ブログのネタを探し回っている時に、とても感銘を受けたフレーズ、分かりやすく良く描けている図解などを見つけることがあります。そのような箇所を自分のブログに引用をしたい時の方法、書き方(HTML)についてご紹介します。
引用はうまく使い分けることでユーザーにメリットを提供することが可能です。ユーザーにメリットを与えることができるサイト運営はGoogleの評価対象でもあると考えられますので、SEOへの貢献も期待することができます。今回はそんな引用タグ「blockquote」と「quotation」の使い方や注意点についてまとめてみました。
引用のHTMLタグについて
引用時に使用するタグは2種類あります。
- blockquote
- quotation
blockquoteとquotationタグは引用する文章の長さによって使い分けます。blockquoteに関しては多くのブラウザで表示方法が変わります(ダブルクォーテーションで囲まれたり、インデントが入ったりする)が、視覚的に引用であることを伝える以上に、HTMLコードとして検索ロボットに引用箇所を伝えるという役割を持っています。
blockquoteタグとは
「blockquote(引用タグ)」は、他サイトの情報など、著作権が他にある内容を自サイトに掲載する際に、「他のサイトから引用してきたものです」とGoogleなどのクローラーロボットに示すHTMLタグです。<blockquote>は基本的に長い文章(ブロック要素、段落)を引用する時に使用するタグで、文の一部や短い文章(インライン要素、短い単語、フレーズ)を引用する場合は後述の<q>タグを使用します。
↓こういったものです↓
自分が伝えたいことを書けばいい。
メルマガは何を書けばいいのか – QORE
ウェブサイトを閲覧していると結構な頻度で見かけるのではないかと思います。
blockquote(引用タグ)を使う場面
blockquoteは別サイトの情報を引用掲載している場合に使用します。運営するサイトやコンテンツの内容に権威性、裏付けが不足している場合など、有益な他サイトの情報を引用させていただくことでユーザーメリットを引き上げることができます。
blockquote(引用タグ)の書き方
blockquoteはHTMLタグですので、以下の例のような感じで、引用文を括って使用しましょう。blockquoteは要素としてfooter、cite属性を用いてコーディングすることができます。WordPressを使用しているとクイックタグの中にb-quoteが入っていると思いますが、後述するciteタグが含まれておりません。引用ということは明示できますが「ここから」の引用という明示ができませんのでciteタグを追加するようにした方がいいでしょう。
Quotationタグとは
qタグはQuotation(引用)の略で、<q>~</q>で 囲まれた部分が引用であることを表します。qタグを使っての一部や短い分の引用を行う際も、引用してきた文を<q>~</q>で括れば引用されたものだと認識してくれます。
Quotation(引用タグ)を使う場面
前出のblockquoteを使うと引用が段落としてコンテンツ内に表示されてしまいますが、文章中の一単語として引用を示したい時にQuotationタグを使用します。
Quotation(引用タグ)の書き方
- <p>WordPressテーマといえば<cite>TCD</cite>が有名だが、
- <q cite="https://tcd-theme.com/about">「ウェブサイトの価値を高める」という使命を持っています。</q>
- という開発ポリシーを明示している。</p>
引用タグとSEO対策について
コピーコンテンツの判断基準について、はっきりとしたことは言えませんが、おそらくGoogleが知りえる情報の中でしか判断のしようがありませんので、インデックス順か、オーソライズ(信頼度が高いと評価)されたサイトを基準に判断をしているのではないかと予想されます。あくまで予想の範囲ですが、もしかするとものすごいマンパワーを使って目視チェックをしているのかもしれません。Googleとしてもオリジナルのコンテンツを類似コンテンツと判断してもいけないので、その文章自体にコピーをする価値があるのか、など価値要素における別の判断基準もきっとあるとは思いますが、そのあたりはブラックボックスです。
場所の名前、道順や計算結果など誰が調べても同じ結果がでるものに関しては、必然的に同じテキスト並びになるケースもありますので、そのあたりに関しては神経質な対応をしなくていいものだと思います。
引用タグ(blockquote,Quotation)を使っていなかったり、引用元(cite)が明記されていない場合、「引用」ではなく「転載」と判断をされてしまう可能性があります。検索エンジンに誤認されることがないよう、cite属性を使って引用元のアドレスをしっかりと明示して公開ということを習慣づけるようにしましょう。
引用を意味するHTMLタグを使うことで、コピーコンテンツに関するSEOへの悪影響を解消することが可能となりますので、その点は安心です。
※あくまで対検索エンジン(SEO)上はということですので、引用元から掲載取り下げの依頼が来た場合は速やかに従った方が良いでしょう。
※ウェブサイトにおいてはリンクを貼るならこのURLに設定するようにと指示があるサイトもあります。利用規約にも反しないよう配慮をしましょう。
コンテンツの大半を引用で構成しない
コンテンツの全体を見た時に、オリジナルのコンテンツの割合よりも引用元の方の割合が高くならないようにしましょう。あくまでも、引用を掲載するコンテンツが主と認識される中で、引用を用いる必要があります。引用がしっかりと補足として意味を成しているように注意して使っていきましょう。
著作者の意図に反した使用方法をしない
著作者の意図に反した取り扱いの例を挙げると、引用を掲載するコンテンツにおいて主観的な解説や批評などに引用分が含まれることで、揉め事に発展するケースがあります。上げ足取りのような記事のスタイルであったりとか、一部のTwitterの引用を用いて、それが全てのように想像させる記事を書くことがそれにあたります。
もし意図に反した掲載になっているか心配な時は記事で引用・転載を行ってもよいか、著作者の意図に反する使用方法になっていないか、確認をとった上で使用することが望ましいでしょう。著作者の承認があれば、閲覧者に向けてはその経緯も併せて記載をした方が無難です。
引用を改変せず、原文ママ載せる
英文を引用する場合は英文のままで良いでしょう。前後、中盤の文章を意味が分かりやすくする為に省略する場合は(前略)(中略)(後略)などを用いたらよいと思います。
ブラウザ上においてのテキスト表示の装飾用途では使わない
blockquoteはデバイスでその見た目が変わることから、たまに段落を目立たせるデザインの要素として使われていることがあります。 その他にも、タイトルタグを太字や目立たせたい文字として使っている例が合ったりしますが、htmlコードにはその要素の意味を伝える役割があります。引用でもない会話文を掲載するときににも不適切です。引用ではない文章・文字の装飾に関してはblockquoteは使用するべきではありません。クローラーが引用部分として認識することによるデメリットの影響を受けることになると思います。文字や段落などデザインを変更したい場合はCSS等を使って装飾をするように心がけましょう。
複数ライターを抱えるにはルール作りも大切
Web上で引用を行う際は引用元に許可を得る必要まではありませんが、文化庁はWeb上で引用を行う際の注意書きを発表されています。
引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合、一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)
引用:著作物が自由に使える場合 – 文化庁
Webメディアとして他人の著作物を無断で引用する際は、きちんとしたルールの元、引用をおこないましょう。 メディアでルールを決めるということは全ライターにとってのルールとなり、それが周知されると自分たち同士での監視の目となって活動することができるようにもなります。少人数で大人数のライターを管理するのは難しいことですが、ライター自身が自覚をもって動くことができる環境をつくることでその他の対応についてもスムーズに導入できるコンテンツチームができあがるでしょう。
まとめ
blockquoteを使用することで、引用した箇所をGoogle検索エンジンに明確につたえることが可能となります。引用元についても明示をすることで、ユーザーの為に価値のある情報提供しているという判断を検索エンジンのクローラーにされると、SEOとしても評価されやすくなります。
注意しなくてはいけない点は、blockquoteやqタグを使用する場合、必ずcite属性で引用元のURLを入力する点です。また、引用を用いる時の注意点としてそのコンテンツが主で引用箇所が補足であるという判断をされる必要があります。記事中のほとんどが引用で埋めつくされているものは適切な掲載をしていてもダメだということです。
Webメディアとして他人の著作物を引用するのであれば、その掲載ルール作りに時間を費やすことも必要です。引用タグの運用はSEO的にもメリットがあります。不用意な運用を避け、無断転載にならないように配慮していきましょう。
文中にも記載しましたがあくまでもウェブサイト上でのSEOを主体とした引用の話であり、個別に著作者から引用の掲載取り下げについて依頼があった場合は速やかに対応を検討するようにしていくべきであることも添えておきます。