WordPress公式が提供する高機能プラグイン「Jetpack」について説明します。

Jetpackプラグインは、便利なアクセス解析や問い合わせフォーム、SNS自動共有など約30種の機能をパックにしたものです。WordPressサイト運営に必要な機能が揃っており、WordPress本体では補完しきれない機能をカバーするために作られたプラグインです。

WordPress.comのブログサービスで利用できる機能が、インストールタイプのWordPressでも使いやすくまとめられています。

ここではJetpackプラグインのインストール方法と使い方について解説します。

「Jetpack」とは

Jetpack

Jetpackは、WordPress公式が提供する高機能プラグインです。主に以下の機能があります。

  • セキュリティ対策
  • アクセス解析
  • スパム対策
  • サイト高速化
  • アクセスログチェック
  • 各SNSとの連携
  • バックアップ

ご利用にはJetpackとWordPressアカウントの連携が必要です。また、有料機能も多いです。

プラグインのインストール

管理画面から「Jetpack」を検索してインストールするか、下のボタンからもダウンロード可能です。プラグインファイルを wp-content/pluginsディレクトリにアップした後、管理画面から有効化してください。

Jetpack

WordPressアカウントと連携

Jetpackを利用するには、WordPress.comとの連携が必要です。WordPress.com APIを利用する必要があるからです。やり方を説明します。

プラグイン有効化すると、JetpackとWordPressアカウントを連携させる画面に変わりますので、手順に沿って手続きを進めます。。

Jetpackアカウント登録

WordPressアカウントで使用しているメールアドレスを入力すると、認証メールが届きますので、クリックで連携が完了します。WordPressアカウントをお持ちでない場合でも、手順に沿って作成できます。

  1. WordPress.comアカウント作成済み・接続済みの場合: 承認するのボタンをクリックします。
  2. WordPress.comアカウントの作成はしてある場合: サイトに接続されてはいないけれど、WordPress.comのアカウントが作成済みの場合はユーザー名とパスワードを入力して、承認するのボタンをクリックします。
  3. WordPress.comアカウントが未作成の場合: WordPress.comのアカウントを作成していない場合は、アカウントが必要ですか?をクリックし、必要事項を入力します。登録を完了し、承認ボタンをクリックすれば完了です。

Jetpackメール認証

「Approve」をクリックすると、連携完了です。
Jetpack connecting

連携が無事完了すると、以下のようにJetpackのダッシュボードに自動でページ遷移します。

Jetpackの管理画面

Jetpackの機能

Jetpackは多機能で便利ですが、必ずしもすべてが必要なわけではありません。いらない機能まで有効にすると、逆に動作を遅くしてしまう可能性もあります。必要の応じて設定していきましょう。

機能一覧

設定

Jetpackの機能は、「設定」にほぼ詰まっています。WordPress左メニューの下記より進みます。

Jetpack > 設定

Jetpackの機能を項目ごとにまとめておきます。多岐に渡りますので、下記からご覧ください。

  1. セキュリティ
  2. パフォーマンス
  3. 執筆
  4. 共有
  5. ディスカッション
  6. トラフィック
  7. ニュースレター
  8. 収益化

必要機能はサイトによって変わってくるかと思いますので、おおむねどんなサイトでも必要そうな汎用的なもので、おすすめの機能を、「太字」にしています。

※は、有償サービスになります。

① セキュリティ:

  • バックアップとセキュリティスキャン(※)
  • ダウンタイムのモニター
  • スパム対策
  • アカウント保護
  • ファイアウォール(※)
  • 総当たり攻撃からの保護
  • 常時許可の IP アドレス
  • WordPress.com へのログイン

② パフォーマンス:

  • 検索(※)
  • パフォーマンスおよびスピード
  • メディア(※)

③ 執筆:

  • メディア
  • 作成
  • Custom content types
  • テーマの拡張
  • ウィジェット
  • メール投稿

④ 共有:

  • Jetpack ソーシャル
  • 共有ボタン
  • 「いいね」ボタン

⑤ ディスカッション:

  • コメント

⑥ トラフィック:

  • 関連記事
  • 検索エンジンの最適化
  • Jetpack 統計
  • Blaze
  • WP.me 短縮リンク
  • サイトマップ
  • サイト認証

⑦ ニュースレター:

  • ニュースレター
  • 購読
  • 有料ニュースレター
  • ニュースレターのカテゴリー
  • メールの設定
  • ウェルカムメールのメッセージ

⑧ 収益化:

  • 広告(※)
  • 支払いを受け取る
  • 寄付や心づけを受ける
  • PayPal での支払いを受け取る(※)

ソーシャル

各SNSとの連携をします。記事を新規投稿した際に、各SNSに自動投稿が可能です。対応SNSは、Facebook、Instagram、LinkedIn、Mastodon、Tumblr、Threads、Bluesky、Nextdoor。

Akismet

Akismetは、スパムコメントを除去する機能で、個別にプラグインもあります。Akismetプラグインを使っている人は、Jetpackの機能でカバーしても良いですね。

有効化する際の注意点

機能を有効化する際、注意したいのが次のこと。

  • 他プラグイン・テーマと機能が緩衝する可能性あり
  • デザインは自分で調整する必要あり

たとえば、別でサイトマッププラグインを入れているのに、Jetpackでもサイトマップ機能を有効化すると不具合の原因になります。もし、不具合を確認したら、Jetpackを無効化するなどして、原因を突き止めるようにしてください。

また、「いいねボタン」や「関連記事」などは、フロントのデザインが変わります。Jetpackにスタイルが入っているわけではないので、スタイルが当たってなかったり、時に表示崩れも起こり得ます。もし有効化してみて駄目だったら、CSSで調整するか無効化するかですね。

有料機能も多い

Jetpackの機能には、意外と有償(サブスク)部分も多く、無料で使える機能は限られています。

どこまでも無料でプラグインを使いたい方は、代替プラグインを探して使う手段も考えられます。その場合、複数のプラグインをインストールしなければいけない手間はありますが、出来ないことではありません。

JetPackは必要か?

JetPackの統計情報が有料化された今、導入の必要性を改めて考える必要があります。とくに、ビジネス目的でサイトを運営している場合、アクセス解析は集客や売上向上に直結するため必須といえるでしょう。

JetPackはWordPressとの親和性が高く、導入や運用の手間が少ない点が特徴です。初心者や中小企業にとっては、魅力的なプラグインといっても過言ではありません。

必要性を判断する際はメリット・デメリットを理解し、運営スタイルや目的にマッチするか見極めましょう。

それぞれを詳しく解説します。

JetPackのメリットは以下の通りです。

メリット 説明
セキュリティの強化 ブルートフォース攻撃からの保護、マルウェアスキャン、自動スパムフィルタリングなど、サイトを安全に保つ機能が充実
パフォーマンスの向上 コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用して画像の読み込み速度を向上させ、ページの表示速度を改善
トラフィックの分析 訪問者の行動や人気コンテンツを分析するための統計情報を提供し、データに基づいた意思決定をサポート
SNSとの連携 新しい投稿を自動的にソーシャルメディアに共有する機能があり、コンテンツの露出を増やす
コンテンツ管理の簡素化 関連投稿の表示やカスタムコンテンツタイプの追加など、コンテンツ管理を容易にする機能を提供

JetPackのデメリットは以下の通りです。

デメリット 説明
パフォーマンスの低下 Jetpackは多機能なため、すべての機能を有効にするとサイトの表示速度が遅くなる可能性がある
インターフェイスの分かりにくさ 多くの機能が含まれているため、設定画面が煩雑になり、必要な機能を見つけるのが困難になりやすい
依存性の問題 各機能はWordPress.comのサーバーに依存しているため、接続に問題が発生するとサイトに影響を与える可能性がある
不要機能の肥大化 ユーザーによっては不要な機能が含まれているため、プラグインの肥大化を招く可能性がある

これらの特徴を把握したら、JetPackに何を求めているのか明確にして、必要な機能のみを有効化することが大切です。また、有料化を検討する際は、無料の類似プラグインを調べるのも良いでしょう。

まとめ

今回は、Jetpackのおすすめ機能をご紹介しました。

ニュースレターや収益化の支援機能があるのはおもしろいですよね。当方は使ったことはないですが、個人事業主にとってはありがたい機能と思います。

他にも様々な使い方がありますので、必要に応じて試してみて下さい。
ただ、TCDテーマには、Jetpackと類似する機能を実装しているものがあり、場合によってはテーマとプラグインが干渉を起こす可能性も少なくありません。プラグインを追加する場合には、バックアップを取ったり、前後でサイト状況を確認する等の注意をお願いします。

また、万一プラグインの干渉と考えられる状況が起きた場合は、以下の手順をお試しください。

  1. まず、すべてのプラグインをオフにしてみてください。
  2. これで改善するようなら、プラグインを1つずつ有効化してみてください。この際にエラーが発生したら、直前に有効化したプラグインと干渉している可能性があります。
  3. プラグインの操作で何も効果が無い様であれば、デフォルトテーマ(Twenty Eleven または Twenty Twelve など)を有効化して上記のプロセスをもう一度お試しください。

以上でJetpackの解説を終了します。たくさんの機能のある中から最適なものをお選びください。