Webサイトのアクセス解析において、特定のサイトを評価する指標となる要素にはページビューや、セッションなどがあります。サイト運営歴が長くアクセス解析などをする方にとっては馴染み深いワードでしょう。一方で、サイト運営の経験がほとんどなくても、これから始めてみたい、または会社でWeb担当になったという方もおられます。それぞれの用語の意味を正しく理解しておくことで、アクセス解析時にサイトの弱点や改善点を把握でき、Webサイトのさらなる発展に繋げられるはずです。

というわけで今回は、初心者向けにWebサイトのアクセス解析やマーケティングにおいて知っておくべき用語の意味を改めて基本から考えてみようと思います。

ページビュー(PV)数とは

まずはPV数についてですが、これについては聞いたことがある方も多く、イメージもしやすいかと思います。PVとはページビューのことで、単純に特定のページを閲覧した回数をカウントしたものです。ページがどれぐらい閲覧されているかを測るもっともメジャーな指標になります。ただし、注意が必要なのは、同じユーザーがリロードして同じページを読み込んだとしても回数がカウントされるという点です。
他のページに遷移後、同じページを行ったり来たりしてももちろんカウントされます。

例えば、あるサイトのトップページにアクセスしたユーザーが、トップページ→商品ページ→トップページ→会社概要と遷移した場合、それぞれのPV数は、トップページ「2」、商品ページ「1」、会社概要「1」、トータルで「4」という結果になります。

ユニークユーザー(UU)数とは

ユニークユーザー数は、Webサイトを訪れたユーザーの人数を表します。数ではなく人数という部分がキモになります。ページを表示した回数ではなく、ページを訪れたユーザーの人数です。

ある集計期間内に何度もページをリロードしたり、他のページに遷移したり、ページを行き来したとしても、そのユーザーが同一人物であれば各ページのユニークユーザー数は1のままということになります。なので前項の図ではサイトのユニークユーザー数は1ですね。

集計期間内であれば、同じユーザーでもカウントされるのでページビュー数は大きくなります。しかし、ユニークユーザー数はサイトにアクセスしたユーザーの数を直接表すので、自ずと数は少なくなるわけです。つまり、UU数が多いほどサイトのファンの人数が多いということになりますね。

ただ、ユニークユーザーが少なくても相対的にページビュー数が多い場合は、何度もページを閲覧するコアなファンが多い場合も考えられます。サイトの人気度を調べる際の指標として活用するにはしっかりと分析が必要です。なおユニークユーザー数はブラウザごとや、デバイスごとに計測されているので、異なるブラウザで閲覧した際は人数が一人でもUU数はブラウザの数と同じになります(同一ユーザーでもsafariで1、chromeで1というように)。異なるデバイスでも同様ですので、あくまでも概数として認識しておきましょう。

セッション数とは

基本的にGoogleアナリティクスで定義されているものとして説明いたしますが、セッション数は、ユーザーがWebサイトに訪問した回数になります。いわゆるアクセス数です。ページビュー数との決定的な違いとなるのは、カウントの基準がWebサイトへの訪問数なのか、サイト内のページの表示回数なのかという点です。

また、WEBサイトを閲覧を開始してから離脱するまでの流れを1セッションといいますが、基本的にはユーザーが30分間操作を行わなければ、セッションが切れます。席を離れたり、操作を行わずに31分目から行われる操作や、午前0時を過ぎた場合の動きは新たなセッションとしてカウントされるようです。

この図でいえば、②③④にあたる同一サイト内の動きは、すべて1セッションに含まれるということです。

コンバージョン率とは

そもそもコンバージョンとは、「変換」「転換」などという意味で、Webマーケティングにおいては、サイト運営者が望む目的を、訪問者が達成することです。ECサイトであれば商品が購入された数などで、Netflixなどのサブスクリプションなどであれば、会員登録をした時点で達成(コンバージョンした)といえますね。
つまり、コンバージョン率とは、サイト運営者が設定していた目標を何割の人が達成してくれているかを示す指標です。

アクセス解析においてもマーケティングにおいても、重要視されるのはコンバージョン率です。いくらページビューがあっても本来の目的である商品やサービスが売れなければ、本来の目的は達成できないわけですから。

直帰率とは

Webサイトに訪れたユーザーが最初に着地したページ(ランディングページ)を見ただけで、サイト内の他のページに遷移せずにサイトから離れてしまう割合のことです。全体のセッションに対して初めて訪れたページのみを見てサイトから離脱するまでの1セッションの割合といえます。

Webサイトのどのページにユーザーが最初に訪れるかは、十人十色です。他のサイトからのリンクから流入するケース、検索結果から流入するケースなど、さまざまな経路があります。直帰率の高いページの原因となるのは、リンク内容とリンク先のページに整合性が無い場合や、ページの読み込み速度が遅い場合が多いです。

複数の経路からアクセスされるページの中から直帰率の高いページを見つけることで、そのページのコンテンツやデザイン面での見直しを図ることができます。

離脱率とは

サイトを訪れたユーザーが、あるページを出口として離れていった割合です。離脱率はよく直帰率と比べられるのですが、決定的な違いはセッション数ベースで考えるか、ページビュー数ベースで考えるかという点です。

ページAで始まったセッションの内、ページAのみので終わるセッションの割合を直帰率といいます(ユーザー1はページAしか見ていない)。

一方で離脱率は、複数のページの中でサイトから離れる際に最後に閲覧したページの割合のことです。上図の場合であればユーザー2がページCで離脱したということになり、ページCの離脱率に反映されます。
もちろん、ページBで離脱していればページBの離脱率に反映されます。つまり、ページビュー数が分母にくるわけです。

離脱率の高いページとしては、決済完了ページなどの傾向があります。その1ページでユーザーの求める内容がすべて揃っているようなランディングページでも離脱率は高い傾向にありますね。このようなページでコンバージョン後に離脱していれば問題なしですが、その他のページで離脱していれば見直しが必要です。例えば、内部リンクが少ないページなどでは他のページへの導線が無いため、そこで離脱する割合は高くなるわけです。この場合は、コンテンツやページ内リンクの改善が可能ですね。

直帰率は、サイトへの入り口に関する課題、離脱率はサイト内の導線に関する課題を見つけることに役立つかもしれません。

オーガニック検索とは

自然検索と訳せるオーガニック検索とは、ユーザー自身が検索したキーワードの基づいて表示される広告枠以外の検索結果のことです。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで表示される検索結果には、多くの場合、検索キーワードに基づいてリスティング広告が表示されます。オーガニック検索は、その種の広告を除いた純粋な(自然な)検索結果という意味で使われます。

上記箇所のように、リスティング広告などの広告枠以外の箇所のことを指します。

オーガニック検索で上位に表示されると、そこから流入してくるユーザーは増えますし、有料のリスティング広告にかけるコストも削減できます。結果としてサイトのブランド力の向上にも繋がるので、しっかりとSEO対策を打つべきでしょう。

具体的なSEO対策については、下記の記事も参考にご覧いただけます。

リファラーとは

リファラーとは、参照元とも呼ばれ、Webサイトにアクセスする際に使用したリンク元のページ情報です。

サイトA内のリンクを通してサイトBにアクセスした場合、サイトBのリファラーはサイトA内のリンクということになります。ただし、中にはノーリファラーといって、参照元が不明の場合もあります。その原因としては、ブラウザにURLを直接入力してアクセスした場合や、お気に入りなどのブックマークからや、メーラーアプリなどのリンクからアクセスした場合などが考えられます。

以上の理由から、比較的リピーターの多いサイトなどでは、ノーリファラーが多い傾向にあると推測できるでしょう。

どんなページからアクセスされているのかという情報を集めることができれば、ユーザーのニーズを汲み取り、コンテンツの改善案にも繋げることができますね。

まとめ

今回は基本的な専門用語の説明のみを簡単にまとめていますが、これらの用語を深く理解することで、それぞれの問題点に対する対策が見えてくるでしょう。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールなどを活用してWEBサイトの改善を図り続けることは、Webマーケティングにおいて重要なファクターの一つになります。これを機にあなたのWEBサイトも分析してみてはいかがでしょうか。

Googleアナリティクスについては下記記事も参考にご覧いただけます。

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