にも英語、中国語、スペイン語、フランス語、韓国語など複数言語の読み上げができます。言語の欄を押すと、他の言葉に切り替える事ができます。

英語を読み上げたい場合は、英文を入力して言語を英語にしてから読み上げます。日本語テキストのまま言語を英語にしても読み上げてくれませんのでご注意ください。

音声を変更

音声の欄を押すと、声を選択する事ができます。

日本語の場合は10種類あり、男性・女性の複数の声で読み上げてくれます。英語や他の言語の場合も、それぞれ複数の声が用意されています。

速度変更

読み上げる速度は、0.3〜4倍までで調整できます。普通は速度を変えると音の高さや低さも変わってしまいますが、音読さんの場合はスピードだけを変えてくれます。

声の高低を変更

声の高さ・低さは「−20〜20」まで変える事ができます。声を高くして聞き取りやすくしたり、低くして説得力のある声にする事もできます。

辞書

音読さんの辞書は、会員登録をすると使える機能です。

音読さんの辞書

もし、漢字入力した時に間違って読み上げたり、別の読み方をしてほしい場合は辞書に登録すると、その内容で読み上げてくれます。

例えば、「重複」は「じゅうふく」と「ちょうふく」の2つの読み方がありますが、初期設定のままだと「じゅうふく」と読み上げます。辞書機能で「重複」の読みを「ちょうふく」と登録すると、そちらで読み上げてくれます。

会話形式

こちらも同様に会員登録すると使える機能です。音読さんの会話機能は、2種類以上の声で会話形式の音声を読み上げてくれます。

はじめに複数の「話者を作成」し、名前と声を設定します。その後「会話を作成」し、それぞれの声で話すテキストを入力します。

会話履歴を見ると、設定した会話のMP3かWAVファイル形式で音声をダウンロードする事ができます。

Webサイト用の埋め込みコード

音読さんでは、読み上げた音声をWebサイトに貼り付ける事ができます。

普通にダウンロードした音声をWebサイトにアップロードして表示もできますが、別途「埋め込みタグ」を使用して表示する事もできます。

埋め込みタグは、読み上げ履歴を開き、全文表示のページから取得する事ができます。

「公開する」にチェックを入れて、「埋め込みタグをコピー」を押すとタグがコピーされます。

コピーしたタグは、以下のようなコードになっています。

<audio controls='' style="width: 100%;">
<source src="https://storage.googleapis.com/ondoku3/media/a47c03505fa99948c5e38fc7108f03e7f2807c336eaa78a44506eb81.mp3?" type="audio/mpeg">
</audio><br/>
<a href="https://ondoku3.com/">Created By ondoku3.com</a>

記事にコードを貼り付けると(WordPressの場合、「カスタムHTML」ブロックを使用する)、次のように表示されます。無料版ではクレジット表記も最初から入っています。


Created By ondoku3.com

クレジット表記の方法

音読さんを無料で利用する場合は、YouTubeやWebサイトにクレジット表記が必要です。有料の場合は、特に表記は必要ありません。

クレジット表記とは、著作者名や提供者を表記する事です。

具体的なクレジット表記の方法としては、「音読さんを利用している」事がわかればOKとの事です。例えば、以下のような表記が推奨されています。

  • ©音読さん
  • ©ondoku3.com
  • この動画の音声は「音読さん」を利用しています。

※©はCopyright(著作権)という意味です。

このように、サービス名の「音読さん」又は公式URLの「ondoku3.com」が入っていれば問題ないようです。YouTubeの場合は、概要欄へ表記する形でも問題ないようです。

ただし、クレジット表記が小さすぎたり、動画の中で一瞬しか表記されないなどは認められていません。利用停止やアカウントが凍結されたりする場合がありますので、しっかり表記した方が良いと思います。

というか、これだけ素晴らしいサービスを無料で使わせてもらうのだから、製作者に敬意を表する意味でもぜひクレジット表記はしたいところです。

参考:音読さんのクレジット表記の仕方。表記の実例と注意点。

音声の微調整をする

音読さんでは、テキストを入力するとある程度なめらかに読み上げてくれます。しかし、思ったとおりの「間」や「イントネーション」で読み上げてくれない場合があります。

その場合の調整方法がありますので、いくつかご紹介します。

間の調整方法

音読さんで「間」を調整したい場合、文章に「、」や「。」の句読点を入れるとある程度調整できます。しかし、それだけでは自然な音声にならない場合もあります。

より細かく間を調整したい場合は「音声マークアップ言語」を使います。言葉だけを聞くと難しく感じるかもしれませんが、比較的簡単に設定する事ができます。

はじめに、読み上げたい文章を<speak>と</speak>で囲います。その後、間を開けたい箇所に<break time="1s"/>を入力します。

今回は1秒開けたいため「1s」と入力していますが、0.5秒であれば「500ms」、2秒であれば「2s」と入力します。

▼入力例

<speak>
吾輩は猫である。<break time="1s"/>名前はまだ無い。<break time="1s"/>どこで生れたかとんと見当がつかぬ。<break time="1s"/>何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
</speak>

▼間の調整なし

▼間の調整あり

イントネーションの調整方法

音読さんでテキストを入力すると、違和感のあるイントネーションになってしまう場合があります。

特にカタカナ語を使用した場合におかしくなるケースが多いかもしれません。その場合は、言葉の一部を「カタカナ」から「ひらがな」に変換すると、自然なイントネーションになったりします。

例:ペーパードライバー ⇒ ペーパードライばー

▼ペーパードライバー

※語尾が上がって、疑問形のように聞こえる。

▼ペーパードライばー

このように、一部をひらがなにすると自然なイントネーションになります。

クローム拡張機能

インターネット閲覧ソフトのGoogleクロームでは、音読さんの機能を追加できます。

利用するにはChromeウェブストアから音読さんをインストールします。その後、音読さんにログインし、拡張機能のボタンを押して「トークン設定」からアクセストークンを保存します。

Chrome エクステンション

クローム拡張機能では、Webサイト上の読み上げたいテキストをドラッグして、音読さんのボタンを押すと、音声化してダウンロードをする事ができます。

Chrome エクステンション

WordPressプラグイン

text-to-speech Ondoku

公式より「text-to-speech Ondoku」というWordPressプラグインが出ています。
記事作成で入力したテキストが音声化され、自動的に記事上部に表示されるという機能をもっています。

サイトやブログが作成できるWordPressでも、音読さんの機能を追加できます。利用するにはWordPress管理画面「プラグインを追加」の画面から「ondoku」と検索するか、こちらからダウンロードしてください。

text-to-speech Ondoku

あらかじめ音読さんへログインし、アクセストークンをコピーしたら、設定画面で貼り付けます。その他に言語や音声なども設定して保存します。

WordPress記事の表示例

まとめ

音読さんは、初心者でも簡単に使える音声読み上げツールです。

YouTubeのナレーションを作成したり、Webサイトのテキストを読み上げてくれます。無料でも最大で5,000文字まで読み上げてくれますので、使いやすいと思います。

他にも音声読み上げツールはありますが、使いやすさや機能の面を見てもトップレベルのツールではないでしょうか?ぜひあなたのお仕事や趣味でお使いください。