記事のリライトは、ブログのアクセスを増やすために欠かせない手法です。検索エンジンからアクセスを集めるには、リライトを前提としたブログ運営が必要です。
リライトによって、検索順位がアップしたりアクセス数が増加することもありますが、減少することもあります(下のグラフは増加した例)。
リライトした記事の自然検索流入数
新しくアップした記事が順当に検索上位に入るなら問題ないですが、競合の多いキーワードでは一発で上位を狙うのはハードルが高いことです。競合の存在やGoogleのアップデートなど、外部の要因に左右されるので、シミュレーション通りにはいきません。
この記事では、リライトの目的、効果、方法を解説しています。ブログなどWebメディアは、紙媒体と違って修正がすぐにできるのは大きなメリットです。
目次
リライトとは?
リライトとは、ブログに掲載している記事を書き直す作業のことです。ここで指すリライトには、誤字脱字の修正は含みません。
具体的な作業内容は、
- タイトルの修正
- 見出しの修正
- 構成の再検討
- 本文テキストの加筆・修正
- 画像・動画の追加
などが挙げられます。
リライトの定義は、記事の内容(文意)を変えずに文章を書き直すこととされていますが、ブログ記事のリライトの場合は、内容を大幅に変更することもあります。場合によっては、元記事の原型がなくなることもあるでしょう。成果を上げるために必要なことはすべてやる必要があります。
リライトのメリット
リライトによってユーザーが得られるメリットは次の3つ。
- 読みやすくなる。
- 探しやすくなる。
- 鮮度が上がる。
リライトによってコンテンツの質や鮮度を保つことで、検索エンジンの評価に繋がります。先に紹介したグラフのように、実際にアクセス数が急増することがあります。
リライトの目的
リライトの目的は、狙ったキーワード(関連キーワード含む)で高順位を叩き出すためです。順位が振るわない記事を加筆・修正することで検索順位を上げ、アクセス数を増加させるのが目的です。
「なんとなく気に入らないから」という理由でリライトしても、アクセス増加どころか、順位を落としてしまうリスクもあると考えましょう。ゆえに、記事を加筆・修正することで検索順位を上げ、アクセス数を増加させるという目的意識が重要となります。この目的意識がないと、自己満足・感覚的なリライト作業になるでしょう。
次の章で詳しく解説しますが、リライトには戦略が必要です。検索エンジンやユーザー動向の構造を理解し、それぞれの工程を実行してください。
リライトが必要な理由
リライトしなければいけない理由は、外部要因と内部要因があります。
外部要因 | ・情報の鮮度問題 ・競合記事の投稿、更新 ・Googleアップデート |
内部要因 | ・初回の投稿で品質の高い記事はなかなか作成できない ・コンテンツの説明漏れや間違いなど |
リライトの前提知識として、サイトパワーが強力な大手メディアでない限り、基本的には初回の投稿で上位表示はなかなかありません。
もちろん、初回投稿でも上位表示は可能です。ですが、アーカイブが乏しい弱小メディアが安定して様々なキーワードで上位を獲得するには、リライト前提でブログを運営するのが前提なのです。
常に手をかけられているページが揃っているメディアは、最終的にユーザー、ひいては検索エンジンから高い評価が得られます。
リライトの実践方法・流れ
ここからは、リライト作業の具体的な実践方法を解説します。
ステップ1. 対象記事の選定
まずは、リライト対象の記事を選びます。以下の基準を満たした記事を選定しましょう。
検索順位が20位以降 | 20位以内であれば、時間の経過で順位が上がる余地はあるので、少し様子を見ましょう。 |
順位上昇の可能性 | 順位が改善してもアクセス増加につながらないキーワードの記事は優先度が低くなる。検索ボリュームをチェック。 |
公開から3ヶ月以上経過 | 公開から3ヶ月以内の記事は順位が安定しない傾向にあるので、少し様子を見ましょう。 |
記事の検索順位は、無料ツールであれば、GoogleサーチコンソールやSEOチェキなどで調べられます。
Googleサーチコンソールを使う場合、検索パフォーマンスの画面で、平均掲載順位20位以降のクエリをクリックします。
その後、「ページ」のタブをクリック。クエリと紐づいている記事URLがわかります。
SEOチェキを使う場合は、「検索順位チェック」のタブをクリックして、調査したい記事URLと順位を調べたいキーワードを最大3つまで入力します。
これで、GoogleやYahoo!の検索順位が表示されます。
有料ツールであればAhrefsやGRCが便利です。特にAhrefsは、検索順位だけでなく獲得トラフィック数や検索ボリューム、キーワード難易度など、さまざまな指標を一度にチェックできます。
リライト対象記事の選定が楽になるので、ブログを本格的に運営するなら、ぜひオススメしたいツールです。
『Ahrefs』 というツールを知っていますか? Ahrefsは、SEOの被リンク分析ツールとして有名ですが、その実態はコンテンツマーケティングやSEO全般をカバーするオールインワンツールです。自社サイトの解析はもちろん、競合分析、キーワードリサーチ、コンテンツネタ調査など、すべてAhrefs...
ステップ2. キーワードの検索意図の調査
リライト対象の記事が決まったら、次はキーワードの検索意図(インテント)の調査です。
検索順位が振るわない原因の多くは、検索キーワードの意図と記事内容がズレているから。検索ユーザーの求める内容になっていないのです。
文章の読みやすさ・わかりやすさといった話以前に、検索意図に沿った内容に修正しないと、検索順位は上がりません。リライトとは、極端に言えば、検索意図と記事内容のズレを解消していく作業です。それくらい、検索順位への影響度が大きいです。
キーワードの検索意図を調べるには、記事の対策キーワードでGoogle検索して、TOP10の記事タイトルをチェックします。
あとは、関連キーワードを調べるのもオススメです。
Googleサジェストキーワードをチェックしたり、Google検索結果の「他のキーワード」を参考にするといいでしょう。
Googleサジェストキーワード
キーワードの検索意図を把握したら、リライト対象の記事を読み返してみましょう。検索ユーザーのニーズへの回答が不足していたり、ニーズと関係のない余計な内容が多かったりするのに気づくはずです。
ステップ3. 競合との差分を調査
次は、リライト記事と競合記事との差分を調査しましょう。
TOP10の競合記事が扱っている情報の網羅性を確認します。
情報の網羅性が競合記事と比べて大きく劣っていると、上位表示は難しいです。同等以上の網羅性にして差分を埋める必要があります。
ポイントは、単純な文字数ではなく情報量をチェックすることです。H2やH3などの見出しをチェックしましょう。見出し(hタグ)抽出ツールを使うと便利です。
競合の見出しをそのまま真似する必要はありませんが、複数の競合記事に共通して出てくる見出しは重要です。検索意図を満たすために、記事に必ず存在すべき情報なので(Googleもそう判断している可能性が高い)、リライト記事にも盛り込むことをオススメします。
また、競合ページにはない独自の情報(オリジナル要素)を入れることも検討しましょう。独自の事例や主観的な意見・見解、統計データなどです。検索意図に沿ったものであることは大前提ですが、オリジナル要素を記事に含めれば、競合との差別化になります。
ステップ4. 構成案を作成
ステップ2、3で調べた内容をもとに、リライト記事の構成案を作成します。
このような形で、キーワード、タイトル、見出し、見出しに含める内容をまとめましょう。構成案の作り方は、以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
SEOに強いブログ記事を作るためには、構成案(骨子)の存在が重要です。構成案を事前に作っておくと、以下のようなメリットがあるからです。 記事に盛り込む情報の抜け漏れを防げる 論理の流れを明確にできる 迷いなく執筆を進められる この記事では、SEOに強い記事構成を作るため...
ステップ5. リライト実行
作成した構成案に沿って、リライト記事を執筆します。
- 検索ユーザーの知りたいことを真っ先に書いているか?
- 結論 → 理由の順番で書かれているか?
- 見出しにキーワードは適切に含まれているか?
- 検索意図と関連性が薄い余計なテキストは多くないか?
- パッと見たときに読みやすいか?
- 文章は論理的でわかりやすいか?
といった点を意識しましょう。以下の記事にライティングノウハウをまとめましたので、参考にしてください。
「SEOに強い記事を書くには?」 ここでは、書いた記事をGoogleで上位表示させる、SEOライティングのテクニックを10個、ご紹介します。 SEOライティングの本質は、キーワードの含有率や出現率といった小手先のテクニックではなく、検索ユーザーの利便性を考えることです。 「本当に知...
「コンテンツを作っても成果が出ない・・・」 それは単純に、記事や広告が読まれていないから、というケースが多いです。 どんなに役立つ内容を語っていても、断り難いオファーを提供していても、読まれなければ成果につながることはありません。だから、文章の読みやすさ・わかりやすさは重要です。軽視され...
また、リライトが完了して記事を更新したら、最終の更新日時を表示するとなお良いでしょう。
更新日時情報は「新しい情報」であることが伝える意味があります。情報の鮮度が重視されるコンテンツにはとても有効です。
表示方法は「WP Last Modified Info」というWordPressプラグインがありますし、TCDテーマであれば多くのテーマでデフォルトで実装されています。。
ステップ6. 効果検証
リライト記事を公開したら、GoogleサーチコンソールやGRC、Ahrefsなどのツールを使って、検索順位を定期的に追跡しましょう。
Googleサーチコンソールを使う場合、検索パフォーマンスの画面で、「検索キーワード」と「ページ」のフィルタを追加します。
これで、対策キーワードにおける、リライト記事の順位をチェックできます。
効率面で言えば、GRCやAhrefsなどの有料ツールには劣りますが、計測するキーワードや記事数が少ないなら、サーチコンソールでも十分です。
検索順位は毎日微妙に変化するものなので、日々の細かな変動はあまり気にする必要はありません。1週間、1ヶ月などの頻度でチェックすれば大丈夫です。
リライトの効果を高めるポイントや注意点
ここまで、リライトの大まかな流れを解説してきました。最後に、リライトの効果を高めるポイントや注意点をご紹介します。
まずは小さく始める
リライトをおこなう時間や工数が取れない・・・
そんなときは、簡単に実行できる施策から始めるのがオススメです。たとえば、タイトルの変更。SEOキーワードを意識していなかった場合、キーワードを意識したタイトルに変更するだけで、順位が上がることも多いです。
ちなみに、タイトルの変更は非常にインパクトが大きいです。簡単にできるからといって、効果が低いわけでは決してありません。費用対効果は抜群なので、ぜひ試してみてください。
記事のタイトルは、SEOにおいて重要な要素です。タイトルの付け方しだいで、記事の検索順位や検索結果でのCTR(クリック率)が大きく変わるからです。この記事では、SEO効果を最大化するタイトルを作るための10のテクニックを解説してきます。 なぜSEOではタイトルが重要なのか? まず...
類似記事は1つにまとめる
同じような内容の類似記事が存在することで、検索順位が低下している可能性もあります。
たとえば、
「seo キーワード 選定」
「seo キーワード 探し方」
「seo キーワード 選ぶコツ」
このようなキーワードは、単語が微妙に違うものの、検索意図はほぼ同じです。検索意図が同じ複数のキーワードで、同じような内容の記事を書いてしまうと、内容重複によってGoogleから評価されづらくなります。
類似記事が存在する場合は、内容を1記事に統合させる形でリライトしましょう。
その際、検索順位やアクセスの数値が最も高い記事をリライト対象にして、残りは、その記事に対して301リダイレクトさせてください。一番パフォーマンスが高い記事に評価を集中させることができます。
ウェブサイト内のページの移動や削除、またはサイト自体の移転してすぐの期間は、検索エンジンを利用すると旧サイトが検索結果に表示されます。旧サイトURLから新サイトURLに自動的に移動させることをリダイレクトさせるといいます。一口にリダイレクトといっても正しい知識と手順を以って対応しなければ、検索順位の...
リライトは万能ではない
リライトは万能ではありません。
検索意図に沿った内容に修正したり、競合との差分を埋めたりしても、検索順位が上がらないこともあります。
そもそも、検索順位はコンテンツの内容だけで決まるものでは決してありません。
ドメインの力やブログの権威性なども関係してくるので、キーワードによっては、どんなにリライトを頑張っても成果が出ないこともあるはずです。
「とりあえずリライトしよう」ではなく、「リライトで本当に成果が出るのかどうか?」を検討してから着手することをオススメします。
判断基準は簡単です。
キーワードでGoogle検索をして、TOP10のページのドメインをチェックします。公的機関や大企業のドメインばかりなら、非常に厳しいと言えます。また、Amazonや楽天などのECサイトが多い場合は、そもそも記事ページで上位表示させるのは不可能です。
逆に、個人ブログが多ければ、コンテンツの内容で勝負できる余地はあるので、リライトを検討してみましょう。
まとめ
今回は、ブログ記事のリライトでアクセスを増やす方法をご紹介しました。
リライトの手順は次の6ステップです。
ステップ1: 対象記事の選定
ステップ2: キーワードの検索意図の調査
ステップ3: 競合との差分を調査
ステップ4: 構成案を作成
ステップ5: リライト実行
ステップ6: 効果検証
ブログ運営はリライトが前提です。どれほど力作の記事を公開したとしても、順当にアクセスを稼げるとは限りません。
成果が出るかどうかは、記事を公開してみなければわからないので、6割くらいのクオリティで公開して、順位状況やアクセス数を見ながら改善していく方法がいいかもしれません。いずれにせよ、公開して放置してはいけません。
ある程度の記事数がストックされるまでは、新規記事の執筆に集中するのがいいと思いますが、記事が溜まってきたら、パフォーマンスの悪い記事のリライトをぜひ検討してみてください。
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