副業やフリーランスとして、Webライター業を行う人が増えています。
総務省などの公式な統計データはありませんが、クラウドワークスの登録会員数推移からは副業やフリーランスとして活動する人が増えていることがわかります。このことからもライター人口が増えているという類推をすることは可能です(ライターだけ増えてない可能性もある)。
- 2018年11月:累計登録ユーザー数 約245万人
- 2021年9月:累計登録ユーザー数 約470万人
- 2024年3月末:累計登録ユーザー数 約632.6万人
参考:
後発のクラウドワークスがなぜ先発のランサーズを追い抜きトップシェアになったのか?クラウドソーシング市場の分析|前田直樹
クラウドソーシングの進化で「フツーの主婦」が 3ヶ月で個人事業主になった話 – さくマガ
そこで本稿では、ライター人口が増加している前提で話を進め、今後ライターはどういった方法で食べていくのが最適なのか、長く続けていける仕事なのか、という点に焦点をあててお話します。
目次
多くのWebライターが稼げない理由
多くのWebライターは稼げません。専業で月5万円を超えられない人も多いでしょう。要因は次の通りです。
参入障壁が低すぎる。
副業でライター業を始める人が多い理由は、参入障壁の低さがあります。以下の基準を満たしていれば、誰でも自宅で自由時間を使って始められるからです。
ライターになる最低条件:
- 日本語ができる。
- 基本的なPC操作ができる。
- SEOの基礎知識がある。
また、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスに登録すると、営業活動をしなくても案件を容易に獲得できる環境があります。本来であれば、自身のポートフォリオを作ったり、自分でメディアを作って集客する必要がありますが、バックボーンがたいしてない人でも、条件さえ合えば案件を獲得できる環境が整っていることも参入障壁を下げる要因となっています。
誰でもできて、働き方も自由度で、案件も獲得しやすい。参入障壁を下げる要因がすべて揃っているのです。
差別化できていない。
多くのライターは、みんな同じことをやっています。同じことをやっている=差別化できていない、ということです。
たとえば、クライアントの案件募集への応募の文章、ポートフォリオサイトの作り方、記事の書き方、すべてにおいて同じフォーマットで仕事しているライターばかりなのです。
彼らは情報商材やセミナーで教えられたことをそのままやっているだけなのです。だから、みんな同じ。クライアントから見たら、みんな同じに見えています。
単価が安い。
ライターの単価が安くなりがちな理由は、ライターの数が多いこと
参入障壁の低さゆえに、報酬単価も低くなりがちです。高度な職能を求めていない案件(ただ文字数が必要なだけの案件)が多いのも、単価が安くなる原因です。
クラウドソーシングには、0.3円〜1円/文字の案件も多い中、クラウドソーシングでライターの仕事を探すのは非常に効率が悪いです。
クラウドソーシングは、あくまでもステップアップとして練習させて頂くつもりで取り組むのが良いでしょう。
生成AIで代替できる。
ChatGPTなどの生成AIがそれなりの記事を用意できるようになったため、コンテンツ作成にAIを導入する企業も増えてきました。
そのため、AIと同等以下の記事しか書けないライターには何の価値もありません。クライアント側も依頼する意味がないので、今後ライターで生活していくことは難しいでしょう。
Webライターが稼ぐためにできること
先に述べた4つの理由から、Webライターで稼ぐのは簡単ではないと書きました。その上で、Webライターが稼ぐための道は一つしかありません。生成AIを使わずに書けるライターになることです。
多くのライターは生成AIを使って記事を書きます。ゆえにつまらないし、AIによって代替可能。つまり、生成AIを使って記事を書いている時点で、袋小路に突き進んでいるのです。
人は人が書いたものを読みたいと思います。AIに意思はありません。意思なき声にも情報としての価値は一定あるかもしれませんが、たいした価値はありません。自分のChatGPTに聞けば良いだけだからです。
ライターとして生きていくのは、「この人でなければ書けない」文章を提供する必要があります。「あなたの考えが聞きたい」そういう状況を作る必要があるのです。生成AIを使ってもそこに辿り着けません。
その上で、現在進行系で稼いでいるWebライターは次のことを行っています。
- 独自の経験や考えから書ける
- 検索上位に表示させる記事が書ける
- 綺麗な画像が作成できる
- メディアと直接契約を結ぶ
- コンサルティング意識がある
独自の経験や考えから書ける
生成AIは論理的に文章を構成するものの、おもしろい内容ではありません。内容には深みがなく、常にフラットです。当然ながら人間味はありません。
ChatGPTと会話していて、「やたら肯定してくるな……」と感じたことはありませんか? その優しさの裏には、AIの設計思想や学習の仕組み、そして私たち自身の思考パターンが潜んでいます。 本記事では、ChatGPTがなぜ「イエスマン」のように振る舞うのか、その背景と、AI時代に必要な前提思...
生成AIに人間が勝てる、というか全く別物の価値を提供できるとすれば、思考した形跡がある深みのある記事を書くことです。深みは生成AIには出せません。
そのために、いつも自分で考える。ChatGPTやGoogle検索に答えを求めるのではなく、常に考える癖をつけることです。そして、考えたことを実行に移す。その経験の蓄積が人としての深みとなり、記事の深みにも繋がります。人はそうした読み物を読みたいものなのです。
答えの決まっているハウツー情報をメディアで発信する場合でも、考える癖がついている人は記事にどこかしら人間臭さが出るものです。そこに価値があります。
検索上位に表示させる記事が書ける
クライアントに提供した記事が検索順位にどのように影響するかは、ライター自身の価値となります。いくら独自の考えを披露しても、検索順位が良くなければ評価されません。
SEOの基礎知識を身に着けた上で、自分が書いた記事が狙ったキーワードで何位に来ているかを確認しましょう。もし上位に来ていなければ、なぜ上位でないのか、上位の記事と比較しながら検証する必要があります。
また、検索順位は1ページの記事単体で決まるものではありません。総力戦です。ドメインパワーももちろん影響しますし、サイト自体の専門性、関連記事の有無と内部リンクや被リンク。様々な要素が絡み合って順位が決まります。
クライアントには、「〇〇のキーワードで記事を書くと、xxのページの順位を押し上げることができます」といった建設的なアイデアとともに提案すると、より信頼を獲得できます。
綺麗な画像が作成できる
記事中で使う画像は、ページの品質を上げるのに大切な要素です。
しかし多くのWebライターは、画像を綺麗に作ることができません。綺麗にどころか、なんとかリサイズや文字入れができる程度のスキルしかないことがほとんどです。元々Web制作の経験がない方が大半なので、画像を綺麗に作るという意識がないことが多いです。
そのため、サムネイルや記事中の画像を綺麗に作れるようになると、他のWebライターとは大きなアドバンテージになります。アイキャッチをYouTubeのサムネイル風の広告テイストな画像が作れたりすると、それもあなたの価値に繋がります。
画像が綺麗に作れるライターは希少なので、あなたの仕事が増えるきっかけになります。
アプリやウェブサービスの使い方を記事で説明する時にパソコンやスマホの画面をスクリーンショット(キャプチャ)して、使うことが多々あります。マニュアルを作る際にもスクリーンショットは欠かせないスキルです。ただ、スクリーンショットはただ取得すればいいわけではなく、見せ方が重要になります。どこをどう見せるか...
メディアと直接契約を結ぶ
Webライターとしての力をつけたなら、案件はクラウドソーシングで探すのではなく、メディアと直接契約を結ぶようにしましょう。
情報発信に力を入れている有力メディアであれば、1記事あたり1〜5万円くらいの報酬があります。報酬は一律ではなく、あなたが書いた記事の品質によって決まることが多いです。
弊メディアでもライター募集をしていますが、このようにライター募集しているサイトも多いです。ここでなら記事を書いていけるというメディアを選んで、ライター募集に応募してみましょう。
コンサルティング意識がある
Webライターとしての価値を最大化して企業に売るには、「コンサルティング」も兼ねることです。
稼げるWebライターの仕事内容は、記事の提供だけではありません。クライアントのメディア全体の集客戦略(主にSEO)をコンサルティングするくらいの意識でやるべきです。1ライターとして記事を提供するだけでは大きくは稼げません。
なぜなら、その方がクライアントに価値を提供でき、その分の見返りも大きくなるからです。クライアンのWebサイトを分析し、どうすれば集客力と売上が上がるのかの戦略を考える。戦略から導き出した、ライターとしてできる手段を提案するのです。
たとえば、クライアントがリフォーム会社ならリフォームの申込みに繋がるキーワードを分析し、どのように誘導していくかも含めて提案する。その企業のWeb集客をまるごと担当する意識でやるのです。
このようにして一企業の重要なポジションに立つことで、報酬も多くいただけるようになります。もちろん、成果を出しても頑張りを評価してくれない企業もありますが、その場合は速やかに立ち去るのが良いでしょう。
Webライターの他の収入源
自身がプレイヤーとしてライターを続けることも一つの選択肢ですが、他の収入源を増やしてリスク分散を図るのも、長期的に生活していくために必要な考え方です。ライターは競争率も高く、ずっと食べていけるプレイヤーは一握りだからです。
Webライターというスキルを活かしながら、無理なく続けられる他の収入源はこちらです。
- メディア運営
- 記事作成サービス
- 集客コンサルティング
メディア運営
自身のブログやメディアを運営することは、次のメリットがあります。
- ライターとしての実績になる
- スキルを養うことができる
- アフィリエイト・広告収入が入る
ライターが、自分のメディアを育てることは、収入の分散化になるだけでなく、次で紹介する収入源を確保する際の信用獲得の材料にもなります。成功したメディアを持っている方が説得力があり、依頼をもらうきっかけにもなります。
メディアは一つだけでなく、複数のサイトを立ち上げても良いでしょう。その場合、1つのWordPressテーマで様々なレイアウトのメディアが作成できる「PANDORA」がおすすめです。
記事作成サービス
企業向けに記事作成サービスを立ち上げます。要はSEOコンサルティング会社がやっていることと同じなのですが、ライターとして成果を出していればできる事業なので、それをやるわけです。
この事業はクライアントから月5〜10記事を納品する契約を獲得し、それをお抱えのライターに記事作成を依頼することで成立します。優秀なライターを複数人抱えつつ、クライアントへの営業もうまくいけば事業は回り出します。
これもライター自身が運営するブログやメディアが成功している実績を持っていると、案件を受注しやすいので、ライターがメディアを運営するのは必須ですね。
集客コンサルティング
優秀なWebライターは、記事を執筆するだけでなく、キーワード戦略からブランディングまで集客メインのコンサルティングができます。
1記事いくら、という報酬形態ではなく、月額いくらという契約形態に変更し、クライアントの集客を保証するのです。コンサルをするには、幅広い経験が必要となります。
クライアントの売上が実際に上がるように持って行く。そのためには、自分がお役に立てる分野の企業を選ぶ必要があります。また、クライアント側の担当者(あるいは社長)が売上アップに協力的であることも大切です。
そうして吟味したクライアントを2〜3社持っていれば、あなたは高収入を得られるでしょう。
ライターで長く稼げる人はほんの一握り
ということで、ライターが稼げない理由や稼ぐためにはどうすればいいか等について書きました。
YouTubeやアフィリエイトでも、稼げる人はほんの一握りです。ただ、稼げる人はとんでもなく大きな売上を上げる。一方で、ライターはある程度の日銭は誰でも稼げるものの、とんでもなく稼いでいる人もいない印象です。広告のコピーライターになってくると話は別ですが。
Webライターは誰でもできるがゆえに、差別化がすべてです。そんな中、生成AIを使っているライターに将来はありません。目の前にある単価の安い案件を拾うことしかできない。
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