WordPressのサイト表示速度は、SEOに直接的な影響を与えると言われています。Googleデベロッパーが提供する「PageSpeed Insights」ではページの読み込み速度を分析することができます。

ページの読み込みに時間がかかると、ユーザーの離脱原因にもなります。そのため、サイト運営者は表示速度の改善が必須事項になっています。

サイトの表示速度改善方法のひとつに「キャッシュ」があります。ユーザーがサイトを訪問した際、キャッシュとして保存したHTMLファイルを返すことで読み込み速度を幾分か早める効果があります。

本校ではキャッシュを生成するWordPressプラグイン「WP Super Cache」の機能と設定方法を解説しています。なお、ブラウザキャッシュ系WordPressプラグインのまとめ記事は見たい方はこちらをご覧ください。

>> 開発者ブログやデータベースブログを作成するためのWordPressテーマ「NULL」

WP Super Cacheとは

WP Super Cacheとは、サイトの表示速度を向上させられる人気のプラグインです。WordPressの開発会社である「Automattic社」が提供している無料のプラグインで、安定感や信頼感があります。他に有名なキャッシュ系プラグインとしては「W3 Total Cache」があります。

WP Super Cacheを使うことで、サイトの表示速度を改善できる要因になっているのが「キャッシュ」と呼ばれる仕組みです。

キャッシュには、サイトでよく使うデータを一時的に保存しておくことで、ユーザーがページにアクセスした際、すぐに表示させられるメリットがあります。

例えば、あなたがラーメン屋さんへ行ったとします。この際、店員さんが注文を受けてから麺を打って、スープの出汁をとって、具材を切ってとしていたら膨大な時間がかかってしまうでしょう。

事前にスープや麺、具材を準備しているからこそ、早くラーメンを提供できるのです。キャッシュはラーメン屋さんでいう下準備と同じような役割をはたします。

結果、サイトを高速化でき、ユーザーが快適に閲覧できるようになるのです。

通常、ユーザーがサイトに訪れてページを表示する度に、PHPで動的ページが生成されます。

インストール方法

管理画面から「WP Super Cache」を検索してインストールするか、下のボタンからもダウンロード可能です。プラグインファイルを wp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。

WP Super Cacheを検索してインストール

WP Super Cache

プラグインのインストールにつきましてはこちらで詳しく解説しています。

「有効化」クリックで、WP Super Cacheが導入されました。

WP Super Cacheの設定方法

インストールが完了したら、早速WP Super Cacheを設定していきましょう。

  • 簡単設定
  • 高度な設定
  • CDN
  • コンテンツ
  • 先読み
  • プラグイン
  • デバッグ

簡単設定

ここではWP Super Cacheの簡単設定を行っていきましょう。

はじめにWordPressの管理画面より「設定」→「WP Super Cache」の順でクリックしてください。

設定からWP Super Cacheを選択

簡単設定の画面が表示されます。

  1. 「キャッシング利用(推奨)」
  2. 「ステータスを更新」

上記の順でクリックしてください。

「簡単」の設定項目

これでWP Super Cacheのキャッシュ機能が有効化されました。

簡単設定は以上で完了です。

高度な設定

次は簡単設定の右側にある「高度な設定」を行いましょう。

「高度な設定」の設定項目

「高度な設定」をクリックすると、以下のような画面が表示されます。

  • キャッシング:「キャッシュを有効化」
  • キャッシュ配信方法:「シンプル(推奨)」

上記はデフォルト設定のままで問題ありません。

その他の設定

「その他」を設定していきます。

「その他」を設定項目

チェックを入れる項目は以下の通りです。

  • ログイン中のユーザーに対してはキャッシュを無効化する
  • ページを圧縮し、訪問者により速くページを供給する
  • キャッシュリビルド
  • 304 ブラウザーキャッシング

いずれも「推奨」と記載されている項目になります。

高度な設定

続いて「高度な設定」を設定していきましょう。

「高度な設定」の設定項目

チェックするべき項目は以下の通りです。

  • Mobile device support
  • 投稿や固定ページの公開、または更新時にすべてのキャッシュファイルをクリア
  • コメントが投稿されたときに該当のページだけリフレッシュする

3つの項目にチェックを入れておくと、サイトを表示するデバイスごとに最適なキャッシュ機能へ切り替えてくれます。

コンテンツを更新した際に自動でキャッシュをクリアしてくれるため、手間をかけずにサイトの表示速度を向上させられるでしょう。

有効時間とガーベージコレクション

次に「有効時間とガーベージコレクション」を設定します。

「有効時間とガーベージコレクション」の設定項目

デフォルトの状態から変更する箇所は以下の通りです。

  • キャッシュのタイムアウト「86400秒」に設定
  • スケジューラー:「定時」を選択

上記の設定にしておくと、古いキャッシュを24時間ごとに自動で削除できるようになります。

設定が完了したら下にある「有効時間を変更」をクリックしてください。

「有効時間を変更」をクリック

「高度な設定」の設定はこれで完了です。

CDN

デフォルトの状態のままで問題ありません。

コンテンツ

デフォルトの状態のままで問題ありません。

先読み

「先読み」の設定は「プリロードされたキャッシュファイルは〇〇分毎にリフレッシュされます。」の時間を「1440分」に設定します。

加えて「プリロードモード」にチェックを入れておきましょう。

「先読み」の設定項目

上記の設定により、ユーザーがはじめてサイトに訪れた際も、キャッシュを有効化して表示速度を高速化できるようになります。

設定が完了したら「設定を保存」をクリックしてください。

ちなみに「キャッシュを今すぐプリロード」をクリックすると、キャッシュが生成されます。

サイトに流入が多い時間帯では、サーバーの負荷も増えてしまうため、アクセスが集中していない時に行うと良いでしょう。

プラグイン

デフォルトの状態のままで問題ありません。

デバッグ

デフォルトの状態のままで問題ありません。

以上でWP Super Cacheの設定は完了です。

サイトの表示速度が改善されたかチェックしてみてください。特に画像ファイルを多用しているページでは、表示速度が大幅に改善されているでしょう。

変更した設定が反映されない時の対処法

WP Super Cacheを導入したにも関わらず「設定が反映されていない」といった問題に頭を悩ませている方も多いです。

トラブルの原因は、設定が更新されておらず古いデータが残っている点にあります。

そのため、WP Super Cacheの設定が完了したら、以下の手順でキャッシュをクリアしておくと安心です。

WP Super Cacheの「コンテンツ」の設定ページを表示します。

続いて「期限切れキャッシュを削除」→「キャッシュを削除」の順でクリックしてください。

「期限切れキャッシュを削除」→「キャッシュを削除」の順でクリック

これで古いキャッシュが削除されます。

ブラウザを更新して、サイトが正常に表示されているかチェックしてみてください。

WP Super Cacheを使う際の注意点

最後にWP Super Cacheを使う際の注意点を解説します。

  • サイトの改修がすぐに反映されない
  • 事前にバックアップを取る
  • ECサイトでは使わない
  • 他のキャッシュプラグインと併用しない

サイトの改修がすぐに反映されない

キャッシュはすでに保存されたデータを表示するため、最新の情報とは限らないことは注意が必要です。

サイトにカスタマイズを加えたり、ページを編集しても、実際は更新されているけど、キャッシュを見ているユーザーは以前のページのまま表示されているということが一定期間起こります。対策はこちらのページに書かれていますのでよろしければどうぞ。

事前にバックアップを取る

WP Super Cacheをインストールする際は、事前にバックアップを取っておきましょう。

WordPressでは、インターネットの接続状況や誤操作などで、正常にプラグインをインストールできないトラブルが稀に起きます。更新が途中で中断されてしまうと、サイトが表示されなくなることもあるでしょう。

事前にバックアップを取っておけば、万が一問題が起きた際に復元できるため安心です。

バックアップの取得自体は、プラグインを使えば知識のない方でも簡単にできます。

大切なサイトをトラブルから守るためにも、バックアッププラグインをインストールしておきましょう。

ECサイトでは使わない

WP Super CacheをECサイトで使うのはNGです。

  • 商品の在庫数
  • 顧客情報
  • ログイン情報

上記のようなデータは頻繁に更新されるため、キャッシュ系のプラグインを使うと誤動作が起きてしまいます。

ECサイトでもサイトの表示速度は重要な要素ですが、間違った情報を表示してしまうと、ユーザーのストレスになってしまうでしょう。

WordPressで作られたECサイトの表示速度を改善したい場合は、有料のテーマを使うことをおすすめします。TCDでは小規模〜大規模まで対応するテーマを販売しているので、ぜひチェックしてみてください。

>> TCDのECサイト向けテーマ一覧はこちら

他のキャッシュプラグインと併用しない

1つのサイトで、複数のキャッシュプラグインを併用すると、お互いが干渉して問題が起きる可能性があります。

サイトが正常に表示されないだけでなく、表示速度が遅くなる原因になってしまうのです。

「1サイト=1キャッシュプラグイン」を厳守して、使っていないキャッシュプラグインは削除するようにしましょう。

まとめ

WP Super Cacheは、プログラミングの知識がない人でも使いやすいキャッシュプラグインです。

簡単な設定でサイトを高速化でき、WordPressの運営会社が提供しているため安心して利用できます。設定自体は項目にチェックを入れたり、数字をコピペするだけなので初心者の方でも真似すればOKです。

サイトが迅速に表示されるようになれば、SEO的にも好影響が期待できます。

WP Super Cacheを有効化して、快適に利用できるサイトを構築しましょう。

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