SEOでは「網羅性」と呼ばれる概念があります。

網羅性を簡単に説明すると、必要な情報が抜け漏れなくコンテンツに掲載されているかどうか? というものです。コンテンツの情報量と言い換えてもいいかもしれません。網羅性の高いコンテンツはGoogleから高く評価されやすいため、網羅性はSEOにおいて非常に重要な概念として扱われています。

網羅性が重要であるという主張はそのとおりですが、コンテンツマーケティングの世界では、網羅性に対する誤った認識が多く見られます。

特にコンテンツSEO(※Point)的な視点でコンテンツを作成する企業では、検索上位ページの内容を全網羅したり、ユーザーにとって不要な情報を無造作に詰め込んだりといった手法が横行していますが、このような手法はコンテンツの品質を著しく下げてしまうため推奨できません。

※Point
コンテンツSEOという言葉は、ユーザーのためではなく検索エンジンのためにコンテンツを作る手法を指します。コンテンツSEOにおいて、コンテンツは上位表示のための手段でしかなく、コンテンツの品質やユーザーの満足といった部分は軽視されます。

この記事では、網羅性を履き違えたコンテンツ作成手法の問題点を指摘しつつ、コンテンツの適切な情報量を決めるための思考方法をお伝えします。

網羅性を高めるとは、単に情報を多く詰め込めばいいという意味ではありませんし、長文を書けばいいという意味でもありません。そうではなく、コンテンツの目的や役割に応じた適切な情報を網羅する必要があります。

この記事が、網羅性に対する正しい理解につながれば幸いです。

網羅性とは?

網羅性という言葉は、主に次の2つの意味で使われます。

  1. Webサイト全体の網羅性
  2. コンテンツ単位の網羅性

Webサイト全体の網羅性

Webサイト全体において、特定のトピック・テーマに関するコンテンツが幅広く掲載されている場合、そのWebサイトは網羅性が高いといえます。Mozのブログ記事では、Webサイト全体の網羅性が検索順位に影響することが言及されています。

the websites that had the most topic coverage were more likely to land at the top of the page(トピックの網羅性が高いWebサイトは上位表示されやすい。).
出典: 5 Things I Learned About E-A-T by Analyzing 647 Search Results – Moz

特定のトピックに関する専門的なコンテンツが多く掲載されているサイトは、ユーザーからもGoogleからも支持されやすいため、Webサイト全体の網羅性向上(いわゆるトピッククラスター)は有効な施策です。詳しくは以下の記事を参照ください。

コンテンツ単位の網羅性

コンテンツ単位の網羅性とは、コンテンツとしての機能(役割や目的)を果たすのに必要十分なトピックが抜け漏れなく盛り込まれているかどうか? という概念です。本記事ではこちらを主に解説していきます。

Googleの公式資料では、「包括的」という言葉を用いてコンテンツの網羅性に言及されています。

コンテンツが事実として正確で、記述が明確で、内容が包括的であることを確認してください。したがって、たとえばページでレシピを紹介する場合は、食材のリストや料理の基本的な説明だけでなく、手順がよくわかる詳細な料理方法を説明します。
 避けるべき事項:
 ・コンテンツが不足しており、ページの目的が果たされていない。

出典: SEO Starter Guide: The Basics | Google Search Central | Documentation

コンテンツには何かしらの機能的価値(コンテンツが果たすべき役割)があります。その機能的価値を発揮するために必要なトピックは、コンテンツに必ず掲載しなければいけません。

機能的価値
=コンテンツが果たすべき役割、機能

役割、機能を発揮するためのトピックを
抜け漏れなく網羅することが重要

たとえば、レシピの紹介コンテンツであれば「ユーザーがレシピを真似して簡単に料理を作れるようになる」という機能的価値が想定されるので、実際の料理の手順・方法のトピックが必須です。

そのトピックが抜け落ちれば機能的価値を発揮できない不完全なコンテンツになり、ユーザーの満足度やGoogleからの評価が下がります。

機能的価値という概念は、コンテンツの網羅性をプランニングするうえで非常に重要です。

この概念を理解できれば、本質から外れたテクニックに惑わされることなく、ユーザーにとって価値あるコンテンツをプランニングできるようになります。以降の章でも何度も取り上げますので、注目して読んでみてください。

コンテンツの品質が下がる
網羅性を履き違えた施策

先ほども述べたとおり、網羅性の高いコンテンツとは、機能的価値を発揮するために必要なトピックが抜け漏れなく盛り込まれているコンテンツのことです。

しかし、SEOに偏った思考でコンテンツを作る企業の多くは網羅性に対する認識が誤っており、コンテンツの機能的価値に何ら関係のないトピックまで詰め込む傾向があります。

情報を多く詰め込む = 網羅性が高いという認識になっているわけですが、その認識があるせいで、コンテンツの品質を著しく下げる施策が実行されてしまいます。

以下で、網羅性に関する誤った施策の具体例を見ていきましょう。

検索上位コンテンツの内容を全網羅する

最初にご紹介するのは、Googleの検索結果の上位10コンテンツをチェックし、それらのコンテンツに含まれるトピックを可能な限り多く盛り込む手法です。

Google検索上位コンテンツを全網羅する手法

たとえば、上位表示しているコンテンツに「○○○のメリット・デメリット」というトピックが共通して使われていれば、それを自社コンテンツにも盛り込みます。

そのトピックが、コンテンツの機能的価値を満たすために必須なのであれば別に問題はありません。しかし多くの場合、コンテンツの機能的価値を満たすという視点ではなく、単に「上位表示しているコンテンツに書いてあったから」というだけの安易な理由で、上位コンテンツの模倣がおこなわれています。

そもそもなぜ、上位コンテンツの内容を全網羅する手法が流行っているかといえば、多くの人に以下のような認識があるからです。

「Googleはユーザーニーズに合致した高品質コンテンツを上位表示させる。つまり、上位表示しているコンテンツに書かれているトピックは、ユーザーニーズに合致した内容に違いない。だから、抜け漏れがないよう必ず盛り込まなければいけない」

これはコンテンツSEOに取り組む多くの人が盲目的に正しいと信じていることですが、誤った認識です。Googleの検索結果が常にユーザーニーズに合致したページを100%の精度で上位表示させるのなら上記の理論も納得できますが、現実はそうではありません。

Googleはユーザーニーズを正確には理解できていませんし、ユーザーニーズに合致したページを常に上位表示させているわけではないのです。「そんなことはない」という反論があるかもしれませんが、自身の検索行動を振り返ってみてください。Googleの検索結果にいつも満足しているかと問われれば、Yesとは言えないはずです。

Googleの検索結果は常に最適か?

いかに高性能な技術を搭載しているとはいえ、Googleの検索エンジンは所詮ただの機械です。ただの機械であるからこそ、現実に生きている我々人間の細かいニーズや感情の機微を的確かつリアルタイムに捉えることは不可能です。

Googleの検索結果は、検索する人のニーズを必ずしも的確に反映しているわけではなく、Googleが保有しているデータベースを基に「現時点では関連性が高いはず」とアルゴリズムによって判断されたページが上位表示しているに過ぎません。実際のユーザーニーズとはズレていることも往々にしてあるのです。

Google検索の欠点の説明

ここまでの説明を理解すれば、検索上位コンテンツのトピックを全網羅する手法の脆弱性がわかるはずです。

検索上位コンテンツはユーザーニーズを必ずしも的確に反映しているとは限らないわけですから、何も考えずに検索上位コンテンツのトピックを全網羅するやり方では、ユーザーにとって価値のないコンテンツになってしまう恐れがあります。事実、ユーザーニーズとズレていたり内容が誤っていたりする上位コンテンツを皆が模倣することで、品質に問題のあるコンテンツが検索結果に溢れるという事例が至る所で起きています。

検索結果の上位コンテンツをチェックすること自体は別に構いませんが、「ここに書かれているトピックは、本当にユーザーニーズと合致しているのか? コンテンツの機能的価値を担保するために必須なのか?」ということを慎重に判断する必要があります。

関連性の薄い情報を無造作に並べてしまう

コンテンツのメインテーマ(主題)との関連性が薄い情報を、無造作に並べてしまうケースもよく見られます。

【その情報、本当に網羅すべきか?】

H2 〇〇〇〇〇とは?
H2 〇〇〇〇〇と〇〇〇〇〇の違い
H2 〇〇〇〇〇のメリット
H2 〇〇〇〇〇のデメリット
H2 〇〇〇〇〇の活用方法
H2 〇〇〇〇〇の類義語
H2 〇〇〇〇〇に関するQ&Aをご紹介

たとえば、人材採用の具体的ハウツーを紹介するコンテンツで「人材とは?」「人材と人財の違いとは?」といったトピックを盛り込むケースです。

たしかにトピックは網羅しているのかもしれませんが、ユーザー目線で考えれば「そんな情報はいらない」となります。ユーザーからすれば具体的かつ詳細なハウツーが知りたいわけであって、人材という言葉の意味を知りたいわけではないからです。

他にもいくつか例を挙げてみます。

NG例:「プロテイン 摂取タイミング」というキーワードを想定したコンテンツで「プロテインとは?」という見出しから始めてしまう。
解説:ユーザーが知りたいのはプロテインの摂取タイミングであって、プロテインの概要でないことは明白。しかもこのキーワードで検索するユーザーは、プロテインが何であるかをすでに知っている可能性が高い。したがって「プロテインとは?」という概要は不要。
NG例:人事向けの面接質問リストをまとめたコンテンツで、「面接とは?」「面接と面談の違い」といったトピックを配置してしまう。
解説:このコンテンツの目的は、面接の現場ですぐに活用できる質問リストを提供することのはず。その目的を考えれば、面接という言葉の意味や面接と面談の違いについて説明する必要性はまったくない。Googleに評価されることだけを目的にした、無駄なトピックだといえる。

それにしてもなぜ、コンテンツのメインテーマとの関連性が薄いトピックが配置されてしまうのか?

それは、メインキーワードから派生する関連キーワードを多く盛り込めば盛り込むほど、そのコンテンツはユーザーニーズをカバーする情報を広範囲に網羅していることになり、Googleから評価され上位表示するという理論が、コンテンツSEO界隈に浸透しているからです。

関連キーワードの網羅量=コンテンツの質?

関連キーワードを抽出して視覚的に分かりやすく分類してくれるツールや、コンテンツのSEOスコアを判定して足りないキーワードを提案してくれるツールなどが登場したこともあり、関連キーワードを軸としたコンテンツ作成手法は広く普及することになりました。

この手法は一昔前であれば普通に効果が出ていましたし、現在でもキーワードによっては効果が出てしまいます。「なら別にいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、ユーザーのニーズや利便性を考えずに関連性の薄いトピックを並べるだけのコンテンツに、実質的な価値があるかどうかは疑問です。

繰り返しになりますが、コンテンツの機能的価値を発揮するために必要なトピックを網羅することが大事なのであって、関連キーワードを網羅することが大事なのではありません。

ここまでの内容をまとめます。

コンテンツには何かしらの機能的価値(役割や目的)があり、その機能的価値を満たすために必要なトピックを、抜け漏れなく盛り込む必要があります。これが「網羅性を高める」ということの正しい解釈です。

機能的価値
=コンテンツが果たすべき役割、機能

役割、機能を発揮するためのトピックを
抜け漏れなく網羅することが重要

しかしコンテンツSEO界隈では、「とにかく情報量を増やして競合にボリュームで勝つ、そして多くのキーワードで検索にヒットさせる」という形で網羅性が解釈されています。

筆者はコンテンツ制作やSEOの現場で7年以上の実務経験があり、その間、多くのコンテンツ制作会社やSEO業者の担当者とやり取りしたり、営業資料を見たりしてきました。

その経験から、SEO視点でコンテンツを作る企業のほぼすべては、上記のような考え(とにかくボリュームを増やせばいい)で網羅性を解釈していると断言できます。実際、以下のような主張は飽きるほど聞いてきました。

「SEOコンテンツはとにかくボリュームを増やして最大公約数を狙うんです。特定の読み手に刺さるかどうかなんてどうでもいいんです」
「競合コンテンツにある見出しをなるべく入れて、関連語の網羅性を高められませんか?最低でも8000文字の長文が必要だと思います」

このような考えでコンテンツを作れば、何の機能も持たない情報の羅列になることは避けられません。それは果たしてコンテンツと呼べるのかどうか、大いに疑問です。

コンテンツSEOという概念が広く浸透したあとに業界に入ってきた人は、Google起点のコンテンツ作成手法が当たり前だと思われているかもしれませんが、決して当たり前のものではありません。むしろ変なトレンドくらいに思っておくべきです。

本来のコンテンツの在り方とは程遠いものであり、推奨されるべきものではありません。

コンテンツに盛り込むべきトピック・情報はこう決める!

繰り返しになりますが、網羅性を考えるうえでは、コンテンツの機能的価値(コンテンツが果たすべき役割)を果たすために必要なトピック、情報を網羅することが重要です。そのためには、

  • ユーザーのベネフィットから逆算すること
  • ユーザーの状況や知識レベルから逆算すること

この2つの視点が非常に役立ちます。

ユーザーのベネフィットから逆算する

コンテンツに網羅すべきトピック、情報を決める際は、ユーザーのベネフィットをまず考えます。

ベネフィット
=ユーザーが受け取る利益、得

ベネフィットを定義することで、コンテンツの
機能的価値と網羅すべきトピックが決める

「このコンテンツに触れることで、ユーザーはどのような問題を解決できるのか? どのような理想の状態になれるのか?」ということをまず定義しましょう。ユーザーにとっての最終的なゴールを設定するイメージです。

たとえば、「Webライター サンプル記事」というテーマ、キーワードでコンテンツを作るケースを考えてみましょう。

このコンテンツにおけるユーザーのベネフィットは、「クライアントに刺さるサンプル記事を用意することで仕事を楽に獲得できる!」というものが想定されます。ということは、サンプル記事とは何か? という概要やサンプル記事の重要性といった解説だけでなく、すぐに真似して使えるサンプル記事の実物(具体例)が必要だとわかります。

つまり、「サンプル記事の実物を提示することで、ユーザーがそれを参考にサンプル記事を作ることができる」という機能的価値を含んだコンテンツを作ればいいわけです。

ベネフィットとは、コンテンツから得られるユーザーの利益、得のこと。ベネフィットがないと、読んでいて退屈に感じてしまう。

ここまでを描けると、コンテンツに網羅すべきトピックが以下のように決まります。

  • サンプル記事の実物(WordやPDFでダウンロード可能にする)
  • サンプル記事作成時の留意点、ユーザーの細かい疑問への回答

この2点さえ網羅していれば、コンテンツの機能的価値を担保でき、ユーザーのベネフィットも実現できます。

この2点を含めずに、「サンプル記事とは・・・」「サンプル記事を作るメリットは・・・」といった概要や一般論を単に記載するだけではコンテンツとして機能せず、ユーザーのベネフィットも実現できません。不完全なコンテンツになります。

ユーザーの状況や知識レベルから逆算する

ユーザーの置かれている状況や知識レベルから逆算する方法もあります。

たとえば、トイレの詰まりを今すぐ直したいユーザー向けのコンテンツを考えてみましょう。ユーザーは緊急性の高い状況に置かれていますから、コンテンツをじっくり読んでいる余裕はありません。

したがって、「トイレが詰まることのデメリットは・・・」「トイレが詰まる原因は5つあり・・・」など、悠長なテキストを展開するのではなく、

  • トイレの詰まりを解消する即効テクニック(画像あるいは動画付き)
  • 自分では直せなかった場合の、すぐ駆けつけてくれる業者の連絡先

という2点を素早く提示する必要があります。

もう一つ例を挙げます。

「有酸素運動 タイミング」というキーワードを想定したコンテンツを作るケースを考えてみましょう。

このキーワードで検索するユーザーは、有酸素運動が何であるかはすでに知っている可能性が高いため(知らなければ「有酸素運動とは」で検索する)、以下のような有酸素運動に関する概略的なトピックは不要だと判断できます。

  • 有酸素運動とは?
  • 有酸素運動と無酸素運動の違い
  • 有酸素運動のメリット・デメリット

コンテンツに盛り込むべきは、有酸素運動を実施すべきベストなタイミングへの回答と、それに対する納得できる根拠の説明です。余計な前置きは不要なので、それらのトピックを素早く提示する必要があります(答えをピンポイントで知りたいニーズが強いキーワードの場合、回答の素早い提示が極めて重要)。

網羅性を決める際は逆算がポイント

以上のように、ユーザーのベネフィットやユーザーが置かれている状況をまず定義することで、コンテンツに持たせる機能的価値が決まり、コンテンツに含めるトピックや情報量も自ずと導き出せます。

つまり、網羅性を決める際は「逆算」がポイントだということです。

網羅性を決めるポイントは
逆算

ユーザーのベネフィットや
ユーザーが置かれた状況をまず定義

ユーザーのベネフィットやユーザーが置かれている状況を考慮せず、競合コンテンツの見出しを抜き出したり、ツールで抽出した関連キーワードを無造作に網羅したりするやり方では、何の機能も持たない情報の羅列になってしまいます(機能的価値がない)。

それではユーザーの満足度は低下しますし、Googleからも良い評価は得られません。

最終的なゴールから逆算するという考え方は、コンテンツのプラニングにおいて非常に重要です。以下の記事はビジネス上のゴール(目的)から逆算してコンテンツをプラニングする方法を解説しており、今回の記事の内容とリンクする部分も多いため参考になるかと思います。

ぜひ併せてチェックしてみてください。

【補足】網羅性を高めるための意識したいライティング術

ここまでの話は、どちらかというとコンテンツのプランニングに関する内容でしたが、最後にライティング(執筆)時に意識したいノウハウをお伝えします。文章の書き方を工夫することでコンテンツの網羅性を上げられるので、ぜひ意識してみてください。

PREPで主張を展開する

PREPとは、論理的な文章を書くためのフレームワーク(型)です。

PREP

Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)、それぞれの頭文字を取ってPREPと表します。

PREPの順番で一つひとつの主張を展開することで、主張の納得感や信頼性が上がり、文章がロジカルなものになります。それに加えて、PREPにおけるExample(具体例)で根拠やデータ、事例などを深く掘り下げることになるので、コンテンツの網羅性が自然と上がるわけです。

PREPの詳細なノウハウは以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

「4つの学習スタイル理論」を活用する

「4つの学習スタイル理論」とは、David Kolb(デイヴィッド・コルブ)によって提唱された理論です。この理論では、人間が物事を学習・理解するときの脳の処理を4つに分類しています。

なぜ 物事を学ぶ必要性や理由を強く求める。必要性や理由が曖昧だと、学習する意欲が起きない。
なに? 物事を論理的に理解しようとする傾向が強い。「そもそも、それは何なのか?」という部分を知りたがるので、物事の概要・詳細、ロジックを事細かく説明する必要がある。
どうやって? 具体的な実践例を欲しがる。ノウハウや理論を実践する際の行動ステップやプランを、極めて具体的かつ実践的に伝えることが重要。
どうする? 「これをしなさい」という明確な指示を求める。「あなたが今すぐやるべきことは、これですよ」という形で、具体的かつ明確な行動の指示をおこなうことが重要。

なぜ、なに、どうやって、どうする、これら4つの要素をカバーした文章を書くことで、読み手の理解度や納得感、満足感のレベルが上がり、万人が納得できるコンテンツに仕上がります。必要な情報の抜け漏れも防ぐことができ、コンテンツの網羅性を担保するうえで非常に役立ちます。

詳細なノウハウや活用方法は以下の記事をご覧ください。

主語と目的語を省略せずに書く

主語(誰が?)と目的語(何を?)は、できる限り省略せずに記載します。主語と目的語を省略すると文章が曖昧な印象になるからです。

そのような文章はユーザーの理解度が確実に落ちますし、検索エンジンにとってもそれは同様です。検索エンジンはコンテンツで使われている単語(キーワード)を基にコンテンツ内容を理解しようとするので、主語や目的語が欠けている曖昧な文章では、コンテンツの内容を正しく理解してもらえません。

NG:網羅性が低いコンテンツは評価されづらいです。
OK:網羅性が低いコンテンツは検索エンジンに評価されづらいです。
NG:緊急性の高い状況に置かれていますから、じっくり読んでいる余裕はありません。
OK:ユーザーは緊急性の高い状況に置かれていますから、コンテンツをじっくり読んでいる余裕はありません。

細かな部分ではありますが、主語と目的語をできる限り省略せずに記載することで、具体的かつ網羅性の高い文章になります。

まとめ

網羅性はSEOに大きな影響を及ぼす概念ですが、その解釈には注意が必要です。

検索上位ページの内容を全網羅したり、ユーザーにとって不要な情報を無造作に詰め込んだりといった、網羅性をはき違えた施策が多くの業界で蔓延していますが、それではコンテンツの品質とユーザーの満足度を大きく落としてしまいます。

コンテンツには何かしらの機能的価値(役割や目的)があり、その機能的価値を満たすために必要なトピックを、抜け漏れなく盛り込む必要があります。これが「網羅性を高める」ということの正しい解釈です。

機能的価値
=コンテンツが果たすべき役割、機能

役割、機能を発揮するためのトピックを
抜け漏れなく網羅することが重要

コンテンツに盛り込むトピックを決める際は、ユーザーのベネフィットやユーザーの置かれている状況をまず描くことから始めてください。

「ユーザーは今どのような状況にあるのか? 最終的に望んでいることは何なのか?」ということを定義すれば、コンテンツに持たせるべき機能的価値が決まり、コンテンツに盛り込むべきトピックも自ずと導き出されます。つまり、逆算が大事だということです。

網羅性を決めるポイントは
逆算

ユーザーのベネフィットや
ユーザーが置かれた状況をまず定義

網羅性の話に限りませんが、コンテンツを企画する際はとにかく逆算することを徹底してみてください。そうすれば、機能的価値がない情報の羅列的なコンテンツではなく、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作りやすくなります。

コンテンツ作成に役立つ以下の記事もよければ参考にしてください。