私たちは、小手先のSEOは無駄だと考えています。その理由を語る前に、以下のデータをご覧ください。TCDオフィシャルサイトのオーガニックトラフィック(自然検索流入)の数値です。
こちらは「Ahrefs」というSEOツールで算出したアクセスデータです。以下のような獲得キーワード数、トラフィック数のパフォーマンスを発揮しています。
オーガニックキーワード:34.2K
→約34,000キーワードが検索にヒットしている
オーガニックトラフィック:164K
→月間、約164,000人が検索経由でサイトに訪問している
トラフィックの価値:77.2K
→検索トラフィックの価値を有料広告の金額に置き換えると、約800万円に相当する
もう一つ、今度はGoogleアナリティクスのデータをお見せします。
多少の増減はありますが、毎月安定して60万PV(ページビュー)を獲得しています。上記のデータを見てわかるように、TCDのオフィシャルサイトはSEOに成功しています。
とはいえ、私たちはなにも特別なことはしていません。Web界隈でよく話題になる、テクニカルなSEOテクニックやGoogleの裏をかくトリックなどは、一切使っていません。
それらの小手先SEOに頼らなくてもサイトが成長していくことを実感しているので、小手先のSEOは無駄だと主張したいのです。
小手先のSEOが無駄な理由
ここからは、小手先のSEOは無駄だと、私たちが考える理由をお伝えしていきます。
無駄な理由1. Googleのアップデートですべてが崩壊する
まず、Googleのアップデートの存在です。最近だと、2020年5月にコアアップデートがありました。
SEOテクニックにどれだけ注力しても、Googleの機嫌しだいで、その努力が一気に水の泡になる・・・。しかもそれは、小手先のSEOテクニックに傾倒しているサイトほど、ターゲットにされやすいわけです。
Googleは検索者の利便性を最優先にしますから、それに反するサイト(つまりSEOによる上位表示だけを目的にした価値のないサイト)は評価を下げられてしまいます。
逆に、確固たる実在性を持ち(現実世界でどんなビジネスをしているかが明確。だから企業サイトはSEOに強い)、検索ユーザーの役に立つコンテンツを発信しているサイトは、アップデートがあるごとに順位上昇・アクセス増加という恩恵を受けることになります。
実際、TCDのオフィシャルサイトは、5月のコアアップデートで評価が上がり、自然検索流入が増加しました(特別なSEO施策はなにもしていません)。
ご覧の通り、アップデートがあった2020年5月4日を境に、横ばいだったトラフィックが急激に伸びています。
ちなみに、私たちは広告もガンガン出していますし、メルマガリストも数多く保有しています(SEO依存ではない)。
今後、仮にアップデートで自然検索流入が大きく減少しても、恐らくビジネスは問題なく継続できると思います。
だからアップデートは全く恐くありません。順位が上がったらラッキー、くらいの感覚です。これがもし小手先SEOに依存したサイト運営だったら、Googleのアップデートに怯える毎日です。
無駄な理由2. 時間的損失が大きい
小手先SEOは無駄だと考えるもう一つの理由は、時間的損失が大きいということです。
H1は1ページに何個までがいいとか、記事タイトルにはH1とH2どっちを設定すべきかとか、画像に文字を入れたほうがいいのか、とか・・・。
このような細かなSEOテクニックに時間をかけるのはナンセンスだと思います。いったい、どれだけの影響があるんでしょうか?
もちろん多少は検索順位に影響するかもしれませんが、「かもしれない」という小さな可能性に対して、延々と頭を悩ませたり試行錯誤したりするのは、生産的とはいえません。
もしあなたが社長なら、そんなことに時間を使っている場合ではありません。
ちなみに、よく議論になるH1タグの使用問題ですが、記事タイトルにH1を使おうがH2を使おうが、検索トラフィックに有意な差はないという結果が出ています。誤差の範囲です。
また、Googleの公式見解では、ページにH1タグが複数あっても、あるいはH1タグが存在しなくても、検索エンジンにとって何の問題もないとされています。
参考情報: Are H1 Tags Necessary for Ranking? [SEO Experiment]
このような事実があるので、私たちは小手先SEOの存在意義に疑問を抱いてしまうわけです。「それ、ビジネスに影響あるの? 利益を生むの?」と。
利益を生むのはコンテンツである
検索エンジンからのアクセスは大事な集客の柱ですが、細かなSEOに振り回され、支配されていてはいけません。もちろん、Googleを騙すような行為もしてはいけない。
本当に力を入れるべきはコンテンツだと、私たちは考えています。差別化するのも、価値を生むのも、人を集めるのも、そしてお金を生み出すのも、すべてコンテンツだからです。
そしてそのコンテンツも、小手先のコンテンツでは意味がありません。
小手先のコンテンツとは、たとえば他サイトの情報を切り貼りしたり、テンプレに画一的に当てはめたり、SEOキーワードを詰め込んだりして作られた、中身のないコンテンツのことです。
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コンテンツは、それは見て(読んで)どう感じるかという、ヒトの心を捉えることが何よりも重要なんです。
読み手にどのような行動を取ってほしいのか、そして、その行動に導くためには、どのような感情を喚起すべきなのか?
つまり、コピーライティング的な観点ですね。検索エンジンのためにコンテンツを作るのではなく、読み手の感情を刺激して、行動につなげるためにコンテンツを作る。
利益を生み出し、ビジネスの成長に貢献するコンテンツとは、そういうものだと思います。
SEO目的だけのコンテンツは、仮に上位表示しても、人の心を捉えられない。だからまったく行動につながりません。いわゆる「アクセスはあるけど、売れない」という状態です。
人がモノを買うのも、特定のブランドを好きになるのも、だれかのファンになるのも、すべて感情によるものです。感情に影響を与えられなければ、ビジネス上の目的を達成できません。
SEO目的だけのコンテンツは、「感情に影響を与えて行動に導く」という観点が、どうしても弱いのです。
以下の記事で、コンテンツ作成の考え方について解説しています。コンテンツ作成の方向性や在り方に悩んでいる場合は、参考になると思います。
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もはやSEOだけをウリにするのは古い
SEOは、そこまで深く掘り下げるほど深みのあるテーマではないし、ビジネスの大きな影響を与えるものでもないと思います。
たとえば、ソースコードの細かな違いで検索順位が多少は変わるかもしれませんが、それはビジネスを飛躍的に進歩させるほどのインパクトでしょうか?そこにこだわる時間を、マーケティング戦略の考案やコンテンツ作成に費やしたほうが生産的ではないでしょうか?
SEOのためだけにやる施策はない
そもそも、SEOのため”だけ”にやるWeb施策など存在しません。
「検索結果ランキングをあげるため」の施策は意味を持たないと思います。技術要件の施策も、コンテンツの制作も、すべてはユーザーがGoogleというプラットフォームで情報を見つけやすくし、求めた情報にたどり着くために行うことです。Webサイトで売上を立てるためなら、やっていて当たり前の施策であり、SEOのためにやる施策ではないのです。
SEOコンサルティング「ナイル株式会社」 さんのブログからの引用ですが、私たちもこの見解に賛同しています。けっきょく、ユーザーの役に立つビジネスをやっていれば、SEOは自ずとカバーできるものなのです(特別なことをしなくても)。
そこを「SEOのために」 と考えるから、小手先SEOに代表されるおかしなテクニックに走ってしまうわけです。
小手先のSEOテクニックは淘汰されていく
これから先、”SEOのためのSEO”は確実に通用しなくなるでしょう。H1の使用問題もそうですし、画像の使用枚数やキーワード出現率といった根拠の曖昧なSEO理論もそうです。すべて淘汰されていきます。
本来、SEOは極めて高度な領域であり、プロでしか手を出せないものです。そこをインスタントでお手軽な、小手先のテクニックでどうこうできると思うのは、いささか傲慢ではないでしょうか。
まして、天才的なGoogleのアルゴリズムを相手にするわけですから、小手先のテクニックが通じるはずもないのです。
いいビジネスを作り、いいコンテンツを発信し続けることが全て
私たちがやるべきことは、アルゴリズムを攻略するテクニックを編み出すことではなく、「いいコンテンツ」 を世の中に発信し続けることだと思います。もっと言うなら、「いい事業(ビジネス)を作ること」 「いい企業を経営すること」 です。
抽象的な話になりますし、理想論のように聞こえるかもしれませんが、長期的な視点で考えればそれが最高のSEOになると、私たちは信じています。
コンテンツ作成に関する私たちの考えをもっと知りたい場合は、ぜひ、以下の記事もチェックしてください。
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