「サイトの表示速度を高速化したい」
「重いページをサクッと表示できる方法はないだろうか?」

そんな時に便利なのが、サイトの読み込み時間を短縮できる無料のプラグイン「W3 Total Cache」です。

キャッシュを手軽にクリアできるW3 Total Cacheは、10年以上に渡りWordPressユーザーに利用され続けています。信頼のおけるキャッシュ系プラグインですが不具合やエラーが出ることも。

本記事では、W3 Total Cacheの正しい使い方や設定方法、エラーが起きた時の対処法を解説します。ブラウザキャッシュ系WordPressプラグインのまとめ記事は見たい方はこちらをご覧ください。

W3 Total Cacheの特徴

W3 Total Cache

W3 Total Cacheは、WordPressで構築されたサイトの読み込み速度を向上させるプラグインです。

キャシュ系プラグインでは、Automatic社が開発した「WP Super Cache」と同等に有名なプラグインで、世界中で100万回以上インストールされています。W3 Total Cacheは有効化して簡単な設定をするだけで、機能するのが魅力です。

キャッシュと呼ばれる機能を使ってサイトのデータを保存し、サーバーへ負荷をかけることなくサクッとサイトを表示できるようになります。

W3 Total Cacheを導入するメリット

W3 Total Cacheを有効化してサイトの表示速度が向上すると、SEO的に有利になります。

検索エンジンでコンテンツを上位表示させる際、サイトの表示速度が1つの指標となってきました。ページの読み込みが遅いと、SEOで不利になってしまうのです。

また、読み込み速度が向上すると、ユーザーの快適性も高まります。結果として訪問者が増えたり、サイトの回遊率が上がる要因になるはずです

これらのメリットをプラグインをインストールするだけで実現できるため、W3 Total Cacheを利用する価値は極めて高いと言えるでしょう。

W3 Total Cacheの料金

W3 Total Cacheの基本機能は無料で利用できますが、より高機能な有料版も提供されています。

料金プランは以下の通りです。

利用できるサイト数 料金
1サイト 99ドル/年
5サイト 350ドル/年
10サイト 500ドル/年

1サイト年額99ドルから利用できますが、無料プランでもほとんどの機能に対応しているため、有料プランに切り替えるメリットはさほど大きくありません。

以下は有料プランと無料プランの機能面を比較したものです。W3 Total Cacheの料金表

例えば、W3 Total Cacheを1つのサイトでのみ利用したい場合は、コストが高くなってしまうため、無料プランでも十分でしょう。

W3 Total Cacheのインストール方法

管理画面のプラグイン追加ページから「W3 Total Cache」と検索してインストールするか、下のボタンから直接ダウンロードすることも可能です。プラグインファイルを wp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。

W3 Total Cacheのインストール方法

W3 Total Cache

プラグインのインストール方法については、下記記事で詳しく解説しています。

W3 Total Cacheをインストールしたら「有効化」をクリックして、導入を完了させておきましょう。

W3 Total Cacheの使い方と設定方法

ここでは、はじめてW3 Total Cacheを導入する方向けに、おすすめの設定方法と使い方を解説します。

設定するべき項目は以下の通りです。

  • 一般設定
  • ページキャッシュ
  • ブラウザーキャッシュ
  • キャッシュグループ

一般設定

WordPress管理画面より「パフォーマンス」→「一般設定」の順でクリックしてください。

「パフォーマンス」→「一般設定」の順でクリック

はじめに一般設定の中にある「ページキャッシュ」の「有効化」にチェックを入れてください。

ページキャッシュ」の「有効化」にチェック

ページを下にスクロールすると「ブラウザーキャッシュ」という項目があるので、こちらも「有効化」にチェックを入れておきましょう。

「ブラウザーキャッシュ」の「有効化」にチェック

設定が完了したら画面右上に表示されている「Save Settings」をクリックします。

「Save Settings」をクリック

これで一般設定が完了し、設定が有効化されました。

ページキャッシュ

次に「ページキャッシュ」の設定を行なっていきます。

「パフォーマンス」→「ページキャッシュ」の順で進み、以下4つの項目にチェックを入れてください。

  • フロントページをキャッシュ
  • フィードのキャッシュ: サイト、カテゴリー、タグ、コメント
  • Cache SSL (HTTPS) requests
  • ログイン済みユーザーに対してページをキャッシュしない

「ページキャッシュ」のチェック項目

画面を下にスクロールすると「詳細」が表示されるので「互換モード」にチェックを入れておきましょう。

「互換モード」にチェック

互換モードとは、キャッシュパフォーマンスを20%ほど低下させる代わりに、WordPressとの互換性を高める機能です。トラブル防止のために有効化して運用し、問題がなければ無効化しましょう。

設定が完了したら「Save Settings」をクリックして保存しておいてください。

ブラウザーキャッシュ

次に「ブラウザーキャッシュ」の設定を行なっていきます。

「パフォーマンス」→「ブラウザーキャッシュ」の順で進み、以下5つの項目にチェックを入れてください。

  • Last-Modified ヘッダーを設定
  • Expires ヘッダーを設定
  • キャッシュ制御ヘッダーを設定
  • エンティティタグ (ETag) を設定
  • Enable HTTP (gzip) compression

「ブラウザーキャッシュ」のチェック項目

上記の設定によって、よく使う情報を保存して効率的にサイトを表示できるようになります。

設定が完了したら「Save Settings」をクリックして保存しておきましょう。

キャッシュグループ

「キャッシュグループ」は、デバイスごとにキャッシュを最適化するために設定します。

「パフォーマンス」→「キャッシュグループ」の順で進み「1.tablets」の「有効化済み」にチェックを入れてください。

「1.tablets」の「有効化済み」にチェック

下段にある「2.phones」の「有効化済み」にもチェックを入れておきましょう。

「2.phones」の「有効化済み」にチェック

これで、PCだけでなくタブレットとスマホで表示した際のキャッシュ機能を最適化できます。

最後に「Save Settings」をクリックすれば設定完了です。

W3 Total Cacheでキャッシュをクリアする方法

W3 Total Cacheでキャッシュクリアする方法はとてもシンプルです。

WordPress管理画面から「パフォーマンス」をクリックして、ダッシュボードを表示させます。

ページ上部の「すべてのキャッシュを空にする」をクリックすれば、キャッシュのクリアが完了します。

W3 Total Cacheでキャッシュをクリアする方法

W3 Total Cacheの設定を変更した際は、念のため「すべてのキャッシュを空にする」をクリックしておくようにしましょう。

W3 Total Cacheで不具合やエラーが発生した時の対処法

W3 Total Cacheは優秀なプラグインですが、稀に不具合やエラーが起こることも。

ここではW3 Total Cacheの不具合やエラーが発生した時の対処法を紹介します。

  • レイアウトが崩れたりロゴが表示されなくなる
  • 読み込み速度が遅くなった
  • 500サーバーエラーが出る

レイアウトが崩れたりロゴが表示されなくなる

W3 Total Cacheの設定を反映した後に、サイトのレイアウトやロゴが表示されなくなることがあります。

この際は、前述した「すべてのキャッシュを空にする」をクリックしてみてください。キャッシュをクリアすることで、不具合が解消される可能性が高いです。

スマホやタブレットなど、特定のブラウザでのみ不具合が起こる場合は「キャッシュグループ」の「tablets」と「phones」のいずれかを無効化してみてください。

利用しているテーマやその他のプラグインが干渉して不具合が出ることがあります。

この際は、各種設定を変更して問題が解消されるか確認してみましょう。

読み込み速度が遅くなった

W3 Total Cacheを有効化したにも関わらず、ページの読み込み速度が遅くなってしまった場合は、まず「すべてのキャッシュを空にする」を行ないます。

それでも問題が解決できない時は、他にキャッシュ系のプラグインを有効化していないか確認してください。キャッシュ系のプラグインを複数有効化してしまうと、互いが干渉して読み込み速度が遅くなってしまう原因になります。

テーマによっては、デフォルトで簡易的なキャッシュ系プラグインが有効化されているケースもあるため、一度チェックしてみるとよいでしょう。

500サーバーエラーが出る

W3 Total Cacheをインストールすると「500 Internal Server Error」と表示されてエラーが発生することもあるようです。

500サーバーエラーは、W3 Total Cacheとサーバーの相性が悪く不具合が起きていることが原因になります。そのため、W3 Total Cacheをアンインストールして、その他のキャッシュ系プラグインを利用するのがおすすめです。

ちなみに500サーバーエラーが表示された場合、WordPressの管理画面にアクセスできなくなります。

正常に表示させるためには、サーバーから「.htaccess」にある以下の箇所を削除してください。

# BEGIN W3TC Browser Cache
〜以下省略〜
# END W3TC Browser Cache/* Your code... */

「# BEGIN W3TC Browser Cache」から始まり「# END W3TC Browser Cache」までを削除すればOKです。

上記を削除すると正常に表示されるようになるので、管理画面からW3 Total Cacheをアンインストールしましょう。

プラグインはテーマ、サーバー、その他のプラグインとの相性などで不具合が起こり得ます。

万が一の事態に冷静に対応するためにも、バックアップを取って復元できるようにしておきましょう。

まとめ

W3 Total Cacheは、様々な種類のキャッシュを設定できる便利なプラグインです。

今回紹介した設定を反映すれば、デフォルトの状態と比較してページの読み込み速度を高速化できるでしょう。サイトの表示速度が改善されることで、ユーザーの離脱率の改善や、SEO的にも恩恵を受けられるはずです。

特に動画や様々な画像ファイルを使ったコンテンツを扱うサイトでは、W3 Total Cacheが力を発揮してくれます。

プラグインを有効化する際は、事前にバックアップを取っておき、不具合やエラーが起きた際に対応できるようにしておくことも大切です。

W3 Total Cacheを活用して、サクサク表示できるサイトを完成させましょう。