Webライターが真っ先に習得すべき文章スキルがあるとすれば・・・

私は「PREP法(プレップ法)」 を挙げます。

PREP法とは、論理的な文章を書くための便利なフレームワークです。

PREPの流れに当てはめて文章を並べていくだけで、論理的で説得力ある記事を簡単に書くことができます。Webライターの文章スキルを支える重要なフレームワークなので、ぜひマスターしてみてください。

PREP法(プレップ法)とは?

PREP法(プレップ法)とは、論理的な文章を書くためのフレームワーク(型)です。
Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)、それぞれの頭文字を取ってPREPと表します。

PREPのイメージ

PREPの順番を意識すると、誰が読んでもわかりやすい論理的な文章を簡単に書けるようになります。イメージを掴むために、以下の例文を見てください。

<結論>
記事で一番重要なのはタイトルです。

<理由>
なぜなら、タイトルで注意を引けなければ、本文が読まれることは決してないからです。

<具体例>
実際、多くの読み手はタイトルを見て、続きを読むか読まないかを判断しています。本文を読む人に比べて、タイトルだけを読む人は○○%にもなるというデータもあります。ほとんどの人はタイトルで記事を判断しているということです。

<結論>
したがって、読み手の注意を引くタイトルを作ることが重要になるのです。

上記の例文はPREPを使った文章の典型例です。
読んでいただければ、以下の4要素の順番で構成されているのがわかると思います。

  • P:結論を単刀直入に伝える
  • R:結論の理由を述べる
  • E:理由に対する根拠を具体的に掘り下げていく
  • P:再度、結論を伝える

PREPの流れは、人がモノゴトを論理的に理解しようとするときの思考の流れと同じなので、PREPに沿って文章を書くと非常にわかりやすくなるのです。

PREPを構成する4つのパーツの詳細

PREP一つひとつのパーツに対する補足説明をしていきます。

結論(Point)

​​Webライティングでは、「結論を真っ先に書く」という原則があり、これに例外はないと思って問題ありません。なぜ結論を先に書くのかといえば、結論を先に書くことで、読み手の興味・関心を維持して先を読ませることができるからです。

結論を知ると、読み手は「なぜそうなのか?」という理由を知りたくなります。
これは脳の性質的なもので、私たちの脳は物事の結論を聞かされると、その理由も同時に探ろうとするのです。

たとえば、「俺、仕事やめることにしたんだよね」 と友人が言ってきたら、ほとんどの人は間違いなく「え、なんで?」と聞き返すと思います。「わが社は今年ボーナスカットにする」「来月から○○部署に異動してもらう」といった結論に対しても同様です。

「なぜ?」
「どうして?」
「どういう意図があって?」

結論を真っ先に提示することで「理由を知りたい」という欲求が読み手に生まれ、それが続きを読み進める強力な動機になります。

加えて、インターネットで記事を読む人はとにかく結論を先に求める傾向が強いです。
とくに検索エンジンから記事に流入してきた人はそれが顕著で、自分が知りたい結論がなかなか見つからないと、ストレスを感じてページを閉じてしまいます。

このような理由があるので、Webライティングでは結論を真っ先に書くことが重要なのです。

理由(Reason)

結論を知った読み手は、結論の理由を知りたくなるということを先ほど説明しました。
であれば、結論を伝えたらすぐに理由を述べる必要があります。

ポイント:結論を知った読み手は、結論の理由や意図、背景を探そうとする

この原理原則がある以上、結論の直後には必ず、理由付けの文章を書かないといけません。
もし理由付けの文章がなければ、「結論の理由を知りたい」という読み手のニーズを満たすことができず、読み手はモヤモヤした気持ちを抱えたままになります。

せっかく結論を伝えて興味・関心を引き出したのに、理由付けの欠如によってそれが台無しになる・・・もったいないです。

理由付けの文章があれば、読み手は「なるほど、そういうことか」という納得感をもって文章を読み進めることができますし、主張に対する理由がキチンと述べられていることで記事の信頼性もアップします。

理由付けの文章を書くときのポイントは、「なぜなら~」「~だからです」といったフレーズです。これらのフレーズは非常に重要で、これらのフレーズの有無によって、読み手が感じる論理性は大きく変わるからです。

たとえば、以下の2つの例文を見てください。

<例文1>
Webライティングでは、結論のあとの理由がとても重要です。結論を知った読み手は、結論の理由を知りたくなります。

<例文2>
Webライティングでは、結論のあとの理由がとても重要です。なぜなら、結論を知った読み手は、結論の理由を知りたくなるからです。

どちらも、文意はまったく同じです。伝えている内容は何も変わりません。しかし、大多数の人が「ロジカル」だと感じるのは、後者のほうです。前者はぶつ切りな感じで、論理がつながっていない印象を受けます。

違いを分ける要素は、「~なぜなら」「~からです」といった、理由付けに特有のフレーズだけです。これらのフレーズがあるだけで、読み手が抱く納得感のレベルは飛躍的に上がります。

成功率の違いを生んでいるのは、どうやら「急いでいるので」という言葉全体ではなく、最後の二字だけ、「ので(because)」だったようなのです。(中略)ランガーの実験で後ろから声をかけられた人は、「ので」という単語が発せられただけで、たとえその前に理由らしい理由が述べられていなくても、自動的に頼みを聞いてしまったのです。

出典:2014年 誠信書房 『影響力の武器』 【著】ロバート・B・チャルディーニ 【訳】社会行動研究会

著名な書籍、『影響力の武器』からの引用です。
人が反応するのは理由の中身ではなく、「~だから」「~ので」「なぜなら~」といった、理由付けに特有のフレーズ(because)だということがわかります。このようなフレーズを目にしたり耳にしたりすることで、人は納得感をもつということです。

結論を書いたら、「~だから」「~ので」「なぜなら~」といった理由付けのフレーズをすぐに配置することを徹底してみてください。文章の納得感が大きく上がります。

具体例(Example)

具体例のパーツは、最も多くの文字数を割くべき部分です。

「具体的なノウハウ、ぜんぜん書かれてない・・・」
「まったくイメージが湧かない・・・」

そのような感情を読み手にもたれてしまうと、記事に対する満足度が大きく下がってしまうからです。記事を執筆する際、結論と理由はサラッとした軽い説明で十分なので、具体例を厚くすることに注力してください。「結論1:理由2:具体例6~7」くらいの配分です。

PREPの各パーツの配分の円グラフ

具体例のパーツとして使えるのは、以下のようなものです。

  • 「たとえば~」を使った例え話
  • サンプルとなる例文
  • データ、統計
  • 具体的かつ詳細なハウツー
  • Webサイトや書籍からの引用
  • 体験談
  • 第三者の声

これらのパーツを駆使して、文章の具体性を強化する必要があります。慣れない間は、「たとえば〜」で例示する癖をつけるのがオススメです。

  1. ~~~です。
  2. なぜなら、~~~~~~だからです。
  3. たとえば、・・・

新しい主張を書いたら、上記のような流れで、結論・理由・具体例をセットで展開してください。納得感のある文章になります。

再度の結論(Point)

具体例を展開したら、再度、結論を述べて文章を締めます。

  • まとめると、
  • したがって、
  • 以上の理由で、
  • このような背景があるので、

上記のようなフレーズを使うといいでしょう。
見せ方を工夫するなら、箇条書きでポイントをまとめたり、ボックス(囲み枠)で装飾したり、文字の太さや色を変えたりするのもオススメです。重要な結論が、読み手の記憶に残りやすくなります。

再度の結論に関するアドバイスは、このくらいです。
最初に提示した結論と矛盾しないように注意さえしていれば、特に難しいことはありません。

PREP法を習得するためのトレーニング方法

PREP法を使った文章作成に慣れるためには、PREPの各要素を、それぞれ一行で書き出していくトレーニングが効果的です。

P:Webライティングでは具体性が重要。
R:曖昧な文章では読み手を納得させることはできないから。
E:たとえばハウツー記事で、詳細なステップや手順、方法論が書かれていなかったら不満を覚えるはず。
P:したがって、Webライティングでは具体性が重要。

このように、PREPそれぞれの要素を短い文章で書き出します。このトレーニングを繰り返すと、PREPで書く癖が頭と体に染み込んでいきます。

まとめ

ここまで、論理的な文章を書くためのPREP法について解説してきました。
以下の4つの順番で、一つひとつの主張や段落を展開することで、論理的で説得力ある記事を書くことができます。

  • P:結論を単刀直入に伝える
  • R:結論の理由を述べる
  • E:理由に対する根拠を具体的に掘り下げていく
  • P:再度、結論を伝える

PREP法はWebライターの文章力を支える中核スキルなので、ほかのどんなテクニックよりも重要度は高いです。慣れないうちは、PREPの各要素をそれぞれ一行で書き出していくトレーニングを繰り返して、論理的な文章の流れを頭と体に染み込ませていきましょう。

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