SEOにおける「残存者利益」はあると思いますか。SEOは市場が大きいほど飽和しやすく、必ず競争過多になります。その過程で競争から降りる者が出てくるため、長い競争環境下で生き残ったサイトには残存者利益があると私は考えています。
残存者利益とは?
「残存者利益」とは、激しい競争の末に競合他社が市場から退場することで、残った企業が相対的に市場シェアや収益を拡大する現象を指します。たとえば、ある市場で多くの企業が参入するものの、環境変化や戦略の失敗により大半が撤退した場合、最後に残った企業は顧客の支持を一手に引き受ける結果となります。
実際、「Movable Type」は開発やメンテナンスを行う企業や人員が減ったことで、シックス・アパートを中心に残った残存企業にメンテナンスが集中しています。
SEOに残存者利益は存在するのか?
近年、企業がデジタルマーケティングに多大な投資を行う中、SEO(検索エンジン最適化)は長期戦略として注目されています。一方で、経済学や事業戦略では「残存者利益」という概念が語られ、競合他社が撤退した市場で生き残った企業が不釣り合いな利益を得るケースが指摘されています。
SEOの競争環境と特徴
利益を獲得する前に撤退
SEOは「短期で結果が出る手法」ではなく、継続的な取り組みが必要な長期戦略です。検索エンジンのアルゴリズムは、コンテンツの質やサイトの信頼性、外部からの評価(被リンクなど)を重視します。したがって、多くの企業がSEO対策に挑戦する一方で、コストやリソースの制約、アルゴリズムの変動などの理由から、途中で対策を断念する企業も少なくありません。
こうした中で、コツコツと高品質なコンテンツ制作やリンク構築を続けたサイトは、競合が撤退した結果として相対的に有利なポジションを獲得できる可能性があります。競争が激しいキーワードにおいても、撤退したライバルの分、検索結果の上位に自社サイトが表示される「残存者利益」が発生する余地があるのです。
SEOにおける残存者利益が起こるまで
競争過多による撤退
市場が飽和し、どのキーワードも競争過多に陥ると、SEOで成果を出せないサイトが増えます。競合が一時的な成果を追求して撤退した場合、残った企業はその蓄積効果を背景に、より高い検索順位と安定したトラフィックを維持できるようになります。
リソース不足による脱落
SEOには専門的な人材が必要。そのリソースをSEOコンサルなどの社外に依存している場合、コストパフォーマンスの問題で更新継続できない可能性があります。
トレンドの変化に対応できない
トレンドのキーワードは常に変化します。新しいキーワードにも対応していくことでSEOはより強固になります。
長期的な蓄積効果
SEOは時間とともに評価が蓄積される仕組みです。コンテンツの更新頻度や被リンクの獲得、ユーザーエンゲージメントなどが積み重なることで、ドメインオーソリティが向上します。そうすると、新規参入者が古参に競り勝つまでの時間とコストが増えます。
挑戦者が減る
ここまで来ると、新規参入するのを躊躇する者も出てきます。SNSに逃避するのでSEOは残存者の牙城となりやすいです。現に不動産、美容、転職などは大手企業が独占する形になっています。
まとめ
Google検索結果を10年以上定点観測していると、残存者利益があるかどうかは見えてきます。当初は勢いがあったサイトも今は更新がまばらだったりというのはよくあって、結局はずっと地道に続けたところが残っています。
また、上記で挙げた理由以外にも「飽きる」というのも大きいでしょう。サイトを運営するのは人ですので、やはり10年20年同じ分野で続けることは簡単なことではありません。記事作成やメンテナンスを飽きることなく地道に続けられる人はそう多くありません。ただ、最後までやり通したところが残っている傾向があるので、この効果は馬鹿にはできません。
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