「農作物を、お客さんに直接届けたい。」

そんな想いからネットショップを検討する農家の方も増えていますが、どんなサイト構成にするべきか、どんな機能が必要なのか、悩ましいところです。

この記事では、農家のためのWordPressテーマ「HARVES(ハーヴェス)」に備わっている機能を、活用シーンとあわせて紹介します。

専門用語はできるだけ使わず、直感的に理解しやすい内容にしています。ご自身のネットショップ制作に役立つかどうか、検討の手がかりになれば幸いです。

WordPressテーマ「HARVES」とは

WordPressテーマ「HARVES(ハーヴェス)」は、自分たちの手で育てた農作物を、オンライン販売するためのサイトテンプレートです。無料のネットショッププラグインWooCommerceに対応しており、本格的なネットショップを立ち上げられます。

農作物を農家から直接届ける。そんな販売スタイルを、自分たちで実現できる設計です。

完成イメージを掴みたい方は、デモサイトをぜひご覧ください。

HARVESの販売ページ

できること

オンライン販売に必要な機能を、ひと通り備えています。

  • WooCommerce対応による販売システムの導入
  • 自由度の高い商品ページの作成
  • 商品ランキングページの作成
  • 商品のお気に入り機能
  • 商品の概要を素早く確認できるクイックビュー
  • お知らせやよくある質問の掲載・管理
  • 特集ページのかんたん作成

向いているサイト

HARVESは、次のような方やサイトに適しています。

  • 自家栽培の野菜やお米を販売したい農家
  • 季節ごとの特集を展開するネットショップ
  • 小規模生産者が運営する地域ECサイト
  • 地元の味を届けたい加工食品メーカー
  • 自然食品や発酵食品を扱う専門店

もちろん一例ですので、特徴や機能を活かして他のサイトにも応用いただけます。

HARVESの機能概要

HARVESは、単に商品を販売するだけでなく、その背景にある想いやストーリーを伝える仕組みも備えています。ここからは、実際に搭載されている主な機能をご紹介します。

トップページ

HARVESのトップページは、訪問者に作物の魅力や生産者のストーリーが伝わる設計です。農産物の写真やキャッチコピーを配置することで、第一印象で信頼感を高められます。

ヘッダーコンテンツ

サイトのトップページで最初に見える箇所です。ここには写真付きのキャッチコピーを配置できます。以下の2タイプから選択可能です。

HARVESのヘッダー(全画面)

全画面タイプでは、mp4動画もセットできる仕様です。

HARVESのヘッダー(スプリット)

スプリットタイプは、英語版のデモサイトで実際の表示をご覧いただけます。

どちらのレイアウトも画像1枚から利用できます。

スプリットタイプでは、各画像ごとにリンク先を設定できます。特に見せたい商品ページや特集ページへ直接誘導したいときに活用できます。

メインコンテンツ

メインコンテンツとは、トップページのヘッダーコンテンツ以下の部分を指します。

メインコンテンツは、以下の要素を自由に組み合わせて構成できます。

用意されている項目を入力して、ドラッグ&ドロップで追加・並び替え・削除が可能です。生産者の姿勢やストーリーをアピールできる設定箇所が豊富に用意されています。
デザインコンテンツ 「画像」と「見出し・説明文・ボタン」を横並びで表示します。見出しは縦書き・横書きを選べます。
スプリットレイアウト 「画像」と「小見出し・説明文・ボタン」を横並びで表示。テキスト部分に「背景色」を設定できます。
商品一覧 商品を一覧表示します。表示するアイテムや、並び順・表示個数など詳細に指定可能です。
商品レビュー一覧 お客様から寄せられる商品レビューを表示します。
商品スライダー 「新商品」「旬のおすすめ」など、タイムリーな商品を目立たせたいときに最適です。
商品ランキング 商品をランキング形式(レビュー評価/売上個数/売上金額順)で表示します。
投稿一覧 投稿(ブログ)記事を一覧表示します。
フリースペース HTMLタグ or パターンを表示します。オリジナルのコンテンツ作成に利用します。

詳しい仕様や使い方は、こちらの取扱説明書でご紹介しています。

WooCommerce対応の商品ページ

HARVESは、無料で使えるネットショッププラグイン「WooCommerce」に対応しています。

商品登録・在庫管理・注文受付・支払い処理など、ネットショップに必要な機能を備えた本格的な商品ページをつくれます。

以下の4つに分けてご紹介します。

  1. 商品一覧ページ
  2. 商品ページ
  3. お気に入り機能
  4. 商品をページ内に埋め込む機能

商品一覧ページ

商品カテゴリー・タグ別で検索したり、在庫の有無や、価格帯で絞り込み検索が可能です。

また、HARVESでは次のような「クイックビュー」機能を搭載しています。

商品のクイックビュー

商品ページに移動せずに、商品の概要確認やカートへの追加ができるため、訪問者の離脱を防ぐ導線として有効です。

商品ページ

商品情報は、WordPressのエディタで作成できるので、いろんなバリエーションの商品ページがつくれます。情報量の多いセールスページのように仕上げることも可能です。

ページ下部には、購入者の星付きレビュー(クチコミ)も表示されます。

食品や農産物などは、原材料や産地、保存方法など細かな情報が信頼性に直結します。HARVESの商品説明欄は自由度が高いので、詳細に記載してご活用いただけます。

お気に入りページ

訪問者が気になる商品を保存できる「お気に入り機能」を搭載しており、上記のような専用ページが自動で生成されます。

会員登録なしでも利用できるため、カートに入れずに比較検討したい訪問者にも便利です。

任意の記事やページの中に、特定の商品をカード形式で埋め込んだり、カテゴリ単位で一覧表示できる機能も用意されています。

商品カードリンク

商品一覧

商品カードリンク 商品1点をカード形式で表示。記事中の自然な流れで紹介できます。
商品一覧 指定カテゴリやタグの商品を、任意の場所にまとめて表示できます。

商品カードリンクは、ブロックエディタ内で「/pl」と入力するとすぐに呼び出せます。

商品カードリンクを追加中の画面

以下のように表示されるので、商品ページのURLを入力すれば表示される仕組みです。

[plink1 url="ここに表示させたい商品ページのURLを入力"]

商品一覧は、後述するランディングページテンプレート内でご利用可能です。

設定画面は次のようになっており、特定の商品群をボタン操作のみで追加できます。指定の商品群で特集を組みたいときなどに活用します。

商品群を表示するための設定画面

ブログ記事やキャンペーンページから、商品ページへのスムーズな導線をつくれる機能です。
※「商品一覧」はエディタからでも追加できるように近日アップデートを予定しています。

ページ作成機能

HARVESには、特定の目的に応じたページ作成機能(ページテンプレート)が2種類用意されています。商品紹介にとどまらず、特集やキャンペーン、ランキングなど多彩なページに展開可能です。

特集ページ

季節ごとの商品やイベントなどの特集ページには、ページテンプレート「ランディングページ」が使えます。

たとえば、次のようなページがつくれます。

どれも同じページテンプレートで作成していますが、枚数に制限はありません。本文は、通常の投稿や固定ページと同様にWordPressのエディタで自由に作成できます。

ページの冒頭部分(ヘッダー)の形や本文幅は、次のような設定画面で変更できる仕様なので、ボタン操作のみで再現できます。

ランディングページの設定画面

設定画面内の参考画像見ながら、反映箇所を確認して設定すればOKです。

前述の「商品をページ内に埋め込む機能」も併用できるので、特集ページもかんたんにつくれます。

特定の商品群だけでなく、購入・問い合わせボタンなども複数箇所に設置できるので、キャンペーンページや特別企画ページにも活用いただけます。

商品ランキングページ

人気商品をランキング表示できるページテンプレートです。「レビュー平均評価順」「販売個数順」「販売金額順」など条件に応じた切り替えが可能です。

こちらも設定画面はシンプルで、ランキングの種類、集計期間を指定するのみです。

ランキングページの設定UI

商品の販売数に基づいて自動で順位が変わる仕組みになっています。

訪問者の商品選びをサポートし、購入の後押しにもつながる役割を担います。サイト管理者側で操作は不要で、実際の販売数に連動して自動更新される仕様です。

お知らせの掲載機能

お知らせ掲載機能(カスタム投稿タイプ「お知らせ」)は、最新ニュースや営業情報の掲載、イベント告知などに使えます。

掲載内容はトップページのニュースティッカーなどにも自動表示可能です。

トップページのニュースティッカー

また、アイキャッチ画像は未登録でも使える仕様になっています。

アイキャッチ無しのお知らせページ

お知らせページは、出荷スケジュールの変更や、天候による配送への影響など、タイムリーな情報の周知にも活用できます。

よくある質問の掲載機能

よくある質問の掲載機能(カスタム投稿「よくある質問」)では、お客様からのよくある質問(FAQ)と回答を、投稿形式で管理できます。購入前の不安や疑問を解消し、問い合わせ件数の削減に役立つ機能です。

ネットショップの規模が大きくなってくると、お客様から聞かれる質問も増えてきます。HARVESでは質問にタグをつけて整理できるため、目的の情報を見つけやすくなっています。

よくある質問のタグ

ページ下部のタグをデモページで確認してみてください。クリックしてすぐにFAQを確認できます。

質問と回答を分かりやすく整理できるため、訪問者の利便性を高められます。ネット上で売買を行うECサイトには、欠かせない機能です。

フッター

フッター(サイトの最下部)は、サイト全体を案内する役割も担っています。

フッター

作成済みのページへのリンクはもちろん、利用規約、お問い合わせ、SNSリンクなどを一箇所にまとめられます。デモサイトのフッターは情報量が多いですが、小規模サイトでも無理なく使えるよう、表示形式を選択できる仕様になっています。

メニューを減らして、横表示にしたフッターメニュー

フッター上部の「1万円以上のご購入で、美味しい野菜やお米を配送料無料でお届けします。」と書いている部分は、自由記入欄ですので、WordPressのエディタを使って作成できます。

以下のようなコンテンツを想定している箇所です。

  • 生産者のメッセージ
  • 期間限定のPR情報
  • アクセス情報やGoogleマップ
  • オリジナルの広告画像の設置
上部の自由記入欄やバナーを非表示にしたり、表示形式や内容は柔軟に変更可能です。ブランドや販売スタイル・サイトの規模に合わせて、最適なフッター構成に変更してください。

農作物をオンライン販売するならHARVES

HARVESのスマホモックアップ

HARVESには、「農作物をオンラインで届けたい」という現場の声に応える工夫が詰まっています。ただ商品を並べるのではなく、生産者の姿勢やストーリーまで届けられる構成が特徴です。

すべての機能を使いこなす必要はありません。扱いたい作物や販売方法に応じて、必要な機能だけを選んで組み立てられます。

ネットショップという形を借りながら、自分たちの言葉で農業を伝えていく。そんなサイトづくりを目指す方にとって、HARVESが一つの選択肢になれば幸いです。

WordPressテーマ「HARVES」