Photoshopで文字や画像に影を付けたいときは、ドロップシャドウを使います。

例えば、次のように背景と同系色の画像でも立体的に見せることが可能です。

ドロップシャドウの有無のサンプル

ブログやサイト内に設置する参考画像なども簡単にスタイリッシュな印象にできて便利です。

そこで当記事では、Photoshopでできるドロップシャドウの基本的な使い方を解説いたします。綺麗に見せるためのコツもあるのでぜひご覧ください。

ドロップシャドウの基本的な使い方

Photoshopのドロップシャドウは、数あるレイヤー効果のうちのひとつです。影を付けたい文字や画像をPhotoshopに読みこんだら次のステップでドロップシャドウを付けていきます。

  1. 対象となるレイヤーを選択
  2. レイヤー効果の中からドロップシャドウを選ぶ
  3. ドロップシャドウの構造や画質を選ぶ

1.対象となるレイヤーを選択

まずは対象となるレイヤーを選択します。

レイヤー選択箇所

該当のレイヤーで右クリックするとメニューが表示されますので、「レイヤー効果」を選択します。

2. レイヤー効果の中からドロップシャドウを選ぶ

「レイヤー効果」を選択すると次のようなメニューが表示されます。

レイヤー効果一覧

その中から「ドロップシャドウ」をクリックしてください。

3. ドロップシャドウの構造や画質を選ぶ

最後にドロップシャドウの構造や画質を設定してOKをクリックすれば、適用完了です。

ドロップシャドウの項目

ここの設定次第で、自然なドロップシャドウかどうかが決まってきますので詳しく解説いたします。

ドロップシャドウの詳細設定

Photoshopのドロップシャドウには、豊富に設定が用意されていますので細かく調整可能です。その反面、変更点を理解しなければ、不自然なドロップシャドウにもなりかねません。

ドロップシャドウの詳細設定

上記箇所の各設定項目について上から順に解説していきます。

描画モード

ドロップシャドウの場合は、基本的に「乗算」を選んでおけばOKです。影の色が背景色と重なることで色が暗くなり、影を表現するのに最適だからです。

通常・乗算モードの差

例えば上記のように、背景色と影の色を同じ#004b64とした場合、通常モードでは影が見えなくなります。乗算モードでは、背景色と影の色が重なり濃くなっているため、馴染ませながら影を表現することが可能です。背景色が白色の場合は、「通常」モードでも問題ありません。

不透明度

不透明度は、文字通り影の不透明度で数値を上げるほど影の色が濃くなります(透明度が下がる)。

不透明度の差

不透明度を上げすぎると自然な印象からは遠ざかります。

角度

影の角度を変更できます。後ほどご紹介する距離と一緒に使います。距離が0だと角度に差がでないため、両方とも距離を20pxに設定して比較してみました。

例えば、角度90°と180°を比較すると次のようになります。

角度の差

90°は上から光が当たっているイメージですが、180°の方は、左側から平行の角度(180°)で光を当てて影が20px見えているというイメージです。

角度の設定の右側にある「包括光源」では、そのレイヤー内の光源を共通化できます。

包括光源の差

いずれかで設定した角度を包括光源として使用する場合は、このようにレイヤー内の光源が共通化されます。上の例は180°を包括光源として使用する場合です。チェックを入れると影の角度が共通化されていますね。

距離

先ほどの「角度」で少し触れましたが、影と対象の距離を設定できます。

距離の差

上の例ではその他の設定を同じにして、距離のみを5pxと30pxで比較しています。距離が長い方が手前にあるように見えますね。

スプレッド

続いては「スプレッド」。まずは比較画像をご覧ください。

スプレッドの差

40%の方が影が広がっているように見えますが、影の端のぼかし具合を変更しているからです。100%にすると影の輪郭が鮮明になります。ポップなエフェクトやイラスト的な見せ方をする際以外は、上げ過ぎない方が自然です。

サイズ

影のサイズを調整できます。サイズの違いをわかりやすくするために、両方ともスプレッドを50%に引き上げて比較しています。

サイズの差

影の輪郭がはっきりしているため、サイズの違いがわかりやすくなっていますが、スプレッドを上げ過ぎるとこのように汚くなってしまいます。

輪郭

輪郭では、影の輪郭の種類を変更できます。

輪郭の差

デフォルトの「線形」以外にプリセットとして12種類用意されていますが、例えば「円錐」の場合は上記のようになります。どちらかというと文字にドロップシャドウをつける際に表現の幅を広げられる機能です。

アンチエイリアス

影を滑らかに表示したい場合は、「アンチエイリアス」にチェックを入れておきましょう。

ノイズ

ノイズの変更すると影にざらつきがでます。

ノイズの差

20%でも変化がわかります。こちらも文字にドロップシャドウをつける際に活用できそうです。影の質感が変わります。

レイヤーがドロップシャドウをノックアウト

最後のこの設定は、基本的にはチェックを入れたままで問題ありません。

例えば次のような、透明の文字にドロップシャドウを付ける際に違いがわかりやすいです。

ドロップシャドウをノックアウトの有無

チェックを入れたままだと透明の文字が透けません。チェックを外すと透明の文字が透けて影が見えるようになります。

ドロップシャドウを綺麗に見せるためのコツ

目的にもよりますが、基本的に画像や文字のドロップシャドウを綺麗に見せるには、できるだけ自然な仕上がりにすることが大切です。

設定時に押さえておきたいコツは、不透明度とスプレッドを上げ過ぎないことです。

綺麗に見せる設定のコツ

ここの数値をできるだけ低いままにして、ドロップシャドウがあるかわからないぐらいが自然に見えます。

ドロップシャドウ良い例、悪い例

左:不透明度5%、距離10px、スプレッド0%、サイズ20px
右:不透明度30%、距離10px、スプレッド30%、サイズ20px

ドロップシャドウを強調しすぎると不自然な印象になりますが、不透明度とスプレッドを上げ過ぎさえしなければ、他の設定はある程度お好みで変更いただけます。

まとめ

PhotoShopのドロップシャドウの基本的な使い方について解説いたしました。

コツをおさえて使うと、文字や画像を簡単にスタイリッシュにできます。どの値を変えると何が変わるのかを理解しておけば、難しい操作は必要ありません。ぜひ参考に使ってみてください。