PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)は、Googleが提供するウェブページの速度・パフォーマンスを測定するツールです。スコアが低いとSEOにも悪影響を与えるため、特にWordPressユーザーにとって対策は必須です。

この記事では、TCDが長い期間WordPressテーマ開発で培ってきたWordPressサイトのPageSpeedスコアを上げる具体的な方法をわかりやすく解説します。実際に弊社がやってきた方法なので、あなたもそのままご利用頂けます。

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PageSpeed Insightsとは

PageSpeed Insightsのサンプル

PageSpeed Insightsは、Googleが提供する公式ツールで、Webサイトの表示速度やユーザー体験(UX)を数値化して評価してくれます。

サイトの読み込み速度や反応の良さを測定し、問題点を具体的に指摘してくれるので便利です。

表示速度が遅いと、訪問者や検索エンジンの評価(SEO)にも悪影響を与えるので、PageSpeed Insightsのスコアは重要な指標のひとつといえます。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsでチェックされる主な項目

評価軸 説明
First Contentful Paint (FCP) 最初に表示される要素の速度
Largest Contentful Paint (LCP) 最大の要素が表示されるまでの時間
Cumulative Layout Shift (CLS) レイアウトのズレ
Total Blocking Time (TBT) 操作不能な時間

PageSpeed Insightsのスコアの見方

PageSpeed Insightsでは、スコアが0〜100で評価されます。一般的には以下のように色分けされています。

  • 0〜49:遅い(赤)
  • 50〜89:改善の余地あり(黄)
  • 90〜100:速い(緑)

このスコアは単なる速度だけでなく、ユーザー体験を含む複数の指標(LCP、FID、CLSなど)をもとに算出されます。

モバイルとPCそれぞれにスコアが表示されるため、両方をチェックしておきましょう。

サイト表示速度のSEOへの影響

表示速度は、Googleが公式にランキング要因のひとつと公表している指標です。特にモバイルでは「Core Web Vitals」というUX重視の指標が評価に反映されており、PageSpeed Insightsのスコアはその確認にも使われます。

ただし、スコアそのものが直接SEO順位を決定づけるわけではありません。ユーザーが快適に使えるサイト設計が、結果としてSEOにも良い影響を与えるという考え方が基本です。

スコアに一喜一憂するよりも「どの項目を改善すべきか」に注目して対応していくことが重要になります。

PageSpeed Insightsのスコア改善方法

PageSpeed Insightsで低スコアを指摘されたとき、その原因はサイトごとに異なります。

ただし、多くのケースで「画像の容量」「不要なコード・スクリプトの読み込み」など、共通するボトルネックがあります。代表的な改善方法を順に解説していきます。

  1. 画像の最適化
  2. HTML/CSS/JavaScriptの圧縮
  3. 不要なプラグインを整理する
  4. プラグイン同士の競合に注意する
  5. PHPバージョンの更新
  6. キャッシュを活用する
  7. WordPressテーマを変更する
  8. 適切なレンタルサーバーを選ぶ

1. 画像の最適化

サイトの表示速度に最も影響を与えるのは、画像のファイルサイズです。ファイルサイズが大きければ、その分読み込みに時間がかかり、スコア低下の原因になります。

次の方法で画像の読み込みを軽量化できます。

  • リサイズして登録する
  • 画像のファイルサイズを圧縮する
  • JPEGやPNGからWebP形式に変換する
リサイズして登録する

画像の物理的なサイズを縮小することで、ファイルサイズを減らせます。

テーマによってはトップページなどで、モバイル用画像を別途登録できる場合があります。PC用の大きな画像がモバイル端末でも表示されると、スコアが悪化することがあるため、モバイル向けに最適化された小さめの画像を使うのがおすすめです。

表示領域が広いのに、画像のサイズが小さすぎると、自ずと画質は悪くなります。ここはトレードオフなので、サイトのデザインに合わせて慎重に調整しましょう。
画像のファイルサイズを圧縮する

MacユーザーならWordPressサイトに画像をアップする前に、ImageOptimを使うのがおすすめです。ドラッグ&ドロップのみで画像の容量を半分以下に圧縮できます。

JPEGやPNGからWebP形式に変換する

画像の拡張子によってファイルサイズは大きく異なります。JPEGやPNGが一般的ですが、WordPressではWebP形式の利用がおすすめです。

以下のプラグインでWebP形式にかんたんに変換できます。画質を維持したままファイルサイズを大幅に削減可能です。

これらはすべて併用可能です。画像の品質を保ちつつ、スコア改善に役立つか試してみてください。

2. HTML/CSS/JavaScriptの圧縮

PageSpeed Insightsでは「未使用のCSSを削除してください」や「レンダリングを妨げるリソースを排除してください」といった指摘がよく見られます。

これらは、サイトを構成するコードが無駄に多く、読み込みの妨げになっている状態を示しています。

特にWordPressでは、使用していないCSSやJavaScriptが、すべてのページで読み込まれていることも珍しくありません。

使用していないコードをそのままにしておくと、表示速度に悪影響を及ぼします。

この対策には「Asset CleanUp」というプラグインが有効です。

不要なCSSやJSを読み込まないように設定できるため、表示速度を改善できることがあります。

TCDテーマを使った実際の検証では、フォームやエディタ系プラグインの読み込みを除外することで、スコアを向上できました。

3. 不要なプラグインを整理する

PageSpeed Insightsで「不要なリソースの読み込み」や「JavaScriptの実行を遅らせてください」と指摘される場合、特定のプラグインが原因になっていることがあります。

たとえば、画像スライダーや目次などのプラグインが、関係ないページでも読み込まれてしまうケースです。

こんなときは、プラグインの読み込みをページ単位で制御できる「Plugin Load Filter」が便利です。

「トップページだけで使っているプラグインを、他のページでは読み込まない」といった制限が可能になります。

読み込み対象を絞るだけでも、スコア改善につながることがあります。全ページで同じプラグインが動作していないか、確認してみましょう。

また、使っていないプラグインが有効化されたままになっている場合も要注意です。一時的に使っただけのプラグインや、現在の構成で不要なものは削除しておきましょう。

プラグインを停止していても、一部の処理が読み込まれるケースもあるため、「使っていない=削除」で管理するのがベストです。

4. プラグイン同士の競合に注意する

PageSpeed Insightsのスコア改善を目的に、複数の高速化プラグインを導入する方も多いかもしれません。

しかし、キャッシュ系や圧縮系の機能が重複すると、逆に処理が干渉し合い、スコアや表示に悪影響を及ぼすことがあります。

WP-OptimizeAutoptimizeでCSS圧縮が重複
・複数のキャッシュ系プラグインが同時に作動など

対策としては、次のようなポイントを意識しましょう。

  • 高速化系プラグインはできるだけ1つに絞る
  • 「圧縮」や「キャッシュ」などの機能が重複しないよう設定を確認する
  • PageSpeed Insightsでスコアが下がった場合、導入前後で比較してみる

「入れたほうが速くなる」は必ずしも正解とは限りません。最小限の構成で最大の効果を引き出すよう意識すると、結果的に安定したスコアにつながります。

5. PHPバージョンの更新

WordPressは「PHP」というプログラミング言語の上で動作しています。このPHPのバージョンが古いままだと、処理速度が遅くなり、PageSpeed Insightsのスコアにも影響することがあります。

PHPのバージョンを新しくするだけで、サイトの表示速度が改善されるケースも多く、基本対策として非常に効果的です。

現在のバージョンの確認方法

WordPress管理画面の「ツール」>「サイトヘルス」から、現在のPHPバージョンを確認できます。

最新版の推奨バージョンは下記記事でも解説しています。

更新の方法

バージョンが古い場合は、レンタルサーバーの管理画面から切り替えるだけでOKです。

エックスサーバーでは「PHP Ver.切替」機能があり、数クリックで変更できます。

更新前に、テーマやプラグインが新しいPHPに対応しているかを確認しておくと安心です。トラブルを避けるため、更新前にバックアップを取っておくことも忘れずに。

6. キャッシュを活用する

キャッシュとは、一度表示したページの情報を一時的に保存して、次回の読み込みを速くする仕組みです。表示速度に直結するため、初心者でもキャッシュ機能はぜひ取り入れたい要素です。

下記記事でより詳しくご紹介しています。

キャッシュにより、サーバーへの負荷が軽減され、ページの読み込み速度が大幅に改善されます。PageSpeed Insightsのスコアにも良い影響を与えるため、初心者でもぜひ導入したい対策の一つです。

おすすめプラグイン:WP-Optimize

「WP-Optimize」は、データベースの最適化やページキャッシュ機能を備えた人気のプラグインです。

使っていない投稿リビジョンの削除や、データベースの自動最適化に対応。さらにページキャッシュ機能もあり、サイト全体の表示速度改善に効果があります。

7. WordPressテーマを変更する

WordPressテーマを変えると、劇的にスコアが改善される場合があります。なぜなら、機能やコードそのものの書き方で、表示速度に影響が出るケースがあるからです。

TCDテーマなど、スピードとデザインを両立させた軽量テーマを使うのがおすすめです。

表示速度に優れたテーマを選ぶことは、根本的な改善につながります。WordPressテーマを選ぶ際には、デモサイトのPageSpeed Insightsのスコアを確認すると良いでしょう。

WordPressテーマの変更方法については、下記記事よりご覧いただけます。

8. 適切なレンタルサーバーを選ぶ

Webサイトの表示速度は、使っているレンタルサーバーの性能や環境にも大きく左右されます。遅いサーバーを使っていると、いくらサイトを軽くしても表示速度はなかなか改善しません。

初心者の方は、以下のポイントを基準にレンタルサーバーを選ぶと良いでしょう。

  • 高速な通信回線を使っている
  • WordPressに最適化されたサーバー設定がされている
  • 安定した稼働率でサーバーダウンが少ない
  • サポート体制が充実している

たとえば、エックスサーバーなどは、表示速度の速さや安定性に定評があり、多くのWordPressユーザーに支持されています。レンタルサーバーの見直しもPageSpeed Insightsのスコアを上げる大切なポイントですので、ぜひ検討してみてください。

PageSpeed Insightsスコア改善方法のまとめ

PageSpeed Insightsのスコアを改善するポイントは「機能を増やす」のではなく、不要なものを減らすことです。

まずはPageSpeed Insightsで自分のサイトのスコアをチェックし、「画像の最適化」や「不要な読み込みの削減」など、すぐに取り組める対策から始めてみましょう。

スコアはあくまで目安。「満点スコア=完璧なサイト」ではないため、必要以上に100点を目指す必要はありません。実際の表示速度や使いやすさの方が重要です。

あなたのサイトにとって最適なバランスを見つけながら、継続的に改善を重ねていきましょう。

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