SEOでは、キーワード難易度(keyword difficulty)という概念があります。これは特定キーワードで上位表示するための難易度のことで、キーワード選定時に考慮しておきたい指標です。

この記事では、SEOのキーワード難易度の概念や調べ方を詳しく解説していきます。ぜひ、キーワード戦略を練るときの参考にしてください。

SEOのキーワード難易度とは?

キーワード難易度とは、あるキーワードで上位表示するのが、どれくらい簡単か(難しいか)という指標のことです。

  • キーワード難易度が低い:上位表示しやすい
  • キーワード難易度が高い:上位表示しにくい

難易度が低いキーワードなら、ドメインの力が弱くても、あるいはコンテンツの質がそこそこでも、上位表示しやすいです(検索ユーザーのニーズに応えることは大前提ですが)。
逆に難易度が高いキーワードは、ドメインが十分に育っていたり、コンテンツの質・量を満たしていないと、上位表示するには難しいです。

キーワード難易度に絶対の指標はない

キーワード難易度は、絶対の指標があるわけではありません。難易度を算出するツールもありますが、そのツール独自の基準なので、参考程度にするといいでしょう。

たとえばAhrefsでは、必要な被リンク数(上位表示するにはこれくらい被リンクが必要という指標)を元に、0〜100で難易度を算出しています。

Ahrefsのキーワード難易度の指標

Ahrefsで「WordPress 使い方」 というキーワードを調べてみました。
キーワード難易度は16(Medium)。下の補足文を訳すと、「トップ10にランクインするには、最大18のサイトからバックリンク(被リンク)が必要になる」 という内容になっています。

ただ、TOP10のページのバックリンク数を見てみると、必ずしも上記の指標を満たしているページばかりではありません。

TOP10の被リンク数のデータ

バックリンク数が0、1のページでも、TOP10にランクインしています。
ページ評価はバックリンクの数だけで決まるものではないので、別に不思議なことではありません。

ツールで算出したキーワード難易度は、あくまで目安であり、絶対的に信頼できるというわけではありません。難易度を大まかに把握するための指標としては役立ちますが、盲信しないよう注意してください。

「検索数が多い = 難易度が高い」ではない

検索数が多い = 難易度が高い、と思うかもしれませんが、検索数とキーワード難易度は必ずしも相関しません。

もちろん一般論として、検索数が多いキーワードは多くの競合が対策する傾向にあるので、競争が激しくなりキーワード難易度も高くなりやすいです。

ただ、検索数が多くても競合が少ないキーワードもあります。
たとえば、「鉱水」というキーワード。

鉱水のキーワード概要

月間の検索数が3.4K(3400)で、コンテンツページで対策するのであれば、そこそこのボリュームがあるキーワードです。
しかしキーワード難易度は0になっています。

「鉱水」のTOP10ページのバックリンク数

TOP10のページのバックリンク数も、0〜2の範囲です。上位表示するのに、バックリンクをほとんど必要としていません。

さらに、Googleのページ件数を見てみると、605,000件とかなり少ないです。

Googleのページ件数

競合の数少ないため、上位表示するための難易度は必然的に下がります。

このように、競合が数が少ない・弱いキーワードは、検索数に関係なく難易度は低くなります。逆にいえば、検索数が少なくても、競合の数が多かったり強力であったりすれば、キーワード難易度は高くなるということです。

キーワード難易度の調べ方

ここまで見てきた通り、キーワードの難易度に絶対的な指標はありません。そのキーワードを対策している競合の数と強さによって、キーワード難易度は変動してくるということです。

したがって、キーワード難易度を調べるには、実際にGoogleで検索して競合の状況をチェックすることが最も確実です。

競合の数は、検索結果上部に表示されるページ件数で判断できます。

Googleのページ件数

ページ件数が数十万程度と、一般的な基準よりもかなり少なければ、難易度が低いと判断できます。

ただ、競合の数(ページ件数)だけでは、正確なキーワード難易度を測れないことも多いので、競合ページを実際に目視チェックすることが重要です。

以下のような観点から、競合ページの強さをジャッジしていきましょう。

  • ドメインの強さ
  • サイト全体のページ数(インデックス数)
  • コンテンツの量・質

ドメインの強さ

検索結果TOP10のページを俯瞰して、それぞれのドメインの強さを確認します。

上場企業などの大手サイトが多いのか、それとも、個人運営レベルのサイトが多いのか。もしドメインが強力な大手サイトばかりが並んでいるようなら、キーワード難易度は高いと判断できます。

定量的な数値を把握したいなら、ツールを使いましょう(あくまで目安の数値ですが)。
たとえばAhrefsのキーワード・エクスプローラーを使えば、TOP10のページそれぞれのDR(ドメインレーティング)をチェックできます。

TOP10のDRのデータ

ちなみに、Ahrefsは非常に優秀なSEO分析ツール(有料)です。
競合サイトやキーワードに関するあらゆるデータを取得・分析できるので、予算に余裕があればぜひ導入されることをオススメします。

無料で調査するなら、『MozBar』というChrome拡張機能も便利です。
各ページのPA(ページの権威性)とDA(ドメイン自体の権威性)を、一目でチェックできます。

MozBarの起動イメージ

『MozBar』のChrome拡張機能を追加して、ブラウザバーの「M」マークをクリックすると、上記のように検索結果上でPA、DAを確認できる優れモノです。DAが高いページばかりが並んでいれば、上位表示するにはドメインの強さが要求される、という判断ができます。

サイト全体のページ数(インデックス数)

可能であれば、競合ページのドメインのページ数(インデックス数)も調べます。
ページ数が膨大な大規模サイトなのか、それとも、小規模のサイトなのか。

もちろん、ページ数とサイトパワーがイコールになるとは限りませんが、一般的な傾向として、ページ数とサイトパワーは相関します。競合の強さを正確に把握するために、ページ数を調べておく価値はあるでしょう。

サイト全体のページ数を調べるには、『SEOチェキ!』というツールを使うと便利です。

SEOチェキ

URLを入力してチェックを押すと、 Google、Yahooのインデックス数が表示されます。

SEOチェキで算出したインデックス数

あるいは、Googleの「site:」検索を使うのもいいでしょう。

Google検索でのインデックス数

「site: サイトURL」でGoogle検索すると、Googleにインデックスされているページ数を調べることができます。正確なインデックス数と多少乖離はありますが、大まかな数を把握できれば十分なので、問題はないでしょう。

コンテンツの量・質

競合ページのコンテンツ内容を実際にチェックして、コンテンツの量・質を把握します。

コンテンツの量に関して、厳密な文字数を算出する必要はありませんが、だいたいのボリューム感を把握しましょう。

競合のコンテンツボリュームが多い = キーワード難易度が高い、というわけでは必ずしもありませんが、一定の相関はあるので、目安にして損はありません。H2見出しの量(トピックの網羅性)をチェックするといいでしょう。

コンテンツの質に関しては、「競合と同等かそれ以上のコンテンツを作成できるかどうか?」が一つの基準になります。ここで勝算が見えなければ、そのキーワードを対策するのは(現時点では)難しい、という判断になります。


ここまで見てきた通り、キーワード難易度は競合ページの状況(ドメインの強さやページ数、コンテンツの量・質)によって変動します。絶対的な指標はないので、キーワード難易度を把握するときは、必ず、検索結果の競合を調べるという作業が必要です。

ページ数が膨大な超大手の上場企業が運営しているサイトに掲載されているコンテンツで、しかもボリュームもクオリティも凄い。

もし競合がそういった強敵ばかりなら、そのキーワードで上位表示するための難易度は非常に高い、という判断になります。

だからといって「諦めろ」ということではありませんが、競合サイトと自サイトとの力の差を客観的に把握して、その差を埋めるにはどうすればいいのか? あるいは、競合と正面から戦わずに済む方法はないのか? といったことを模索する必要があります。

まずはスモールキーワードからコツコツと

自サイトのドメインが育っていない状況では、難易度の高いキーワードを攻略するのは困難です。

ドメインの力が弱いと、どれだけ質の高いコンテンツを投下しても、ずっとランキング圏外ということもあり得ます。

ドメインが育ってくれば、「このキーワードでコンテンツを作れば、だいたい○位くらいには食い込むだろう」ということが肌感覚でわかってきますし、実際にその予想通りになることも多いですが、そこに至るまでは、SEOの成果をなかなか実感しづらいです。

だからこそ、難易度の高いキーワードを最初は狙わずに、難易度の低いキーワードで着実にコンテンツを積み重ねていく必要があります。

やはりオススメは、スモールキーワードを対策することです。

スモールキーワードとは、3〜4語で構成された、検索数の少ない複合キーワードのことです。競合の数がそこまで多くないので、一般的な傾向としてキーワード難易度は低くなります。
しかも、検索ユーザーの意図(行動ニーズ)が明確なので、ユーザーニーズを満たしたコンテンツも作りやすいです。

主要キーワードに関連したスモールキーワードでコンテンツを積み重ねていくことで、サイトの専門性・網羅性が向上し、ドメインが育っていきます。そうなれば、難易度の高いキーワードも、次第に対策できるようになっていきます。

このあたりの戦略については、以下の記事が参考になるので、ぜひチェックしてみてください。

注意点として、難易度が高いスモールキーワードもあります。たとえば、コンバージョンに近いキーワードなどです。

キーワード難易度が高いスモールキーワード

購買系や行動系といった検索者の意図(行動ニーズ)がある場合、スモールキーワードであっても難易度が非常に高くなることが多いです。

スモールキーワードであっても、「キーワード難易度の調べ方」の章で解説したように、実際の検索結果を確認して、競合の強さをチェックしてみてください。

まとめ

ここまで、SEOにおけるキーワード難易度の概念や調べ方を解説してきました。

キーワード難易度は競合ページの状況によって常に変動するので、必ず、検索結果TOP10のページをチェックして判断しましょう。ツールでキーワード難易度を算出することもできますが、ツールの数値はあくまで目安、参考程度にしてください。

検索結果の競合が弱かったり(小規模サイトが多い、コンテンツの質が低いなど)、キーワードの検索意図を満たしたページが存在しなかったり、あるいは、キーワードがタイトルに含まれていないページばかりだったり・・・。

そのような場合は、キーワード難易度が非常に低いため、検索ユーザーのニーズに合致したコンテンツを用意さえすれば、比較的簡単に上位表示できるはずです。

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