スマホがこれほど普及しても、いまだに紙の手帳を使っている人が圧倒的に多いようですね。これは、とてももったいないことです。

特に高齢者など、短期記憶を保持することが苦手な方には、スマホのカレンダーアプリを常用することをお勧めしたいと思います。その理由は、本記事の以下の文章をお読みいただければ納得していただけると思います。

解説は、iOSカレンダー(MacOSやiOSの標準カレンダー)の基本的な機能から順に図解入りで分かりやすく説明していきます。

iOSカレンダーとGoogleカレンダーの比較

標準的に使われているカレンダーアプリは、Mac製品に付属している「iOSカレンダー」と「Googleカレンダー」の2つがあります。両者ともに便利なのですが、どこがどう違うのか、トップ画面で比較してみたいと思います。

下の画像は、iOSカレンダーアプリ(左側)とGoogleカレンダー(右側)のトップ画面です。どちらも、本日のスケジュールが24時間で表示されています。

iOSカレンダーでは画面上に1週間のカレンダーが並んでいるのに対し、Googleカレンダーでは今日のリマインダーが表示されているます。また、iOSカレンダーでは、「2022年」のマークをタップすると、1年間のカレンダー表示に切り替わります。長期的なカレンダーを素早く俯瞰するには、iOSカレンダーの方が便利ではないでしょうか。

ただし、機能で比較すると、どちらも特に大きな違いはありません。両方のアプリを入れて、「カレンダー」を同期させておくと、どちらか一方にスケジュールを入力させると、それがもう一つのカレンダーにも同時に反映されるので、用途に応じて2つのカレンダーを両方同時に使い分けることも可能です。

一方で、Googleカレンダーの強みは、デバイスを選ばないことです。iPhoneであろうとWindowsPCやAndroidでも利用&同期ができます。Googleアカウント内でスケジュールが紐付けられるのも便利です。

iOSカレンダーの場合は、MacBookやiMacなどMac製品であれば問題なく利用&同期できます。WindwsPCでも「Windows用iCloud」をダウンロードすれば利用可能ですが、Androidスマホで利用するのは現状難しいようです。

参考: iPhoneの純正カレンダーをAndroid端末と同期する方法

この記事は、二つのカレンダーの優劣を判定するのが目的ではありませんので、どちらかといえば使われずにいることが多いiOSカレンダーの使い方を中心に説明したいと思います。

iOSカレンダーの基本的な使い方

カレンダーの色分け

iOSカレンダーで便利だと思う第一の機能は、予定(イベント)の種類別に色分けができるという点です。きちんと設定してあげれば、カレンダー上にイベントの種類ごとに色の異なるイベント名が表示されるので、視覚的に分かりやすく便利です。他のカレンダーアプリにもこういう機能があるかどうかは、寡聞にして知りませんが、iPhoneの無料アプリにこのような機能があるのはうれしい限りです。その使い方は、次のリストと画像をみればおわかりいただけると思います。

  1. カレンダーの下の「カレンダー」をタップする
  2. 「カレンダーを追加」をタップする
  3. 新規カレンダー名(例:スポーツ)、アカウント(例:iCloud)を入力し、カラー(例:レッド)を選択する
  4. 同じ作業を繰り返して、好みのカレンダー一覧ができる

イベントの作成法

カレンダーアプリに登録・表示される情報の単位は、一つ一つのイベント(予定)です。画面表示の基本は、他のカレンダーアプリと同じように、1日です。0時から24時(0時)まで、1時間ごとに線で区切られた区画にイベントを登録・表示するようになっています。

例として、4月20日(水)の9時から11時まで、スポーツジムでトレーニングするというイベントを登録してみましょう。イベント名は、簡潔に「スポーツジム」とします。

まずは、カレンダーを表示して、4月20日をタップして、1日のカレンダーを表示させます。この段階では、まだ1日の予定が真っ白な状態です。

スポーツジムのイベントが10時から12時までの2時間だとします。画面の10時と11時の間を指で強く押すと、1時間の幅で水色のマークが一瞬表示され、そのあと次のような「新規イベント」画面が表示されます。

そこで、このイベントに関する情報を入力していきます。一番上の「イベント」欄には「スポーツジム」と入力します。2行目は「場所」を入れます。スポーツジムの名前を入れると、住所と地図へのリンクが自動的に表示されます。候補の中から該当する場所を選択します。

第2段落目には、イベントの開始、終了時刻、繰り返しの有無、移動時間の有無を入力します。ここでは、スポーツの終了時刻を11時から12時に訂正します。

最後に、「カレンダー」の欄を「スポーツ」(レッド)に変更します。これによって、イベントのカラーを赤に変更することができます。

画面右上の「完了」をタップすると、次の画面のように、スポーツジムのイベントが赤く表示され、スポーツジムの住所が地図で表示されるようになります。

画面左上の<4月20日をタップすると、10時から11時に赤い字とピンクの背景で「スポーツジム」のイベント名が表示されます。イベント名をタップすると、左下のようなイベント詳細が表示されます。

繰り返しの予定を登録する

イベントというのは、1回限りの場合や不定期に行われる場合と、毎週あるいは毎月同じ時間帯に繰り返される場合とがあります。繰り返し行われるイベントの場合は、「繰り返しの設定」で一括して行うことができます。これによって、イベント登録の手間を大幅に省くことできます。

例えば、スポーツジムに毎週水曜と土曜日の同じ時間帯に行くとしましょう。水曜は10時〜12時、土曜は15〜17時行くとしましょう。その場合の設定は、次のようになります。

まず、さきほど作った「スポーツジム」イベントの画面を表示させ、「編集」をタップします。この画面の真ん中にある「繰り返し」をタップします。次の画面で「毎週」にチェックを入れます。これで、毎週水曜日の10〜12時にスポーツジムのイベントが表示されるようになります。毎週土曜日の15〜17時のスポーツジムについても、同様に、土曜日のこの時間帯に新たなイベントを作成し、水曜日と同様に、毎週繰り返しの設定をします。

これで、毎週4つの繰り返しイベントの設定ができたことになります。同様に、朝食、昼食、夕食の時間を「毎日」同じ時間帯に繰り返し設定してみましょう。「繰り返し」の頻度を「毎日」に指定すれば、毎日同じ時間帯に3食の時間帯を設定することができます。

では、「毎週月曜〜金曜まで毎日」という繰り返し頻度を設定することはできるのでしょうか?それには、次のような設定をします。例として、毎週月、水、木、金の午後1時30分から5時まで「仕事」というイベントを入れることにします。イベント編集画面で、「繰り返し」をタップし、「毎週」を選びます。次いで、画面下の「カスタム」をタップします。

すると、曜日の選択画面になるので、繰り返し登録したい曜日にチェックを入れます。ここでは、月、水、木、金にチェックを入れます。<繰り返し、<イベントを編集をタップし、「完了」ボタンをタップすると、繰り返し設定が完了します。

このように、ルーティン的なイベントを「繰り返し」設定することで、イベントの登録を効率的に行うことができます。とくに、該当する曜日にチェックを入れる手順はちょっと分かりにくいので、注意が必要です。

 

イベントの変更、削除

いったん作成したイベントは、自由に変更したり削除することができます。例えば、4月21日(木)に入れていた健康診断のイベントが22日(金)に変更された場合には、イベント「編集」画面で日時だけ変更することができます。

上の画面にあるように、開始日時をタップしてから、カレンダーで「22日」をタップします。すると、イベントの日時が1日繰り下がって、22日の9:30から11:30に変更されます。「完了」をタップすればスケジュールの変更は終わります。簡単ですね。

「繰り返し」の設定をしたイベントを一部修正したい場合には、次のようにします。例として、20日午前10時〜12時の「スポーツジム」の繰り返しイベントを、この日だけ21日午前10時〜12時に変更します。

まず「スポーツジム」編集画面を開き、「開始」日時欄をタップします。そして、カレンダーから21日の日付をタップします。右上の「完了」をタップすると、画面下に繰り返し保存の選択肢が表示されます。そこで、「このイベントのみ保存」を選択すれば、20日を21日に変えるだけの修正を加えることができます。

このように、繰り返し設定しているイベントでも、柔軟にスケジュールの変更ができるので便利です。

イベントの削除も簡単です。基本的に、イベント名をタップしてイベントの詳細画面を表示させ、画面下の「イベントを削除」をタップするだけの簡単操作で削除することができます。

もしこのイベントが「繰り返し」登録されたものなら、「このイベントのみを削除」をタップすれば、この1回きりのイベントが削除されます。これも簡単ですね。

カレンダーの表示方法

iPhoneの標準カレンダーには、「トップ画面」というのはありません。ちょうど紙のカレンダーや手帳のように、「年間カレンダー」「2ヶ月カレンダー」「1ヶ月カレンダー」「1日のカレンダー」をワンタップで切り替え表示できるようになっています。それぞれの画面で終了すると、次回からは同じ画面が立ち上がります。

普通は、この記事の冒頭で紹介したように、1日のイベントが時刻表のように並んだ画面を開いておくのが便利かと思います。この画面の左上の<4月をタップすると、月間のカレンダー画面が表示されます。

月間カレンダーの左上の<2022年をタップすると、年間カレンダーが表示されます。1年間という長期のスパンで日程に一気にジャンプしたい場合などに使うといいでしょう。

どのカレンダーにも、「今日」の赤いマークが表示されていて、ワンタップでその日のカレンダーがすぐに表示できるようになっています。年間カレンダーでは、「今日」のマークをタップすると、今日を含む2ヶ月カレンダーが表示されます。もう1回赤マークをタップすると、今日の1日カレンダーが表示されます。

今日のカレンダーが表示されると、この画面には今日1日のイベントが時刻表形式で表示されると同時に、現在時刻が赤い線で表示されます。いまがどのイベントのどこに位置しているかが一目でわかりますね。

現在時刻はちょうど「仕事」をしている時間帯になっています。ただ、中身は真っ白です。このイベントの詳細を表示させるにはどうすればいいのでしょうか。ここに「TCDブログの作成」というサブタイトルと、仕事内容のメモを加えてみましょう。やり方はそれほど面倒ではありません。

まず、左の画面で「仕事」のカラー部分をタップすると、右のように「仕事」の詳細画面に切り替わります。ここで、右上の「編集」をタップします。

編集画面の中で、左下の画面にあるように、メモを入れる箇所が2つあります。上の欄には1行の簡単なメモしか入れませんので、サブタイトルを入れるといいでしょう。一番下の「メモ」欄には、詳細なメモやURL、画像の添付ファイルを入れることができます。

最後に右上の「完了」をタップすると、「仕事」の詳細画面に戻り、メモ内容が反映されます。注意しなければいけないのは、1日のカレンダーに表示されるのは、上の「サブタイトル」部分だけで、詳細なメモ欄の内容はこの画面には反映されず、「イベント詳細」画面だけだという点です。

イベントの通知

iPhoneのカレンダーには、イベント通知機能があります。忘れないように、イベント開始の5分前とか10分前など時間を指定しておけば、通知をしてくれるので、忘れっぽい方にはとても便利です。

通知をしてもらうには、あらかじめiPhoneの設定画面で「通知」の設定をしておく必要があります。カレンダーアプリに関して、通知を許可し、即時通知の設定をします。サウンドも、好みのメロディに設定しておくといいでしょう。

具体例として、4月21日(木)10:00〜12:00のイベント「スポーツジム」を取り上げましょう。通知の設定は、「通知」と「予備の通知」の2回に分けて設定することができます。ここでは、開始時刻の30分前に「通知」、開始時刻に「予備の通知」が表示されるようにします。通知設定の手順は次の通りです。

  1. 「スポーツジム」イベントの詳細画面を表示させ、「通知」のなし>をタップする。
  2. 「5分前」にチェックを入れる。
  3. 「編集」をタップする。
  4. 「通知」を5分前に設定、「予備の通知」を15分前に設定し、最後に「完了」をタップする。

以上の操作で、「スポーツジム」の予定開始時刻15分前にサウンドと共に「予備の通知」が表示され、予定開始時刻の5分前にサウンドとともに2回目の通知が画面上部に表示されるようになります。これなら、忘れっぽい方でも思い出すのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしょうか。本記事では、ふだん紙の手帳を使い慣れていて、スマホのカレンダーは苦手だという方でもわかりやすいように、最低限必要な機能を中心にiPhoneの標準カレンダーアプリの使い方を説明しました。

これだけを習得すれば、紙の手帳がなくてもカレンダーを十二分に使いこなすことができること請け合いです。

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