オウンドメディアは、長く続けることで記事が蓄積され検索エンジンでの上位表示が可能となります。コンテンツが評価されて上位表示されると集客も期待できるようになります。それでは、オウンドメディアのSEO施策は具体的には何をすれば良いのでしょうか。有効なのはロングテールSEOです。ロングテールSEOから始めることで、最終的には狙ったキーワードでも上位表示を狙えるようになってくるでしょう。
目次
オウンドメディアのSEOメリット
検索エンジンに評価されるためには、想定するターゲットにとって有用なコンテンツを作成することが重要です。ターゲットの検索意図を汲み、その検索を終わらせることができるコンテンツが評価されます。コンテンツが蓄積していくにつれてその分野の専門家とみなされるようになるため、より上位表示されやすくなるでしょう。しかし、SEOのメリットを享受するにはどうしても時間が掛かってしまいます。
SEO施策は、そもそもコンテンツをアップすればすぐに効果が出るような即効性があるものではありません。
アップした記事が検索エンジンに認知される
↓
認知される記事が人に読まれ有用だと判断される
↓
シェアや拡散を経て、新規ユーザーに認知される
こうした段階を踏みながら徐々に上位表示されるようになります。それにはある程度の期間を見込む必要がありますし、上記のサイクルを加速させる施策が必要です。そのためにはユーザーに有用と判断される記事コンテンツを積み重ねながら、最適なキーワード選定で集客できる領域を広げていく必要があります。比較的SEO効果が出やすいロングテールキーワードから対策しましょう。
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOは、上位表示しやすく成約しやすいキーワードで幅広く集客するSEO施策のこと。コンテンツを増やしていくオウンドメディアとは相性の良いSEO施策です。具体的にどのようなキーワードを狙うのか、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
キーワードの種類
SEOにおいて1番重要なのはどのキーワードを選ぶかです。キーワードはその検索ボリュームに応じて、ビッグキーワード、ミドルキーワード、スモールキーワードの3つに大分されます。そして、ロングテールキーワードは多数のスモールキーワードのことです。
検索される回数の多いビッグキーワードは、多くの場合、一語だけの単体キーワードです。単体キーワードということは、包括する内容も多いということ。そのため、競合も多く上位表示させるのは困難です。スモールキーワードは検索回数が少ない、2語~3語からなる複合キーワードです。語句が増える分検索回数は減りますが、その分ターゲットの検索意図が明確になってくるため有用なコンテンツを作りやすくなります。ミドルキーワードは、ビッグキーワードとスモールキーワードの中間であり、検索ボリューム1000以上1万未満が目安です。
例えば「ライター」というビッグキーワードについて。検索ボリュームは多いものの、検索結果には火を付けるためのライターも文章を書く職業もどちらも含まれてしまいます。「ライター 仕事」という複合キーワードになると、職業としてのライターについて知りたいという検索ニーズを掴むことができます。これが「ライター 仕事 内容」になると、ライターの仕事内容を知りたいというニーズが、「ライター 仕事 募集」だとライターとして仕事を探しているというニーズが読み取れるでしょう。検索数が少ないキーワードほど、キーワードが具体的な検索ニーズそのものとなっています。
ヘッドとロングテール
「パレートの法則」というマーケティング用語があります。これは、一部の要素が全体の大多数を占めるという状態のことで、全商品の2割が売上の8割を占める、全顧客の2割が売上の8割を占めるといったさまざまな事柄に当てはまります。オウンドメディアのアクセスにおいても、一部のページが全アクセスの多数を占める状態となっているかもしれません。
そして、売り上げの多数を占めるベストセラー「ヘッド」に対して、それ以外の商品群を「テール」と呼びます。「ロングテールの法則」は、テールの総売上額がヘッドの売上を上回ること。これはインターネット販売が増えたことがきっかけです。ネットの世界だと、実店舗と違って陳列スペースを気にせず商品数を増やすことができます。そのため、テール部分がどんどんと伸びていくこととなりました。大多数を占めるヘッドでなく、ロングテールの部分、すなわち検索数の少ないスモールキーワードの対策を行うのがロングテールSEOです。
オウンドメディア流
ロングテールSEOの5STEP
ロングテールSEOは、スモールキーワードの集合体であるロングテールキーワードで対策を行います。単に検索ボリュームの少ないキーワードで対策するのではなく、主要キーワードに関連するキーワードを探すことが重要です。裏を返せば、スモールキーワードを制することでビッグキーワードも取りに行くというのがロングテールSEOの最終目標地点でもあります。
ここでは、長期で運営することを前提に将来的に企業にとってのウェブマーケティングのハブとなるオウンドメディアの集客力増強の方法を5ステップで解説します。
1. オウンドメディアのメインキーワードを決める
対策すべきキーワードを探す際にはビッグキーワードから始めましょう。オウンドメディアのトップページにビッグキーワード、カテゴリーページでミドルキーワード、各カテゴリ内のコンテンツページにスモールキーワードを割り当てるイメージです。まずは、オウンドメディア全体で狙いたいビッグキーワードを選出しましょう。
2. 関連キーワードで掘り下げていく
メインとなるビッグキーワードが決定したら、次いで、関連キーワードを収集して候補となるキーワードを広げていきます。関連キーワードを取得するには「goodkeyword」や「関連キーワード取得ツール」といったツールを使用するのが便利です。キーワードを入力してボタンを押すと、入力したキーワードを含んで検索された複合キーワードの一覧が表示されます。
続いて、集めたキーワードの検索ボリュームを調べてみましょう。検索ボリュームは「Googleキーワードプランナー」を使います。検索ボリューム1万以上をビッグキーワード、1000以上1万未満をミドルキーワード、1000未満をスモールキーワードとします。キーワードプランナーは広告出稿していないと詳細な検索ボリュームを確認できません。大体の検索ボリュームはわかりますが、細かな検索ボリュームを知りたい場合は「Ubersuggest」を使ってみましょう。
関連キーワードの詳しい調べ方はこちらの記事で詳しく解説しています。
この記事では、SEOにおける関連キーワードの調べ方・活用方法を解説します。 関連キーワードは、検索ユーザーのニーズを把握したり、コンテンツの網羅性を上げたりするのに役立ちます。また、複数の関連キーワードを検索にヒットさせて、検索流入を最大化させることもできます。 SEOの成果を上げるため...
3. 1ページ1キーワードで記事コンテンツを作っていく
基本的には、ひとつのキーワードでひとつのコンテンツを作ります。カテゴリごとにスモールキーワードを抽出し、それぞれをテーマとしてコンテンツを作成していきましょう。既存のコンテンツで該当キーワードと親和性の高いページがあれば、テキスト内にキーワードを追加します。検索数の少ないスモールキーワードは、ビッグキーワードほど競合が多くないため、コンテンツ内にキーワードを追加するだけで上位に表示されるかもしれません。できるだけ多くのスモールワードでコンテンツを増やしましょう。
4. ミドルキーワードは複数の記事を融合させて狙う
例えば、「オウンドメディア」というキーワードは競合の多いミドルキーワードです。ミドルキーワードを狙うには、1つの記事だけでは難しいものです。
その際、有効なのがミドルキーワードとスモールキーワードを組み合わせた複合キーワードで攻める手法です。「オウンドメディア」というミドルキーワードで上位を狙うなら、まずサテライトページを複数作ります。サテライトページでは「オウンドメディア メリット」「オウンドメディア 集客」「オウンドメディア 作り方」といった複合キーワードで記事を作成していきます。そして、それらを総括した旗艦ページ(記事)を作成し、その記事が上位表示されるような仕組みをつくります。
旗艦ページもサテライトページもどちらも重要な役割を持ちますので、それぞれが有効なコンテンツであることが必要があります。また、旗艦ページとサテライトページ間は意味のあるリンク(話の流れとして自然になるように)で繋げることが重要です。
5. リライトで記事の価値を高める
コンテンツを作って終わりにするのではなく、定期的に見直してリライトすることも大切です。ターゲットにとって有用だと思われる情報を付け加えるなどして、コンテンツの価値を高めましょう。ロングテールSEOで大切なのは、関連する複数のキーワードで対策することです。コンテンツを作るスモールキーワードも定期的に洗い出し、ビッグキーワードに関連するキーワードを網羅したコンテンツ作りを意識しましょう。
リライトの仕方については、記事の閲覧性を高めることも重要です。読み手が頭を使わなくても意味がわかることはそのこと自体に価値があるということです。どこをどう見直せばいいかは下記の記事に詳しいのでご覧ください。
記事などのコンテンツの重要な評価指標として「閲覧性」が挙げられます。閲覧性とは一言で言えば、記事が読みやすいかどうかです。頭にスッと入ってくるようなコンテンツにすることで閲覧性が増し、読まれるサイトとして機能するのです。本稿ではどうすれば記事の閲覧性が向上するかについて解説しています。 まず、...
記事のリライトは、ブログのアクセスを増やすために欠かせない手法です。検索エンジンからアクセスを集めるには、リライトを前提としたブログ運営が必要です。 リライトによって、検索順位がアップしたりアクセス数が増加することもありますが、減少することもあります(下のグラフは増加した例)。 リラ...
特定分野の「辞典」をつくるイメージで
記事コンテンツを用意していく
ロングテールSEOとは言い換えれば、メディアの辞典化です。つまり、ビッグキーワードを攻略するには、特定分野の「辞典」や「参考書」をイメージしてコンテンツをつくっていくということです。そうすると例えば「HTML」と言えば「HTMLクイックリファレンス」となるように、ビッグキーワードを狙うには、そのキーワードに関連する情報に精通したサイトである必要があります。
上記のサイトはオウンドメディアではなく、まさに辞典となるサイトになりますが、検索エンジンによる集客力を高めようとするなら、関連キーワードへの情報を網羅するかのように記事コンテンツを用意していきましょう。網の目のように詳細かつ、正確な情報を提供していけば、徐々にユーザーに評価され、検索結果にも反映するようになります。
ビッグキーワードに関係のない
記事コンテンツはつくってはいけないのか?
本記事の趣旨は、ビッグキーワードに関連するキーワードを網羅せよ、という内容です。つまり、あなたのビジネスの対象となるユーザーが直接的に興味のある記事コンテンツを増やすことを推奨しているわけです。
では、関連しないキーワードの記事は書いてはいけないのか。もちろんありです。オウンドメディアであれば、商品やサービスのPRする記事もアップしていきたいでしょうし、企業の特色や代表者の考え方などを伝える記事があってもいいでしょう。それらの記事コンテンツがビッグキーワードに対する検索結果に影響するかどうかは置いておいても、ユーザーが「おもしろい」「役に立った」と思えるコンテンツはないより、あった方が良いということです。
例えば、スピンオフ的な記事として、会社で開催したイベントの模様などを写真を使ってアピールすれば、楽しそうな雰囲気が伝わるかも知れませんし、それが結果的に購買やユーザーへの好印象に繋がる可能性はあります。コンテンツには数値化できないもの、表面化出来ないものがありますので、キーワードばかりを意識した記事で構成する必要はないということです。
ロングテールSEOはビッグキーワード攻略の鍵
但し、戦略的にいくならロングテールSEOを意識したコンテンツ構成で揃えていくことは効果的な集客手段となります。
また、ビッグキーワードは検索数も競合サイトも多いため、上位表示させることは簡単ではありません。その中でビッグキーワードだけのウェブサイトになってしまうと誰も見られないサイトになってしまうことがほとんどですし、スパム的な手法でなんとか上位表示させてもこれは何らかのきっかけですぐにアクセス数が激減してしまう危険性があります。そうしたことを防ぐためにも、複数のキーワードで対策するロングテールSEOはコンテンツマーケティングの王道とも言えるでしょう。
オウンドメディアは、狙いたいキーワードがはっきりしていることが多いため、専門的なメディアとして検索エンジンに評価されやすい傾向にあります。ロングテールキーワードで作成したコンテンツは、内部リンクで一箇所に集約しましょう。そうすることで、まとめられたページはミドルキーワードやビッグキーワードでも上位表示されやすくなります。ロングテールSEOで関連キーワードを網羅することが、大元のビッグキーワードに対する専門性や信頼性を高めることにつながります。ロングテールSEOで検索順位の底上げを狙いましょう。