iPhoneの「メモアプリ」が長期記憶の保持と再生のための中枢アプリだとすれば、「リマインダー」は、短期記憶の保持と再生のためのタスク管理アプリだということができるでしょう。

高齢者などにみられる短期の記憶障害をサポートしてくれるツールとも言えます。メモアプリと同様に標準アプリなので、最初からiPhoneには無料でインストールされています。

リマインダーは、やるべきこと(ToDo)をリスト形式で記録し、あとで思い出させてくれるツールです。紙のメモや手帳とは違って、場所や時刻を指定しておくと、その時間が来た時、あるいはその場所に来たときに通知してくれるので、高齢者など忘れっぽい人にはとても便利です。

タスクを完了したら、チェックを入れれば、タスクは消去されますから、タスクの遂行状況を把握することができます。

「リマインダー」とは?

「リマインダー」とはiPhone、iPad、MacなどiOSに搭載されているアプリです。主な機能は次の通りです。

  • 時間と指定場所を事前に通知
  • 「カレンダー」アプリとのスケジュールの共有
  • タグ・フラグで分類可、後からも見直しやすい
  • サブタスクの追加が可能
  • 同一Apple IDの各デバイス間で同期が可能
  • TODOリストとしても使える

リマインダーの通知機能を使いこなすとスケジュールを細かく管理するのに便利です。

また、リマインダーはタスク管理ツールとしても優秀な一面を持ちます。タスクと期日を決め、アラームで通知することで、日々のTODOリストとしても活用できます。

タスクの新規作成

それでは、さっそく「リマインダー」に新しいタスクを作ってみましょう。手順は次の通り、簡単です。

  1. 「リマインダー」アプリを開きます。
  2. 左下の「新規」アイコンをタップする
  3. タイトル(とメモ)を記入する
  4. 「追加」をタップして、リマインダーのリストに追加
  5. 入力した「歯磨き」というタスクがリマインダーに追加された


これは、買い物リストです。このリストに「メモ」アプリのように、階層(サブグループ)をつくれないでしょうか。例えば、「お店別の買い物リスト」が作れると便利です。試しに「スーパーで」「薬局で」という二つのタスクを作って、その下にいくつかの「サブタスク」を作ってみましょう。

タスクとサブタスクを作成する手順

  1. 親タスク「スーパーで買うもの」を作成する
  2. 親タスク「薬局で買うもの」を作成する
  3. 子タスク「牛乳」を作成する
  4. 子タスク「シャンプー」を作成する
  5. 「リマインダー」をタップして、タスクのリストを表示させる
  6. 子タスクにしたい項目(牛乳、シャンプー)をドラッグして、親タスクにしたい項目(スーパー、薬局)に重ね、離す。これを繰り返す。リマインダーのリストを見ると、親タスクの下に子タスクが並び、階層化された。
  7. タスクの右側のマークをタップすると、子タスクを折りたたむことができる。



ちょっと手間はかかりますが、とても見やすいリストができました。子タスクは折りたためるので、タスクの数が5個以上になっても大丈夫です。親タスクにサブタスクを作るには、もっと簡単な方法があるので、ご紹介しておきましょう。

サブタスクを簡単に作成する方法

  1. タスクのタイトル「今日すること」を入れて「追加」マークをタップする
  2. リマインダーの画面で、「今日すること」の右側のアイコンをタップする
  3. 「サブタスク」メニューをタップする
  4. 「追加」ボタンをタップし、サブタスク名を入れ、「追加」をタップする


日時、場所入りのリマインダーを作成

リマインダーは、単にやるべきことをリストアップして保持、再生するだけではなく、やるべきタスクの時間を設定してアラームで知らせてくれたり、タスクを実行する場所を指定して、その場所に来たら知らせてくれるという便利な機能もあります。これは、記憶力の弱い人にとっては、とても助かる機能です。

時間を指定したリマインダーの作成手順

  1. 画面左下の「新規」アイコンをタップする
  2. タスク名を入れる
  3. タスク名の右のアイコンをタップする
  4. 「日付」「時刻」をONにして、会議の開始時刻を設定する
  5. 開始時刻入りのリマインダーが作成された


時間と場所を指定したリマインダーの作成手順

次ぎに、時間と場所を指定したリマインダーを作ってみましょう。イベントの開始時間が近づいたとき、または、地図でイベント開催場所に近づいたときのいずれかでアラームが鳴って知らせてくれます。作成手順は次のとおりです。

  1. タスク名「東京文化会館でコンサート」を入れ、右側のアイコンをタップする
  2. 時刻をONにして、開始時刻を指定、場所をONにして「カスタム」をタップする
  3.  場所のリストの中から「東京文化会館」の場所をタップする
  4. 「<詳細」をタップして前の画面に戻り、「完了」アイコンをタップすると、リマインダー画面に時間と場所(地図リンク)の入ったタスク名が表示される


繰り返しタスクのリマインダー設定

時間といえば、例えば、ゴミ出しとかお掃除当番のように、決まった時間や決まった曜日などにやらなければならないことでも、うっかり忘れてしまうことはありますね。リマインダーアプリには、そんなうっかり忘れを防止してくれる設定があります。リマインダーの繰り返し機能がそれです。例えば、「毎週月曜と木曜の7:00にゴミ出しをする」という繰り返しタスクを設定する場合の手順は次のようになります。

繰り返しタスクの設定方法

  1. タスク名を入力し、アイコンをタップする
  2. 繰り返しタスクの開始時刻を設定する
  3. タスクの実行曜日、間隔を設定する
  4. 繰り返し日時入りのタスクが設定された


リマインダーリストの作成

iPhoneの「メモアプリ」には、複数のメモをまとめるフォルダを階層的に作る機能があります。リマインダーには「フォルダ」という入れ物はありませんが、その代わりに複数のタスクをまとめる「リスト」というグループが用意されています。メモとは違って、リストは階層的に作ることはでききませんが、タスクの種類に応じて、いくつでも作成して、情報を整理することができます。

例えば、「買い物リスト」「仕事リスト」「遊びリスト」「雑用リスト」などを作っておくと、リストごとのタスク管理がやりやすくなります。「買い物リスト」だったら、パンを買う、牛乳を買う、お肉を買う、化粧品を買う、といった買い物のタスクをこのリストに入れておけばいいわけです。これなら、買い物以外のタスクは別のリストに入るから、やるべきタスクがきれいに仕分けられていいですね。

また、先に述べたように、タスクに「親タスク」と「子タスク」を作って管理すれば、リマインダー情報の仕分けをさらに分かりやすく行うことができるでしょう。

それでは、実際にリマインダーでリストを作成する手順を説明しましょう。上にあげた4つのリストを作成してみましょう。

リマインダーリストの作成手順

  1. リマインダートップ画面で「リストを追加」をタップする
  2. 新規リスト画面でリスト名「買い物」を入れ、リストのカラーを選択し、「完了」をタップする
  3. 続いて、「リストを追加」をタップし、二番目のリスト「仕事」を追加し、別のカラーを指定し、「完了」をタップする
  4. 追加したいリストのすべてについて、同じ手順を繰り返すと、マイリストにすべてのリストが追加される


タスクをリマインダーリストに追加する

新たなタスクをリストに追加するには、作成したリスト(例えば「買い物」)をタップし、新規画面の左下「+新規」をタップすればいいのです。


すでに作成したリマインダーを新たに作ったリストに移動することもできます。例えば、「東京文化会館でのコンサート」(リマインダーのリスト)を「遊び」リストに移すには、「リマインダー」のコンサートの詳細画面を開き、下の方にある「リスト」メニューから「遊び」を選択するだけでいいのです。「完了」ボタンをタップすれば、コンサートの予定が「遊び」のリストに移動します。このようにして、リマインダーを階層的に整理すれば、一目でリマインダーを分かりやすく並べることができます。

フラグとタグをつける

重要なタスクにフラグをつけたり、タグ(キーワードなど)を設定してまとめておけば、確認したいタスクを探す際に目印になって便利です。以下でそれぞれの設定方法を解説いたします。

フラグをつける

重要なタスクに「フラグ」をつけておくと、優先順位の高いタスクだけをワンタップで表示させることができます。フラグをつけるには、タスク名(例:パン)を右から左にスワイプし、「フラグをつける」をタップするだけです。これで、タスク名にオレンジ色のフラグがつきますから、トップ画面に戻って「フラグ付」のマークをタップすれば、フラグのついたタスクの一覧が表示されます。

タグをつける

それぞれのタスクには、キーワードあるいは目印になるような「タグ」をつけておくことができます。タグをつけたタスクは、画面下のタグクラウドからタップすることによって、同じタグをつけたタスクだけを表示させることができます。どんなタグをつけるかは、基本的には自由ですが、ここでは、タスクを行う場所をタグ名としてみましょう。タグをつける手順は次のとおりです。

  1. タスク名(例:シャンプー)をタップし、キーボード上のメニューから#をタップする
  2. タスク名の下にタグ入力欄ができるので、そこにタグ名(例:薬局)を入れ、画面右上の「完了」をタップする。すると、「#薬局」というタグがこのタスクに追加される

他のタグについても、場所に関するタグを追加しておくと、タグクラウドで目的の場所をタップするだけで、知りたい場所のタグのついたタスクがリストアップします。これからするべきタスクを場所別に一覧できるので便利ではないでしょうか。タグの一覧を表示させる手順は次のとおり、簡単です。

  1. トップ画面を開くと、下部に「タグ」のリストができているので、ここから「#薬局」タグをタップする
  2. #薬局タグの一覧が表示される

まとめ

これからやるべき事柄をタスクごと、リストごとにまとめて表示し、時間や場所に応じてアラームで事前に知らせてくれる「リマインダー」アプリは、とかく忘れっぽくなっている高齢者などには、かけがえのないパートナーとなってくれるでしょう。

ちなみに、Googleにも「Google Keep」というメモアプリがあって、それも無料で使えます。同様にリマインダー機能だけでなく、テキスト・手書き入力や音声入力、共有機能がついていて便利です。Google Keepの解説は下記にありますので、よろしければどうぞ。

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