「LTV」というマーケティング用語を聞いたことがありますか?

ネット通販、デジタルデータ販売、サブスクリプションなど、Eコマース全般でよく耳にするマーケティング用語です。本稿ではLTVとは何かということと、その重要性について解説しています。

LTVとは?

LTVとはライフタイムバリュー(lifetime valu)の略で、「顧客生涯価値」という意味です。一人の顧客が自分のビジネスやブランドに生涯もたらす金銭的価値を評価したものです。

Eコマース市場において「LTV」という言葉をなぜ頻繁に耳にするかというと、インターネット広告の性質に原因があります。インターネット広告は1人あたりの新規の顧客獲得単価・コンバージョン値を詳細に計測&調整できます。

つまり、LTVが高いほどたくさんの広告費をかけられるという実利的な理由があるのです。

顧客生涯価値は、新規獲得単価の適切性を判断する材料になります。例えば次の場合、「ターゲット層をさらに広げても問題ない」という判断ができるかもしれません。

新規顧客の獲得単価:3000円
顧客生涯価値:10000円

LTVはどうやって計算するの?

LTVをシンプルに売上で割り出すなら、これです。

累計売上 ÷ 累計顧客数 = 顧客生涯価値

LTVの数字を実用面でどう使うかで計算方法を変えるのもありでしょう。売上ではなく粗利益で計算してもいいし、期間を定めてもいいでしょう。

ただ、この計算の穴があるとすれば、LTVは変化するものであることと、ビジネスが終わらない限り最終結果が出ないことです。ということは、正確な顧客生涯価値を計算することは事実上不可能ということです。

LTVが重要な理由と注意点

顧客満足度を測れるから

顧客と長いお付き合いをすれば、必然とLTVは上がります。つまり、良い商品・サービスを提供できているかが重要だということです。

Apple製品のLTVが高いのは、「iPhoneやMacBook以外ではダメ」といった熱狂的な顧客を数多く持っているからです。そうしたユーザーを増やしつつ、大事にすることでLTVは自然と上がっていきます。

LTVは、顧客満足度と連動させて状況把握した時にもっとも役立つ指標となるでしょう。

広告予算をかけられるから

LTVが高ければ、広告により多くの予算を振り向けられます。

広告費に予算をかけても、回収できる見込みがあればより広範囲のターゲットに対してアプローチが可能です。それはつまり、強力なマーケティングが展開できるということです。

よりよい商品開発の環境が整うから

LTVが上がることで、コストの回収率の予測がつきます。そうすれば、商品開発にもどのくらいの予算をかけてもいいかが見えてきます。

顧客にきちんと価値提供できていれば、自然と商品開発の環境も充実していくことになります。

注意:盲信しすぎないこと

LTVは、内的・外的要因などの様々な要因が絡みながら、生き物のように刻々と変化しまうす。少し商品内容を変えただけで影響は出るので、常に感度を高くして空気感を察知しておく必要があります。

また、顧客に「お金をたくさん使わせる」のではなく、顧客満足度を上げた結果としてLTVがついてくるという考え方でなければ、必ず失敗します。何のためのLTVかを履き違えないことが大事です。

まとめ:長期的にいいサービスを提供する

LTVとその重要性について解説しました。

カタカナ用語のため、なんだか重要な指標に思われがちですが、「働く」の語源も「端を楽にする」から来ている通り、日本では昔から「人のために働く」という概念があります。

結局のところは、周りの人達を楽にしてあげるいい商売をしていれば、LTVも自ずと上がってくるということだと思います。