WordPressで複数のサイトを運用している方は、マルチサイトを活用することで一括管理できるようになります。
- 専業アフィリエイター
- 個人ブロガー
- 企業のサイト運営者
常に複数のサイトを運営しているなら、WordPressのマルチサイト機能が役に立つでしょう。
本記事では、WordPressのマルチサイトを有効化する方法を解説します。
WordPressのマルチサイトとは？
マルチサイトとは、1つのWordPress上に複数のサイトを追加できる機能です。分かりやすい例でいうと、WordPress自体がマルチサイトになっています。
WordPressは、個人ブログからECサイトまで様々なサイトが存在していることが分かるでしょう。マルチサイトの母体となっている「WordPress.com」がデータを管理しています。
無数にあるサイトをWordPressが一括管理しているからこそ、私たちは快適にサイト運営ができているのです。複数のサイトを効率的に運営したいと考えた場合、マルチサイトは欠かせない機能であると言えます。
WordPressを個別に運用する時との違い
マルチサイトを有効化すると、通常のWordPressとは違いが生まれます。
一括管理するサイトの数
マルチサイト化すると、1つのWordPressアカウントで複数のサイトを運営できます。
管理者権限
代表アカウントの管理者は「ネットワーク管理者」になり、全てのサイトを操作する権限を持ちます。
プラグインやテーマの追加は、ネットワーク管理者のみが操作可能です。子サイトの管理者は、権限が付与されたサイトでのみプラグインやテーマの有効化ができます。これにより、大量のサイトを管理する時もネットワークの安全性を確保できる仕組みになっているのです。
ダッシュボード
マルチサイトの場合、WordPressの管理画面であるダッシュボードのUIが若干変わります。ネットワーク管理者のダッシュボードは、サイトの追加や削除などの機能が追加される形です。
子サイトの管理画面は、通常のダッシュボードと同じになります。
ドメイン
マルチサイトでは、代表ドメインのサブドメインで運用するのが一般的です。
＜例＞
- 代表ドメイン：tcd-theme.com
- サブドメイン：site1.tcd-theme.com
マルチサイトではサブドメインの他、サブディレクトリや独自ドメインも利用できます。しかし、サブディレクトリは記事URLと被りやすいデメリットがあるのでおすすめしません。
また、独自ドメインは設定のハードルが高いです。独自ドメインで複数サイトを運営したい場合、マルチサイト化せずに個別管理した方がトラブルを少なくできるでしょう。
マルチサイトの運用例
マルチサイトの運用例をいくつか挙げてみました。
個人ブログをカテゴリーではなくサイトで分類する
昨今のSEOでは、より深堀りされた「濃い記事」が有利とされています。
「ダイエットブログ」よりも「ケトジェニックダイエットブログ」の方が、サイトとしての価値が高まりやすい仕組みです。そのため、大量の記事を1つのサイトに詰め込むよりも、カテゴリー別にサイトを作った方がSEOで有利になるケースがあります。
それぞれの子サイトが関係性を持っている場合、マルチサイトならではの恩恵が受けられるでしょう。
企業の部門ごとにサイトを分ける
企業の部門ごとにサイトを分けて運営しているなら、マルチサイトで一括管理ができます。
もしもあなたが複数のサイトを1人で任されたとしたら、サイトごとに更新作業をしなければなりません。マルチサイト化すれば、WordPressの更新作業は1回で済みます。
またプラグインやテーマも共有できるため、作業の効率化が図れるはずです。
複数のオンラインサロンを一括管理
趣旨の異なるオンラインサロンをサイトごとに運営している方は、マルチサイトで一括管理できます。YouTubeのサブチャンネルと同じようなイメージです。
1つのWordPress内で管理できるため、データの共有もしやすくドメインにも関連性を持たせられます。
マルチサイトのメリット・デメリット
WordPressをマルチサイト化するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
- サイト管理が効率化できる
- サーバー容量を節約できる
- テーマやプラグインを共有できる
デメリット
- マルチサイト未対応のプラグインがある
- マルチサイトに未対応のサーバーがある
メリット1 サイト管理が効率化できる
前述した通り、マルチサイト化すると複数のサイトを一括管理できます。
- プラグイン
- テーマ
- 各種設定
個別にWordPressを設定する場合、上記の操作を繰り返さなければなりません。この点、マルチサイトを活用すれば、1回の設定で全てのサイトに適用可能です。
もちろん、子サイトごとに異なる設定にすることもできます。
メリット2. サーバー容量を節約できる
マルチサイトは、1つのWordPressアカウントで運用できるため、サーバーの容量を節約できます。
| ＜例＞20個のサイトを運営する場合 | |
|---|---|
| 通常のサイト運営 | マルチサイト |
| 20個のサイトを個別にインストールするため、サーバーの消費量が大きくなる | 1つのWordPressで運用できるため、サーバーへの負荷が軽い |
安価なサーバーを利用している場合、この違いは大きくなります。サーバーの容量を節約できるため、結果的にサーバー費用の節約にも繋がるのです。
メリット3. テーマやプラグインを共有できる
マルチサイトを活用すれば、テーマやプラグイン情報を複数のサイトで共有できます。
個別にインストールした場合、各サイトごとにテーマやプラグインをインストールしなければなりません。マルチサイトであれば一括設定できるため、同じ仕様のサイトを効率的に作成できます。
デメリット1. マルチサイト未対応のプラグインがある
デメリットとしては、マルチサイトに未対応のプラグインがあることです。
特にSNS関連のプラグインは、マルチサイトに未対応のものが多い傾向にあります。未対応のプラグインの場合、個別にインストールしなければなりません。
非効率になるケースもあるので、ケースバイケースで選択しましょう。
デメリット2. マルチサイトに未対応のサーバーがある
プラグインと同じく、マルチサイトに未対応のサーバーもあります。
エックスサーバー
、ロリポップ
、ミックスホスト
などのメジャーなサーバーはマルチサイトに対応済みです。格安のレンタルサーバーはマルチサイトに対応していない場合もあるので、事前にチェックしてみてください。
WordPressでマルチサイトを有効化する方法
WordPressのマルチサイトを有効化する流れは以下の通りです。
- 「wp-config.php」へコードを追加
- WordPressサイトネットワークの作成
- 「wp-confing.php」と「.htaccess」にコードを追加
- サイトを作成する
マルチサイトを有効にするには、WordPressのファイルを編集しなければなりません。万が一、トラブルがあった際に復元できるように、必ずバックアップを取っておきましょう。
WordPressのバックアップや復元はデータベースに直接アクセスする必要があるなど、初心者にはハードルが高いものです。ただし、今回ご紹介するWordPressプラグイン「All-in-One WP Migration」は初心者でも驚くほど簡単にバックアップとサイトの復元の双方が可能となります。テレ...
また、ファイルを編集するために、FTPソフトが必要になります。フリーのFTPソフトをインストールしておきましょう。
無料で使える初心者におすすめのファイル転送FTPソフトをご紹介します。 WordPressでは管理画面から直接画像がアップできたり、テーマの編集なども行えるため、FTPを使用せずにサイト構築を行うことが可能です。なので、WordPressユーザーの中には「FTPって何？」という方もいらっしゃる...
「wp-config.php」へコードを追加
はじめにWordPressのファイル内にある「wp-config.php」を検索してダウンロードしてください。
コード一覧から「define(‘WP_DEBUG’, false);」を検索し、その真下に下記コードを追記します。
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
追記が完了したら、保存した「wp-config.php」をFTPソフトで再度アップロードしてください。
WordPressサイトネットワークの作成
「wp-config.php」のアップロードが完了したら、WordPressに再度ログインしてダッシュボードを開きます。
この時、プラグインが原因でマルチサイトを有効化できない可能性があるため、全て無効化しておいてください。
ダッシュボードの「ツール」の中に「サイトネットワークの設置」が追加されているのでクリックします。
「WordPressサイトネットワークの作成」という画面が開きます。
サイトネットワーク名と管理者のメールアドレスを入力して「インストール」をクリックしてください。
ちなみにサイトネットワーク名は、サイト名ではありません。マルチサイトのネットワーク名である点を考慮して分かりやすい名前をつけておきましょう。
「wp-confing.php」と「.htaccess」にコードを追加
インストールが完了すると、「wp-confing.php」と「.htaccess」にコードを追記する旨が表示されます。こちらもFTPソフトを利用してコードを追記してください。
編集が完了したら、再度サーバーにアップロードします。
サイトを作成する
サイトを新規作成する流れは以下の通りです。
- 「参加サイト」をクリック
- 「ネットワーク管理」をクリック
- 「サイト」をクリック
これでマルチサイトのネットワーク内に、新しいサイトを作成できます。
「新規追加」をクリックすると「サイトを追加」という画面が表示されます。
- サイトのURL
- サイト名
- 言語
- 管理者のメールアドレス
上記の必要事項を入力して「サイトを追加」をクリックすれば完了です。
これでマルチサイトにサイトを追加できました。
次回以降は、コードの追記をせずにサイトを追加できます。テーマやプラグインをインストールして、サイト運営をスタートさせましょう。
まとめ
WordPressのマルチサイト機能を有効化する方法をお伝えしました。サイト運営の目的によっては、マルチサイト化することで大幅な効率化が図れるはずです。
- 同じテーマとプラグインを複数サイトに適用している
- 記事のボリュームが多すぎるため複数サイトに分けたい
- オンラインサロンをジャンルごとに分類したい
上記のような方は、マルチサイトの価値を感じられるでしょう。
マルチサイトを有効化する際は、必ずバックアップを取ることも忘れないでください。サイト設計や運営方針に合わせて、マルチサイトを検討・活用していきましょう。
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