昨今では、マーケティングが一つの専門職としてより評価されてくるようになりました。そもそもマーケティングとは、市場を理解し、販売戦略を考えて効率的に顧客のニーズに答えられるモノやサービスが売れる仕組みを作り出すことといえます。テクノロジーが益々進歩している今日にさらに重要視されるのは、デジタルにマーケティング活動ができる人材です。この手のマーケターの仕事が、より専門的な仕事として評価され始めているわけです。

もはや、PCやスマホで商品やサービスを検索し、その情報に触れるのは当たり前で人々にとってインターネットはインフラ化しているといえます。そんな世の中でインターネット、すなわちデジタル面を分析してマーケティングできる人が必要とされるのは当然ですね。

インターネット広告や、SNSでの情報発信、実店舗でのユーザーの行動などに基づき、施策を考えるデジタルマーケティング。今回はデジタルマーケティングについて基本的な部分から考えていこうと思います。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、インターネットを中心とした土俵で行うマーケティング手法です。インターネットを閲覧できる媒体であるPCやスマホ、タブレットはもちろん、コンピューターネットワークを使うe-mailでのマーケティング(メルマガ)やWEBサイト運営なども含みます。

多くの人がオンライン上で何かをする時間が増えている今の時代に、極めて有効なマーケティング手法といえますし、企業のマーケティング担当がデジタルマーケティングを避けて通るのはまず難しいでしょう。SNSや、YouTubeなどで個人で発信できる時代になり、ほとんどの人が想像もしていなかった仕事が生まれています。

時代に合わせて新しい技術を取り入れながら、データを読み取り、マーケティング戦略を立てる。新しい手法と従来のマーケティング戦略を組み合わせて柔軟に対応していくこともデジタルマーケティングの特徴といえるでしょう。

デジタルマーケティングとWEBマーケティングの違い

「デジタルマーケティングはなんとなくわかったが、この2つは何が違うのか。」そう思う方も多くいらっしゃると思います。簡単にいえば、デジタルマーケティングの中にWEBマーケティングがあるイメージです。

広義の意味でのマーケティングが一番外側にあり、その中にデジタルマーケティング、WEBマーケティングの順で細分化できます。具体的な違いとしては、オンラインの情報を多くの角度から活用するデジタルマーケティングと、WEBサイトを軸に考えるWEBマーケティングといえます。

包括的にオンラインの情報を分析するデジタルマーケティング

デジタルマーケティングではオンラインのさまざまな情報を分析します。オンライン以外でもデータを活用したものもデジタルマーケティングの内です。例えば下記のようなものが挙げられます。

  • メルマガを活用する手法
  • SNSを活用して効率よく情報を拡散する手法
  • スマホやタブレット端末のアプリを活用した手法
  • ブラウザでの行動履歴を活用する手法
  • 顧客データを蓄積し分析する手法
  • 実店舗での反響や販売データを分析する手法

デジタルマーケティングでは、WEBサイトを基軸とするWEBマーケティングよりも範囲が広いので、WEBサイトで得られる情報以外のユーザーの行動なども分析するわけです。WEBマーケティングのオムニチャネル戦略(※1)的な役割も担っているといえますね。

オムニチャネル戦略(※1)
リアルとインターネットのチャネルの境目をなくし、連携させること。複数のチャネル(リアルとネット)のユーザーデータに基づき施策を考え、相互にシームレス化することで相乗効果を生み出すことができる販売戦略。

WEBサイトをベースに施策を考えるWEBマーケティング

一方で、WEBマーケティングは、もう少し範囲を限定的で、WEBサイトを軸に戦略を練っていきます。端的に箇条書きでまとめると以下のようなものが挙げられます。

  • WEBサイトへの流入を考える(SEO対策など)
  • WEBサイトの機能やUI/UXを考える
  • WEBサイト内のコンテンツの質を高める(コンテンツマーケティング)
  • WEBサイト内の導線を配備し回遊率を考える

手前味噌で、宣伝になってしまいますが、弊社が開発しているWordPressテーマ「TCD」では、まさに上記のようなWEBマーケティングを後押しできるように機能の選定、デザイニングを行っているわけです。WEBサイト周りは弊社の製品に任せてもらい、コンテンツの充実度や更新頻度、その他の施策(デジタルマーケティング)においては、お客様の力でいくらでも伸び代があるともいえます。

具体的にどのようにコンテンツマーケティングを行うかは、下記の記事も参考にご覧いただけます。

デジタルマーケティングの先進事例

Amazonが運営している「Amazon books」や「Amazon Go」などはデジタルマーケティングの最たる事例といえます。

「Amazon Books」は、Amazonの実店舗型の書店です。Amazonでは、さまざまな商品が購入できるだけでなく、購入履歴に基づきレコメンドしてくれたりもするので、我々の買い物を便利にしてくれることは今や多くの人が経験済みでしょう。書籍のデータを取り込みデジタルデバイスで本が読めるKindleを活用している方もいますね。Amazon Booksでは、サイトやKindle得たデータを活用して、店舗の品揃えや陳列棚のレイアウトなどを決めているようです。オンラインで商品が売れて、そのデータを蓄積して分析し、実店舗にも活かすというデジタルマーケティングが行われているわけですね。

話題になった「Amazon Go」もそうですね。無人のコンビニということで、キャッシュレスのコンビニという印象も強いですが、商品の補充などは人間が行っているようです。今後データが蓄積してくると、仕入れる商品の改善や、企画やプロモーションの方法もどんどん進化していくでしょう。そうすることで、データに基づいたスムーズな顧客体験が可能になりますね。

国内で身近なところでいえば、ユニクロやGUなどでも無人のレジが導入され始めていますね。ECサイトと実店舗のシームレス化が進んでいるのでしょう。デジタルマーケティングを行い、インターネットと実店舗の垣根を溶かしていくことで、より便利に、より豊かなサービスを享受できる世の中になるかもしれません。

デジタルマーケティングにかかるコストは?

先ほどの事例では、インパクトの強い大企業を事例に挙げましたが、前述の通り、デジタルマーケティングの中にはもっと身近なWEBマーケティングも含まれています。そこにどれぐらいの費用がかかるというと、実はWEB周りのサービスは、ほとんどコストがかからないといっても過言ではありません。個人でもWEBサイトを運営できますし、各種SNSなどはすべて無料でアカウントを作成できますしね。

例えWEBサイトを構築するのにイニシャルコストがかかったとしても、長期的に熱量を込めて運営するのであれば、脅威になるような金銭的リスクは少ないといえるでしょう。コンテンツを充実させユーザーからの信頼を得ているのであれば、それは十分に企業の武器となり、資産にもなるからです。

まだまだ、自社のWebサイトをしっかりと運営したり、SNSを十分に活用している企業は少ないと思います。実店舗があるかないかは別として、あらゆるもののファーストコンタクトはWEBを通してという場合がほとんどですので、今後さらにデジタルマーケティングの需要は高まるでしょう。

金銭的コストを極力かけずに売り上げを増やすという意味でも、デジタルマーケティングは理に叶っている戦略といえますね。中でもSNSマーケティングについては下記の記事も参考にご覧いただけます。

今後注力すべきモバイルマーケティングについて

デジタルマーケティングの中でも、重要視されるものの一つにモバイルでのマーケティングも挙げられます。その理由は二つあり、一つ目はいうまでもなく、スマホからインターネットを閲覧するユーザーが多いことです。もう一つは、画面が大きく比較的通信が安定している環境で使われることの多いPCだけでなく、モバイル端末でも通信速度が飛躍的に躍進する5Gの時代に備えるべきという点です。

なにが言いたいかというと、容量の多いコンテンツ(動画)などもスマホなどのモバイルデバイスで閲覧できるようになるからです。今後はスマホでも早い通信で多くの動画が見られる時代がくると仮定すると、もちろんそれ相応の対策が必要になりますね。WEBサイトやアプリはモバイル端末にも最適化していくのは当たり前で、かつモバイル端末では想定していなかった部分も考えていく必要があります。

WEBサイトであれば、どの端末から見ても美しく、操作感もよくなければなりません。WEBサイトだけでなく、スマホアプリで簡単に決済できることもスタンダードになってきていますしね。そこに加えて、これからは大容量のコンテンツもモバイルで閲覧され得ることを念頭に置いておくべきだということです。

WEBサイトにおける具体的な施策としては、まずレスポンシブデザインであることが基本でしょう。モバイル端末で見たときにせっかくの綺麗なサイトが崩れてしまっては、元も子もありません。初心者向けに簡単なCSSを使って部分的にデザインを変化させる方法については下記記事を参考にご覧いただけます。

まとめ

デジタルマーケティングは時代のニーズにあったマーケティング戦略として今後も進化していくと思います。スマホアプリなどでの決済もさらに普及し、実店舗での購買と紐付けすることでユーザーの行動データを把握する。蓄積したそれらのデータをAIで管理し、販売戦略に役立てるなどといった高度な技術も増えていくでしょう。こうした変化の早い時代に個人も企業も柔軟に対応していくことが大事ですね。デジタルマーケティングの基本的な概要と、今後どういった施策が必要になってくるのかを少しでも参考にして頂けると嬉しいです。