Webコンテンツの閲覧方法はさまざまですが、多くの業界においてスマートフォンからが主流です。したがって、お店や企業サイトがコンバージョン率の向上を図るなら、電話での問い合わせをスムーズにするための導線を引く必要があります。
しかし、サイト上に電話番号リンクを記載するだけでは、不十分かもしれません。理想は訪問者が発見しやすく、タップしやすいリンクの設置です。
この記事では、WordPressに電話番号リンクを設置する3つの方法に加え、設置するメリットとデメリットを詳しく解説します。
目次
WordPressサイトに最適な電話番号リンクを設置したい方、ユーザーからの問い合わせをスムーズに促したい方は、ぜひ最後までお読みください。
WordPressに電話番号リンクは貼れる?
WordPressサイトに、電話番号リンクは設置できます。
投稿のリンク機能やHTMLを用いれば、誰でも簡単に貼り付けることが可能です。
近年はスマートフォンの普及により、多くのユーザーがWebサイトを閲覧しながら電話をかけるようになりました。このような背景から、電話番号はテキストとして掲載するのではなく、タップするだけで発信できるリンク形式にすると利便性の向上を期待できます。
また、番号を手動で入力する必要がありません。そのため、スムーズな問い合わせにつながる可能性が高ります。
WordPressで電話番号リンクを貼る3つの方法
WordPressで電話番号リンクを貼る方法は、3つあります。
- リンク機能を用いた貼り方
- HTMLを用いた貼り方
- ヘッダー・フッターへの貼り方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リンク機能を用いた貼り方
WordPressのリンク機能を活用すれば、投稿や固定ページに電話番号リンクを簡単に貼り付けられます。
設置する手順は、以下のとおりです。
- 電話番号リンクを貼りたい文字列を選択する
- リンクボタンを選択
- リンクウィンドウに「tel:電話番号」を入力
- Enterキーを押す
まずは、電話番号をリンクさせたい文字列(テキスト)を選択し、WordPressのエディターに表示されるリンク挿入ボタンをクリックします。次に、表示されるウィンドウ内のURL入力欄に「tel:電話番号」と入力しましょう。
入力が終わったら、Enterキーを押して完了です。
リンクをタップすると、電話が自動的に発信されます。
HTMLを用いた貼り方
電話番号リンクは、HTMLでも設置が可能です。
投稿画面から「コードモード」を選択し、以下のコードを記述します。
<a href="tel:090000000000">090-0000-00000(ここは好きな文字を入れる)</a>
数字のところは、あなたの電話番号を入れてください。このように記述すると、文字列または電話番号をクリックするだけで発信されます。
HTMLを用いた方法は、リンクの色やサイズ、表示位置などをCSSで自由に調整できる点がメリットです。したがって、デザインにこだわりたい、特定のスタイルを適用したい場合に役立ちます。
ヘッダー・フッターへの貼り方
電話番号リンクは、ヘッダーやフッターにも設置できます。
手順は、以下のとおりです。
- 管理画面のサイドメニューから「外観」>「メニュー」をクリック
- 「メニュー項目を追加」の中から「カスタムリンク」を選択
- URLを入力する欄に「tel:電話番号」を入力
- リンク文字列に任意のテキストを入力
- 「メニューに追加」をクリックする
メニューを活用したヘッダーやフッターへのリンクの設置は、サイト全体で常に問い合わせへの導線を確保したい場合におすすめです。一部のWordPressテーマでは、ウィジェットエリアやテーマカスタマイザーを通じて、カスタムリンクやテキストウィジェットから追加できます。
近年はスマホユーザーの多くが
電話番号リンクから問い合わせする
GoogleとIpsosが実施した共同調査「Google click-to-call used by more than 40% of mobile searchers」では、調査対象者の42%が検索において電話番号リンクを利用していることが明らかになっています。
さらにスマートフォンユーザーの94%が、情報を検索する際に「早く回答を得たい」「Webサイトでは提供されていない詳細が知りたい」などの理由から、企業に直接電話をかける必要性があると感じているようです。
また、モバイル検索ユーザーの52%が、電話番号リンクは便利だと回答しています。
参照元:「Google click-to-call used by more than 40% of mobile searchers」
他にも、回答者の40%が在庫確認や予約情報のために、リンクを使用する可能性があると述べられています。
電話番号リンクがないと
離脱されるリスクがある
同調査では、電話番号リンクを利用できない場合、モバイル検索ユーザーの36%が他のサイトを検討する可能性が高いと答えています。
また、32%のユーザーは「不満やイライラを感じる」、30%が「ブランドに失望する」と回答しています。
このように電話番号リンクの設置は、モバイル検索ユーザーからすると「購入フェーズ」での重要性が高いといえます。事実、48%が購入直前に企業に電話できることが重要と感じているようです。
Googleのパフォーマンスソリューション&イノベーション担当ディレクター・イアン・キャリントン氏は、次のように述べています。
世界中で、Google 広告を介した通話は毎月4,000万件に達しており、Click-to-Call は明確な売上促進要因と言えるでしょう。さらに、レスポンシブサイトやモバイルサイトをまだ構築していない企業にとって、Click-to-Call は消費者が簡単にビジネスにアクセスできる優れた手段であり、モバイル広告は必ずしもモバイル対応サイトだけに限定されるわけではないことを示しています。(直訳)
引用元:「Google click-to-call used by more than 40% of mobile searchers」
WordPressに電話番号リンクを貼るメリット
WordPressに電話番号リンクを貼るメリットは、3つあります。
- ユーザーの利便性が向上する
- 問い合わせのハードルが下がる
- コンバージョン率が向上する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーの利便性が向上する
電話番号リンクを設置すると、ユーザーは手動で電話番号をメモしたり、入力したりする手間を省けます。スマートフォンからWebサイトを閲覧している場合、リンクをタップするだけで、すぐに電話アプリが起動し発信できる点がメリットです。
したがって、ユーザーはストレスなく電話での問い合わせができます。
問い合わせのハードルが下がる
電話番号リンクは、ユーザーが問い合わせを行う際のハードルを下げる効果を期待できます。
ユーザーからすると番号を手動で入力する作業は、想像以上に面倒です。しかし、ワンタップで発信できる仕組みを導入すれば、気軽に電話をかけてもらえるようになります。
問い合わせのハードルが下がれば、潜在的な顧客が具体的な行動を起こしやすくなるほか、ビジネスチャンスを逃すリスクを減らせるでしょう。
コンバージョン率が向上する
Webサイトにおけるコンバージョン率とは、サイト訪問者が目的とする行動(例:問い合わせ、商品の購入など)を完了した割合です。
電話番号リンクを設置し、ユーザーがスムーズに電話をできる環境にすると、問い合わせというコンバージョンに繋がる可能性が高まります。特に、電話でのコミュニケーションを好む顧客層にとっては、購入や契約への決定打となるかもしれません。
調査によれば、電話番号リンクはさまざまな業界で利用されており、特に「地域サービス」(63%)、「自動車」(42%)、「テクノロジー」(38%)、「旅行」(36%)で高いニーズが見られます。
WordPressに電話番号リンクを貼るデメリット
WordPressに電話番号リンクを貼るデメリットは、以下のとおりです。
- いたずら電話がかかってくる可能性がある
- 電話が繋がらないと離脱される場合がある
- 営業電話が増える
それぞれ詳しく解説します。
いたずら電話がかかってくる可能性がある
電話番号リンクをWordPressサイトに公開すると、いたずら目的の電話がかかってくる可能性があります。これは、インターネットを利用するユーザー全員が簡単に知れる状態になるためです。
また、悪徳業者に電話番号を収集・悪用されるリスクも高まります。
電話が繋がらないと離脱される場合がある
営業時間外をはじめ、回線が混み合って電話が繋がらないと、ユーザーの顧客満足度が低下するリスクがあります。
電話をかけたにもかかわらず、すぐに担当者と話せない状況は、ユーザーにとって大きなストレスです。特に、緊急な問い合わせほど、離脱される可能性が高まります。
顧客満足度の低下を避けるには、電話対応の時間や体制を明確に表示するなどの対策が必要です。
営業電話が増える
WordPressサイトに電話番号リンクを設置すると、一般顧客からの問い合わせだけでなく、企業や個人からの営業電話が増える可能性があります。
業務と関係のない営業電話が増えると、対応しなければいけない問い合わせに支障をきたしたり、従業員の負担が増加したりするリスクが高まるため注意が必要です。
したがって、営業電話への対応方針は事前に決めておく必要があります。
電話番号リンクを設置するメリットは
店舗サイトだと大きい
WordPressサイトに電話番号リンクを設置すると、ユーザーの利便性を高められる可能性があります。しかし、メリット・デメリットを理解した上で、判断と決定をしなければいけません。
電話からの問い合わせは、顧客との直接的な接点を持つ貴重な機会です。
だからこそ、設置する場合は注意深く検討することをおすすめします。
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