WordPressのサイトヘルスに表示されることのある「永続オブジェクトキャッシュを使用してください。」というメッセージ。

「永続オブジェクトキャッシュを使用してください。」というメッセージ

永続オブジェクトキャッシュとは、処理に時間のかかるデータをメモリ上に保存しておき、ページの読み込み速度を改善するものです。WordPressによると、サイトのデータベースを効率化し、読み込み時間を短縮できるそうです。

このメッセージは「そんなオブジェクトキャッシュを使用してね」という推奨項目です。

あくまで推奨なので必須ではありませんが、当記事では簡単にオブジェクトキャッシュを有効化して、解決する方法をご紹介いたします。

プラグイン「APCu Manager」で解決できる

「APCu Manager」というプラグインを使って解決できます。ワンタッチでオブジェクトキャッシュを有効化し、「永続オブジェクトキャッシュを使用してください。」という項目を表示されないようにします。

プラグイン「APCu Manager」

管理画面から「APCu Manager」を検索してインストールするか、下のボタンからもダウンロード可能です。プラグインファイルを wp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。

APCu Manager

プラグインのインストールにつきましてはこちらで詳しく解説しています。

その他、キャッシュに関するプラグインはこちらにもまとめています。よろしければご覧ください。

APCu Managerの使い方(設定方法)

設定は至って簡単です。有効化したら、以下の「Settings」をクリックします。

設定箇所

次の画面が開きますので、一番上の「Object cache」にチェックを入れます。

設定画面

今回は使わないので、他の項目はすべてチェックを外して問題ありません。最下部の「変更を保存」を忘れずにクリックします。

これだけでサイトヘルスの「永続オブジェクトキャッシュを使用してください。」というメッセージは表示されなくなります。

オブジェクトキャッシュで表示速度は改善されるのか

気になるのは、オブジェクトキャッシュを有効化して、ページの読み込み速度が改善されるのかという点です。結論からいうと、体感できる高速化は望めません。

ページの表示速度を計測するPageSpeed Insights のスコアも変わりませんでした。

しかし、数値上は明確に変わっていることが確認できます。

Query Monitorという開発者向けのプラグインを使うことで、下記項目をチェックできます。

  • ページ生成時間
  • 最大メモリ使用量
  • データベース読み込み時間
  • データベースクエリ数

当サイト(TCD)のトップページで確認したところ、以下のような差がありました。

  • 有効化前
  • 有効化後
有効化前
有効化後

オブジェクトキャッシュ有効化前後のそれぞれの数値です。

有効化前 有効化後
ページ生成時間 0.66s 0.26s
最大メモリ使用量 42.0MB 26.4MB
データベース読み込み時間 0.36s 0.00s
データベースクエリ数 271Q 3Q

Query Monitorの数値上は減少が明らかです。ページ生成時間や最大メモリ使用量は半分以下、クエリ数は激減していることがわかります。下層ページも全体的に減少していました。

体感ではわかりませんが、無駄なものを読み込んでいないのは確かなようです。

まとめ

WordPressのサイトヘルスに表示される「永続オブジェクトキャッシュを使用してください。」というメッセージを解消する方法を解説いたしました。

プラグイン「APCu Manager」を使って簡単に解決できますが、オブジェクトキャッシュを有効化したところで、劇的なページ速度の改善が望めるわけではありません。とはいえ、サイトヘルスのメッセージは表示されなくなりますし、数値上は大きな変化を確認できます。

重要度は高くありませんが、サイトヘルスのメッセージを解消したい方は、ぜひ試してみてください。オブジェクトキャッシュ有効化前後で数値を検証するのがオススメです。

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