SEOでは、共起語(きょうきご)という概念があります。
共起語を適切に使うことは、SEOに効果的だと言われていますが、それは本当なのでしょうか? 共起語の使用とSEOの関係について、ここでは解説していきます。
共起語とは?
共起語とは、記事内において、特定のキーワードと一緒に使用されることが多い特徴的な単語のことです。
たとえば「WordPress」というキーワードの共起語は、ホームページ、ブログ、プラグイン、インストール、サーバー、管理画面などが考えられます。いずれの単語も、「WordPress」というキーワードで記事を書くなら、自然と文中に含まれるものです。
共起語を記事に散りばめることは、キーワードとページの関連性をGoogleに認識させるために効果的だと言われています。
極端な例ですが、「ライティング」というキーワードなら、記事や文章、ライター、Webといった共起語が使われていれば、「撮影における照明(光)の話ではなく、文章作成についてのページ」だと、Googleは判断しやすくなるわけです。
関連キーワードとの違い
共起語と混同されがちなものに、関連キーワードがあります。
関連キーワードとは、Google検索結果の下のほうに表示されるキーワード群のことです。
「あなたが知りたいのは、これじゃないですか?」と、Googleが提案してくれるもので、よりニッチなキーワードに絞り込んだり、キーワードのユーザーニーズを推測したりするための参考になります。
一方、共起語は関連キーワードとは違い、あくまで特定キーワードと一緒に高頻度で使われる単語のことです。
Google自体は、共起語という言葉は使っておらず、共起語を抽出するツールも提供はしていません。企業や個人が共起語抽出ツールを開発・提供しており、それによって共起語という概念がSEO業界で広まっていった、という経緯があります。
共起語にSEO効果はあるのか?
共起語の使用はSEOに効果的だと言われることが多く、その主張には、以下のようなロジックがあります。
- Googleは特定キーワードを繰り返すだけのページは評価しない
- 特定キーワードを繰り返すだけでなく、キーワードに関連する多彩な単語(=共起語)を多く含んだページにする必要がある
- そうすると、キーワードとページの関連性が高まり、Googleに評価されやすくなる
特定キーワードを繰り返すだけでなく、キーワードに関連する多彩な単語を使うべき、というロジックは正しいものだと思います。実際、特定キーワードを繰り返すだけのページを評価しないことはGoogleも明言しています。
「犬」を検索する場合、必要なのは「犬」という単語が何百回も出現するページではありません。つまり、ただクエリの言葉を繰り返すだけでなく、クエリに対する答えが含まれているページかどうかを見極める必要があります。
出典: 検索の仕組み | 検索アルゴリズム
「クエリに対する答えが含まれているページかどうか」について、様々な判断基準をGoogleは用いていますが、その一つに、特定キーワードと一緒に高頻度で使われる単語(つまり共起語)の有無があるかもしれません。
たとえば、「WordPress インストール」というキーワードなら、サーバーやFTPクライアント、アップロードなどの単語が使われていれば、クエリに対する答えが含まれていると判断される可能性はあります。
もちろん、共起語をただ散りばめるだけで、Googleに評価されるわけでは決してありません。共起語を使ったとしても、キーワードに対する回答ができていなかったり、検索者が求めるコンテンツ内容を用意できていなかったりすれば、順位上昇は期待できないでしょう。
先ほども言った通り、Googleは単一の指標で記事を評価するわけではないからです。「共起語が○%使われている」という単純な指標で、記事の品質が判断されるわけではありません。
つまり、共起語ツールで自動抽出した単語をたくさん詰め込めばいい、というわけではないのです。「この共起語は本文で10回以上使って、こっちは5回以上使って・・・」といった機械的な記事の作り方も、あまりオススメできません。
10回や5回といった数字には何の根拠もないですし、そのような記事の作成方法に依存すると、キーワードに対する回答を述べたり検索者が求めるコンテンツ内容を用意したりといった、本質的な部分がおろそかになります。
そもそも、専門的な知識・経験をもった書き手が記事を執筆すれば、特に意識しなくても、共起語は自然と盛り込まれるものです。
先ほどの「WordPress インストール」の例でいえば、知識がある人が書けば、サーバーやFTPクライアント、アップロードなどの単語が漏れることはないでしょう。その意味では、共起語を特に意識して記事を書く必要はないと言えます。
「この共起語を使っておけばGoogleに評価される」という安易な考えに頼るのではなく、自身の専門性を高め、知識をブラッシュアップし続けること。そして、それらを記事で存分に発揮することが重要です。そうすれば、共起語は自ずとカバーできます。
共起語を探すならツールではなく人力で
もし共起語を探したいなら、ツールによる自動抽出ではなく、人力がオススメです。
そもそも、多くの共起語ツールは、上位表示しているページ群で共通して多く使われている単語を単純に抜き出しているものが多く、かなりノイズが多くなっています。
たとえば「ポイント」「事」といった一般的な単語も抽出されることが多いですが、それらは共起語とは言えません。どんなキーワードの記事でも、当たり前に使われる単語です。共起語は、特定のキーワードと一緒に使用されることが多い特徴的な単語ですから、もっと特徴のあるユニークな単語(自動インストールやFTPクライアントソフトなど)を拾っていかないといけません。そのためには、目視での作業が最適です。
コピーライティングの世界では、見込み客が反応しそうな単語を大量に書き出して、反応が取れる単語リストを作るという作業があります。共起語も、それと同じような要領でリストを作りましょう。
以下で、手順をご紹介します。
まず、キーワードで検索して、競合ページの記事を読み込んで、特徴的な単語をピックアップしていきます。先ほども言ったように、ただの一般的な単語は無視します。キーワードに関連する特徴的な単語(このキーワード、テーマでしか使われないだろう、というもの)を見極めて、ピックアップしていくことが重要です。
ピックアップした単語はWordやExcelなどにメモしておきましょう。
この作業を、競合10ページ分くらい繰り返せば、十分な数の共起語リストが完成しているはずです。キーワード、テーマに関する知識もある程度、身につきます。あまり知識のないキーワードで記事を書くときは、このような作業をおこなうと、執筆しやすくなります。
まとめ
共起語とは、記事内において、特定のキーワードと一緒に使用されることが多い特徴的な単語のことです。特定キーワードを繰り返すだけのページは評価しないとGoogleも明言しているため、多彩な共起語を使うことは、キーワードとページの関連性を高めることにつながる可能性があります。
もちろん、ツールで抽出した共起語を無造作に散りばめるだけでGoogleから評価される、という単純な話ではありません。キーワードに対する回答を用意したり、検索者が求めるコンテンツ内容にしたりすることのほうが重要であり、その基本をおろそかにしていては、共起語を使ってもSEOの効果は得られないでしょう。
ただ、特定キーワードの繰り返しではなく、キーワードに関連する多彩な単語を使うことが重要、というロジックは十分に納得できるものであり、検索順位との相関関係もあると思われます。考え方の一つとして、頭に入れておいて損はありません。
記事を書く際、書き手に専門的な知識・経験があれば、共起語は自然と盛り込まれるものなので、具体的な単語や使用回数などは特に意識しなくても大丈夫です。
キーワードに関する知識がない場合は、検索結果の競合ページをチェックして、そこで使われている特徴的な単語をピックアップして、共起語リストを作成する方法がオススメです。ツールで自動抽出するよりも精度が高いですし、キーワード、テーマに関する知識もある程度身につきます。
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