Webライターとして駆け出したばかりで、案件も収入もほとんどない。もしもそのような状況であれば、自身でWordPressサイトを立ち上げてみることをおすすめします。
実際の現場では、WordPressを一通り操作できるライターが優遇される場面も多く、触ったことがないというだけで選考対象から外れてしまうケースもあります。
本記事では、WordPressの運用がライターのスキルと実績をどのように底上げし、案件獲得のチャンスを広げるかを具体的に解説します。
目次
WordPressを使えるかどうかで、
仕事の幅に差がでる
Webライター向けの案件では、WordPressの操作スキルを求められることが少なくありません。
実際、ライター募集ページでも「WordPressへの直接入稿が可能な方を優遇」といった文言をよく目にします。筆者自身も、現在契約している9社のうち5社で「WordPressへの入稿」までが業務範囲に含まれており、いずれも比較的高単価の案件です。
たとえ入稿マニュアルが用意され、「未経験OK」とされている案件であっても、WordPressに慣れている応募者と、まったく触れたことのない応募者では、前者のほうが選ばれやすいのは明らかでしょう。
つまり、WordPressが使えるかどうかで、受注できる仕事の幅が変わってくるということです。
WordPressを運用して得られるもの
WordPressの運用は、単に記事を投稿するだけの作業ではありません。自分のメディアに実績が積み上がることはもちろん、Webの基礎知識、ライティングスキル、さまざまなWordPress環境への対応力など、ライターとしての総合力を育む場でもあります。
ここでは、WordPressを活用することで得られる具体的なスキルや経験について、より踏み込んで解説していきます。
- ポートフォリオとして活用できる
- Webライティングの基本が自然と身につく
- 応募できる案件の幅が広がる
- クライアントごとのWordPress環境にも対応できる
- 収益が得られる
- クライアントから仕事の依頼が入る
ポートフォリオとして活用できる
WordPressは、初期設定やサーバー代といったコストや手間がかかるため、多くの場合「収益化を目指したい」「副業に挑戦したい」といった明確な目的を持つ人が選びやすいプラットフォームです。
そして、収益化などの目的を達成するには、読者の悩みを解決する記事作りが欠かせません。その結果、WordPressには読者視点の記事が蓄積されやすく、クライアントに示すポートフォリオとしても強い説得力を持ちます。
一方、無料プラットフォームは手軽に使える反面、日記的な投稿が多く見られ、ビジネス用途の実績としてはカウントできない場合もあります。もちろん、何を書くかは自由ですが、クライアントが求めているのは「読者に向けて書かれた、成果につながる記事」です。
実際に筆者も、副業で運営していたWordPressブログに約200本の記事を投稿していたことが評価され、希望していたメディアの編集職に採用された経験があります。
そのブログには、「読者目線」を意識した、実績として提示できる記事だけを積み上げていました。

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Webライティングの基本が自然と身につく
WordPressで記事を書き続けると、Webライティングに欠かせない基礎力が自然と身につきます。
たとえばh2〜h4の階層を意識した見出し構成や、装飾・埋め込み作業を通じてHTMLやCSSなど最低限のWeb知識に触れる機会が得られます。
さらに、サイト全体のデザインを整える「テーマ」の設定や、SEO 対策・お問い合わせフォームの設置・表示速度の改善といった「プラグイン」のカスタマイズにも挑戦することになるでしょう。
こうした実践を重ねるうちに、単に記事を書くという視点を超え、「サイト全体をどう設計するか」という一段上の視座が養われていきます。
これらの学びは、note やはてなブログなど無料プラットフォームでは得にくい、WordPress ならではの大きなメリットと言えます。
応募できる案件の幅が広がる
WordPressの操作に慣れておくことで、応募できる案件の選択肢は確実に広がります。
冒頭でも触れたとおり、「WordPress入稿ができる方を優遇」と明記された案件は多く存在します。なぜなら、多くのクライアントが多忙で、WordPressの基本操作を一から教える余裕がないからです。
こうした背景を踏まえれば、最初から「使える人」=即戦力が採用されやすくなるのは、ごく自然な流れと言えるでしょう。
加えて、スキルをアピールできれば、「入稿作業も任せたい」という理由で報酬が上乗せされることも十分にあり得ます。
クライアントごとのWordPress環境にも対応できる
WordPressと一口に言っても、クライアントによって操作画面や仕様は大きく異なります。
なかには、直感的に操作できるものもあれば、最低限のHTMLの知識がないと対応が難しいものもあり、その違いに戸惑うことも少なくありません。
一方、自分でWordPressを運用していれば、多少仕様が違っても「これはあの機能の応用だな」と直感的に理解しやすくなります。基本構造が頭に入っているため、初めての画面でも必要以上に迷うことがないのです。
こうした対応力があると、「特に指示を出さなくても仕事を進めてくれる人」「コミュニケーションコストのかからない人」として評価され、継続依頼や報酬アップにもつながりやすくなるでしょう。
収益が得られる
WordPressサイトを育てていくと、閲覧者も増えてくるようになります。そうすると、アドセンスやアフィリエイトなどの広告を貼ることで、サイトが収益化できます。月に数千〜数万円でも安定収入があれば、ブログを更新するモチベーションも湧いてくるものです。
また、どうすればサイトで収益を得られるかというクライアント側の視点を体験することに繋がります。どういう記事がクライアントに喜ばれるかという視点での提案もできるようになるのが大きいです。
ブログ・メディアで広告収入を増やしていくつもりなら、こちらのWordPressテーマがおすすめです。
クライアントから仕事の依頼が入る
毎月安定して広告収入を得られるだけのWordPressサイトを持っていれば、クライアント(メディア)側からライター案件の依頼が入ることもあります。
有望なライターを抱えているメディアは、知見や経験、文章力のあるライターを検索エンジンやSNSで常時リサーチしています。特に、あなたが特定ジャンルで検索上位を獲得している記事(ミドルキーワード以上)を書いていたら、その力量を買って依頼されるクライアントもいます。
相手方から依頼が入る場合は、高単価となるケースが多いので、ライター収入も安定します。窓口としてWordPressサイトを育てていくメリットは小さくありません。
WordPressサイトの開設は、
想像以上に簡単
最近では、レンタルサーバー各社が「WordPress簡単インストール」といった機能を提供しており、初心者でも10分ほどでWordPressサイトを開設できるようになりました。
申し込み時に必要事項を入力するだけで、サーバーの契約からドメインの取得、WordPressのインストールまでが一括で完了します。
初期費用はサーバー代+ドメイン代を合わせて、年間およそ1万円前後が目安。
面倒に感じると思いますが、実際にやってみるとそこまで難しくはありません。まずは一歩踏み出して、ぜひ自分のサイトを立ち上げてみてください。
WordPressの開設手順を詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

WordPressは世界中で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)。WordPressを利用すると、ブログ・コーポレートサイト・ネットショップなど様々なホームページが作成できます。 WordPressを利用するには、レンタルサーバーとドメインが必要です。WordPressサイトを公...
WordPressで記事を書くうえで、
まず意識すべきこと
Webライターとして成果を出すには、自分の経験をもとに「誰かの課題を解決する記事」を書くこと、そしてその取り組みを継続することが欠かせません。
以下では、こうした基本姿勢について、さらに詳しく解説します。
「誰かの役に立つ」記事を書く
WordPressに限ったことではありませんが、記事を書くうえでまず意識したいのは「読者にとって価値があるかどうか」という視点です。
たとえばキャンプが好きなら、「買ってよかったキャンプグッズ◯選」や「初心者におすすめのキャンプ場」など。TOEICで高得点を取った経験があるなら、「短期間でスコアを上げた勉強法」などが考えられます。どれも「自分の経験をもとに、読者の課題を解決する」ことを目的とした記事です。
一方で、誰の役にも立たない日記や感情的なポエムのような記事は、Webライターとしてのトレーニングにはなりません。クライアントから求められるのは、「読者の課題を解決する記事」だからです。
クオリティは後、継続が先
記事を書き始めたばかりの段階で、いきなり完璧なクオリティを目指す必要はありません。むしろ、完成度にこだわりすぎると手が止まり、継続すること自体が難しくなってしまいます。
何事もそうですが、量をこなす中で自然と質は高まっていくもの。だからこそ、最初のうちは「続けること」を最優先にしてみてください。
ここで気をつけたいのは、「1週間に1本書く」といったノルマに縛られすぎないことです。書くペースは人それぞれですし、本数だけを追いかけると内容が薄くなり、実績として残りにくい記事になってしまうこともあります。
その代わりにおすすめなのが、「1日に1時間半は記事を書く」と決めて取り組む“時間ベース”の考え方。「週に何本書くか」はコントロールしづらい部分もありますが、「書く時間を確保すること」なら自分の意思次第でコントロールできるはずです。
最初はAIを使わないが吉
AIを使えば、「それっぽい」文章をすぐに生成できます。しかし、最初からAIに頼りすぎてしまうと、自分で文章を考える力が育ちませんし、AIが出力した文章が「良いか悪いか」を判断する力すら養われないでしょう。
その結果、見た目だけは整っていても中身のない文章、場合によっては誤情報だらけの記事を納品してしまい、クライアントからの信頼を失うリスクさえあります。なお、クライアントに優秀な編集者がいれば、生成AIをどの程度活用しているかはひと目でバレます。結局は自身の経験からしか文章は生まれないので、あなたの経験にないものが書かれていれば、それは不自然な形で現れることになる。
生成AIありきの記事しか書けないとクライアントから見透かされれば、あなたの価値は下がることになるでしょう。
だからこそ、先ほど「まずは量をこなすべき」と書いた話にも通じますが、最初のうちは自分で文章をひたすら書き続けること。そうした地道な積み重ねでしか、ライターとしての「地肩」は残念ながら鍛えられません。
まとめ
WordPressへ直接入稿できるライターは、即戦力としてクライアントから重宝されます。さらに、運用しているサイトそのものが、実績を伝える強力なポートフォリオや収入源にもなります。
WebライターがWordPressサイトを運営することは、メリットばかりというわけです。
「Webライターとして活動したいけど、何から始めればいいのかわからない……」
そんな方はまず、自分のサイトを開設し、読者の役に立つ記事を少しずつ積み上げていってください。その地道な取り組みが、他のライターとの差別化につながり、やがて仕事のチャンスにも結びついていくはずです。
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