多機能なオールインワンの動画配信サービス「Vimeo(ビメオ)」。動画の視聴だけでなく、動画の作成や配信機能が豊富なため、個人事業主から企業まで活用しています。

本稿では「Vimeo」とは何なのか?その機能やプランをYouTubeと比較しながらご紹介します。

Vimeoとは?

Viemo

Vimeoは2004年にアメリカで生まれた多機能な動画配信サービスです。約2億6000万人のユーザーが利用しており、主に芸術性の高い動画クリエイターが活用しています。

海外のユーザーが多いですが、日本においてはオンラインの番組、音楽ライブ、教育動画の販売者が活用しています。

他の動画配信サービスと違い広告が表示されません。配信者が段階的なプランに申し込んだり、視聴者が動画を購入するなどしてサービスが成り立っています。

主な機能としては動画のアップロードやライブ配信だけでなく、動画の単体販売、レンタル販売、月額販売(サブスク)、動画内を操作できるインタラクティブ動画、ウェビナー(Webセミナー)などがあります。

▼インタラクティブ動画の例

編集の機能については動画制作テンプレートや、上位プランでは動画・画像・音楽素材も用意されており、一から撮影しなくても動画を作成できます。

Vimeoに動画をアップロード後、YouTubeやSNSにも同じ動画をアップでたり、Webサイトに埋め込むなど、連携機能も充実しています。

動画配信に関する事はほとんどできるため、動画クリエイターや動画販売をしたい事業者にとって最適なサービスと言えるでしょう。

Vimeo

VimeoとYouTubeの違い

Vimeo YouTube
国内ユーザー数 非公表 月間7000万人 (※1)
世界ユーザー数 2億6000万人 月間26億人 (※2)
日本語対応 やや対応
商用利用
画質 最大8K 最大8K
音質 最大256kbps 最大256kbps
セキュリティ ◯ (上位機能あり)
アプリ
動画編集アプリ

※1:Think With Googleより引用
※2:Statistaより引用

VimeoとYouTubeの違いとしては、Vimeoは世界で2億6000万人が利用しており、YouTubeは月間26億人が利用しています。

そのため、より多くの方に見てもらいたい場合はYouTubeを利用した方が良いでしょう。一方でVimeoは動画自体を販売できるなど収益化の幅が広く、プライバシー設定などセキュリティの上位機能もあります。

Vimeoは日本語表記にやや対応していますが一部のページが非対応なっており、英語が苦手な方は自動翻訳を活用する必要があります。YouTubeについてはほとんど日本語に対応していますので、日本人でも使いやすいと言えます。

どちらも画質や音質については高画質・高音質に設定できますので、映像のクオリティには問題ないかと思います。それぞれ公式アプリと動画編集用のアプリも提供されています。

料金プラン比較

VimeoとYouTubeの料金プランの違いとしては、Vimeoは配信者でYouTubeは視聴者が支払うプランになっています。

Vimeoのプラン:
Vimeoでは上位プランになるほど、アップロードできる動画の本数と機能が増えていきます。

プラン(※1) 動画数(※2) 主な機能 月あたりの料金(※3)
Free 25本 アップロード、動画配信 他 0円
Starter 60本 動画チャプター、パスワード保護 他 1,200円
Standerd 120本 動画販売、ストック動画・画像・音楽 他 2,900円
Advanced 240本 バーチャルイベント、マーケティングツールと統合 他 5,500円
Enterprise 要問合せ 同時ライブ配信、チームメンバー権限 他 要問合せ

※1:ページによっては旧名称のBasic、Pro、Plus、Premiumで表記される場合あり。
※2:1シートライセンス(所有者)あたり年間にアップロードできる動画数。
※3:年払いでの月あたりの料金。

Vimeo OTT:
Vimeo OTTでは動画の単体・レンタル・月額(サブスクリプション)販売ができるプランです。 別途登録する必要があり、動画はVimeoオンデマンドのページでも販売する事ができます。

プラン アップロード時間数 主な機能 手数料
Starter 1時間 ※追加したい場合は別料金 動画の月額販売・単品販売・レンタル販売、サイト作成 他 月額販売は1登録者ごとに1ドル、単品とレンタル販売は購入額の10%
Enterprise 200時間 各種アプリでの配信、ライブ広告での収益化、専属サポート 他 要問合せ

YouTube Premiumプラン:
こちらのプランは、配信者ではなく視聴者が申し込むプランです。YouTubeは基本的には全て無料で動画配信をする事ができます。

プラン 広告表示 手数料 料金
無料 あり 動画の視聴、ライブラリ作成 他 0円
個人-月額 なし 動画のバックグラウンド再生、動画の一時保存、YouTube Music Premium 他 月額1,180円
個人-年額 なし 年額11,800円
家族(※1)-月額 なし 月額2,280円
なし 月額680円

※1:同世帯で5名まで(13歳以上)

Vimeoの動画配信は無料でも利用できますが、動画のアップロード数を上げたり様々な機能を使いたい場合は上位プランに申し込む必要があります。上位プランは年払いのみで月あたり1200円から利用する事ができます。

動画の単体・レンタル・月額販売をしたい場合は、別途「Vimeo OTT」に登録する必要があり、こちらも0円から使う事ができます。月額配信は1登録者ごとに1ドル、単体やレンタルは販売額の10%の手数料を支払う必要があります。

YouTubeは収益化に一定の条件が必要ですが、動画アップロード、月額配信、ライブ配信をしたい場合は無料で利用できます。それ以外の配信やより収益化したい場合はVimeoの上位プランの方が良いかもしれません。

YouTubeのPremiumプランは視聴者向けのプランですが、広告が表示されないため配信者が自分の動画をチェックするために便利に活用する事ができます。

主な機能の比較

機能 Vimeo YouTube
視聴
アップロード
動画の撮影
画像の撮影
動画制作テンプレート
素材(動画・画像) Standard
素材(音) Standard
動画の編集
チャプター分け Starter
パスワード保護 Starter
字幕
無料配信
月額配信(サブスク)
動画単体販売
動画レンタル販売
ライブ配信
ウェビナー Advanced
インタラクティブ動画 Enterprise
限定公開
広告の表示 なし 視聴者がPremiumに申込むと非表示
SNS同時投稿 他社サービスで可
Webサイトへ埋め込み
共同作業ツール
分析ツール

※それぞれ専用アプリについては上記の一部機能のみ利用可。
VimeoとYouTubeの同じ機能としては、動画の撮影、アップロード、月額配信、ライブ配信、字幕、限定公開、Webサイトへの埋め込み、分析ツールなどがあります。

VimeoとYouTubeの大きな違いとしては動画自体の販売です。Vimeoの場合は動画の単体・レンタル・月額販売、ウェビナー(Webセミナー)とインタラクティブ動画も配信できます。これらが目的であればVimeoを活用した方が良いでしょう。

Vimeo

Vimeoは動画作成テンプレートで簡単作成する事ができ、ホームページやネットショップに埋め込む事もできます。他社サービスとの連携も充実しており、同じ動画をYouTubeやSNSにも同時投稿できます。

VimeoとYouTubeのどちらかではなく、両方活用する事でより強力な動画マーケティングをする事もできます。

VimeoとYouTubeの商用利用と使い分け

それぞれ特徴が違うVimeoとYouTubeはどのように商用利用すればいいのか?その使い分けについて実際の事例を交えながらまとめました。

集客はYouTube、動画販売はVimeo

別の項目でもお伝えしたとおり、YouTubeのユーザー数は月間26億人と多いため集客に適していますが、動画販売の機能はVimeoの方が充実しています。

実際に授業アプリ・スタディサプリの英語講師で有名な関正生(せきまさお)さんは、YouTubeで集客してVimeoで動画販売しています。こちらは英語の授業ではなく、勉強法・悩み相談・仕事術などのテーマで動画を販売しています。

VimeoとYouTube・SNS連携で同時投稿

Vimeoは動画のアップロード後にYouTube、Twitter、Facebookと連携してにも同じ動画を投稿する事ができます。すでに各サービスにフォロワーがいる場合、Vimeoを活用する事でより効率的にPRする事ができます。

VimeoのSNS連携

VimeoとYouTubeで社内向け動画

社内向けの動画として活用するなら、YouTubeでも非公開でアーカイブ動画やライブ配信ができます。しかし、社外秘で動画をパスワード保護したい場合や、社内でウェビナーをしたい場合はVimeoの方が向いています。

VimeoとYouTubeをWordPressサイトに埋め込み

VimeoとYouTubeはそれぞれWebサイトに埋め込む事ができます。実際にライブ配信サービスの「PIA LIVE STREAM」では、「チケットぴあ」で購入すると、Webサイトに埋め込まれたVimeoで視聴する事ができます。

すでにホームページやブログにアクセスが集まっている場合は、動画を埋め込んで再生回数に繋げる事ができます。

まだホームページやブログを持っていない方は、世界的に利用されているWordPress(ワードプレス)がおすすめです。

WordPressでは、VimeoやYouTubeの動画ギャラリーを作成できるなど、便利な拡張機能が充実しています。

動画ギャラリーは、以下のようなプラグインをWordPressにインストールすると作成できます。

当メディアのTCDでは、様々なデザインのWordPressテンプレートを用意しています。

ネットショップの商品動画を簡単作成

YouTubeでも動画をアップロードした後に編集できますが、Vimeoは予め動画作成テンプレートが用意されています。一から撮影しなくても文字や画像を入れるだけで企業や商品のPR動画を作成する事ができます。

Vimeoでは、Shopify(ショッピファイ)やWordPressの拡張機能WooCommerce(ウーコマース)のネットショップ内で動画作成できる連携機能があります。こちらを活用する事で簡単に商品動画を作成し、商品ページに埋め込む事ができます。

Vimeo動画を設定するWordPress画面

TCDでは、このWooCommerce用のWordPressテンプレートも用意しています。

まとめ

Vimeoとは、オールインワンな動画配信サービスです。

ユーザー数はYouTubeの方が多いですが、Vimeoは動画販売などの機能が充実しています。どちらかだけでなく、両方とも活用する事で強力な動画マーケティングをする事もできます。

それぞれ特徴が違いますので、あなたのやりたい事に合わせて検討してみてください。