WPCodeは、WordPressサイトにコードスニペット(プログラミングにおけるコードの断片)を安全かつ簡単に追加できる、人気の無料プラグインです。
本記事では、WPCodeの使い方やLite(無料)とPro(有料版)の違いなどを、実際の画面とともにわかりやすく解説していきます。
目次
WordPressテーマ「GLUE」
無料で高機能なWordPressテーマが手に入る。WPCodeとは?
WPCode(旧名:Insert Headers and Footers)は、PHPやJavaScriptなどのカスタムコードを安全に追加・管理できるWordPressプラグインです。
テーマのfunctions.php
を直接編集することなく、コードを追加できるのが大きな利点です。安全性と汎用性の高さから、初心者から開発者まで幅広く利用できます。

WordPressの「functions.php」ファイルは、初心者はあまり触らない方が無難です。 色んなカスタマイズが可能な反面、操作を間違えるとエラーが出てしまうリスクがあるからです。 そこで本稿でご紹介するのは「Code Snippets」というプラグイン。functions.ph...
メリット
- テーマファイルを編集せずにコードを安全に追加:テーマ更新でコードが消える、サイトが真っ白になるなどの問題を回避。万が一テーマが壊れても、WPCodeに保存されたスニペットは残る。
- スニペットライブラリ(テンプレート集)から簡単に追加:「コメント機能の無効化」や「SVGのアップロード許可」など、100種類以上のよく使われるコードがすぐ使える。
- コード生成機能 & AI支援:フォーム入力でコードを自動生成したり、AIに最適なコードを書かせたりできる。手動で完全オリジナルのコード編集も可能。
- スニペットの詳細な制御:投稿ページだけ・管理者だけ・モバイルのみ・WooCommerceの商品ページだけ…といった条件を指定してコードを自動実行可能。
- ヘッダー/フッターに簡単にスクリプト追加:Googleアナリティクスや広告タグなど、サイト全体に影響するスクリプトの追加が簡単。
WPCodeは、コード編集に不安がある方でも、簡単にカスタマイズできるおすすめのプラグインです。
デメリット
- セキュリティ設定との相性問題:コードを保存した際、サーバー側のWAF(Webアプリケーションファイアウォール)の設定により、エラーが出ることがある。一度WAFをOFFにしてからコードを編集し、再度ONにする必要あり。
- セキュリティリスクを伴う使い方ができてしまう:悪意のあるコードや危険な関数も登録可能。複数人で管理している場合や、セキュリティ意識が低いとリスクが増す。
- 管理画面が煩雑になることがある:スニペットをたくさん登録していくと、どれがどの目的か分かりづらくなる。
- 他のプラグインやテーマ機能との重複・干渉:構造化データ、広告表示、アクセス解析タグなど、他の専用プラグインでも同じことができるため、二重挿入・競合の可能性が出てくる。
WordPressテーマTCDでは、TCDテーマオプションからサイト全体やページ別にコードを追加可能です。WPCodeと重複・干渉しないよう設定に注意しましょう。
WPCode LiteとProの主な違い
機能 | Lite | Pro |
---|---|---|
コードタイプ | HTML、CSS、JS、PHP、テキスト | HTML、CSS、JS、PHP、テキスト |
条件付き表示 | 基本的な条件設定 | ページ単位・デバイス別など高度な制御 |
スニペットライブラリ | 100以上の常用スニペットが利用可能 | 全Lite機能+クラウドへの保存・共有 |
リビジョン(履歴) | × | ◯ |
複数ユーザーの利用 | × | ◯ |
AIによるコード生成 | × | ◯ |
WooCommerceとの連携 | 基本的なフック利用可 | 購入フックやカート状況に応じたコード実行 |
価格 | 無料 | Plus(5サイト):$99/年 Pro(25サイト):$199/年 Bundle(100サイト): $349/年 |
Lite(無料版)の主な機能
- コードの安全管理:HTML/CSS/JS/PHPのスニペットを安全に管理できる。
- カスタマイズの基本機能:条件付き表示や自動挿入など、基本的な機能はほぼ網羅。
- スニペットライブラリ:登録されている100以上のコードをそのまま使える。
Pro(有料版)の主な機能
- クラウドスニペット機能:自分だけのコードライブラリで再利用可能。
- リビジョン(履歴)管理:過去のバージョンとの差分比較や復元が可能。
- AIコードジェネレータ:説明文だけでコードを自動生成・更新できる。
- 細かな条件設定:特定ページやデバイス別、WooCommerceフックに応じてスニペット出し分け可能。
- ユーザー権限制御:チームやクライアントとの共同管理が可能。
WPCodeの使い方
インストール方法
WordPressにログイン後、管理画面から以下の操作でインストールします。
- プラグイン > プラグインを追加
- WPCodeを検索
- 今すぐインストール > 有効化
インストール後、WordPressの管理画面左メニューに以下のような項目が追加されます。
- コードスニペット:登録済みのスニペットを一覧表示し、有効・無効の切り替えや編集できる。
- +スニペットを追加:HTML、CSS、PHP、JavaScript、ショートコードなど新しいスニペットを追加可能。
- ヘッダーとフッター:headタグやbody終了タグ直前にコードを挿入したいときに使用します。
- コンバージョンピクセル(有料版):広告やアナリティクス用のトラッキングピクセル(Metaピクセルなど)を簡単に設定できる機能。
- ライブラリ:WPCode公式が提供する事前登録済みスニペット集。目的に合ったコードを選んでワンクリックで追加可能。
- ファイルエディター(有料版):テーマファイルやプラグインファイルを直接編集できるエディター。
- Search & Replace:同社によるサイト内の文字列を一括置換するプラグイン「Search & Replace Everything」の案内とインストール。
- Backups:同社によるバックアップ作成プラグイン「Duplicator」の案内とインストール。
- ツール:スニペットのインポート/エクスポートなど、補助的な機能や設定。
- 設定:WPCode全体の基本設定画面。プラグインのメニューを「ヘッダーとフッター」のみを表示、ダークモードのON/OFFなどの設定が可能。
- プロ版にアップグレード:有料版(Pro)へのアップグレード案内と購入リンク。
コードスニペット
WPCodeのメニューにある「コードスニペット」を選択すると、あらかじめ用意されたコードを追加するか、手動でコードを追加・管理できるメイン機能です。
スニペットの追加手順は以下のとおりです。
- 左側のメニューから「コードスニペット」を選択
- 「新規追加」をクリック
「スニペットを追加」のページに切り替わり、「スニペットライブラリー」のタブが自動的に開きます。
上部の各タブでは、以下のような操作や設定ができます。
- スニペットライブラリー:公式テンプレート集からスニペットを追加。カスタムコードを手動またはAI(有料版)でも作成可能。
- スニペットジェネレータ:選択式フォームに入力するだけのスニペット編集機能
- プラグインスニペット:インストール済みプラグインと連携して使える、専用スニペットの一覧
- マイライブラリ(有料版):自分で過去に保存したスニペットを一覧表示
スニペットの追加方法
ライブラリーの左のカテゴリーメニューから常用スニペットを探すことができます。カテゴリーページを開くと、右側にスニペット一覧が表示されます。
また、「カスタムコード」からオリジナルのスニペットを入力できます。
追加するには、使いたいスニペットの上にカーソルを合わせ、表示された「スニペットを追加」などのボタンをクリックします。
以下のスニペットのコードタイプを選択します。
HTML
:テキスト、画像、表などを挿入できるコードを追加。- テキスト:プレーンテキスト(文章や文字列)を登録・再利用できるスニペット。カスタム通知文や定型文に。
- ブロック(有料版):ブロックエディター(Gutenberg)の投稿画面で、再利用可能なブロックの自作機能
CSS
:ウェブサイトのデザインを整えるコードの追加。テーマを編集せずに調整可能。SCSS
(有料版):Sass記法に対応したコードを使える。JavaScript
:ツール、クイズ、ゲームなどを作成できるコードをサイトに追加。PHP
:WordPressの様々なカスタマイズや拡張機能を安全に実装。- ユニバーサル:複数の言語を混ぜるなど任意のコードを自由に記述可能。幅広い用途に使える汎用スニペットタイプ。
選択後、常用スニペットは、画面上にタイトルとコードがあらかじめ入力された状態で表示されます。
カスタムコードを作成する場合は、スニペットのタイトルとコード内容を自由に入力できます。入力ミスがある場合は、該当行にエラー表示(赤い✕)が付きます。

WordPressはプラグインで機能を強化していくことができますが、それ以外にもテーマ内にあるfunctions.phpにコードを記入することで様々な機能を追加することができます。 これらの何度も使い回せるコードのことを“スニペット”と読んでおり、覚えておくことでいろんな場面で役に立たせること...
下にスクロールすると、さらに任意の設定項目が表示されます。
- 自動挿入:スニペットを挿入するページや場所を指定可能。ただし、コードに表示箇所を指定してある場合、「あらゆる場所で実行」にして確認・修正が必要。
- ショートコード:先に画面右上の「更新」をクリックすると、自動的にスニペットのショートコードが表示。サイト内の任意の箇所に貼り付けて使用する。任意で「属性」の追加や、「Locations Used」でスニペットの使用箇所の確認も可能。
- デバイスタイプ:スニペットの読み込み場所を全てのデバイス、デスクトップのみ、モバイルのみで選択可能。
- スマートな条件付きロジック:ロジックを有効化すると、スニペットを自動挿入するページを制限できる。
ページ最下部には、基本情報が表示され、以下の項目を設定できます。
- タグ:スニペットのグループ分け。
- 優先順位:小さい数値に設定しているスニペットを優先的に実行(初期設定は10)。
- メモ:登録したスニペットごとのメモ。
その後、右上の「無効」を「有効化」に切り替えてから「更新」をクリックしてください。「更新」だけではコードは実行されませんのでご注意ください。
以下、実際にスニペットを登録して動作させた画像です。全ての投稿のタイトル下に、枠線と文が表示されました。
スニペットジェネレータ
WPCodeのスニペットジェネレータは、コードの知識がなくても、フォーム入力だけでカスタムスニペットを作成できる機能です。
主に、検索エンジンに内容を正しく伝えるための「構造化データ」関連のスニペットが多い傾向があります。構造化データはSEO対策だけでなく、近年注目されているLLMO対策にも効果があると考えられています。
参考記事:構造化データ マークアップとは | Google 検索セントラル
スニペットジェネレータは、以下の手順で作成できます。
- スニペットジェネレータのタブをクリック
- カテゴリーから生成できるスニペットを探す
- 使いたいスニペットを選択
「情報」のページが開き、概要が表示されます。今回は、「Article Schemaジェネレータ」の画面で解説します。こちらは、記事の構造化データを生成する機能です。
ジェネレータの左メニューから各ページを開き、設定を行います。入力後、各ページ内に「コードを更新」というボタンが表示されていますので、必ずクリックして更新してください。
下にスクロールし、「スニペットを使用」または「コードをコピー」を押して、使用します。
「スニペットを使用」をクリックした場合は、コードを編集できます。今回の構造化データ(JSON-LD)はHTML内に記述されるため、コードタイプは「HTMLスニペット」で問題ありません。
前述した「スニペットの追加」と同じ手順で入力し、最後に「無効」を「有効化」し、「更新」を押したら完了です。
プラグインスニペット
プラグインスニペットのタブを開くと、同社のWordPressプラグインの機能を拡張・カスタマイズするためのコードを、簡単に追加可能です。
利用方法としては、使いたいプラグインのインストールボタンをクリックします。
インストールしたプラグインの設定画面になりますので、任意で入力します。その後、再び次の手順で操作します。
- コードスニペット > +スニペット追加
- プラグインスニペットをクリック
- インストールしたプラグイン用のスニペットを選択
同様にスニペット編集画面となりますので、必要に応じてタイトルとコードの編集をします。右上の「無効」を「有効化」し、「更新」をクリックして完了です。
ヘッダーとフッター
WPCodeから「ヘッダーとフッター」を選択すると、以下の3箇所にコードを入力可能です。ただし、国産のWordPressテーマでは、同様の設定項目があることが多いため、重複しないよう注意が必要です。
追加場所 | できることの例 |
---|---|
ヘッダー(<head> ) |
・Googleアナリティクスのタグ ・Search Consoleの認証タグ ・メタタグなど |
ボディ開始直後(<body> の直後) |
・タグマネージャー(GTM) ・チャットウィジェットの埋め込みなど |
フッター(</body> の直前) |
・JavaScriptの読み込み ・広告タグや追跡スクリプトなど |
設定方法としては、以下の手順で行います。
- コードスニペット > ヘッダーとフッター
- 任意の箇所にコードを追加
- 「変更を保存」をクリック
よくある質問(FAQ)
Q. functions.phpに直接書くのと何が違うの?
A. WPCodeを使うと、テーマのアップデートでコードが消える心配がなく、安全に管理できます。
Q. 501エラーが出る
A. PHPスニペットを更新すると、「501エラー(Not Implemented)」が表示される場合、多くはサーバー側のWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が原因です。
必要なスニペットを追加したい場合、一度WAFをOFFにしてコードを入力した後、再度ONにしましょう。
Q. WPCodeが動かない
A. キャッシュやプラグインの競合が原因の可能性があります。キャッシュの削除や、他のプラグインの無効化を行いましょう。

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まとめ
WPCodeを活用すれば、安全に複雑なカスタマイズができ、サイトトラブルのリスクも大幅に軽減されます。コードに不安がある初心者の方でも、安心して使えるのが魅力です。
まずは無料版から使い始めて、必要に応じてPro版へのアップグレードも検討してみましょう。
WordPressテーマ「GLUE」
無料で高機能なWordPressテーマが手に入る。
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