「WordPressの記事をそのまま有料コンテンツとして販売できたら便利なのに。」

そんな声に応える形で、TCDテーマに有料記事機能が追加されました。

決済システムのStripeと連携することで、記事の一部だけを有料化したり、既存記事を販売したりと、専門的な知識がなくても収益化できます。初期費用・月額費用もかからず、導入ハードルも低いです。

当記事では、初期設定から記事の有料化まで順を追って解説します。

「記事を販売してみたい」「WordPressで収益源を増やしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

WordPressテーマ「PANDORA」
WordPressテーマ「PANDORA」
レイアウト自由自在なブログ・メディアを構築。

TCDテーマの有料記事機能とは

決済システムのStripeと連携することで、WordPressの記事を有料販売できる機能です。対応しているTCDテーマなら無料で利用できます。

現在は、WordPressテーマ「PANDORA」のv2.0以降のみ対応。今後は、複数のテーマでアップデートを予定しています。

できること

  • 投稿記事の有料化
  • 投稿記事の一部のみの有料化
  • 既存記事の有料化
  • ブロックエディタ・クラシックエディタ対応
  • 専用マイページの追加
  • サンクスメールの送信・編集機能

WordPressで書いたブログ記事を、気軽に有料販売できるようになります。既存記事もかんたんに有料化できるので、すでに記事数の多いブロガーやメディア運営者の方は、新たな収入源をつくれます。

使い方

初期設定さえ済ませば、使い方はとってもかんたんです。

大きく分けて、次の3ステップです。

  1. StripeのAPIキーの取得
  2. Stripeのメール設定
  3. TCDテーマ側の設定

以下の章でそれぞれ詳しく解説しますので、ご安心ください。

1. StripeのAPIキーの取得

WordPressと連携させるために、StripeのAPIキーを取得します。

まずはStripeのアカウントを作成しましょう(持っている方は新規登録は不要です)。

Stripeとは、サンフランシスコ発のオンライン決済システムです。初期費用・月額費用はかかりませんが、決済時の基本的な手数料は一律3.6%かかります。

アカウント登録

Stripeのアカウント登録

上記箇所にご自身のメールアドレスを登録して、次に進みます。

Stripeのアカウント登録2

メール、パスワードを登録して、アカウントを作成をクリックします(Googleで登録してもOKです)。

以降は、ビジネス名や、国、事業形態(個人事業主)などのビジネスの基本情報を入力していきます。

個人情報を入力している画面

記事を購入したユーザーに届く領収書に表示される店舗名やサービス名も、このフロー内で登録します。

PANDORAと設定している例

続いて、振込先の銀行口座やアカウントの初期設定画面が開きます。

Stripeの口座設定画面

一通り登録が済んだら、「確認して提出」画面が開きます。

最終確認&提出画面

問題がなければ、送信します。

アカウントのステータス画面

すると、上記画面が開きます。「情報を提供する」からページを移動してください。

最初にセットアップするときだけ、以下2点の審査が必要です。

  • セキュリティ対策についての申告
  • 本人確認書類の提出(免許証など)

表示される画面に従って、操作を進めればOKです。

審査完了までに、約3営業日かかるようです(筆者の場合は2日で許可が降りました)。

設定 > ビジネス > アカウントのステータスの「要対応」からタスクがなくなれば、アカウントの準備は完了です。

タスクがゼロになったアカウントのステータス画面

APIキーの取得

ホーム画面の右上にAPIキーが表示されるので、「シークレットキー」をコピーしておきましょう。あとで、テーマオプションの設定箇所に入力します。

本番環境のAPIキー

もし表示されていない場合は、「設定 > 開発者 > APIキー」から確認できます。

APIキーの確認箇所1

「APIキーを管理」から次の画面に進んで、標準キーの中にある「+シークレットキーを作成」を選びます。

APIキーの確認箇所2

下記箇所では「自社のシステムを構築」を選んで、「シークレットキーを作成する→」をクリックします。

APIキーの確認箇所3

次の画面で新たなAPIキーを発行完了です。

新たなAPIキー発行完了画面

本番環境のAPIキー(シークレットキー)は、一度しか全文を表示できない仕組みになっています。後から同じキーを確認することはできません。

必要な場合は、上記手順で新しいキーを再発行してください。使わないAPIキーは、外部に漏れると第三者に決済を操作される危険があるため、削除しておきましょう。

テスト環境で試したいときは?

テスト環境で決済テストを行いたい場合は、下記箇所から切り替えられます。

左上の「ユーザー名をクリック > サンドボックスに切り替える > テスト環境」です。

テスト環境の開き方

上部にオレンジ色のバーが表示されれば、テスト環境に切り替え完了です。

テスト環境の例

まずは、テスト環境で色々試してみるといいでしょう。ただ、領収書メールは、テスト環境では送信できない仕様になっています(手動送信のみ)。

2. Stripeのメール設定

Stripeのダッシュボードで、メール設定も最初に忘れずに行っておきましょう。

右上の歯車アイコン「設定」から「アカウント設定 > ビジネス」を選びます。

Stripeのメール設定

次のように「送信メール」タブを開いて、下記箇所を設定します。

Stripeの送信メールタブ

デフォルトの言語を「日本語」にして、決済全般のトグルスイッチを有効化します。紫色になればOKです。

決済成功時・返金時にメールを自動送信するための重要な設定です。必ず確認しておきましょう。

3. TCDテーマ側の設定

Stripe側の設定が完了したら、TCDテーマ側の設定を行います。やることは基本的に以下の2つです。

  1. 基本設定(APIキーの登録、メール設定など)
  2. 記事を有料化してみる

基本設定(APIキーの登録、メール設定など)

有料記事機能に対応しているテーマなら、ダッシュボード左側の「有料記事機能」という項目をクリックして、下記画面を開きます。

基本設定

先頭の有効化設定で、「有料記事機能を利用する」にチェックを入れて保存してください。

その後、基本設定タブで、StripeのAPIキー(シークレットキー)を登録します。

TCDテーマの有料記事機能(基本設定)

ここの設定が正しく行われていない場合、Stripeと連携できずに、決済が行われません。

その他、下にスクロールすると、各種フォームの「見出し」や「説明文」を登録可能です。初期値が入っていますので、そのままお使いいただくこともできます。

TCDテーマの有料記事機能の基本設定

マイページ

続いて、マイページのタブでは、有料記事購入者(=会員登録者)専用のマイページの設定が可能です。

TCDテーマの有料記事機能(マイページタブ)

赤枠箇所の「マイページのURL」が「mypage」というスラッグで自動生成されるため、操作は不要です。

もし、既存の固定ページに「mypage」というスラッグが存在している場合は、末尾に「-1」と追加され重複が回避される仕様です。別のスラッグをお試しください。

生成された「マイページのURL」を、ナビメニューの項目に追加しておくといいでしょう。

「マイページ」をナビメニューに追加した例

下記箇所では、各所の文言も設定可能です。

マイページの設定

マイページ内には、フリースペースも用意されています。HTML入力のほか、WordPressのパターンも埋め込み可能です。

会員登録者限定のキャンペーンバナーを設置したり、限定の告知を行う際にご活用ください。

メール設定

最後に、メール設定のタブでは、サンクスメールやパスワード再設定メールの設定が行えます。

メール設定タブ

購入者さまに自動送信するメールの件名や、本文を登録しておく機能です。デフォルトでは、「設定 > 一般 > 管理者メールアドレス」に登録されているメールアドレスが送り主になる仕様です。

サイトの管理者メールアドレス

注文情報はショートコード化されているので、お好きな箇所に貼り付けてご利用ください。

サイト名や連絡先などの署名も、メールの末尾に書いておくと親切です。初期値ではサンプルの署名が登録してあるので、適宜変更してください。

下にスクロールすると、パスワード再設定メールの設定があります。

パスワード再設定メールの設定箇所

下記が定型文として表示される仕様ですが、この定型文の下部に、任意で署名などを登録しておけます。

ユーザー名: (ここにユーザー名が表示されます)

下記のURLからパスワードの再設定を行って下さい。

(ここに再設定URLが表示されます)

もしこれが間違いだった場合は、このメールを無視すれば何も起こりません。

有料化したい記事の編集画面を開いてください。ブロックエディタ・クラシックエディタ(ビジュアル、テキスト)、どちらでもご利用いただけます。

記事編集画面の有料化オプション

上記のように、「有料コンテンツ設定」が表示されます。ここでは以下の設定が可能です。

  • 一部を有料化
  • 全て有料化
  • 販売価格の設定
ある箇所までは、一般公開、それ以降は有料販売という形も実現可能です(設置したショートコード以降の内容が有料化)。

販売価格を登録して保存すれば、自動的にStripeと連携する仕組みなっているので、画面上では次のように表示されます。

記事本文内の有料化オプション表事例(PANDORA)

「記事を購入」ボタンをクリックすると、次の画面に移動して、支払いができるという仕組みです。

Stripeの決済画面

有料化や価格変更は、記事編集画面からいつでもかんたんに行えます。

購入者には、先ほど設定したサンクスメールと、Stripeからの領収書メールが届きます。サイト管理者は、Stripeのダッシュボードですべての取引履歴を確認可能です。

ここまでで、テーマ側の設定も完了です。

運用開始前に、購入テストやメールが届くかどうかを必ずチェックしておきましょう。

メールが届かないときは?

メールが届かないときは、迷惑メールフォルダに振り分けられている可能性が高いです。

また、送信元メールアドレスがGmailで、エックスサーバーなどの別サーバーから送信する設定になっている場合は、迷惑メールフォルダにすら入らない可能性があります。

WordPressでは、無料プラグイン「WP Mail SMTP by WPForms」を使って対策できるので便利です。

インストールして、有効化したら確認することは以下の3点。

  1. 送信元メールアドレス
  2. 送信者名
  3. SMTPの設定

SMTPの設定箇所1

上記箇所で、送信元メールアドレス、送信者名を確認します。

重要なのは、↑送信元のメールアドレスと、↓送信元のサーバーを揃えることです。送信元メールアドレスがGmail、送信元がエックスサーバーではメールが届かない可能性が高いです。

下部にある「その他のSMTP」設定で、送信元サーバーなどを登録します。

SMTPの設定箇所(その他SMTP)

たとえば、エックスサーバーをお使いなら以下のように登録すればOKです。

項目 設定内容
SMTPホスト サーバーのホスト名(sv***.xserver.jp)
SMTPユーザー名 メールアカウント名(example@xs******.xsrv.jp)
送信元メールアドレスにも、ここと同じものを設定します。
SMTPパスワード メールアカウントのパスワード

プラグインの設定について、もっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にご覧ください。

記事を有料化して収益化しよう

TCDテーマの有料記事機能について解説いたしました。

Stripeと連携することで、手軽に記事の有料販売ができるようになります。

初期設定は少し手順が多いものの、一度済ませてしまえば、「編集画面から価格を設定するだけ」で記事を販売可能です。有料化に必要な仕組みは揃っているので、特別な開発やプラグインは不要です。

この機能を活用すれば、ブログやメディア運営の収益化の幅が大きく広がります。ぜひあなたのサイトにも取り入れてみてください。

他のテーマにも順次実装していくので、お楽しみに!

WordPressテーマ「PANDORA」
WordPressテーマ「PANDORA」
レイアウト自由自在なブログ・メディアを構築。