Webデザインに携わった方なら、UI(ユーザーインターフェース)というと聞いたことがあるかもしれません。インターネットやスマートフォンの普及によって、昔以上にUIは重要とされています。使いやすいということが第一ですが、いざ良いUIのデザインを作ろうとすれば、迷う人も多いです。良いUIとは何か?もしも問題があるとすればどこを改善すればいいのでしょうか?
UIと似た言葉にUXというものがありますがコチラでUXに関しては触れています。
UX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉は、聞いたことはあれど、あまり馴染みがないかもしれません。意味を一言で現すならば、「ユーザー体験」となります。ユーザーが存在するものには常に存在するのがUX。サイト運営をしていても、UXは重要です。特にサービスや商品をサイトで販売するとなれば、快適にサービス...
UI(ユーザーインターフェース)って何だろう?
インターフェースは接点や境界線という意味があります。それは2つの物を繋ぐ接点です。デジタル機器であれば、それがデバイスでも、ソフトウェアでも、アプリでも、必ずインターフェースが存在します。パソコンであればマウスやキーボードがUIにあたり、スマートフォンであればボタンやタッチパネルがUIにあたります。これらはハードウェアのインターフェースとなります。WordやExcelなどの操作画面、アプリの操作画面もUIであり、ソフトウェアにおけるインターフェースです。WebサイトでのハイパーリンクやショッピングカートなどもすべてUIです。
UIはデザインによって形状や大きさなどが変化します。たとえば、様々な家電商品の電源ボタンで考えてみましょう。それぞれの機能特性に応じた配置、大きさ、押しやすさになっていたりするので、その見た目が大きく違います。冷蔵庫など電源がついていることが普通のものに関しては、見えるところに電源ボタンすらないというものもあります。このようにUIは、同じ目的や役割があってもデザインによって見た目が変化するのです。それは使用するユーザーの活用するシーンにおける使い勝手や、使用者の見た目の好みで満足度を左右してしまうことでもあります。
UIはユーザーが何かを操作するために必要となるインターフェースですので、UIをデザインするならば、使うユーザーにとって快適に操作できるように考える必要があります。ユーザーが受け入れない、または好まないUIは必然的に使われなくなっていきます。そのようなUIのソフトウェアなら売り上げが下がり、ウェブサイトであるなら再閲覧されにくくなることでアクセス数が下がります。
UIをデザインする際に大事なことは?
UIをデザインするなら、適当に行うのではなく、基本は抑えないとなりません。ユーザーに使ってもらえるようなデザインを考える必要があります。
ユーザーがストレスなく目的を達成できること
使いにくいUIは、ユーザーの希望する操作が行えない、ユーザーが目的の情報を得られないなどの不都合を発生させます。
たとえば、通販サイトでショッピングカートのページをデザインするとしましょう。商品販売ページから購入ボタンを押した後に、ショッピングカートの内容が表示されるとします。しかし決済方法入力、配達先住所など、これらを1つずつページに分けて、購入完了まで10ページ移動しないといけないとなるとどうでしょうか?ユーザーは「使いにくく手間がかかる」と感じるはずです。逆に、商品販売ページから購入ボタンを押した後に、すぐに購入完了しました、というページに移動し、決済方法も配達先情報もまったく不明だとどうでしょうか?これもユーザーにとっては使いにくいUIです。
優れたUIとは、ユーザーにとって無駄な情報がなく、なおかつ必要な情報があるデザインです。ユーザーがストレスなく目的を達成できるように、UIのバランスを考えてデザインするべきなのです。
デザイン4原則を押さえる
近接、整列、コントラスト、反復これがデザイン4原則です。
- 関連性が高いものは近接させる
- テキストや画像は整列させる
- 優先度の高い情報は色を付けるなどの強調をしてコントラストにする
- テキストや画像はUIでの配置は一列に並べるなど反復させて統一する
このような点を意識してデザインを行うだけでも、ユーザーにとって使いやすいUIになっていきます。
UIのこれから
UIは同じ枠組みの中で時代に合わせて進化していく側面(Win、Mac、WordPressのバージョンアップなど)と、新しいデバイスの登場、そして機能や性能の向上によって、急速に変化する側面があります。日々様々なデバイスが開発研究されていますので、今までにないような新しいUIも実用レベルで登場してきています。
音声認識
UIの歴史では、昔はCUI(キャラクターインターフェース)、キャラクター、つまりは文字によるコマンドプロンプトがありました。その後、マウスやウィンドウを使って操作するGUI(グラフィカルインターフェース)が登場し、今のパソコンやスマホのようなグラフィカルなインターフェースになりました。そして新しく登場したのが、音声UIです。
音声UIが使われている音声認識機能では、言葉で機器を操作することができます。代表的なのがカーナビでしょう。しかし音声認識はAIの性能が悪かったので、限られた部分や言葉でしか使えませんでした。近年はAIが向上してきて音声認識の精度も上がっています。最近の代表的な音声UIというとスマホの操作でしょう。音声での操作、さらには翻訳にも音声UIは活躍しており、その性能の向上はめざましいです。家電などの音声操作と、新しい分野での試みも始まり、音声認識家電の製品化も進んでいます。
VR(バーチャル・リアリティ)
VRというとバーチャル・リアリティであり、仮想現実などと言われます。最近ではYoutubeで活躍するバーチャルアイドルが注目されています。VRは仮想世界ですが、それは空想世界を題材にしたゲームなどよりは、現実世界を模した仮想空間のことを差します。VRを使ったインターフェースも、少しずつですが登場しています。たとえば仮想空間に賃貸物件の世界を作り、物件まで足を運ばずに内見できるようなシステムです。医療現場では患者の体内をVRで再現し、手術や治療の研修などで導入されています。VRゴーグルという、メガネのようなデバイスが登場しているので、よりVRを使ったUIは浸透していくでしょう。
まとめ
優れたUIデザインを作るには、まずは対象となるユーザーを選定する必要があります。高齢者が若い女性か、または子どもであるかなどです。次に対象ユーザーのニーズを考えます。そしてニーズに対して何を提供できるかと考えると、自然と何をデザインすべきか見えてきて、優れたUIデザインが可能となっていくのです。インターネットを中心としたITはこれから発展するであろう様々なUIと関連して、さらに拡大していきます。ウェブサイトに関しても、スマートフォンの登場により変化をしてきました。また程なく5G時代が到来することで高速通信を基本にした、よりリッチなコンテンツを求める声が急増するかもしれません。他のデバイスとの連携面ではボイスチャットで問合せができたり、360℃見渡せる動画コンテンツでその世界観を表現したり。次から次に誕生するデバイスに応じて変化することが求められるでしょう。進化をせずに甘んじていては、あっという間に取り残されてしまうかもしれないわけです。受け身にならずに自分たちがその変化を産み出してやる!くらいの気持ちでやっていかないといけないでしょう。