GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」に搭載された注目機能のひとつが「Deep Research(ディープリサーチ)」です。この記事では、Gemini Deep Researchの使い方や回数制限、料金、日本語対応状況、無料で使えるかなどを、わかりやすく解説します。


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Gemini Deep Researchとは?

Gemini Deep Research

Gemini Deep Researchは、複雑な調査を代行してくれるAIエージェント(人工知能)です。通常の質問応答とは異なり、複数の情報源を横断してまとめてくれるのが特徴です。

Gemini Deep Research

主な機能

  • 複雑な調査作業を自動化
    テーマを入力すると、調査計画の立案からWeb検索、情報収集、推論、そして最終レポートの作成までをAIが一連で実行します。
  • 多段階の“思考プロセス”を可視化
    Geminiは、各段階で「今は何を調べているか」「どう考えたか」をユーザーにも見えるように提示します。
  • レポート形式で出力・共有可能
    完成した調査レポートは、Googleドキュメント形式で出力でき、編集やチーム共有も簡単です。

日本語対応は?

Gemini Deep Researchは45以上の言語で利用可能で、日本語も含まれています。

時折、日本語の質問に対して英語で回答が生成されますが、「翻訳して」などのプロンプトを入力すれば日本語に翻訳してくれます。

なお、情報の網羅性や回答精度は英語に劣る傾向がありますが、完全ではないものの、日本語でも実用的な結果が得られる場合があります。

Gemini Deep Researchの無料版と有料版の違い

Gemini Deep Researchは無料でも一部機能が使えますが、より多く回数を利用したい場合は有料プラン「Gemini Advanced」への加入が必要です。以下、プランごとの使用回数や料金の比較です。

項目 無料版 Gemini Advanced
料金 0円 初月無料で月額2,900円
使用可能モデル Gemini 1.5 Flash Gemini 1.5 Pro / 2.5 Pro
回数制限 1日あたり約5回(推定) 1日あたり約20回(推定)
主な用途 簡易リサーチ、試用目的 本格的な業務や研究にも対応

無料プランと有料プランでは、使用可能モデルが違いますので、生成される速度や精度などに差があります。

また、無料プランで利用できるDeep Searchは、1日あたり約5回と制限があるため、より多くの回数利用したい場合は有料プランの検討がおすすめです。

有料プランを検討するかどうかは、1日の使用回数や生成モデルの違いを考慮して決めましょう。

GeminiとChatGPTのDeep Researchを比較

比較項目 Gemini Deep Research ChatGPT Deep Research
レポート構成 章立てと要約のある構成 太字や箇条書きで読みやすい
入力と調整 アウトライン作成後にユーザーが確認・調整できる 調査前に質問があり、対話形式で精度を高める
ソース参照 数百のソースを横断的に調査 引用元は厳選され、信頼性の高いものを中心に提示
出力の品質 情報量は多いが、文章が長くなりがち 実用性があり、精度も高い
処理速度 やや遅め やや遅め
利用回数/日 無料版:約5回(推定)
Advanced:約20回(推定)
無料版:5回
Plus / Team / Enterprise / Edu:25回
Pro:125回
有料版の月額 Advanced:19.99米ドル Plus :20米ドル
Team 月額:30米ドル/ユーザー
Team 年額:25米ドル/ユーザー
Pro:200米ドル

※ChatGPTのEducation(Edu)とEnterpriseの料金は要問合せとなっています。

Gemini Deep Researchは、章立てと要約を含んだ長文のレポートを出力し、回数制限も最大20回目までやや少なめです。

ユーザーがアウトライン作成後に確認・調整できる点が特徴です。また、数百のソースを横断的に調査し、選定理由も明記されるため網羅性が高いですが、やや冗長になる傾向があります。

一方、ChatGPTのDeep Researchは、太字や箇条書きを活用した実用的な出力が特徴です。事前にAIからの質問を受ける対話形式で調査の精度を高め、信頼性の高いソースに絞って提示します。

利用回数は、Geminiの無料版が1日5回、Advancedプランでは約20回。ChatGPTは無料で5回、有料プランではPlusが25回、Proでは最大125回と幅広い選択肢があります。

有料版の料金は、Gemini Advancedが月額19.99米ドル。ChatGPTはPlusが20米ドル、Teamが月額30米ドル(年額契約なら月25ドル/ユーザー)、Proは月額200米ドルです。EducationとEnterpriseの料金は要問合せとなっています。

Gemini Deep Researchの使い方

Google Geminiのページにアクセスしてログインします。その後、入力窓の下にある「Deep Research」を押します。

Gemini Deep Researchの使い方1

  1. 調査して欲しい内容を入力
  2. 紙飛行機のアイコンを押す

今回はウェブサイト作成ツール「WordPress(ワードプレス)」の利用者数と属性について調べて調査を依頼しました。より具体的に調査して欲しい内容は箇条書きにしました。

Gemini Deep Researchの使い方2

調査内容の概要が表示されます。この内容で問題なければ右下の「リサーチを開始」を押します。内容を変更したい場合は、「計画を編集」を押して編集します。

Gemini Deep Researchの使い方3

自動でリサーチが開始され、AIが複数の情報源から情報収集し、思考します。ページ下部に調査対象となっている複数のページのリンクも表示されます。

ウェブサイト運営者は、生成AIに引用されやすくする「LLMO対策(GEO対策)」も検討するとよいでしょう。

この状態で、一旦ブラウザやアプリを閉じても調査は継続し、調査後にレポートが生成されます。

Gemini Deep Researchの使い方4

少し待っていると、数分後に調査結果のレポートが作成されました。Geminiによると、調査結果は概ね5〜10分程度で表示されますが、より複雑な調査では、さらに時間がかかる場合があります。

Gemini Deep Researchの使い方5

レポートには文章だけでなく、市場シェアの表が出典元と共に表示されます。

Gemini Deep Researchの使い方6

エクスポート機能

生成されたレポートの右上には「エクスポート」機能もあります。

  • Googleドキュメントにエクスポート:レポート内容を文章作成ソフト「Googleドキュメント」にコピーしてファイルを作成します。
  • 内容をコピー:デバイス内にレポート内容をコピーします。レポートのボリュームが多いためか、コピーが終わるまで若干時間がかかります。

Gemini Deep Researchのエクスポート機能

作成機能

同様に右上の「作成」を押すと、以下のようなメニューが表示され、レポートを別の形に作成してくれます。

  • ウェブページ:レポートをウェブサイト形式のページを自動的に生成
  • インフォグラフィック:図やイラストを多用した視覚的な情報コンテンツ(インフォグラフィック)を生成
  • テスト(クイズ):自動的に選択式のクイズを生成
  • 音声概要:ポッドキャスト形式の音声概要を生成
  • 作成するアプリの説明を入力:独自のアプリケーションのアイデアや説明文を生成

Gemini Deep Researchの作成機能

ウェブページ

レポートのテキスト情報を、ウェブページとして視覚的に分かりやすく整理してくれます。図やイラスト、適切なレイアウトなどが自動的に適用される場合もあります。

Gemini Deep ResearchのWebページ作成機能1

右上の「コード」を押すと、そのWebページのコードが表示されます。コピー&ペーストしてファイルを作成し、サーバーにアップロードすれば、Webページを作成できます。

Gemini Deep ResearchのWebページ作成機能2

ただし、コードには、HTMLのヘッダーやフッター、CSSJavascriptも含まれます。WordPressの記事内に貼り付けたい場合は、HTMLやCSSなどの知識が必要となります。

インフォグラフィック

インフォグラフィックは、レポートの主要なポイントやデータ、関連性を、図、グラフ、アイコンなどを活用して表現してくれます。複雑な情報を視覚的にわかりやすくしてくれます。

前述したWebページとレイアウトが類似しており、同様にコードも取得できます。

Gemini Deep Researchのインフォグラフィック

テスト(クイズ)

この機能は、レポートから重要な情報を抽出し、それに関する設問や正解・不正解の解説までを自動で作成してくれます。クイズに答えることで、レポート内容の理解度を確認できます。

Gemini Deep Researchのテスト機能

音声概要

音声概要は、生成されたDeep Researchの内容をAI音声で読み上げてくれる機能です。実際に音声概要を選択すると音声が生成され、再生ボタンなどが表示されました。

Gemini Deep Researchの音声概要

実際に再生してみると、女性と男性の対話形式で日本語音声が流れました。

会話の途中で「え〜と、」などの言葉が入ったり、話す速度と感情に抑揚があり、人間が喋っているような音声が生成されます。ラジオ番組を聞いている感覚で情報を得られます。

アプリの説明

「作成するアプリの説明を入力」機能は、アプリ自体を作るのではなく、作りたいと考えているアプリの「企画書のような概要」を生成してくれる機能です。

GeminiがDeep Researchの調査結果に基づいて、説得力のある説明文をアウトプットしてくれます。今回は、WordPressサイトを簡単に管理・運営できるアプリを作成する前提で、以下のように入力してみました。

「WordPressを始めたばかりの初心者やITに詳しくない中小企業オーナーが、専門知識がなくても簡単にブログやウェブサイトを管理・運営できるモバイルアプリの説明を作成してください。特に、プラグインの選定サポート、基本的なセキュリティ設定のガイダンス、記事作成のヒント、シンプルなアクセス解析レポート機能に焦点を当ててください。」

すると、以下のようにアプリの概要や説明文がわかりやすく生成されます。アプリを開発したい方が、概要や説明文を短時間で作成したい時に活用できる機能と言えます。

Gemini Deep Research アプリの説明

Gemini Deep Researchのトラブル対処法

もし、Gemini Deep Researchが思い通りに動作しない場合は、以下のような対処を行ってください。

  • 回数制限の上限に達した:翌日まで待つ、プラン変更する
  • リサーチが終わらない:長文や複雑な質問内容をシンプルにする

まとめ

Gemini Deep Researchは、複雑なリサーチや多角的な分析をAIが代行する機能です。回数制限や料金の面ではやや注意が必要ですが、上手に活用すれば非常に強力な情報収集ツールとなります。無料プランでも数回のリサーチは試せるため、まずは体験してみてください。

特長 内容
対象 学術研究、ビジネス分析、新規事業検討など深掘りが必要なテーマ
メリット 時間短縮/網羅性の確保/出典付きレポート/音声・視覚での理解支援
注意点 無料枠の制限あり/未成年者不可/誤情報には注意が必要

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