SEOを成功させるには、独自性のあるオリジナルコンテンツが不可欠です。
オリジナルコンテンツを優遇するGoogleの流れは加速しており、他サイトの情報を切り貼りしただけの付加価値のないコンテンツは評価されづらくなっています。

コンテンツの独自性が重要なのは疑いようのない事実ですが、「そもそも独自性とは何なのか?」を正しく理解する必要があります。

この記事では、コンテンツの独自性の定義や、オリジナルコンテンツを生み出すための思考のフレームワーク、独自性を出すときにやりがちな間違いについて解説します。

今後、独自性に乏しいコンテンツ戦略ではSEOの成果を挙げることは難しくなるはずです。この記事が独自性の重要性に気づくキッカケになれば幸いです。

Googleは独自性あるコンテンツを評価する

大前提として、Googleは独自性あるコンテンツを評価する傾向が強いです。
独自の分析、調査、意見など、そのコンテンツならではの情報を掲載することの重要性を、Googleは訴えています。


さらに、他のサイトでは提供されていない、新しくて便利なサービスを作ることも心がけてください。独自の調査に基づいた記事を掲載したり、面白いニュースをスクープしたり、または口コミを活用したりするのも良いでしょう。他のサイトにはない情報源や専門知識を活用することがポイントです。

出典: 検索エンジン最適化スターターガイド

ここ数年の間に「検索意図(検索ユーザーのニーズ)を満たすと上位表示するらしい」ことが知れ渡り、多くの人が検索意図を満たしたコンテンツを作るようになりました。

検索意図を満たす視点はたしかに大事ですが、上位表示しているコンテンツの内容や主張を安易に真似して作ることで、オリジナル性に乏しいコンテンツが検索結果に溢れてしまったのも事実です。

検索意図の調査は、あくまで検索ユーザーの欲求や悩みを把握するためにおこなうものですが、実際には上位表示しているコンテンツをパクるだけの行為が後を絶ちませんでした。パクって作られたコンテンツが、また他の誰かによってパクられ、そしてそのコンテンツも他の誰かにパクられ・・・という不毛な連鎖も生まれました。

当然、このような状況をGoogleが放置しておくわけがありません。
同じようなコンテンツが検索結果に表示されても検索ユーザーの利便性は下がるだけですし、Googleが重要視する検索結果の多様性も失われるからです。「Googleの検索結果は役に立たない」「同じようなコンテンツばかりでうんざり」といった不満を検索ユーザーに抱かれれば、Googleにとっては大きな損失になります。

ここ最近、コンテンツ品質に関するGoogleの評価は厳しくなっています。以前なら当たり前にインデックスされていたコンテンツがインデックスされなくなったという声も多いです。Googleポリシーオフィスアワーの動画でも、インデックスに関する話題が取り上げられています。

要は、Googleの基準が上がっているのです。

独自性に乏しく、付加価値のないコンテンツは評価に値しないという意思を感じ取れます。一般論をまとめただけの独自性のないコンテンツは順位が上がりづらくなるのは確実であり、今は大丈夫でも、将来的には確実に淘汰されていくはずです(かつてのキュレーションメディア騒動時のように)。

コンテンツには独自性が不可欠であり、独自性あるオリジナルコンテンツを生み出すための方法について真剣に考える必要があります。

コンテンツの独自性とはそもそも何か?

では、コンテンツの独自性とはそもそも何なのか?
いろいろな見解があるとは思いますが、ここでは独自性 = 一次情報だと定義してみます。

独自性 = 一次情報

独自性とは、一次情報のことだと考えるとわかりやすいです。

​​一次情報というと、国の公的機関や権威ある研究機関が提供するデータや情報を想像
するかもしれません。たしかに、これらも一次情報には違いありませんが、独自性を担保するには少し弱いです。

なぜなら、国の公的機関や権威ある研究機関が提供するデータや情報は、競合コンテンツにも掲載されている可能性があるからです。

それこそ、多くの人が検索上位コンテンツの内容をパクることで、上位コンテンツが載せているデータや情報を他の競合もみんな載せているという状況も多々あるでしょう。すぐ真似されてしまう要素は、独自性としては弱いのです。

もちろん、公的なデータや数値の情報は大事なものです。コンテンツの信頼性や説得力を担保するために役立つのは事実ですが、それだけでオリジナルコンテンツに仕上がるわけではありません。

真の一次情報は自分自身のフィルターを通した主観

本当に力を持つ一次情報とは、「私はこう考える」という、自分自身のフィルターを通した主観です。主観は基本的に真似されることがないので、独自性を担保するための一次情報として非常に優れています。

主観は、コンテンツマーケティングやSEOの世界ではこれまで排除されてきたものです。特にWELQ騒動以降、多くのメディアは情報の正確性に神経質になりました。

  • 情報に間違いがあってはいけない
  • 主観的な意見や主張を書いてクレームが来て炎上したら大変だ
  • 波風を立てないように、客観的な情報だけで構成しよう

このような思考になってしまった結果、当たり障りのない一般論で構成された、独自性に乏しいコンテンツがWebに溢れるようになりました。どこにでもある、どこでも読めるコンテンツです。何も主張をしていないので、たしかにクレームは来ないかもしれません。炎上もしないかもしれません。

しかし、一次情報が何もなく、他のコンテンツと同じ要素の寄せ集めなので、読み手からすればほとんど価値を感じられないコンテンツになっているわけです。「ここも同じこと書いてあるなぁ・・・」という感情になります。

そしていよいよ、Googleもそのようなコンテンツの評価を落とす方向に舵を切り始めました。一次情報(主観)がなければ、多くのコンテンツは評価されづらくなるでしょう。読み手が求めるものも、一般論が切り貼りされたコンテンツではなく、独自の考察や洞察、ノウハウを提供してくれるコンテンツであることは明白です。

​​明確な因果関係は証明できませんが、書き手の体験や経験、価値観といったフィルターを通した一次情報で構成されたコンテンツは、安定して上位表示している傾向があります。

ここで、TCDメディアのコンテンツの事例をご紹介します(ちなみに事例紹介は内容を真似されようがないのでオリジナル要素として強いです)。

たとえば、こちらのコンテンツ。

「いかがでしたかブログ」というキーワードで1年以上、Google検索1位にいます(2021年12月時点)。キュレーションメディアの乱立で登場した、いかがでしたかブログという存在に対して、独自の切り口で評論したコンテンツで、「私はこう思う」という主観で多くが構成されています。

もう1つ例を挙げます。

「アフィリエイト リサーチ」というキーワードでGoogle検索1位にいるコンテンツです(2021年12月時点)。アフィリエイトにおけるリサーチについて、書き手の経験から来る独自の方法論を解説しています。

上記の2つのコンテンツを作るとき、検索意図の調査はしていますが、上位表示しているコンテンツのタイトルをざっと眺めた程度です。大枠の検索ニーズを把握して、あとは、そのニーズに応えるために、書き手の知識や経験、価値観から語れる有益な情報は何かを考え抜いて、コンテンツに落とし込んでいっただけです。

もし、上位コンテンツの見出しを抜き出してまとめるだけの作り方だったら、上位表示はしていなかったかもしれません。

ちなみに、自分自身のフィルターを通した主観がSEOに強いことの種明かしをすると、コンテンツで使われているユニーク単語数が関係しています(Googleの公式発表ではなく、あくまで個人的な考察です)。他の競合コンテンツでは使われていない単語、フレーズが多く存在していて、なおかつ検索キーワードとの関連性も高い場合、評価されやすくなる傾向があるのです。

なお、共起語分析ツールなどを使い、意図的にユニークな単語を散りばめる手法もありますが、あまりオススメはしません。書き手の知識や経験、価値観をもとに語れば、自然とユニークな単語は含まれていくからです。本質から外れたテクニカルな手法にあえて頼る必要はないでしょう。

一次情報を生み出す思考のフレームワーク

ここで、​​一次情報を簡単に生み出すための思考のフレームワークをいくつかご紹介します。
「何を書けばいいのかわからない・・・」という方は、ぜひ参考にしてください。

事実に対するスタンス、見解を示す ある事実に対して、「自分ならどうするか? 自社ならどう対応するか?」といったことを考える。
​​事実と紐づく自分自身の体験・経験から語る ある事実に対して、過去の体験や経験から語れることはないかを考える。企業であれば過去の活動や実績、事例を絡めるのもオススメ。
軸となるノウハウから派生させる 軸となるノウハウや考え方を持っておき、それをあらゆる事柄に派生・応用させると、経験のない業種でもオリジナルコンテンツを生み出せる(例:マーケティングのノウハウを人材採用の領域に当てはめる)。

ただし、これらはあくまでフレームワークです。価値観や主義主張が固まっていなかったり、知識や経験が不足していて語れることがなかったりすると、うまく機能しません。まずは、自分自身の内面を見つめ直したり、企業のミッションやビジョンを定義し直したりして、コンテンツで伝えたい価値観を明確にすることから始めるといいかもしれません。

本を読み、さまざまな知見を蓄えるのもオススメです。その際、専門分野の本だけでなく専門外の本も積極的に読むようにすると、視野が広がり、これまで見えていなかった視点で物事を考えられるようになります。洞察の質が上がり、独自の切り口でコンテンツを作成できるようになるはずです。

独自性を出すときにやりがちな間違い

最後に、独自性を出すときにやりがちな間違いを3つご紹介します。

独自性は重要な要素ですが、扱い方を間違えると、コンテンツで成果を出すことが難しくなるので注意してください。

検索ニーズを無視してしまう

SEOはどこまでいっても、検索キーワード、検索ユーザーのニーズありきです。
検索ニーズを無視して独自性を出しても、成果にはつながりません。

たとえば、「東大に受かる勉強法」をテーマにしたコンテンツに、「東大時代の思い出」という書き手の体験を入れたとします。この場合、たしかにオリジナル要素ではありますが、検索キーワードのニーズと関連性が薄い余計な要素になるので、逆に評価を落とす可能性が高いです。読み手からしても、「いや、勉強法が知りたいんだけど・・・」という感情になります。

キーワードの検索意図を押さえることは大前提で、その範囲内で、独自性を追及する必要があります(検索意図の調査方法は、以下の記事が参考になります)。

テクニック的な手法に頼ってしまう

オリジナルコンテンツを作るために一次情報が大事とはいえ、テクニック的な手法に頼るべきではありません。テクニック的な手法とは、たとえば、以下のようなものです。

  • 競合が書いていないことを少し付け足せばいい
  • 上位コンテンツに使われていない共起語や関連語を散りばめればいい
  • 誰か詳しい人にインタビューすればいい

これらのテクニックが有効に働くこともありますが、「自分(自社)の主張を世に問いたい、広めたい、共有したい」という気持ちが根本になければ、見せかけだけのコンテンツになるでしょう。そして、敏感な読み手はそれを見抜きます。

テクニックで読み手を誤魔化すことはできません。本当に情熱をもって作られたコンテンツなのか、それとも、テクニック頼りで作られたコンテンツなのか、読み手はシビアかつ正確にジャッジしてきます。姑息な手段は通用しないのです。

テクニックに頼らなくても、自分(自社)のノウハウや見解を世に問いたい、伝えたいという想いがあれば、コンテンツの独自性は自ずと満たされますし、書き手の熱意も伝わります。

主観に傾きすぎてしまう

主観と客観、どちらかに偏ることなく、バランスを取ることが重要です。
一次情報(主観)が大事なのはその通りですが、主観だけでコンテンツを構成すると、ポエムやエッセイ、日記のようなテイストになってしまいます。

主観は、それ単体では真価を発揮しません。客観的な事実やデータがあってこそ、それらに対する主観が活きるので、主観だけのコンテンツは(少なくともビジネス・商用目的では)不適切だといえます。

主観と客観の配分はケースバイケースなので具体的な数字は出せませんが、コンテンツには必ず何かしらの事実・データを含めることを意識するといいでしょう。

まとめ

ここまで、コンテンツの独自性の重要性やオリジナルコンテンツを生み出すための方法を解説してきました。

オリジナルコンテンツを優遇するGoogleの流れは加速しており、他サイトの情報を切り貼りしただけの付加価値のないコンテンツは評価されづらくなっています。今後、独自性に乏しいコンテンツ戦略では、SEOの成果を挙げることが難しくなるのは確実です。

Googleから評価されるためには独自性のあるオリジナルコンテンツが必須であり、オリジナルコンテンツを作るためには一次情報が欠かせません。一次情報とは書き手のフィルターを通した主観のことで、端的にいえば、「私はこう思う」という価値観・主義主張です。

書き手の体験や経験、価値観といったフィルターを通した一次情報で構成されたオリジナルコンテンツは、一般論をまとめただけのコンテンツよりも上位表示しやすく、読み手からも価値を感じてもらいやすいです。

コンテンツマーケティングやSEOの世界において、これまで軽視され排除されてきた「主観」こそが、本来はコンテンツに力を宿すものであり、その他大勢のコンテンツとの差別化を図るものでもあります。

この記事が、独自性のあるオリジナルコンテンツ作りの役に立てば幸いです。

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