WordPressテーマを変更すると、デザインと機能が変わります。見た目の着せ替えだけではなく、中身(機能面)も含めて刷新できるのが、WordPressサイトの強みのひとつです。
しかし、元々あったコンテンツが表示されなくなったり、レイアウトが崩れることもあります。テーマごとにデザインや機能の互換性が異なるからです。
当記事では、そういった問題を防ぐために、WordPressテーマの変更手順と確認項目をまとめました。参考にしながら作業いただくと、スムーズにテーマを変更いただけるはずです。
同じテーマのバージョンを更新(アップデート)する方法については、こちらの記事で解説しています。
WordPressテーマのアップデート方法を解説します。 アップデートは、旧テーマを削除し、新しいテーマに置き換える作業になりますので、更新前には念の為バックアップを取るようにしましょう。バックアップの方法は下記よりご確認ください。 テーマのアップデートは、同じテーマを新しいバー...
目次
WordPressテーマ変更作業の下準備
WordPressテーマを変更する際は、まずはバックアップをとっておきましょう。不具合が起こってもすぐに戻せるようにするためです。バックアップはプラグインでとるのがオススメです。
弊社がよく使っているのはこちら。使い方がシンプルで、今までも大きな問題は起こっていません。
WordPressのバックアップや復元はデータベースに直接アクセスする必要があるなど、初心者にはハードルが高いものです。ただし、今回ご紹介するWordPressプラグイン「All-in-One WP Migration」は初心者でも驚くほど簡単にバックアップとサイトの復元の双方が可能となります。テレ...
サイトのデータを丸ごとコピーして保存しておけますし、別環境に移行するのも簡単です。
次に、テスト用の別環境かローカル環境を用意します。新しいテーマに差し替える際は、まずはテスト用の環境で確認します。いくらバックアップをとったからといって、本番環境でいきなりテーマを差し替えるのはリスキーです。
別サーバーでテスト用環境を作る他に、こういったプラグインもありますので、ぜひ活用してみてください。
WordPressには、テーマを変更することでデザインや機能をガラッと変更できるという魅力があります。 しかし、テーマを変更することでサイトの表示が崩れたり、一部の機能が動作しなくなるというリスクもあります。そのため、運営中のサイトで安易にテーマを変更することはオススメできません。 テス...
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テスト環境で確認すること
テスト環境(ローカル環境)が用意できたら、そこにサイトのデータを丸ごと移行します。先ほどご紹介したプラグイン「All-in-One WP Migration」で簡単にできます。本番環境と同じ状態のテスト環境を再現できたら、ここで初めて新しいテーマを適用します。
テスト環境での確認項目をまとめましたので、それぞれチェックしてみてください。
全ページの外観
差し替え前後のテーマデザインの差によっては、崩れている箇所が出てくる可能性があるので、まずは全ページを確認しましょう。管理画面内から投稿タイプごとに確認していくといいです。
- 通常の投稿
- カスタム投稿タイプ
- 固定ページ
ごとにです。PC/スマホとも漏れが無いようにチェックしましょう。
特に、旧テーマのデザインを基準に調整したCSSが原因で、表示崩れが起きている場合もあります。CSS周りをチェックすると原因に気づきやすいです。TCDテーマの場合は、カスタムCSS機能に記述されている内容が影響を与える可能性もあります。
カスタム投稿タイプ
カスタム投稿タイプで作成したページを引き継ぐ際は注意が必要です。新旧テーマで「post_type」が異なると正しく表示されないからです。
例えば、次のようなケースでは、新テーマでページが表示されません。
↓↓↓
新テーマのカスタム投稿タイプ(post_type=news)
そのため、カスタム投稿タイプの「post_type」を書き換える(新旧で揃える)作業が必要になります。こちらの記事で詳しい作業手順を解説しています。
WordPressテーマを変更した時に気をつけなければいけないこと。それはカスタム投稿タイプです。 テーマを変更すると、カスタム投稿タイプで作成したページは引き継がれない可能性があります。 カスタム投稿タイプ「お知らせ」で作成したテーマAのコンテンツは、カスタム投稿タイプ「お知らせ」が無...
OGP画像
新テーマに変更時に忘れがちなのが、OGP画像です。
ロゴやサイトのヘッダー画像など、すぐ目につく箇所ではないですが、サイトがSNSなどでシェアされた際に表示される画像のことです。
確認するためにSNSでシェアする必要はありません。OGP画像を設定したら、次のような拡張機能で簡単に確認できます。
「検索結果にどのように表示されるのだろう」 「ページの構成(hタグの構造)はどうなっているのだろう」 こういったSEOに関する情報は、自分のコンテンツはもちろん、ライバルのものも気になりますよね。SEOではユーザーファーストのコンテンツを制作することが最重要ではありますが、知っているだけで改...
アイキャッチ未設定時の代替画像
投稿記事などでアイキャッチ画像が未設定時に表示される代替画像も、見落としがちかもしれません。
テーマの機能やプラグインなど、代替画像を表示する手段はいろいろありますが、いずれにせよ旧テーマに基づいて設定していることが多いと思います。テーマ変更に伴い、サイトデザインやロゴ画像が変わったのに、代替画像は旧テーマのまま。ということがないように確認しておきましょう。
アイキャッチ画像を自動設定できるこんなプラグインもあります。
アイキャッチ画像を自動で設定できると便利だと思いませんか? 画像の選定作業を省略できますし、未設定で「No Image」と表示されることも防げます。というわけで今回は、記事内に設置した画像が自動でアイキャッチ画像に設定されるプラグインをご紹介いたします。 「XO Featured Image...
新テーマの機能と重複している部分がないか
新しいテーマに、旧テーマには無い機能が実装されている場合、重複している機能がないか確認しておきましょう。
例えば、旧テーマでは「記事にいいねを残す機能」をプラグインで実装していたが、新テーマには同機能が実装されている場合などです。同じ機能が干渉し、エラーや不具合の原因となる可能性があるため、機能が重複しているプラグインなどは削除しておくのがベターです。
>> ブログ記事にいいねボタンを設置できるプラグインの例
>> いいね機能が実装されているテーマの例
ヘッダーやフッターのナビメニュー
テーマのデザインによってヘッダーやフッターの形状は変わります。そのため、そこに表示されているメニュー項目も再設定が必要なケースが多いです。
TCD運営元のデザインプラスの企業サイトをリニューアルしたのですが、TCDテーマ「MONOLITH」から「GENESIS」に変更した例です。
それぞれフッターのデザインが異なるため、メニュー項目の設定内容も変更しています。
テーマ特有のウィジェット
テーマ変更時は、ウィジェット周りも確認しておきましょう。
テーマ特有のウィジェットは設定がリセットされるので、再設定が必要です。固定ページや各種投稿タイプの詳細ページのサイドバーなどを中心に確認してください。旧テーマでは表示されていたウィジェットが無くなっている可能性があります。
リダイレクトの要不要
非常に重要な確認項目です。テーマを差し替えるだけでは、ドメインが変わらないので不要とするのは早計です。
新旧テーマでカスタム投稿タイプのURLが変わる場合や、複数のカスタム投稿タイプをひとつに統合する場合などに、リダイレクトが必要になります。
↓↓↓
新テーマのカスタム投稿タイプのURL:example.com/news
リダイレクト処理をしなければ、旧テーマのURLがデッドリンクになります。本番環境に移行後に確認必須なので、旧テーマのURLをメモしておきましょう。
カスタム投稿タイプのコンテンツを引き継ぎ、リダイレクトさせる方法については、こちらを参考にご覧ください。
WordPressテーマを変更した時に気をつけなければいけないこと。それはカスタム投稿タイプです。 テーマを変更すると、カスタム投稿タイプで作成したページは引き継がれない可能性があります。 カスタム投稿タイプ「お知らせ」で作成したテーマAのコンテンツは、カスタム投稿タイプ「お知らせ」が無...
サムネイル画像の再生成
テーマを変更したら、サムネイルの再生成も必要です。テーマによって生成されるサムネイル画像のサイズが異なるからです。
すべての画像を差し替えることは現実的ではありませんので、こちらのプラグインを使うといいでしょう。ボタンひとつですべてのサムネイル画像を一括で再生成できます。
2021/4/13 情報を更新いたしました。 メディアライブラリに画像アップロードすると、WordPressやテーマで定義されたサイズの画像が生成されます。しかし、アップロードした地点でサイズが決まるので、テーマやメディア設定の変更時には、既存の画像に対してこの処理は行われません。 アップロ...
本番環境に移行後に確認すること
テスト環境で各項目を確認して問題がなければ、いよいよ本番環境に移行します。
再びプラグイン「All-in-One WP Migration」を使って、テスト環境→本番環境にデータを丸ごと移行します。
このとき、テーマのみを差し替えるのではなく、サイトデータをまるごと移行するのが賢明です。テスト環境で設定したナビメニューやCSS、その他の内容もすべて移行するからです。無事、移行できたら次の項目を確認していきましょう。
リダイレクトされているか
「テスト環境で確認すること」で説明しましたように、カスタム投稿タイプで作成したページなどが正常にリダイレクト処理されているかを確認します。
メモしておいた旧URLからリダイレクトされるか試しましょう。アーカイブページはもちろん、詳細ページも忘れずに確認します。
フォーム類が機能しているか
サイト内にフォームを設置している場合は、新テーマに変更後も正しく機能するか確認します。
通常は、旧テーマで設定していた内容が引き継がれて問題ないはずですが、新テーマで問い合わせ用のページを新設したり、複数のページを統合するなどの変更を加えた場合、正常に機能しない可能性があります。
その場合は、問い合わせフォーム周りの設定を見直しましょう。
表示設定等の初期設定
サイトの初期設定が正しいか確認します。表示設定や、パーマリンク、ログインパスワード等です。
基本的には移行前の設定が引き継がれているはずですが、重要な部分なので改めて見直しておきましょう。新テーマに変更したのに、検索エンジンにインデックスされない、デッドリンクになる、管理画面には入れない等の問題を防ぐ意味があります。
WordPressの設定で必ず確認しておきたいのが「表示設定」です。設定項目の数は多くありませんが、1つ1つが非常に重要ですので、当記事を参考に設定していきましょう。 表示設定とは トップページのタイプやアーカイブページで表示する記事の数、RSS、検索エンジン等の設定を行えます。「設定」>...
パーマリンクとは、簡単にいえばページのURLのことです。 この記事では、パーマリンクの概要やSEOへの影響、WordPress(ワードプレス)における設定方法・手順を解説します。一度設定したパーマリンクを安易に変更するとサイト運営に悪影響が出るので、記事やページを作成する前に、パーマリンクにつ...
WordPressでサイト運営を行っていると、稀にログインできない問題が発生するケースも。そんな時は、冷静に「何が原因なのか」を1つずつ探っていくことが大切です。 本記事では、WordPressにログインできない6つの原因と解決方法をお届けします。問題の対処法を理解して、ストレスフリーなサイト...
SSL化
こちらも基本的には、移行前の設定が引き継がれますが、改めて確認しておきます。
SSL化とは暗号化通信のことで、ブラウザ左上に「鍵アイコン」とともにURLが表示されていればOKです。
このときトップページだけでなく、全ページで確認することをオススメします。SSL化されていないことが判明した場合は、本番環境で再設定しましょう。設定方法の参考になる記事はこちら。
皆さんは「SSL」という言葉をご存知でしょうか。最近Webに関わる情報サイト、書籍などでたびたび取り上げられる言葉ですので聞いたことはあるという方も多いかもしれません。今回は、SSL化の必要性とどのようにSSL化していけばいいのか、SSL化のやり方(ロリポップサーバーの設定を参考)についてご紹介していきます。
あなたのWEBサイトは、SSL化(暗号化)されていますか? 今や多くのサイトでSSL化は当たり前となっており、SSL化されていないサイトは、それでだけで評価が下がることがあります。Chromeで非SSL化のサイトへ接続すると、下記のように警告の文言が表示されます。 上記のような文...
まとめ
WordPressテーマの変更手順と確認項目をご紹介いたしました。テーマを変更することでサイトを刷新できるメリットがある反面、注意深く確認すべきこともあります。
- デザインやレイアウト、画像サイズ等の外観(PC/スマホ)
- ページがデッドリンクになっていないか(リダイレクト処理やパーマリンク等)
- 検索エンジンにインデックスされているか
- フォーム等のコンバージョンにつながる部分が機能しているか
- セキュリティまわり(SSL化やログイン情報等)
外観の確認はもちろん、サイトが意図した通りに機能しているかがもっとも重要です。WordPressテーマを変更する際は、ぜひ当記事を参考にしてみてください。
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