低予算で作成でき、利益率が高く、在庫を抱える必要もないデジタルコンテンツ。
インターネットでビジネスを展開するなら、デジタルコンテンツを売らないという選択はまずあり得ません。誰もがデジタルコンテンツを作るべきです。
インターネットを活用して収益性の高いビジネスを構築するなら、デジタルコンテンツ(デジタル商品)の販売がおすすめです。 デジタルコンテンツの販売は、小資本で始められ、利益率が高く、拡張性も高いといった多くのメリットがあります。会社員の副業や、フリーランス・個人事業主の新規事業としても最適です。 ...
では、具体的にどのようなデジタルコンテンツを作ればいいのか? デジタルコンテンツの種類は多種多様ですが、ここではE-BOOK、オンライン動画講座、会員制サイトの3つを厳選してご紹介します。
これらは情報を売る形で、いわゆる“インフォビジネス”に該当します。数あるデジタルコンテンツの中でも原価が非常に安いため高い利益率を確保できるメリットがあります。
クリエイターの方や制作代行、コンサルといったビジネスを営んでいる方は特に、インフォ系のデジタルコンテンツを販売することで収益を大きく伸ばせる可能性があります。ぜひ作成にチャレンジしてみてください。
目次
E-BOOK
E-BOOKはテキスト情報で構成されたデジタルコンテンツです。電子書籍やPDFレポートとも呼ばれます。
昔は「E-BOOK? なんか怪しい」 「それって情報商材でしょ?」 といった目で見られがちでしたが、今は違います。
Amazonに行けばたくさんの電子書籍が販売されていますし、コンテンツマーケティングの普及で多くの企業がノウハウや事例をPDFレポートにまとめて配布しています。怪しいビジネスとして捉えられることはまずありません。
E-BOOKのメリット・デメリット
E-BOOKのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | |
技術的ハードルが低い | 上手い・下手の差はあれ、文章を書くこと自体は誰でもできる。難しいITやWebの知識・技術が要求されることはない。 |
多くの人に受け入れられている | 多くの人が何かしらのE-BOOKをダウンロードした経験がある。どんなものが手に入るのか、大体のイメージが付くため、受け入れてもらいやすい。 |
デメリット | |
執筆や編集に手間と時間がかかる | 慣れていないと、文章作成は非常に時間がかかる。理解しやすい構成や読みやすい文章に整える編集・校正作業の手間も発生する。 |
高単価では売りづらい | テキストベースのE-BOOKは知覚価値に限界があるため、高い値段を付けづらい。E-BOOK単体で大きな収益を得ることは難しい。 |
販売価格の目安
E-BOOKの販売価格の目安は、1,980〜3,980円です。
E-BOOKを高単価で売ることは正直難しいです。情報商材系のマーケットであれば、数万円の価格帯でもある程度は受け入れられますが、多くの人の感覚としては、E-BOOKに数万円は「高すぎる」 となります。数千円で買える書籍が比較対象になるのも、高単価を設定しづらい要因です。
E-BOOK単体で儲けを生むのは難しいので、リード(見込み客)獲得用のコンテンツとして、無料もしくは格安(100円など)で提供するのもいいでしょう。
リード獲得とは、これからお客さんになる可能性のある「見込み客」を獲得することです。売上と利益を上げるには、効率的なリード獲得が欠かせません。 本稿ではリード獲得の意味と方法を解説しています。 リード獲得とは? リード獲得(Lead generation)とは、お客さんになってく...
競合が有料で販売しているのと同等のものを無料・格安で提供するのは、リードを大量に獲得するための強力な戦略です。
製作コストの目安
ライティングから編集・校正、デザインまで、すべての工程を自分一人でこなせば、直接的な製作コストは0円です。
ただ、編集・校正やデザインは素人が手を出すとクオリティに問題が生じやすいので、できればプロに依頼することをおすすめします(知覚価値に影響する表紙デザインは特に)。
以下、フリーランスに依頼した場合の製作コストの相場です。
カテゴリ | コストの目安 | 参考 |
編集・校正 | 10,000~30,000円程度 | >>編集・校正の出品パッケージ(ランサーズ) |
表紙のデザイン | 10,000~20,000円程度 | >>表紙デザインの出品パッケージ(ランサーズ) |
おすすめのツール・サービス
E-BOOKの作成に便利なおすすめのツール・サービスをご紹介します。
Canva
豊富なテンプレートや素材を駆使して、視覚的に美しい文書を簡単に作成できる。表紙のデザインも作成可能。無料プランあり。
>>Canva 公式サイト
Pages
Apple製の文書作成ソフト。Microsoft WordやGoogleドキュメントと比べると、より優れたデザインの文書を直観的に作りやすい。無料。
>>Pages 公式サイト
オンライン動画講座
オンライン動画講座は今現在のトレンドです。
UdemyやVimeoなどの動画作成・管理・販売のためのプラットフォームも充実しており、動画を作ったり販売したりするハードルは以前よりもだいぶ下がっています。
オンライン動画講座のメリット・デメリット
オンライン動画講座のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | |
動画は現在のトレンドである | YouTubeやスマートフォンの浸透により動画視聴は当たり前の日常になっている。UdemyやVimeoなどのプラットフォームの存在も追い風に。 |
高単価で売りやすい | 動画は一般的に、テキストや音声情報よりも知覚価値が高く(媒体が変われば価値も変わる)、単価を上げやすい。 |
デメリット | |
スピーキングスキルが要求される | 論理的なわかりやすさや声の印象、トーンなど、動画のクオリティを担保するには、ある程度のスピーキングスキルが必要。 |
向き・不向きがある | 顔を出さずAI音声が原稿を読み上げるタイプの動画もあるが、やや単調になる。基本的には顔出し+肉声を推奨するが、それに抵抗があると動画(特にライブ配信)は厳しい。 |
販売価格の目安
販売価格の目安は、2〜3時間程度のボリュームで19,800〜49,800円です。
なお、オンライン動画講座は、リアルタイムのライブ配信(ウェビナー)と、録画された動画のオンデマンド配信の2種類があります。
オンライン動画講座を販売する際は、ライブ配信コースとオンデマンド配信コース(ライブ配信を録画したものを後日送付)の2つの参加コースを用意するのがおすすめです。オンデマンド配信コースは価格を5,000〜10,000円ほど下げておきます。いわゆる「ダウンセル」 の手法で、購入率をアップできます。
製作コストの目安
動画のスライドはPowerPointやKeynote、Canvaなどのツールを使えば自分で作ることができます。
ただ、デザインの知識や経験、センスがないと素人っぽさが出やすいです。ベースは自分で作成するとしても、デザインのブラッシュアップや修正はプロに外注することをおすすめします。
音声と映像の合成や字幕追加といった編集作業も、手間と時間、品質を考えれば外注したほうがいいでしょう。
以下、フリーランスに依頼した場合の製作コストの相場です。
カテゴリ | コストの目安 | 参考 |
スライドのブラッシュアップ・修正 | 10,000~60,000円 | >>スライド作成・編集の出品パッケージ(ランサーズ) |
動画編集 | 10,000~20,000円 | >>動画編集の出品パッケージ(ランサーズ) |
おすすめのツール・サービス
オンライン動画講座の作成や配信に使えるおすすめのツール・サービスをご紹介します。
Canva
デザイン性の高いスライドを簡単に作成できる。「プレゼンと録画」 機能を使えばCanva上で動画撮影も可能。大抵の動画はCanva単体で完結する。無料プランあり。
>>Canva 公式サイト
Keynote
Apple製のスライド作成ソフト。Microsoft PowerPointやGoogleスライドと比べると、より優れたデザインのスライドを直観的に作りやすい。無料。
>>Keynote 公式サイト
Zoom Webinars
ライブ配信(ウェビナー)に特化したツール。洗練されたZoomのUIを使用しており設定がシンプルで簡単。有料。
>>Zoom Webinars 公式サイト
Udemy
オンライン動画講座の販売に使えるプラットフォーム。Udemyの集客力により、知名度がない状態でも動画販売の仕組みを持てる。会員登録や講座登録は無料。売上に対する手数料が発生する。
>>Udemy 公式サイト
Vimeo
動画のアップロードや管理、編集、ウェビナー開催などの機能を備えた総合プラットフォーム。無料から使用可能(ウェビナー開催は有料プランへのアップグレードが必要)。
>>Vimeo 公式サイト
会員制サイト
会員制サイトは継続課金を狙えるデジタルコンテンツです。上手く軌道に乗れば、毎月安定した収益をもたらしてくれます。
会員には毎月1回、最新のコンテンツがサイト内で提供される形が一般的です。毎月のコンテンツ以外にも、会員になった時点で受け取れる特典コンテンツを多く用意することで売りやすくなります。
会員制サイトのメリット・デメリット
会員制サイトのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | |
継続課金モデルを作れる | 毎月最新のコンテンツをサイト内で提供する継続課金モデル(サブスクリプション)を構築することで、収益が安定する。 |
デジタルコンテンツ販売のハブ(中核)になる | 会員制サイト内に、PDFレポートやオンライン動画講座の販売ページや単発コンサルティングなどへの導線を用意すれば、デジタルコンテンツ販売のハブ(中核)として機能する。 |
デメリット | |
サイト構築の手間がかかる | 会員制サイトの構築に手間と時間がかかる。会員制サイト構築向けのデザインテンプレートを使えば効率化はできる。 |
プラットフォームに頼れない | 集客力のあるプラットフォームに依存せず自前でサイトを立ち上げるので、集客の工夫と努力が必要。 |
販売価格の目安
会員制サイトの販売価格の目安は、月額2,980円〜10,000円程度です。毎月のコンテンツ更新に加えて、個別コンサルティングやチャット質問権利などで手厚くサービスするなら、価格を高く設定できます。
製作コストの目安
会員制サイトの製作は敷居が高く感じられるかもしれませんが、WordPress(ワードプレス)を使えば比較的簡単かつ安価に作成できます。
WordPress(ワードプレス)をご存じですか? WordPressとは、無料で使えるCMS(コンテンツマネジメントシステム)のことです。個人ブログから企業のコーポレートサイト、オウンドメディアまで、さまざまなWebサイトを構築できます。 WordPressの市場シェアは世界中のWebサイトの...
以下、WordPressで会員制サイトを構築する際のコストの目安です。
種類 | 初期費用 | ランニングコスト |
ドメイン取得費 | 1〜4,000円 | 1,400〜4,000円/年 |
サーバー契約費 | 無料〜 | 500〜5,000円/月 |
デザインテンプレート購入費 | 無料〜49,800円 | – |
デザインテンプレートの購入費は、購入するテンプレートによってかなり幅があります。会員制サイトの構築に特化した高機能なテンプレートは、ある程度の値段(目安として40,000円~)がしますが、そうでないテンプレートの場合、10,000~20,000円程度で購入できることが多いです。
TCDテーマの場合、会員制サイトの構築に特化したテンプレート「EVERY」 や「ZOOMY」を販売しています。それら以外のテンプレートでも会員制サイトの構築は可能なので、気になる方は以下のページからお気に入りのテンプレートを探してみてください。
なお、会員制サイトを構築するには、サイト構築費のほかに継続課金の決済システムの導入費も必要です。以下、決済システム導入費の一例です。
決済システム | 初期費用 | 月額費用 | 手数料 |
PayPal | 0円 | 0円 | 3.6% + JPY 40.00 / 件 |
インフォトップ ※クレジットカード決済の場合 |
0円 | 0円 | 商品価格5,000円以下:1決済につき販売額の9.38%+トランザクション手数料146円)+税 |
商品価格5,001円以上:1決済につき販売額の9.38%+トランザクション手数料196円)+税 | |||
PAY.JP ※ベーシックプランの場合 |
0円 | 0円 | 3.0~3.6円 |
おすすめのツール・サービス
会員制サイトの作成に使えるおすすめのツール・サービスをご紹介します。
WordPress(ワードプレス)
世界シェアTOPのCMS(コンテンツ管理システム)。ダウンロードは無料。デザインテンプレートを活用することで、会員制サイトを手軽に構築できる。
>>WordPress 公式サイト
エックスサーバー
安定性や速度に優れるレンタルサーバー。WordPressをインストールするために必要。無料でお試し可能。
>>エックスサーバー 公式サイト
お名前.com
会員制サイトを公開するための独自ドメインを取得できる、国内シェアTOPのサービス。頻繁にセールを開催しており、安価でドメインを取得しやすい。
>>お名前.com 公式サイト
PayPal(ペイパル)
世界中で利用されている決済代行サービス。継続課金の決済システムを導入するのに便利。初期費用や月額料金は無料。1決済あたりの手数料は「3.6% + JPY 40.00」 。
>>PayPal 公式サイト
デジタルコンテンツ 15の具体例一覧
商品 | 事例 |
E-BOOK | note |
オンライン動画講座 | Udemy |
会員制サイト | DMMオンラインサロン |
ライブ配信(ウェビナー) | Vimeo |
音声配信 | Voicy |
ネット小説 | エブリスタ |
写真素材 | アマナイメージズ |
動画素材 | shutterstock |
音楽・音源素材 | Audiostock |
クリエイティブツール | Adobe |
セキュリティソフト | Norton |
ゲーム | Steam |
WEBサイトテンプレート | TCD |
ソースコード | CodeCanyon |
書式テンプレート | bizocean |
このようにデジタルコンテンツはさまざまな種類があります。
ただ、デジタルコンテンツの分野は大手企業も続々と参入し、すでに勝敗が決している分野も多いため、これからコンテンツビジネスを始めるなら、参入障壁の低いE-BOOK、オンライン動画講座、会員制サイトの3軸をおすすめします。
これら3つのデジタルコンテンツは、お互いに連動させることがポイントです。
たとえば、E-BOOKを無料もしくは格安で提供して見込み客リードを獲得し、そのリードに対して会員制サイトを売る。会員制サイトでは毎月1回程度、新たなオンライン動画講座を提供して、継続課金を確保する・・・といった運用方法が考えられます。
これはどのような業界・業種でも再現可能なモデルです。
「自分のビジネスはそういうのじゃないから・・・」 「情報を売るのはちょっと難しいんですよ・・・」と敬遠せずに、ぜひ、デジタルコンテンツの販売にチャレンジしてみてください。
なお、TCDでは、デジタルコンテンツ販売に特化したWordPressテーマ「common」 を販売しています。
デジタルコンテンツに適した高機能な商品販売ページや、あらゆる箇所から商品ページへ繋げられる導線設計が大きな特徴です。以下の記事でcommonの特徴や機能をまとめていますので、よければぜひご覧ください。
今は、誰でもネットショップを簡単につくれる時代です。 さまざまなネットショップ作成ツールのほか、テキストコンテンツを販売できるnoteや写真素材を販売できる「Shutterstock」などもあります。 こうしたプラットフォームを利用した販売形態は、手軽に販売をスタートできるメリットはあり...
第1回:デジタルコンテンツとは?
第2回:おすすめのデジタルコンテンツは?(当記事)
第3回:デジタルコンテンツ販売対応のWordPressテーマ
第4回:デジタルコンテンツの売り方
第5回:デジタルコンテンツ作成のおすすめツール
第6回:デジタルコンテンツが売れない原因と対策
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